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ΓΝΩΘΙ ΣΑΥΤΟΝ-購書&購盤日記-

本やCDを買う日々の記録です。ツイッター:http://twitter.com/sr_azev

■引用 キレイゴトぬきの農業論

2024-12-18 08:33:49 | 読書

◎久松達央『キレイゴトぬきの農業論』新潮新書 2013

神話その2 有機だから美味しい

 これも事実ではありません。有機栽培だからまずい、と言っているのではありません。有機だから、必ず美味しいとは限らないという意味です。別な言い方をすれば、有機栽培であることは、美味しいことの十分条件ではないという事です。 野菜の美味しさを決めているのは、圧倒的に栽培方法以外の要素なのです。
 野菜の味を決 る大きな要素は三つあります。栽培時期(旬)、品種、そして鮮度です。僕はこれを「野菜の美味しさの三要素」と呼んでいます。
 栽培者としての感覚では、この三要素で8割方決まります。(p.20)

 

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【2022年の12冊】

2023-01-24 04:42:41 | 読書

恒例のお正月企画、【○○年の○冊】です。
読了は128冊。
以下は読んだ順です。
◎柳澤健『2016年の週刊文春』光文社 2020
 柳澤健、鉄板です。
◎萩尾望都『一度きりの大泉の話』河出書房新社 2021
 竹宮恵子との関係をめぐる、かなりドロドロしたお話でした。竹宮惠子『少年の名はジルベール』小学館 2016が出たので、話さずにはおれなかったということです。
◎新川帆立『競争の番人』講談社 2022
 ドラマ化されたので御存じの方も多いかと思います。新川帆立は『倒産続きの彼女』、『剣持麗子のワンナイト推理』、『先祖探偵』等、作品を量産していますが、安定した面白さがあります。
◎直島翔『転がる検事に苔むさず』小学館 2021
 爽やかな読後感。キャラが立ってました。続編の『恋する検事はわきまえない』も良し。
◎月村了衛『脱北航路』幻冬舎 2022
 緊迫したクライマックスでは不覚にも涙しそうになりました。
◎安壇美緒『ラブカは静かに弓を持つ』集英社 2022
 ヤマハとJASRACの裁判を題材にした小説でしたが、音楽教室に潜入した主人公が丁寧に描かれており、むしろ心温まる物語に。
◎篠田節子『仮想儀礼』(上)(下) 新潮社 2008
 生活に困って新興宗教を立ち上げた主人公の物語。でも、様々な登場人物の中で一番ピュアだったのが彼ではなかったでしょうか。
◎樋田毅『彼は早稲田で死んだ 大学構内リンチ殺人事件の永遠』文藝春秋 2021
 作者の実体験に基づくノンフィクション。革○ル派の不気味な恐ろしさが伝わってきます。
◎池上彰・佐藤優『漂流 日本左翼史 理想なき左派の混迷 1972-2022』講談社 (講談社現代新書) 2022
 三部作完結。内容が自分と同時代的になってきました。他にも伴野準一『全学連と全共闘』平凡社(平凡社新書) 2010、中北浩爾『日本共産党-「革命」を夢見た100年』中央公論新社(中公新書) 2022を読みました。
