「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

            入歯か人工歯(インプラント)か

2012-01-18 07:50:58 | Weblog
新しく総入歯を作ることになり昨日から歯科医院へ通い始めた。すでに男性の平均寿命をこえており、今さら新調するのは勿体ない気もしたが、生きている限りそうもゆくまい。調べてみると、現在の入歯はすでに10年近く愛用しており、お医者さんの言うとおり全体にガタがきており、昨年11月、外国旅行の前にも一本がポロリと取れてしまったことがあった。

戦中戦後の混乱時代が成長期だった昭和1ケタ世代は歯の悪い人間が多い。戦争中は若い医師が徴兵されて歯医者さんが少なかったのも原因しているのかもしれない。歯の日頃の手入れも歯磨き粉の不足から塩で代用したりした。。何より歯を大切にしようという意識が欠けていて、たいがいの日本人は朝一回歯磨きしただけだった。また、戦後の経済成長期のモーレツ時代には、歯が痛んでも医者に行かないサラリーマンも多かった。僕もその一人だった気がする。

この10年ぐらい入歯に代わって人工歯(インプラント)が流行していると聞いた。顎に人工歯を埋め込むのだが、入歯に比べてはるかに噛み方が自然だが、費用が手術代を含めて数十万円もすると聞いていた。だから僕は最初から人口歯にする気持ちはなく、医師も僕には勧めなかった。ところが、まったく偶然なのだが、昨夜NHKのラジオを聞いてていたら、NHKの調査で全国各地の歯学部のある大学病院でインプラント不具合を訴える患者が2908人もいたことが判明したという。何が原因かとの質問にたいしては、事前の医師と患者との間のコミュニケーション不足がなんと97%もあった。

当然のことながら、僕の総入歯は健康保適用内の安いものだ。今の総入歯だって10年近く使っても具合の良いことはすでに保証ずみだ。何より先生とのコミュニケーションは良い。末期高齢者は、わざわざ痛い思いして人工歯を作るより昔ながらの入歯で充分だ。