インドネシアのジャワ島とスマトラ島の間に位置するスンダ海峡のクラカトワ島水域の海底火山が爆発し、それによって発生した大津波で288名が死亡、被害はさらに拡大しそうである。クラカカトワは1883年(明治16年)5月の海底爆発でできた無人島で、当時4万人が死亡、爆発による灰が地球を3周して世界規模の異常気象をもたらした。その津波は鹿児島市の甲突川にまで届いたという記録がある。
1990年、僕は大東亜戦争で日本軍がジャワ島に上陸した地点の一つ、バンタムへ調査に出かけた際、近くのチャリタという海岸に一泊した。チャリタは、インドネシア語のチェリタ(言い伝え)がなまったもで、1883年の大爆発で、この海岸に多数の遺体が流れ着いたものだと聞いた。クラカトワへは観光船も出ていて戦前、虎狩りの殿様としてしられる徳川義親候も1928年、バタビア(ジャカルタ)での学術会議に出席したあとクラカトワを視察している(「じゃかるた紀行」中公文庫)
クラカトア海域では,西暦535年にも大爆発した記録がある、世界中が降灰により異常気象となり、気温の低下、洪水などで大被害が出ている。爆発は数十年ごとに起きており。徳川候が視察した数年前にも爆発により、新しい小島が誕生している。日本と同じインドネシアは火山国の宿命で被害が絶えない。過去の被害をチェリタ(言い伝え)を教訓として残したい。
災害は防ぎようがないので嫌ですね。
未然に察知出来るようになる時代が来るのはいつでしょう。
クラカトア海底火山は今年6月から活動期に入り、噴火を繰り返していたそうです。噴火はジャワ島の海岸からも見えたとも思います。でも125年前の噴火と同じように津波が発生するとは、インドネシアの研究者は予測できなかったのでしょう。江戸時代の桜島の噴火でも津波があったそうです。津波被害先進国の日本は世界にリードして研究に当たるべきですね。
20数年前、チャリタ海岸に1泊したとき過去の被害の被害の言い伝えを聞きましたが、それが津波によるものとは知りませんでした。