◎綾崎隼『ぼくらに嘘がひとつだけ』文藝春秋 2022
 棋士をめざす主人公2人の一途さに心打たれます。
◎一雫ライオン『二人の嘘』幻冬舎 2021
 純愛小説。
◎本郷 和人『歴史学者という病 』講談社(講談社現代新書) 2022
 歴史学とはどのような学問なのか。興味深く読むことができました。
【NEXT12】(順不同)
○牧村康正『ヤクザと過激派が棲む街』講談社 2020
 山谷でのヤクザと過激派(新左翼)の抗争を描いています。新左翼活動家の様々な人間像に魅かれます。
○橋本長道『覇王の譜』新潮社(新潮文庫) 2022
 こちらも主人公が将棋に打ち込む一途な姿が印象的でした。
○内田樹『そのうちなんとかなるだろう』マガジンハウス 2019
 内田樹の半生記。ちなみに立川談志の場合は、『人生、成り行き―談志一代記』(新潮文庫) 2010。
○魚住昭『出版と権力 講談社と野間家の一一〇年』講談社 2021
 講談社創業者の野間清治の強烈な個性には圧倒されます。
○逢坂冬馬『同志少女よ、敵を撃て』早川書房 2021
 今さらワタクシが何も言うことはない話題の書。
○誉田哲也『フェイクフィクション』集英社 2021
 警察、ヤクザ、元プロキックボクサー、新興宗教が絡むエンターテインメント。
○中川右介『国家と音楽家』集英社(集英社文庫) 2022
 もしショスタコーヴィチがソ連に生まれていなかったらどうなっていたんでしょう。
○前田啓介『昭和の参謀』講談社(講談社現代新書) 2022
 生き残った参謀たちの戦後の生活にスポットを当てた異色の本でした。
○古谷経衡『敗軍の名将 インパール・沖縄・特攻』幻冬舎(幻冬舎新書) 2021
 著者は軍事関係の専門家ではないかもしれませんが、実際にインパールに足を運んでいるところに説得力があります。
○石井徹也『新宿末廣亭うら、喫茶「楽屋」』アスペクト 2013
 やはり、芸談は面白い。
○杉江松恋『浪曲は蘇る:玉川福太郎と伝統話芸の栄枯盛衰』原書房 2022
 浪曲を聴きたくなりました(時々は聴いています)。
○北村紗衣『批評の教室 チョウのように読み、ハチのように書く』筑摩書房(ちくま新書) 2021
 「ここでひとつ強調しておきたいのは比評をする時の解釈には正解はないが間違いはある、ということです。よく解釈なんて自由だから間違いなんかない、と思っている人がいますが、これは大間違いです。間違った解釈というのはとくにフィクション内事実の認定に関するものを中心に、結構あります。」(北村紗衣『お砂糖とスパイスと爆発的な何か』pp.12-13)ということです。
【番外】
●スーツ『神と呼ばれる鉄道YouTuber スーツの素顔』三才ブックス 2020
 スーツ氏のYouTubeには特に興味はひかれませんでしたが、こちらの本は大変面白うございました。
●佐藤優『池田大作研究 世界宗教への道を追う』朝日新聞出版 2020
 プロテスタント神学の研究者である佐藤優がその立場から池田大作と創価学会を分析した本かと思いきや、どう見ても提灯本にしか思えませんでした。一種の奇書か。

