せつなく朽ちた鉄扉

雑草地帯・日記部門。硬軟色々取り混ぜて、よろず話題の書き捨て場。
なおAdsenseはgooが勝手に出してるだけ。

まだ1つある。

2009-11-11 22:54:00 | 宇宙、航空系
彼はまだ生きている。
生きている限り、やれることはある。

 ■はやぶさリンク:イオンエンジンに異常、ついにエンジン1基に (松浦晋也のL/D)
 ■小惑星探査機「はやぶさ」のイオンエンジン異常について (JAXA)

 ■小惑星探査機「はやぶさ」、イオンエンジン1基が停止 (sorae.jp)
 ■小惑星探査機「はやぶさ」のイオンエンジンに異常 (Robot Watch)
 ■探査機「はやぶさ」エンジン異常 地球に戻れない可能性も (ITmedia News)

 ■今週のはやぶさ君 (JAXA)

上記各筋からの報道の通り、「はやぶさ」のイオンエンジン、4機のメインエンジンが、ついに1つだけ残して全て動作停止しました。
早々に不調だったエンジンAはともかく、他は6年も運用することなんて設計段階では一切考えていなかったでしょうから、仕方の無いところです。

あ、記事中に何度も出てくる「中和機」というのは、噴射するイオンの帯電を消してやる機構のことです。これがないと加速したイオン同士が反発しあって拡散しちゃうし、本体がどんどん帯電して静電気がたまったようになっちゃうので、中和機は大事なんです。詳しくはwikipedia辺りを見てください。


で。
地球に帰れないかも帰れないかもと大騒ぎしてますが、自分としてはまだ手はあると思うんですよ。

確かに今の軌道では恐らく無理でしょう。軌道計算はド素人もいいところなので確証は全くありませんが、倍の時間噴射して速度を稼いでも、うまく地球に追いつけるかは疑問です。
ただ、現在火星の辺りにいるって事なんで、火星付近で1年パーキングできれば、再来年には地球に帰ってこれる可能性はあると思うんです。当然ながら、現在の位置と速度によっては火星周回軌道に入れないので、単なる机上の空論ですけど。

やはり最大の問題は、残った1機のエンジンがいつ壊れるか、でしょうか。
工学的には、残り1個がいつ寿命で停止してもおかしくない状態ですから。

んー、そういうリスクを考えると、火星付近でパーキングしても何の解決にもならないという気もしてきますね。難しいです。

実際のはやぶさチームがどういう考察をしているかは分かりませんが、結局のところ、
 ・時間との戦いだからこのままエンジン1つで強行する。
 ・火星付近でパーキングして、来年、再度挑戦する。
 ・極力イオンエンジンを使わないで済むが凄く時間のかかる、超のんびり軌道を探す。
ここら辺のどれかになりそうな気がします。

なんにせよ、まだ諦めるには早いはず。
何か出来る、何かやれるはず。

前も貼ったけど、この動画もう一度貼っとこう。