「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

鄭和と小浜の象

2006-05-04 06:50:57 | Weblog
昨夜NHKならではの大作「鄭和」をテレビで見た。そして、改めて
15世紀のはじめ鄭和の時代に小浜(福井県)に渡来した南蛮船に
思いをはせた。

小浜の中湊浜へ日本国王宛の進呈品、象、オウム、孔雀などを積んだ
南蛮船が着岸したのは足利三代将軍義満の逝去直後の応永15年(1408)
である。鄭和が明の永楽帝の命を受けて第一回の南海大遠征に出発
したのは1405であるから、ほぼ同時代である。古文書などから小浜の
南蛮船の持ち主は「亜列進卿」で、明史にも出てくるパレンバン
(インドネシア)居住の華僑、施進卿(Shih Chin-ching)だと推定
されている。

将軍足利義満は1401年「日本国王」として明に朝貢している。明の高官
鄭和は当然それを知っている。パレンバンの施進卿は鄭和の遠征に
協力した功で「宣慰使」に任命された人物と、明史には書いてある。
鄭和の南海遠征は明の朝貢外交の一環である。このようなことから
「鄭和」「亜列進卿」「小浜の象」を一つに結ぶ線があるように思えて
ならない。将来の研究に待ちたい。
 



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