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【2020年の10冊】

2021-06-12 11:49:30 | 読書
お正月企画、【○○年の○冊】です。
読了は114冊。面白かった本も多く、10冊選ぶのに苦労しました。
順不同です。一部、ブックカバーチャレンジと重なります。
◎藤森かよこ『馬鹿ブス貧乏で生きるしかないあなたに愛をこめて書いたので読んでください』ベストセラーズ 2019
 上村先生(福山平成大学)の哲学カフェで出会った本です。知的刺激に富んだ本でした。娘たちにも勧めました。男子が読んでも大丈夫。
◎北村紗衣『お砂糖とスパイスと爆発的な何か?不真面目な批評家によるフェミニスト批評入門』書肆侃侃房 2019
 著者はウィキペディアンの「さえぼー」。
◎根井雅弘『経済学者の勉強術: いかに読み、いかに書くか』人文書院 2019
 レベルが高すぎて勉強術としては直接役立ちませんでしたが……。
◎佐々木実『資本主義と闘った男 宇沢弘文と経済学の世界』講談社 2019
 宇沢の人生と共に、折々の経済学の世界(学問の動向)が描かれているのですが、これが実にわかりやすい。著者の並々ならぬ力量を感じました。
◎柳澤健『2000年の桜庭和志』文藝春秋 2020
 柳澤健の「〇〇年の××」シリーズにはずれなし!
◎奥泉光『死神の棋譜』新潮社 2020
 得体のしれないものにズルズルと引き込まれていくような面白さ。
◎西岡研介『トラジャ JR「革マル」30年の呪縛、労組の終焉』東洋経済新報社 2019
 『マングローブ』の続編。松崎明亡き後のJR「革マル」の終焉を描きます。しかし、病巣はまだ残る?
◎逢坂剛『鏡影劇場』新潮社 2020
 こちらも不可思議な魅力に引き込まれていきました。分厚い本でしたが、グイグイ読めました。逢坂剛、スペインだけじゃなかったんですね。
◎坂上泉『インビジブル』文藝春秋 2020
 その時代のヒリヒリした感じが伝わってきます。人物造形も秀逸。
◎二宮敦人『紳士と淑女のコロシアム 「競技ダンス」へようこそ』新潮社 2020
 熱く、甘く、切ない青春小説。ブックカバーチャレンジで紹介した『SOKKI!-』と似たテイストです。
◎ラーラ・プレスコット(著)吉澤康子 (訳)『あの本は読まれているか』東京創元社 2020
 オリガのパステルナークへの一途な愛が心に残ります。  
【NEXT10】
○安藤祐介『本のエンドロール』講談社 2018
 最初は、主人公ちょっと暑苦しいなと思っていましたが、徐々に引き込まれていきました。 
○五十嵐律人『法廷遊戯』講談社 2020
 最後のどんでん返しはお見事。
○ピーター・トライアス(著)中原尚哉(訳)『ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)』早川書房2016
 久しぶりに読んだSF。昔の感覚を思い出しました。
○馳星周『ゴールデン街コーリング』KADOKAWA 2018
 馳星周(坂東齢人)の自伝的青春小説。実は、私、若い頃は日本冒険小説協会の会員でした(笑)。
○黒木亮『アパレル興亡』岩波書店 2020
 岩波書店だけどエンタメ小説。アパレルに興味がない私でも面白く読むことができました。
○柏耕一『交通誘導員ヨレヨレ日記——当年73歳、本日も炎天下、朝っぱらから現場に立ちます』フォレスト出版 2019
 この出版社のこのシリーズ、人気のようですね。『メーター検針員テゲテゲ日記——1件40円、本日250件、10年勤めてクビになりました』も読みました。こちらの本は西村健『目撃』と関連あり。
○佐野晶『ゴースト アンド ポリス GAP』小学館 2019
 「ごんぞう」たちの巣窟だと思われた交番だったが…。爽やかな読後感。
○相場英雄『トップリーグ』角川春樹事務所 2017
 政治陰謀小説? 首相と官房長官のモデルがわかりやすすぎ。
○呉勝浩『ライオン・ブルー』KADOKAWA 2017
 地方の街の暑苦しい閉塞感。
○青木健『ペルシア帝国 (講談社現代新書)』講談社 2020
 今やアケメネス朝ではなくハカーマニシュ朝なのですね。著者は私より10歳若いのですが、やたらと古風な言い回しが目立ちました。
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《読書》平林直哉『クラシック名盤名演奏100』青弓社

2011-04-06 05:52:19 | 読書
●〔23〕平林直哉『クラシック名盤名演奏100』青弓社 2009 (2010.03.02読了)

○内容紹介
名曲の聴き比べや指揮者によるピッチの違いなどに思いをはせ、名演奏との邂逅を楽しむ。クラシックとともに生きてきた盤鬼がさまざまなアーティストから厳選し、エピソードも交えながら名盤名演奏を紹介する渾身のガイド。

 面白く読めました。平林直哉らしいストレートな批評でした。

○ムラヴィンスキー
 音楽業界内にもムラヴィンスキーとレニングラード・フィルの来日公演を聴いた人間はいるが、そのなかの何人かが集まると、ほとんど必ずと言っていいほど話題になることがある。それは、「過去すべての演奏会のなかで、最も感動したものは何か?」ということだ。そして全員の答えは「ムラヴィンスキーとレニングラード・フィル」と一致する。しかも、それもカルロス・クライバーとか、チェリビダッケとか、マタチッチとか、他を完全に引き離しての、ダントツの一位なのである。実体験がない人にとっては、いま名前をあげた指揮者をCDで聴き比べてみても、ムラヴィンスキーだけが突出していると感じる人はそれほど多くはないように思える。ところが、実演で打ちのめされた人たちは、いまでも熱病にうなされたようにムラヴィンスキーから受けたショックを語りたがるし、私のようにそのすごさをなんとか活字で伝えようとする愚行を繰り返すおめでたい者もいるのだ。(p.18)

