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《雑記》『白い巨塔』研究(その12)

2006-07-19 20:48:41 | 『白い巨塔』研究
◎『白い巨塔』におけると学閥と閨閥(10)
 米山公啓『学閥支配の医学』集英社新書(2002)という本があります。医学界における学閥支配の実態について述べた本です。
 著者の米山公啓は、「1952年山梨県生まれ。聖マリアンナ医科大学卒業。専門は神経内科。1998年同大学第二内科助教授の職を辞し、著作活動に。」という人です。
 この本の「第3章 学閥のいま」では、各大学の教授の出身大学をカウントして、その大学が何系統にあたるかを調査しています。

 『白い巨塔』の中では、大学の系列は以下のようになっています。
 浪速大学系-奈良大学・和歌山大学・徳島大学
 洛北大学系-三重大学
 九州大学系-広島大学・岡山大学
 なお、実在の奈良大学、和歌山大学には医学部は存在せず、それぞれ奈良県立医科大学、和歌山県立医科大学がモデルと思われます。

 『学閥支配の医学』の中ではモデルとなった各大学がどうなっているかというと、

 ・奈良県立医科大学(三十四)
  自校出身二十人、阪大四人、東大一人で完全に独立している。ほか八校九人。
 ・和歌山県立医科大学(三十六)
  自校出身十七人、京大、大阪市大各三人、東大二人。ほぼ独立とみていいだろう。ほか十一校十一人。
 ・徳島大学医学部(四十二)
  自校出身十九人、東大、神戸大各三人、ほか十二校十七人。ほぼ独立とみていい。
 ・三重大学医学部(三十七)
  自校出身十二人、京大七人、阪大四人、東大、名古屋大各三人で、独立には至らない。京大の影響を受ける。ほか六校八人。
 ・広島大学医学部(三十六)
  自校出身二十四人、京大、九大各二人、東大0人、完全独立して対抗する勢力もない。ほか八校八人。
 ・岡山大学大学院医歯学総合研究科・医学部(四十七)
  自校出身二十七人、東大、北大各四人。完全に独立している。ほか九校十二人。
  (カッコ内は全教授数。pp.124~129)

(この項続く)

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