「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

          "モーレツ!”時代の悲劇

2008-10-25 04:25:21 | Weblog
秋は”偲び,偲ばれる”季節である。このところ学校や職場のOB会が毎週のように
ある。昨日も半世紀ほど前勤めていた職場の会に出た。いつの間にか僕も”長老
の仲間入りした。入社してから55年だが、もう僕より先輩は二人しかいない。それ
どころか僕より後に入社した仲間が12人も鬼籍の人だ。

後期高齢者といっても”超”がつく世代ではない。学校時代や他の職場のOB会で
は、こんなに死亡率は高くない。この原因は何なのか、僕なりに考えてみたら、ど
うも夜勤当直勤務が多かったことに起因しているみたいだ。

J・F・ケネデイが暗殺された頃、僕は新聞社で外国関係の仕事をしていた。時差の
関係で僕は週に3回も当直勤務があった。夜8時に出勤、ニュースの締め切りの午
前4時まで仕事して仮眠、次の日正午までの勤務だった。週3回というのは月にす
ると12回から13回の当直である。

先日新聞に東京の病院勤務の小児科医の自殺をめぐって、東京高裁の裁判長が
”当直が増え、過重な勤務が鬱病を発症した”と仕事と自殺との因果関係について
認めた。小児科医は当時、月10回ほど当直勤務についていた。

僕は40年前の当時を思い起こした。仲間の一人は不眠症になり、当直室でいつも
睡眠薬をぼりぼりかんでいた。僕も不眠症克服のため鎌倉の禅寺にこもったことが
あった。あの時代はテレビのCMではないが、日本全体が”モーレツ”の時代で、世
界から日本人はworkholic(仕事の虫)と悪口をいわれ、逆にそれを誇りにしていた。
国の発展には寄与したが、若くして亡くなった人は不幸だ。


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