○栴檀は双葉より芳し
  私の生でのカラヤン初体験は一九七九年一月だった。オーケストラはもちろんベルリン・フィル。ところが、会場が巨大すぎた(東京都杉並区にある普門館)。席は舞台から遠すぎて妾はなんだかわからなかったが、気取りに気取ったカラヤンの態度は十分に感じ取れた。終演後、女性が花束を持ってカラヤンの近くまで行ったが、カラヤンはなぜだか直接花束を受け取ろうとはしなかった。このときの模様を当時大学生だった私は「音楽の友」(一九七九年十二月号、音楽之友社)の読者コーナーに投稿した。以下、当時の文章の一部である。「終演後舞台へ若い女性が三人だったか、花束をカラヤンに渡そうとしていた。受け取らずにいるので、気づいていないと思っていたコンサートマスターやほかの奏者たちが、このことをカラヤンにさしずしたのだが、カラヤンははっきりと首を横に振り、引っ込んでしまった。一瞬唖然とし、いまのカラヤンの態度をどう解釈すべきか考え込んだ。倣慢とするか、あるいは聴衆に媚びないと賛美するのか。ついにこの日の演奏会ではこれといった収穫はなく、高い入場料への不満と、このホールを選んだ不可解さと、終演後のカラヤンの態度のことが交錯し、なんとなく吹っ切れない気持ちで私は普門館をあとにした」
 この文章が掲載されたあと、やはりきましたね、お手紙が。ある手紙には差出人のところに「私はカラヤンのために八万円使った女の子です」とだけ書いてあった。消印は確か九州の方だったので、八万円とは往復の交通費、宿泊費、チケット代の総計だろう。内容は詳しく覚えていないが、確か「あんたなんか死んでしまいなさい」といった口調だったと思う。もう一通は住所も名前もきちんと明記され、「あのようなことを書いてはいけません」とやんわりと諭すような感じだった。そのほか、あと二、三通あったような気がしたが、差出人は全員女性だった。(pp.122~123)

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《読書》立川談志『談志 最後の落語論』梧桐書院

2011-01-29 06:27:44 | 読書
●〔22〕立川談志『談志 最後の落語論』梧桐書院 2009 (2010.02.23読了)

○内容紹介
談志最後の三部作第一弾!家元曰く「落語に対する能書きを本にするのはこれが最後になるかもしれない」(本書まえがきより)。立川流家元立川談志、満を持しての書き下ろし。「落語とは、人間の業の肯定である」との名言を記してから25年。さらなる進化を遂げた談志の落語論・落語家論の集大成。

 まあ、面白く読めましたが、とりとめのない感じでした。
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《読書》産経新聞取材班『総括せよ! さらば革命的世代-40年前、キャンパスで何があったか-』産経新聞出版

2011-01-27 06:05:06 | 読書
●〔21〕産経新聞取材班『総括せよ! さらば革命的世代-40年前、キャンパスで何があったか-』産経新聞出版 2009 (2010.02.23読了)

○内容紹介
全共闘―各地の大学で1968年ごろに生まれた学生組織で、全学共闘会議の略。全国の主要大学の大半にあたる約160校で結成された。新左翼政治党派(セクト)だけでなく、ノンセクト・ラジカルと呼ばれた党派に属さない学生たちも参加し、バリケードストライキなどで学内課題やベトナム反戦などの政治課題について訴えた。69年1月の東大・安田講堂攻防戦は全共闘運動の象徴的事件になった。本書は2008年5月からの09年6月まで、産経新聞大阪朝刊、インターネットのMSN産経ニュースに掲載された記事を大幅に加筆したものである。過去を振り返る上で最も重要な登場人物の年齢、肩書はあえて取材当時のままとした。

 いかにも産経新聞らしいまとめ方でした。
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《読書》森見登美彦『聖なる怠け者の冒険』(朝日新聞連載)

