「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

災害援助と異文化理解

2006-07-25 06:03:15 | Weblog
インドネシアの邦字紙「じゃかるた新聞によると、ジャカルタ在住の日本
企業120社で組織している「ジャパン・クラブ」(JJC)は、さる5月の
ジョクジャカルタ地震にさいし、会員から約6,400万円集め、被災地の
小学校5校の復興資金に寄贈した。そしてこのほど会長みずから学校の
地鎮祭に立ち会った。JICでは一昨年のスマトラ沖津波被害のさいにも
会員から集めた義援金、約8,000万円をインドネシア赤十字社経由で寄贈
したが、先方からは一枚の礼状と復興支援概観というパンフが届いただけで
あった。

この国では過去においてもそうである。我々が善意から支援してもそれが
"目に見えた形”で帰ってこない。目に見えなくとも、それが災害支援に
正しく使われていればよいが、政治家や政府高官のポケットに不正に使用
されている、という報道があまりにも多い。日本の新聞の投書欄にも、
日本政府は、政府からの支援金についても、インドネシア政府にその使途を
明らかにするよう申し入れるべきだとの主張があった。わが国も台風、地震など
自然災害国であり、現実に今回の大雨で被害にあっている人も多い。

知インドネシア派の一人である僕もまえまえから、この件については腹が
たっている。個人的にもわずかな年金の中から、なけなしのカネを寄付しても
礼状どころかナシのつぶてである。原因はこの国の大半を占める、イスラム
思考、つまり富者が貧者に喜捨するのは教徒しての義務だという考え方から
のようだ。が、我々は、イスラム教徒ではない。困った時はお互い様という
善意によるものだ。恩を売る気持ちは毛頭ないが、お互いに異文化を最低限
理解しあいたいものだ。










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