米議員さん、進駐軍の”強制”売春を知っていますか

昭和３０年代のはじめ、僕は米国の著名な女性歌手を案内して大磯の
エリザベス・サンダース・ホームを訪れた。東京から旧東街道を渋滞な
く車でスイスイ行けた頃だ。三菱財閥、岩崎弥太郎の孫娘、澤田美喜
が財産税で物納した旧宅を買戻し改造したホームには百数十人の孤児
たちが暮していた。彼らは進駐してきた占領軍による強姦や”自由恋愛”
によって生まれてきた孤児たちであった。澤田美喜は私財を投じて３２
年間に２千人のこういった混血孤児の面倒をみた。

昭和２０年１０月、僕ら中学３年生は第一京浜国道の焼跡整理に動員
されたが、その近くに戦災から焼け残った大森海岸の料亭があった。
子供の僕らでも、ここが進駐軍相手の売春宿で、第一号店「小町園」の
名前を知っていた。「小町園｝は８月２８日、連合軍の東京進駐にあわせ
て”性暴力の防波堤”としてオープンした。「小町園」の他にも「悟空林」
など７軒あった。

進駐直後は各地で進駐軍の性暴力が発生している。当時新聞はペラ１
枚で、スペースがなく、また進駐軍の検閲で報道されなかったが”黒い顔
をした大男”といった表現で報道されてもいる。まさに安倍総理がいう家宅
まで侵入した狭義の強制性暴力であった。このあたりのことは「進駐軍
慰安所」（いのうえせつこ著）に詳しい。

自民党インドネシア議員連盟会長の山崎拓議員が「従軍慰安婦」の存在を
認めた発言をしていた。インドネシア政府ですら「従軍慰安婦」がいたかどうか
判らない、といっているのに日本人の山崎氏が何故是認するのかー。
今回の北朝鮮との会談が不調で終ったのは安倍総理の発言だといっている
元国務省の役人も出てきた。NYタイムスは慰安婦問題をめぐって反日大合唱
をしている。日本政府は沈黙せず堂々と米下院に抗議すべきである。

「河野談話」を受皿に発足した「アジアのための女性」基金が３月で店を閉
じる。村山元総理は謝罪し、このインチキ基金で問題解決しようとしたが完
全に誤りだった。なんのための基金だったのかー。山崎拓議員は正しい目で
歴史を見て欲しい。まだあの時代を知っている老人もいるのだから。