「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

軍人出身大使から日本留学体験の大使へ インドネシアこの半世紀

2014-08-18 06:01:45 | Weblog
昨日在京のインドネシア大使館で催された69回独立式典に参加して、つくづくこの半世紀の日イ関係の推移を感じた。僕は1966年から67年にかけて新聞社の特派員としてジャカルタに勤務した。ちょうどスカルノ(初代大統領)からスハルト(第二代)への移行期であったが、当時さかんに45年世代、66年世代という言葉が使われいた。今では45年世代は、独立実現と社会改革を進めた世代、66年世代は、経済の発展と社会安定を達成した世代と定義されているようだが、当時45年世代はどちらかというと、スカルノで代表される、古い分からず屋というう意味合いもあった。

この半世紀、少し乱暴の言い方だが、インドネシアの政治はユドヨノ現大統領まで66年世代が動かしてきた。スハルト大統領もユドヨノ大統領軍人出身者であり、ハビビ、ワヒド、メガワティにしても世代的には66年世代であった。しかし、この66年世代も交替期にきているようだ。それが先日行われた大統領選挙で、軍人出身のブラボゥオ候補が、庶民派といわれるジョコ・ウイドド候補に敗れたことだ。ジョコ次期大統領は、軍人出身ではなく、独立に深くかかわった政治家一族でもない。ブンガワン・ソロの歌で知られるスラカルタ市長を経てジャカルタ特別州の市長である。

独立式典を主宰したユスロン大使は、今年2月赴任した方だが、筑波大学に留学、博士号をお持ちなっており、当然日本語も流暢である、お見受けしたところ若く、66年世代ではない。インドネシアと国交が樹立されて今年で56年だが、当初、インドネシアの大使といえば,軍の参謀総長を経験者したバンバン・スゲン将軍ら歴代軍人出身者であった。しかし、ここ10年以上は」経済に明るいエリート官僚が続いている。ジョコ新大統領の下、新しい日イ時代に入る。それだけにユスロン大使への期待も大きい。

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4 コメント

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時代の節目 (lordyupa)
2014-08-18 20:27:09
大東亜戦争の時代、アジア(中東、西アジア、東南アジア)、アフリカ、中南米など、欧米以外の世界の大半の地域は、西欧列強(連合国側も枢軸国側も含めて)の植民地となっていました。台湾と韓国は日本の植民地でした。シャム王国ぐらいが例外中の独立国でした。大東亜戦争後に、これらの植民地では、支配者である欧米列強に対する独立戦争が展開され、軍人が独立運動を主導する事態が多かったと思います。そのため、大半の国々では、政治リーダーがその後数十年にわたって軍人出身であることが多いのだと思いますが、経済社会の発展につれて、いつかは、軍人から民間人のリーダーへと紆余曲折をたどりつつも、民主主義社会が形成てゆくのだと思います。インドネシアについては、私は知りませんが、台湾において李登輝が果たしたような役割を担う非軍人のリーダーへと替わることは望ましいと思います。インドネシアが、中国のようなグローバル資本主義の赤裸々なジャングル差別社会へと向かうのではでなく、台湾のように幸福な中流階層が手厚い社会へと飛躍発展することを祈念します。
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Unknown (chobimame)
2014-08-18 20:27:19
軍人出身の大統領は、やはり経済は暗いのでしょうか?確かに考え方としては、かなり違いますから無理はありませんが。
インドネシアも混乱した時代が長かったですよね。これからは安定政権で、日本とも今まで以上に仲良く付き合えたら良いですね。
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先人の精神 (kakek)
2014-08-19 08:09:48
lordyupa さん
かっての植民地が民主政権に移行する過程で軍事政権はやむを得ないのでしょうか。スハルト政権もいってみれば軍事政権でした。インドネシアとの関係も戦時中の義勇軍や兵補を通じての友好でしたが、もうその時代に生きていた世代は両国と少なくなってきています。しかし、先人たちが築いた、この関係を将来へ向けて維持したいものです。その点、福田康夫元総理が、厳父赳夫氏の精神を引き継いで、早朝の式典に顔を出されるのは心強いです。
ニャンマ―もやっと軍事政権が終わりつつありますが、
せっかく戦時中築いた関係が、この20年欧米外交に追従して希薄になってしまったのは残念です。
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発展過程では (kakek)
2014-08-19 08:17:23
chobimame さん
数えたことはありませんが、中南米、アフリカでは、まだまだ軍事政権が多いのでは。暫定的ですが、政治不安定のタイ、エジプトも今は軍事政権です。途上国の発展過程では仕方がないのでしょうか。わが国も戦前、それに似た政権がありましたね。
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