科学をネタに飯を食うなら

別に冥王星に限った話じゃないんですが、ついでなんで。

　■＜太陽系惑星＞冥王星を除外　賛成多数で最終案採択　ＩＡＵ

今回の話のメインは記事後半。なんか終わっちゃった人が変なこと言ってますね。

どんどん進化している科学のジャンルをネタにするなら、それがいつかひっくり返ることは覚悟しておかなければならない。ＳＦ系作家なら当然だと思うのだが、この人にはそういう感覚は無い様子で、普通に惑星から除外されたことを寂しがっているようだ。

冥王星の軌道がおかしいこと、大きさが小さいことはそれなりに知られていた。どうもこの人、自分が散々飯のネタにしてきたにも関わらず、宇宙自体の学問に対する探究心が無いように思える。
そもそもこの人、公人として数々の学術系団体でそれなりの上席を占める人間でもあるのだから、「心構えができていないうちに突然決まってしまった感じがする」なんてコメントが出てくる事自体間違っている。不勉強この上ない。


自分はファーストガンダムで目覚めてマクロスでヲタクに堕ちた人間なんで、この人の影響はあんまりない。
それでも、ガキの頃はＴＶ版ヤマト２、３は欠かさず見ていたし、そもそも宇宙空間で発光するビームを打ち合うという今のアニメの見せ方を構築した人という意味では、やはり一目置いていた。

そんな人が、こんなコメントしか出てこないのは、何とも寂しい気がした。
やっぱりこの人の本質は、ＳＦ作家ではなく、戦争体験世代の単なる爺さんなんだろうな。

分かりやすい方向で決着。

　■惑星に新定義、国際天文学連合は「歴史的な日」（asahi.com）
　■冥王星、惑星の座を失う！ （日本惑星協会）
　■「惑星」の定義について（国立天文台）

天文学は比較的地味な学問なんで、ニュースになることは良い事だと思うんですが、

　■冥王星降格「かわいそう」　兵庫の天文台で観望会（asahi.com）
　■ディズニー「７人のこびと」、冥王星降格に不満の声明
　■「あたい…間違ってたんだ…」（「なんたらかんたら」さん：2chまとめ系）

なんか冥王星の話は予想以上に大騒ぎになっているようで。
人の決めた星の価値に何の意味があるんだろうとそれほど気にはしていなかったんですが、社会的には惑星か否かでここまで親近感が違うんだなぁと実感。惑星降格というのは実は一大事だったんだと思い知らされる最近でした。

で、科学的にこの結論が妥当だっていうのは、もう巷でみんな解説しているから割愛。（笑）
個人的にも、得体の知れない１２個案よりは、こっちの方がずっと好感が持てる。
やっぱりねぇ、科学に変なコジツケは持ち込んじゃいけないよ。


その冥王星ですけど、「星の情報.jp」さんに写真がＵＰされていたので紹介。

　■2006年08月26日(土)の記事（星が好きな人のための新着情報）

……こんなもの、昔の人は良く見つけたなぁ。

確かに惑星では無くなるけど、人類が初めて見つけたカイパーベルト天体である事は間違いない。英語教科書も飛んでるし、これからも研究対象としての価値は変わらないんじゃないだろうか。


最後に、その空飛ぶ教科書の関係者、ウィリアム・ブレア博士の言葉を引用。

「冥王星は昨日も今日も同じだし、ずっとそうだった」