「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

吉屋信子「通州事件」 ユネスコ記憶遺産資料として英訳

2016-07-23 08:34:44 | 2012・1・1
「史実を世界に発信する会」(http://hassin.org)から2017年度のユネスコ記憶遺産への登録に向かい申請活動を行っている資料として吉屋信子著「戦火の北支を行く」(主婦の友 昭和12年9月号)の原稿の英訳が完成した、と連絡があった。

「通州事件」とは昭和12年(1937年)、支那事変の発端となった「盧溝橋事変」直後の7月29日深夜、北京郊外の通州で、中国保安隊の叛乱である。当時通州には北京の戦乱を避けて多数の日本人が居住していたが、380人もが一夜にして虐殺された。当時の新聞は”比類なきき鬼畜行動 我居住民に暴虐の極み”(東京日日新聞)と大きく伝えている。

当時の女流人気作家だった吉屋信子は、この事件のすぐ後、通州を訪れ記事にしているが、たまたま僕の先輩の同盟通信記者だった安藤利夫さん(故人)も事件に巻き込まれたが、幸い、九死に一生難を逃れた。安藤さんは仲間内から”安藤通州”とあだ名されいたが、彼が語る体験は、この世のものではなく、聞くにたえなかった。

ユネスコは2015年、中国政府から申請のあった「南京虐殺」について記憶遺産として受理したが、本当に数十万人単位の虐殺が行わたのだろうか。資料は中国側だけで、日本側の資料はない。これに対して、中国側「通州事件」について、中国側は記憶遺産として残そうとはしていない。史実を世界に発信する会の努力に感謝する。なお、吉屋信子の原稿は、主婦の友を創設した「石川武美図書館」(神田駿河台)で読むことが出来る。

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1 コメント

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言われるがまま (chobimame)
2016-07-24 07:11:57
何故日本は、言われるがままなのでしょうか?
確かに戦後処理の過程で、多くの資料が消えています。
しかし、南京大虐殺に関しては、年々被害者数が増えているおかしさもありますし、中国人同士の虐殺もあります。
日本も政府主導で、本気になって歴史の検証をしなくては、作られた歴史に頭を下げるようになります。
事なかれ主義や臭い物に蓋ばかりした結果、今の状態にあるのですから、もっと真剣にやらねば取り返しがつきません。
バカな国家議員ばかりなので、日本がどんどん沈んでしまいます。
本当に腹立たしい限りです。
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