財部剣人の館『マーメイド クロニクルズ』「第一部」幻冬舎より出版中!「第二部」朝日出版社より刊行!

(旧:アヴァンの物語の館)ギリシア神話的世界観で人魚ナオミとヴァンパイアのマクミラが魔性たちと戦うファンタジー的SF小説

ナオミのバースデーパーティ・ウィズ・マクミラ

2010-09-05 01:31:03 | 私が作家・芸術家・芸人
 コンコン。ドームの部屋がノックされた。
「ナオミ、お招き感謝するわ」ドアを開けると、マクミラがほほえんでいる。「海神界では人間年齢で600才くらいだったから、今日で・・・・・・」
「ん? そんなことはどうでもいいでしょう。よく来てくれたわね。『マーメイド・サーガ第一部』も昨日で終わったし、神々のゲームも一時休止ね」
「『昨日の敵は今日の友』というじゃない。今夜は、朝日が出る時間まではつきあわさせてもらうわ」マクミラは、心眼で料理が山のようにあるのを感じた。「ハッピー・バースデー、食いしん坊さん!(註、ナオミの誕生日は9月4日生まれ)」
「昨日までで、『アヴァンの物語の館』の訪問者も1万777人ちょうど! 始まった時には、想像もできなかったたくさんの人たちにわたしたちの物語を読んでもらったんだよ」
 その時、うなっているキルベロス、カルベロス、ルルベロスにナオミが気づく。「ねえ、うならせないでよ。コワイじゃない」
「ゴメンナサイ。今日は一時休戦協定をむすんでるんだよね。でも、この子たちには、お魚さんは食べさせてないから心配しないで」
 フォローにならないセリフに、ナオミはくらくらしながら言う。「とりあえず乾杯。スパークリングワインもトマトジュースも用意したけど、何がご希望?」
「ス、ス、スパークリングワイン!? ト、ト、トマトジュース!?」今度はマクミラが、くらくらする。「普通のワインをいただくわ」
「ゴメン。まさか、主人公が悪役を血液でもてなすわけにもいかないし」
「大丈夫。生まれた時はワインブレンドの血を飲まされて、とんでもないところに来たと思ったけど、今ではフレンチワインなら飲むのよ。つきあいもあるしね。ところで、第一部が終わったというけど、この小説、謎が残りすぎてない?」
「『世界で一番込み入ったファンタジー』のふれこみで、話をひろげすぎたよね。夏海は出てきたと思ったらいなくなっちゃうし、ケネスも行方が知れないし・・・・・・」
「あなたはトラブルに引き寄せられていく星の下に生まれついているから、彼らとはまた会えるわよ」
「それって二人がトラブルにまきこまれるってこと?」
 マクミラはえらそうに言った。「『マーメイド・サーガ第二部』はマクミラ篇だからね。語り部のアヴァンから、少し話は聞いてるのよ」
「第一部のテーマって人生の意味だったじゃない。第二部のテーマは?」
 マクミラは言いにくそうにしている。「それが・・・・・・」
「知っているなら教えてよ! 自分ばっかりずるいじゃない」
「あい・・・・・・」
「なに!」
「愛よ、愛!」
「語り部アヴァン、全然こりてないわね。これ以上、話をこみいらせようっての!?」
「問題は、そこじゃない」
「どういうこと?」
「実は、アヴァンの奴、執筆が遅れてるらしい」
「本当!」
「第二部も8章立てで考えてたのが、やっと先月末に第2章に入ったところ」
「ちょうどわたしの誕生日前に終わるなんて、タイミングよすぎると思った」
「つかれはててしまって、今日はわたしたちにまかせようってことよ」
「手抜きか・・・・・・お祝いしてもらえるのはうれしいから、まあ、いっか」
「なんとか秋に完成させて、冬に第二部再開とか考えてるらしいけど。ゲームのルールが変わったり、魔女ベリーダンサーズが登場したりするって話よ」
「本当!? ありえない!!」
 二人と3匹のパーティは、まだまだ続く・・・・・・

 9月6日(月)に、ナオミと仲間たちがどうなったかを語る「マーメイド・サーガ第一部」最後のエピソード「嵐の後」をアップする予定です。請うご期待!

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