せつなく朽ちた鉄扉

雑草地帯・日記部門。硬軟色々取り混ぜて、よろず話題の書き捨て場。
なおAdsenseはgooが勝手に出してるだけ。

宇宙開発ネタ、知ったかぶり方法指南。(笑)

2010-06-16 23:54:58 | 宇宙、航空系
なんか「はやぶさ」のおかげですっかり宇宙ブームらしくて。
かといって今更「はやぶさ」がどうこうと表層を掘り下げても仕方ないので、ちょっと目線を変えて、今後もBlogで宇宙関係を扱ってみたい、って方のための知ったかぶり講座なんぞを。(笑)


日本の宇宙開発といえばJAXA。
ありがたいことに、JAXAはネットを駆使して一般に様々な情報を公開してくれています。

 ■JAXAメールサービス JAXAからの様々なお知らせがメールで届きます。
 ■Twitter:@JAXA_jp メールサービスと同レベルのお知らせをTwitterで受け取れます。

次のロケットの打ち上げの日付決定とか、そういう情報が(速報ではないですが)どんどん流れてきます。
メールサービスでもTwitterでもどちらでも良いと思うんですが、メールは状況によってはばんばん送られてくるので、携帯のメアドしか無いなんて人はTwitterの方が良いかもしれません。

※最近だと、8/2打ち上げの準天頂衛星「みちびき」に関する紹介が増えてきてますね。
※まぁ「みちびき」も、この数日のはやぶさとIKAROSに埋もれてしまってますが……。


さて、打ち上げの日程が分かったとします。
大抵の場合(情報収集衛星は除く。ああつまらん衛星だ)は、打ち上げ直前になるとロケット、衛星とも専用ページが立ち上がりますので、まずはそこをチェック。

例えば先日の金星探査機PLANET-C「あかつき」の打ち上げなら、こんなページが用意されました。

 ■H-IIAロケット17号機による「あかつき」打上げ カウントダウンレポート (三菱重工)
 ■あかつき特設サイト (JAXA)

正直なところ、三菱重工のカウントダウンサイトは大した情報が出てきません。頑張って欲しいなぁ三菱。
注目はJAXAの特設サイト。特に注目すべきは、右側に沢山あるリンクのうち、以下の2つです。

 ■打ち上げ情報の「H-IIAロケット 飛行計画書」
 ■プレスキット/広報ツールの「金星探査機「あかつき」プレスキット」(PDFファイル)

この2つの情報だけで、ニコ生の打ち上げカウントダウンで知ったかぶりできますよ。(笑)
特に飛行計画を事前に知っておくと、相当に知ったかぶりできますよー。(笑)
第一段燃焼停止をMECO(メコ)なんて呼んだりすると、もうかなりものもの。(笑)

Blogのネタとしては、衛星のプレスキットがかなり使えます。
なんせプレスキットのくせにマスコミは殆ど報道に使ってくれないので、ネット友人なんかに「えーよく知ってるねー」って驚かれること請け合い(笑)。相当知ったかぶりできます。
あと、後日、何処何処が壊れたとか、何処何処のカメラで撮った映像、なんてニュースが出たときに、読み返すといいネタになりますね。


ただ、たまーに抜けてたりするんですよね。
具体例だと、Twitterではすっかり「はやぶさ」の弟分となったIKAROSきゅん

 ■世界初のソーラー電力セイル展開状態の撮像成功!  (JAXA:IKAROS専門チャンネル)

ここで自分撮りしてるカメラ、プレスキットに載って無いんですよねー。
もうね、今日はビックリでしたよ。何処にそんな隠し玉があったのかと。IKAROS-Blogには書いてあったっぽいんですが、今日写真見るまで全然知りませんでした。

ってことで、資料だけで余りしつこく知ったかぶりすると、落とし穴も開いている。っていう話でした。(ぉ


あと、最後に一般的なニュースサイトなどを。

 ■sorae.jp 日本唯一の宇宙専門webニュースサイト、でしょうか。
 ■星が好きな人のための新着情報
  宇宙開発より天文系サイトですが、昔から読ませてもらっています。
 ■宇宙作家クラブ ニュース掲示板
  マスメディアでは報道されない記者会見の詳細が分かる貴重なサイトです。
 ■NASA - Shuttle and Station -
  日本人宇宙飛行士の話だと、どーしてもココに行くしか。翻訳サイトフル活用。(笑)
 ■Spaceflight Now
  NASA以外の米国の民間宇宙開発なんかの情報はコッチも見たりします。

こんなところですかね。
はっきり言っちゃえば、ウチのblogの宇宙ネタは上記サイトの受け売りで構成されています。(汗

ということで、皆様も良き知ったかぶりライフを。(ぉ

私からも「おかえりなさい、はやぶさ」

2010-06-14 21:44:47 | 宇宙、航空系
昨夜からネットで、今朝からはテレビでも新聞でもかなりの大きさで取り上げられているので今更という気もしますが。


技術実証衛星・小惑星探査機「はやぶさ」、見事その使命を果たし、オーストラリア南部ウーメラ砂漠、ウーメラ実験場(WPA)にカプセルを落下させました。

 ■午後22時30分頃、管制室は全てのコマンドを打ち終えました。 (Twitter:@Hayabusa_JAXA)
 ■<6月13日 22時57分(日本時間)発信>地上からカプセルの発光(火球)を確認しました。
  (Twitter:@Hayabusa_JAXA)

