「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

             東京にタクシーが走って百年

2012-08-06 06:01:38 | Weblog
タクシーの車内にあったパンフによると、東京の数寄屋橋に最初のタクシー会社が出来て今年で百年だという。百年前の大正元年(1912年)8月5日、6台のT型フォード車で営業を開始したのが東京でタクシーが走った始まりだそうだ。現役を卒業してすでに20年余、最近はすっかりタクシーのお世話になることが少なくなったが、色々と想い出がある。

僕が母親や叔母に連れられて最初にタクシーに乗った記憶は昭和11年、五反田駅から品川の荒神さまの春の祭礼に出かけた時だ。当時タクシーは”円タク”と呼ばれ、東京市内はどこへ行っても1円という制度だったが、母親たちは運転手と交渉して1円以下で乗った気がする。距離が短い時は例外だったのだろう。タクシーは皆黒塗りの箱型の輸入車で、後部座席には向かい合う形の補助席があった。運転手のほかに助手が乗っていた記憶があるがはっきりしない。後年、昭和37年、初めてロンドンに出かけたとき、幼児の時乗った同じ車種のタクシーが走っていて懐かしかった。

戦争が激しくなりかけた昭和17年秋、小学生だった僕は学校の参宮旅行で伊勢を訪れたが、何故か駅前のタクシーがすべて木炭車だったり、タクシーのボディを馬が引っ張っていたのを覚えている。しかし、まもなく、この木炭車のタクシーも日本全国から姿を消してしまった。戦後タクシーが復活したのはいつ頃からか、はっきりしないが、25,6年頃ではなかっただろうか。輸入したフォルクスワーゲンやルノーなどが走っていた。

国産車が本格的にタクシーに登場したのは30年代になってからで、それとともに”神風タクシー”とか”雲助タクシー”などといった好ましくない汚名も聞かれた。高度経済成長期の頃だ。しかし、最近は不況のためか、サービスもよくなってきて、近距離でも乗車拒否にあったことはない。

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2 コメント

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不景気 (chobimame)
2012-08-06 16:17:17
タクシーに100年もの歴史があるとは知りませんでした。大正などは人力車のイメージしかありません。先日乗車したタクシー運転手の話では、雪や雨でないと稼げないそうです。しかしそれも効率的な稼ぎにはならないそうです。不景気はタクシーに直結しているそうで、消費税のアップでまた乗客が減るのではと懸念しているみたいです。社用族が使わないと厳しいのかもしれませんね。最近ではカラオケの出来るタクシーなどもあるそうです。
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高度成長期 (kakek)
2012-08-06 18:03:09
chobimame  さん
地方都市へ行くと駅前に客待ちのタクシーが列を作っています。これで稼げるのか心配ですが、運転手のほとんどが年金で生活している年寄りか、農家のパートだそうですね。東京でも最近はどうなのでしょう。深夜繁華街でうろつくことがなくなったので解りませんが、不況で社用族も少なく大変でしょう。高度成長期には深夜、タクシーが見つからず困ったことがありました。あの時代は運転手もえばっていましたが、今は近距離の乗車拒否はなくなりましたね。
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