「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

活字文化の将来? 本屋の廃業

2006-03-07 07:52:19 | Weblog
はるか日清、日露のむかしから震災、大空襲の風雪にも
耐えてきた東京のど真ん中の友人の本屋が今月で111年の
店の歴史を閉じる。

「私が三代目ですが、ごらんの通りです」-閑古鳥が鳴く
店内で店番をしていた60年来の友人は、さすがに寂しそうだった。
この店の全盛期は大正から昭和の始めだったという。地の利も
悪くなってきたのかもしれないが、やはり廃業の原因は、
最近のIT全盛のご時勢のようだ。

僕の脳裏には子供のころの賑やかだった本屋の原風景がある。
「少年倶楽部」の発売日、学校から帰ると一目散に書店へ駆けてゆく。
店内にはただ読みの客で一杯。店員がそれを縫って忙しそうに
はたきをかけてゆく。店番のおじさんは度の強い鼻眼鏡であった。

テレビ、パソコン以前の日本では、新聞、書籍が情報の主な伝道者
であった。その担い手の役割をしていたのが本屋であった。
友人の店だけでなく廃業する本屋さんが多いと聞く。活字文化の
将来はどうなるのだろうかー。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