元農水省次官（７６）が自宅で無職の長男（４４〉を包丁で切りつけ殺し逮捕された。警察の調べだと、息子は無職で、日頃から元次官への暴行が絶えず、これでは社会にも迷惑をかけるのではないかと心配しての犯行のようである。長男は働き盛りの４０歳代だが、定職がなくいわゆる”中年ニート”だったみたいだ。僕は先日、川崎市登戸で起きた学童ら２０人殺傷事件が思い浮かんだが、元次官の頭の中にも犯行前、息子が同じような犯罪を起こすのではないかという不安があったという。
新聞の記事によると、事件の直前にも息子が近所の学校の音がうるさいと言い出し、父親と口論していたらしい。推測だが、日頃の息子の言動から、短絡的に息子が社会に迷惑をかけはしないかと思ったに違いない。中央官庁の次官といえば、功成り、名を遂げた社会的に羨望の的だが、家庭内にはこういった他人には言えない悩み事もあるのだ。
僕の書斎の柱に菩提寺から頂いた格言つき月めくりのカレンダーが貼ってある。６月の格言は”ひとつ ひとつ いのち輝く”である。いのちはそれぞれが尊いのだ。その輝きがあなたにも私にも宿っているという意味である。川崎の事故現場には犠牲者を悼む花束や供物がうず高く積まれ、手を合わせる人があとを絶たない。ひとつしかない生命である。農水次官氏は、輝くいのちの尊さに気がついて貰いたかった。自分の単なる過去の名誉を守るための犯罪だったのだろうか。
”中年ニート”の社会現象は想像以上に日本の社会の病根に見える。超高齢化時代、やがて”高齢ニート”の時代がやってくる。生活保護など対策は大丈夫なのだろうか。
廃校後をニートの住居アパートにしたそうです。
全国から来た20名程が現在住んでいるとか。
過疎で高齢者ばかりの10人足らずの村だそうで、ニートの手も借りたいという感じらしく、村役場の主催なのか村の高齢者と食事会があったり、祭りを一緒にやったりしているそうです。
その村がどうなっていくかはわかりませんが、自宅から出られる人は、たぶん本人も改善したいからなのだと思います。
社会全体で幸福度が高い国は、めったに犯罪がないそうですが、日本には閉塞感しかありませんから、ニートも犯罪も増えていくのでしょう。
精神科には10代、20代の患者が増え続けているそうです。
オリンピックくらいでは、幸福度は増しませんね。
総中流社会と言われていた時代が一番良かったかもしれません。
引き篭りは現代社会の病根ですね。競争社会についていけない人間には、ご紹介のような、農耕お中心にした集団生活がよいと思います。
推察ですが、元次官は東大出で、一人息子に対しても過分な期待を持っていたのでしょう。高官だった見栄からの犯罪です。
「８０５０」問題というそうですが、社会全般の問題です。