「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

            時代を反映する年賀状

2010-12-20 07:01:31 | Weblog
昨日の日曜日は一日、年賀状書きで追われた。馬齢を重ねると賀状を書く枚数も減ってくるが、それでも150枚ではたりない。しかし、これも後数年かもしれない。毎年、賀状を交換している先輩の中に"新年のご挨拶は、本年限りと致したく、ご了承を"と言った類の書状を貰うことが多くなってきた。

年末に当たって、書庫の整理をしていたら亡父が残していた戦前の年賀状の書き損じが出てきた。明治生まれで几帳面だった亡父は、毎年賀状を印刷し友人、知人に出していたが、記念として毎年書き損じた一枚を残していたものだが、これをみると、一枚一枚がその時代を反映していて興味深い。

例えば大正天皇が崩御された(大正15年12月25日)翌年昭和2年元旦は、年賀状ではなく「諒聞缺禮」と記した挨拶状である。昭和5年は新年のお歌会初に合わせて、賀状には「君が代」の五線譜と歌詞が印刷してある。また昭和13年の賀状は「赫々たる御稜威の下、皇軍至ところで連戦連勝 領春」とある。今のお年玉つき郵便が始まったのは戦後の昭和24年からだが、その時の料金は2円であった。

E-メールの普及で若い世代の間では年賀状離れが進んでいるようだが、僕らの周囲ではあまり、そうは感じない。しかし、歳には勝てない。"賀状の制作が重荷になってきた”という挨拶状もあった。しかし、年に1回のことだ。自分が生きている”あかし”として僕は生きている限り出したいと思っている。

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2 コメント

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今年は買いました (chobimame)
2010-12-20 16:54:48
私もここ数年はメールなどでさっさと済ましてしまいますが、それではいかんと今年は年賀状を買いました。何でも簡略化してしまうのも考えものですね。御父様の年賀状はとても興味深いです。今の時代なら右翼かと言われそうですが、本来日本の年賀状はこうあるべきという感じがします。形の残るものは時代の空気まで感じられて良いです。
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その時代 (kakek)
2010-12-20 17:26:59
chobimame さん
戦前ごく普通の日本人でした。明治生まれの日本人は、年賀状にあまり自分や家族のことは書かなかったみたいですね。わが家では、今年は老夫妻の台湾旅行の写真を、二人を知る50人に出し、残りは普通の賀状を出しました。仕事を持っていた時は面倒でしたが、今は時間があまるほどありますから。
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