「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

落梅と都会の美観維持

2018-06-03 05:48:16 | 2012・1・1
道路を隔てた高台の隣家の梅の木から実が三つ側溝に転がっていた。(写真)数年前までは、この季節になると、道いっぱいに落梅が広がり、掃除に当たる老妻を悩ませた。隣家もそれを気遣い、ついに立派な梅の木を頭から坊主にしてしまった。以来、落梅の被害はなくなったが、町の美観は損なわてしまった。

都会には建築法で定められた「二項道路」がる。詳しいことは知らないが、ほとんど幅員が4m以下で私道とみなされている。わが家の裏の道路もこの「二項道路」らしく、東京都の清掃車が回ってきたことはない。しかし、道幅が狭いのに車の一向通行の規定はない。したがって道路の清掃は住民がしている。比較的成熟した街なので今まで問題はなかった。

ところが、昨年隣家が改装して大手不動産が住宅の管理から維持まですべて責任を持つアパートに改装した。家屋は町の環境にあっているが、この1年僕は住民の姿を見たことがない。不動産会社の巡回もなく、玄関の前に”よかれ”と植えた草が車道にまで延びているのに知らん顔である。戦前、東京では引っ越ししたときには向う三軒両隣にソバを配り挨拶したものだ。お互いの気配りで都会の生活は成り立っていた。大手不動産会社には、その倫理がない。