すれっからし手帖

「気づき」とともに私を生きる。

おへその話。

2014-12-10 09:49:44 | ひとりごと
私の悩みの種のひとつに、おへその炎症というのがある。

こいつのことを、通称へそエン君と名付けてみる。

へそエン君はかれこれ2年、時々やってきては、私をイラつかせたり、不安にさせる。

この夏頃からは、生理周期に合わせるようにやってくる。毎月一回以上の割合でやってきては、がまんできないほどではないけれでジワジワした痛みを放散し、しかも2週間は居座る。

ということは、月の3分の2以上、私はこのへそエン君に苦しめられていることになる。

最初にかかった皮膚科の先生は、気の弱そうなおばあちゃんの女医さんで、

「臍炎ですね。抗生剤と化膿止めの軟膏を出しとくので、一度徹底的に菌を叩きましょう。よくならなかったら、外科で手術ね。お腹に近いところだから、腹膜炎がこわいのよー」

と言われた。

しゅ、手術???

こ、コワイ、コワイ、コワイ!!!

そんな訳で、必死に抗生剤を飲んで、朝晩軟膏を欠かさず塗った。

幸運にも、症状は収まり、再度受診したとき、先生も、

「よかったですね」

と言ってくれた。

と思ったら、

「でも、癖になるようなら今度は外科ね」

なんて念押しされてしまった。

あー、もうここには来れない。だって、手術イヤなんだもん。絶対イヤなんだもん。怖いもん。

こうなったら、なんとしても、再発しないようにしなきゃ。

そうして私は、へそエン君が来るのを極度に恐れ、身構えた。

ネットで、臍炎についての情報を探すと、治療法や手術、他の病気やガンの危険性についての情報まで集まってきた。そして、追い詰められるようないやーな気分になった。

ただ、わかったことは、みんな言ってることがバラバラ。専門家も臍炎の経験者も、それぞれみんな違うことを言っている。しかも、私のように、膿が外に出ないような軽い状態で毎月炎症が起きる事例は見当たらなかった。

そのどれにもピンと来ないまま、私はへそエン君の事をずっと頭で考えていた。そして、どうやってこのへそエン君の事を追い出してやろう、消してやろうということにエネルギーを注いだ。

気功やっても軟膏つけても、やっぱり去っては来て、去っては来てを繰り返していた。

闘って闘って、へそエン君の存在を何度も何度も確かめようと、綿棒で突きすぎて、炎症が長引き、普段の鈍痛が激痛に変わることもあった。

なんか、疲れ果てた。外科なら外科でいいや。メス入れても、痛くてコワイ思いをしてもこんな鈍痛が続くのはゴメン。

もう一件、違う皮膚科に行って同じように言われたら従おう、と心に決めた。

で、ホームページはないけれど、なんとなく繁盛してそうな皮膚科に行った。そこも女医さんなんだけど、強気でも弱気でもない、あっけらかんとした雰囲気の先生だった。

私のへそエン君を綿棒で確かめてから、先生は言った。

「あんまり痛いなら外科かな、とも思ったけれど、この大きさなら全然そんな必要はないと思うわ。

垢と皮脂のヨゴレとかが固まって粉瘤という袋になるんだけど、身体中を探せば誰でもどこかにあるものなの。

免疫が落ちてる時に炎症が起きてるんだね。この大きさならいつか体内に吸収すると思う。ずっと、このままってことはないはずよ」

ずっと、このままってことはないはずよ。

ああ、私はこれが聞きたかったんだ。当たり前の事を言ってるだけです、という感じのふんわりとした先生の物言いに、肩の力が抜けた。

炎症がおさまった時にも軟膏を毎日毎日少しずつ塗って様子を見ようと言われた。

それにしても、あの先生、よくあんなリスキーなこと言えるなって感心した。「治ります」って、医師にとっては信頼と中傷を抱え込む諸刃の剣でしょ。先生の確信の言葉を盾に「全然良くなりませんけど」ってクレームを言う患者さんだっているはずなのに。でも、先生は逃げなかった。だから、勇気のある先生に好感を持った。


それから、しばらくたった。

へそエン君は、姿を消した



とはならなかった。


でも、そのかわりに、昨日ものすごいことに気づいてしまったのだ。

へそエン君の前に、私を時折苦しめていたのは、脇の下の湿疹の炎症。同じ場所ばかり、不定期でやってきては、ひと暴れして、ストロイドで封じ込めた。あれも結構悩みの種で、2年ほど私なりに小さな戦いを繰り返していた。

それが、ある時、へそエン君がやって来てから、脇の下の湿疹は嘘みたいに消えた。

ん??なんで??

もしや、前回の記事につながる?

私がへそエン君をやっつけようと戦闘を挑んでいる間に、脇の下への関心は失せた。やっつけようとも思わなくなっていた。つまり、脇の下の湿疹は私からの攻撃に反応する必要がなくなった。

代わりにやってきたへそエン君は?彼もまた、私から攻撃を受けてると思い、私の戦闘態勢に正直に応えるように出現してる?

となると、メスを入れて切開したら、万事OK!

のはずはない。

きっと、私がこの意識、病気、痛いもの、苦しいもの、暗いもの、自分とは違うものを悪として排除しようとする意識を強く持っている限り、へそエン君が滅びても、第二のへそエン君が出現する。新たな悪が生まれるんだ。そして、私が排除しようとする悪が私を過剰に攻撃するに違いない。


そうだったんだ。
私、意識のあり方を点検する時かもしれない。

40才を過ぎて人生の折り返しにきた私に、次々起きる身体の不調が教えてくれるメッセージは、身体だけでなく、私の心にもつながることなんだ。

身体の不調は、へそエン君は、私に言っている。

あなたが悪と認定するものは、元々あなたの中にもあるもの。仲良くしなくてもいいから、優しく、穏やかに迎えて、認めてね。そうしたら、そんなに強烈な悪さはしないから。そこにいてもいい。ただ、そうやって認めてくれるだけでいいんだから。

へそエン君は、その不思議な居座り方で、決定的なダメージを与えないのに、真綿で首を絞めるようなやり方で私を苦しめてきた。これ、どういう意味があるんだろう?実は、心の奥底で、考え続けてきたことだった。で、受けとった。その答えを。

へそエン君に、やっと心から言えそう。君は、そんなにひどいことしてないのに、こっちが君を見たくない、感じたくないばかりに、君を知らず知らず攻撃してたんだね。別に、君は私をそんなに苦しめてなかったよね。私が、私の意識が君に過剰反応したんだね。

君に自分を占領されるのはイヤだけど、でも君を認めている自分は嫌いじゃないんだ。年を重ねたご褒美って気もする。だから、いたいだけ、そこにいてもいいからね。


私の意識が伝わったかな。今回やってきたへそエン君、とってもマイルドです。


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2 コメント

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おのころ心平さんが (ポコ)
2014-12-15 10:26:31
東洋医学を中心に心と身体を繋ぐ医療をやってる おのころ心平さんが確か
炎症は 強い部分に炎症を起こして
不要なものを浄化してくれている
みたいなこと書いてたと思います
子供は熱などで対応するのが
大人は炎症で?だったかな
私は風邪をひくと歯茎が炎症を起こします
熱は出ない代わりに
だから、当たってるように思いました
私見を長々と失礼しました^ ^
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Re:おのころ心平さんが (ayase_9)
2014-12-15 17:21:37
ポコさん
おのころ心平さん、初めて知りました。炎症に関連する記事をブログから探し、読みましたよ。深い納得!好きな世界観なので、ご紹介いただいて、感謝です(*^^*)
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