2010-12-10 05:33:08 | 読書
●〔番外〕森見登美彦『聖なる怠け者の冒険』(朝日新聞連載)(朝日新聞連載小説 2009.06.04~2010.02.21)

○内容紹介
森見登美彦さん(30)の連載小説「聖なる怠け者の冒険」が9日から始まる。正義の味方を名乗るタヌキのお面をつけた怪人と、なぜか怪人に“宿敵”と目をつけられた若い研究所員のどたばた騒ぎを描く。森見さんの初めての新聞連載小説は、謎の私立探偵も登場する大冒険活劇になりそうだ。(朝日新聞2009年6月4日)

 訳がわからんところもありましたが、結構面白く読めました。
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《読書》小飼弾『空気を読むな、本を読め。-小飼弾の頭が強くなる読書法-』イースト・プレス

2010-11-20 05:12:15 | 読書
●〔20〕小飼弾『空気を読むな、本を読め。-小飼弾の頭が強くなる読書法-』イースト・プレス 2009 (2010.02.21読了)

○内容紹介
月間100万PVを誇る書評ブログ『404 Blog Not Found』主宰 小飼弾の読書法をあますところなく公開!考える力が恐ろしいほど身につく!『小飼弾が選ぶ最強の100冊+1』収録
「IT時代の『知の巨人』、小飼弾さんのエッセンスがサクサクと手に入ります。それは、金銭では決して測れないほどの価値です。」 勝間和代本を読むことは「~しなければならない」という仕事のような義務でもなんでもない。「~できればいい」という類の「遊び」のひとつであり、快楽でもあります。そうして読書で得た知識や知恵、発想法、論理力は、自然とあなたの力になるのです。(「はじめに」より)

 期待して読んだのですが、イマイチでした。ありきたり。部分的には面白いところもあり。

○エロへのこだわり
 (エロ本について)これは消費されるということを大前掟にしているからでもありますが、その供給量はものすごい。「供給されて、消費されるとおしまい」というサイクルができあがっているのです。
 そこに、これだけいろいろな作品が出ているにもかかわらず、なかなか古典や大ヒット作が出てこない理由があるのでしょう。歴史もそこそこあるはずなので、古典が出てもいいはずなんです。映画のように「全米が泣いた!」ではなくて「全米が抜いた!」というような大ヒット作も、古典と呼ばれるほどの名作も出てよさそうなものなのに、それらしいものがあまりない。(p.169)

 そもそも、アダルトビデオでやっているセックスと実際のセックスはものすごくかけ離れたものです。
 アダルトビデオのセックスは、男女の体が離れている。そうでないと、見せたい部分が見せられないから、撮りたい部分が撮れないからそうしているのです。
 ところが、実際のセックスは接触面積が広い。気持ちいいセックスは、肌と肌の接触面積が大きく、端からは肉団子のような塊にしか見えない。西原理恵子がいうところの 「ゴンズイ玉」。
 「作品」として見た場合、実際のセックスを撮ったアダルトビデオよりエロアニメ、エロアニメよりもエロマンガ、そしてエロマンガよりもエロ小説のほうが「想像度」は高い。どういうことかというと、それだけ読者の想像力を強く必要とするということです。「ハメ撮り」はカメラさえあれば誰でもできますが、エロを文字にするのは、とても難しい。映像など実体参照型のエロのほうが圧倒的に多い理由がそこにあります。(pp.178~179)
 「全米が抜いた!」(笑)


○水野俊哉『ビジネス本作家の値打ち』扶桑社 (2010)より

最近はTwitterに力を入れているようだが、もっとも盛り上がっていた頃のブログのアフイリエイト収入は月60万円に達していたというからすごい。(中略)小飼氏のブログで書評されるのは、日経新聞に1回広告を出すのと同じくらいの効果があると言われる(ちなみに、筆者の本で一番売れたのも、小飼弾氏のブログで紹介された一冊である)。だが、「小飼弾がブログで紹介した本」は売れるのに、「小飼弾が書いた本」が今ひとつ売れないのは何故なのか。これは、ビジネス本界の七不思議のひとつと言ってよいだろう。(pp.58~59)