 ■Hayabusa Reentry Video from NASA (YouTube:NASA観測画像)




 ■Hayabusa Space Probe Ship Re-entry(HD) (YouTube:NASA観測画像・望遠)





 ■分離したカプセルからのビーコンが確認されました。 (Twitter:@Hayabusa_JAXA)

  




 ■「はやぶさ」大気圏突入/カプセルも発見 (JAXA・ISAS)
 ■「はやぶさ」:ヘリコプターから撮影したカプセル本体の画像 (JAXA・ISAS)
 ■はやぶさカプセル熱シールドの発見について (JAXAプレスリリース)

 ■はやぶさカプセルの回収作業の完了について (JAXAプレスリリース)


私はニコ生と和歌山大のUstream中継の両方で再突入を見ていましたが、どちらも画質がイマイチだったので「え?えええ???」みたいな感想しか出なかったのですが、ニコ生のビーコンの音には猛烈に感動しました。まさに成功を確信した瞬間でした。


ところで。
あのビーコンが「おぎゃー!おぎゃー!」か、それとも「ただいま!ただいま!」かは色々と意見の分かれるところです。

はやぶさは燃え尽きて、おつかいの品だけが返ってきたのか。
はやぶさは限界を迎えた鎧を捨て、最後のコアだけで帰って来たのか。

ここら辺は各自の捕らえ方次第だと思うのですが、様々なメディアの再突入画像を見ているうちに、私は何だか、カプセルが「はやぶさ」に思えて仕方がなくなりました。
あの安定かつ堂々としたカプセルの飛翔は、まるでカプセル自体が「飛ぶぞ、降りるぞ」と意思を持っていたように思えて仕方ないんです。

 ■見たぞ、はやぶさの凱旋(確定版) (松浦晋也のL/D)
 以下引用。

> 今やはやぶさの本体(ここはウェットに“魂”というべきなのか?)は機体から再突入カプセルへと移り、
> 分解する機体を従えて、堂々地球への凱旋を果たしたのだ。

なるほど凱旋という見方もありましたか。
私はそこまで勇ましい印象では無かったですが、魂が移ったという感覚は凄く分かります。

思えば「はやぶさ」っていうのは何かとSFチックな探査機でした。
だったら、最後までSFチックに夢を見るエンディングも、アリじゃないかなと思います。


今日で悲しみは捨てる。

2010-06-09 21:55:36 | 宇宙、航空系
あの「はやぶさ」、TCM-4(最後の軌道修正)完了しました。
これで、はやぶさはもう、燃え尽きるしかありません。

 ■「はやぶさ」のTCM-4、WPAへの精密誘導完了 (JAXA・ISAS)

 ■「『我らのイオンエンジンは世界一のエンジンだ!』」 (Twitter: @Hayabusa_JAXA)
 ■「皆さん,μ10イオンエンジンは立派に役目を果たしました。」 (Twitter: @Hayabusa_JAXA)

今まで「はやぶさ」は、色々なものをくれました。
工学的な話では、当然ながらイオンエンジンの実使用に関する膨大な知見を。
運用面では、初めての本格的な惑星探査機の運用経験を。
そして我々野次馬には、夢と希望と、日本が世界のトップに立っているという甘い酩酊を。

「はやぶさ」は、間違いなく日本の宇宙開発の、日本の科学史のマイルストーンです。
50年後、100年後、科学史の年表に載り、永く名前を残す優秀な探査機です。

優秀というのは技術だけの意味ではありません。
これほどまでに愛された探査機が、今まで日本にあったでしょうか。「はやぶさ」の存在が、日本の宇宙開発に対する世論を大きく変えた気がします。あの5年前のイトカワ着陸以来、JAXAからの情報も、その情報に対するメディアの取り扱いも、格段に増えたと感じています。そして公開される情報を基に、より沢山の人が宇宙開発に興味を示し、意見を交わすようになりました。私だってその一人です。

「はやぶさ」は、本当に色々なものをくれました。


そんな「はやぶさ」が、燃え尽きてしまう。

今日のTCM-4が失敗していれば、安全のために再突入軌道からの離脱が行われるはずでした。
でも、成功しました。
後はカプセル分離だけですが、成否に関係なく、その段階ではもう軌道を離脱する事ができません。

物凄く不謹慎ですが、私は心の中で「TCMが失敗すればいい」とずっと思っていました。
やはり「はやぶさ」を失いたくはない。決して地球には帰ってこれなくとも、太陽系の何処かで生きてさえいてくれれば、30年後でも50年後でも、いつか人間の方から会いに行ける。ずっとそう思っていました。

本日、TCM-4成功の報に接し、泣きそうになりました。
会社だったので泣けませんでしたが、自宅ならきっと泣いてました。


私も、もう決心するしかありません。

彼の運命は決した。
彼が死ぬ思いで這いつくばって掴んだ運命を、受け入れない訳には行かない。

最後まで頑張れ、はやぶさ。
絶対に帰ってこいよ、待ってるからな。


 ■「はやぶさ」、回収部隊の待つ地域へ精密誘導を完了 (AstroArts)
 ■「はやぶさ」の地球帰還直前の光学望遠鏡による観測について (JAXA・ISAS)

大気圏再突入は13日23日頃。あと4日の命。
12日、13日の日没後には状況が良ければ見える可能性があるので、機材ある方は是非観測を。