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《雑記》『白い巨塔』研究(その11)

2006-07-18 05:51:05 | 『白い巨塔』研究
◎『白い巨塔』におけると学閥と閨閥(9)

「財前というのは、ちょっとばかりの才能を鼻にかけ、若輩のくせに思い上がって、のさばり過ぎている、廊下であっても、われわれ先輩に対するあの態度は何だ、まるでプロレスラーか犬殺し屋みたいな大きな図体を廊下一杯にのさばらせ、もう少し小さくなって歩けんものかね、僕が奈良大学から呼び戻されて、母校へ帰って来た時、真っ先に目についたのはあいつの増長ぶりだよ、この際、あの生意気な根性を徹底的に叩き直すためにも、地方へ出して冷飯の味を覚えさせることだな」
 浪速大学の助教授から、系列校である奈良大学の教授に出され、七年ぶりに一昨年、母校へ戻って来たばかりの乾は、財前が何の苦労も、寄り道もせずに、ストレートに本学の教授になることが苦々しい様子であった。(p.199)

 財前助教授、菊川教授に次ぐ第三の候補者は徳島大学の葛西教授です。彼を推すのは整形外科・野坂、皮膚科・乾、小児科・河合のいわゆる少壮教授グループです。ルサンチマンに満ちた人たちですね。
 しかし、「犬殺し屋」とは……。今では絶対に使わぬ表現ですね。

※画像は新潮文庫版第4巻

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