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《読書》米澤穂信『追想五断章』集英社

2010-10-16 03:45:26 | 読書
●〔19〕米澤穂信『追想五断章』集英社 2009 (2010.02.17読了)

○内容紹介
古書店アルバイトの大学生・菅生芳光は、報酬に惹かれてある依頼を請け負う。依頼人・北里可南子は、亡くなった父が生前に書いた、結末の伏せられた五つの小説を探していた。調査を続けるうち芳光は、未解決のままに終わった事件“アントワープの銃声”の存在を知る。二十二年前のその夜何があったのか?幾重にも隠された真相は?米澤穂信が初めて「青春去りし後の人間」を描く最新長編。
 まあ、面白く読むことができました。暗いお話でした。
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《読書》鹿田尚樹『大事なことはすべて記録しなさい』ダイヤモンド社

2010-10-07 05:41:28 | 読書
●〔18〕鹿田尚樹『大事なことはすべて記録しなさい』ダイヤモンド社 2009 (2010.02.13読了)

○内容紹介
人気ビジネス書評ブロガーによる、アナログ&デジタルの知的生産・情報整理の新しいアイデアを一冊にまとました。紙、データ、音声、絵、写真など多種多ツールを活用した方法を写真入りで紹介しています。情報整理、読書術、時間術、健康管理術、アウトプット、人脈術を、「記録」で向上させるやり方が満載です。
■この本で紹介「記録」の2つの特徴
1.あらゆる「ツール」を使って、記録するだけ
多種多様なツールを使って、何でも記録しておく。
道具は一つじゃないほうが、ラク。
2.整理・分類・ファイリングはしない
ちょっとしたルールを押さえていれば、ツールに関係なく、一発検索・すぐに活用できる。
■成果につながる、記録の5つのルール(原則・方法)
ルール1【大事】大事なことはすべて記録する
ルール2【時系列】日付と時間を書く&整理・分類しない
ルール3【シンプル】「箇条書き」&「単語」(キーワード)で書く
ルール4【1×1】1つのページに、1つのコンテンツ
ルール5【読み返す】1日5分、記録を読み返す
 それなりに面白く、有意義に読むことができました。
 著者は「小泉純一郎内閣最盛期に、600名を超える参議院議員公設秘書の中、日本最年少公設秘書として勤務。」ということをウリにしていますが、いったい秘書だったのでしょう。いろいろ検索してみましたが、わかりませんでした。

○田中角栄伝説
 また、国会議員は人の名前をよく覚えているという話が、伝説のように頻繁に出てきます。田中角栄元首相は、本当に支持者の名前をかなり覚えていることで有名でした。
 しかし、名前がわからないときには 「君、名前はなんと言うんだ」と聞き、もちろん相手は「秋山です」と答えますが、「違う、下の名前を聞いているんだ。苗字はもう知っている」というテクニックを活用したそうです。(p.191)


○クレーム処理の極意
 クレーム処理の担当を20年以上務め『社長をだせ!』(宝島社)の著者でもある川田茂雄さんによると、クレームによるトラブルの処理をスムーズにするにはコツがあるそうです。
 それは、人の発言よりも、自分の言ったことを記録しておくこと。

 クレームに対応する際、大抵の人は、相手の発言に対して意識を集中しているために自分の発言までは覚えていないことが多いのだそうです。実は、これがクレーム処理で一番つまずくポイントになることもあるそうで、川田さんはそれを解消するために、ICレコーダーを内ポケットに入れているそうです。内ポケットに入れていると「相手の声が聞きにくいのでは?」と思いますが、大事なのは自分の声が入っていることです。
 これにより、自分が「何を言った、言わない」で、もめることがなくなったそうです。
 ICレコーダーを持っていない人でも、ノートに 「自分が言ったこと」などをメモしたり、相手に書きながら説明したりするとグッとトラブルが減るはずです。(p.200)


○伝えるということ
「いいかい、気持ちなんて伝わらない。伝えたいものは、言葉で言いなさい。それが、どんなに難しくても、それ以外に方法はない」
 小説家・推理作家の森博嗣氏の言葉ですが、伝えたいものはすべて記録しておくといいでしょう。(p.207)

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