「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

夏みかんの酢っぱかった想い出

2017-05-16 06:35:49 | 2012・1・1

散歩の途中、近くの古刹の禅寺の脇道を通ったら、冬の間、たわわに実っていた夏みかんがいつのまにか、頂きを除き収穫されていた。(写真)。東京生まれ、東京育ち、自然の草花樹木について、僕は恥ずかしながら、80歳半ばをすぎながら、まったく知識がない。初詣での際、この夏みかんを見た時には”美味しそうなのにもったいない。酢っぱいから実を取らないのだろう”と勝手に想像していたが、やはり収穫の季節があったのだ 。

戦前昭和の時代、東京では5月から6月にかけてのこの時季は、果物の端境期であった。高級果物店(水菓子店)を除く一般の八百屋の店先には夏みかんが、がらりと置いてあるだけだった。今と違って、果物は露地栽培だけだったので、夏果物が出回るまでの、この季節は閑散としていた。

今は品種改良されて、いろんな名前のついた夏みかんが出回っているが、昔の夏みかんは酢っぱくて、そのまま食べられるものではなかたった。どこの家庭でも砂糖をつけたり、重曹をまぶして酢を中和させて食べたものだった。子供ながらに、とても美味しいとは思わなかったが、母親からビターミンCが、たっぷり入っているからと無理に食べさせられた。

このブログを書くに当たってのにわか知識だが、夏みかんは必ずしも今が収穫季節ではないようだ。市は場の需要供給にあわせて果物の端境期に出荷しているが、実際は前年の秋に冬場の寒害予防のため、取り入れ、酸っぱさを弱めるため暗所に貯蔵しているのだという。多分、東京は寒さがそれほど厳しくないため、木の上にそのままにして、この時季に収穫するのかもしれない。お寺さんに用途を含めてお聞きすればよいのだが、檀家ではないので遠慮した。



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2 コメント

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なんでも甘い (chobimame)
2017-05-16 09:00:57
現代人は、酸っぱいものは好まないそうで、酸っぱいと売れないそうです。
なので、果物全般やトマトなども糖度を上げる品種改良が盛んだそうです。
トマトなどは、今や果物並に甘いそうです。
今の果物や野菜は、過剰摂取はいけないそうです。
果物やトマトで糖尿の心配をしなくてはいけないなんて。
みかんは、オレンジと掛け合わせたような品種が人気だそうです。
子供の頃は、夏ミカンやハッサクを食べるのは、苦行でした(笑)
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ハウス栽培 (kakek)
2017-05-16 10:03:59
chobimame  さん
そうでしたね、昔はトマトも酢っぱくて塩をつけて食べた記憶があります。確かに若い世代は”辛さ”は好みますが、”酢っぱさ”は好みませんね。
今は、この時季でも夏の代表果物スイカは食べられるし、6月が旬だったイチゴに至っては四季を通じて食べられます。ハウス栽培のお蔭ですが、俳句の句はどうなっているのでしょうか。
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