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家族じまい

2021-09-16 | 

最近「墓じまい」という言葉はよく聞くけれど、
「家族じまい」って・・・。
題名につられて読んでみた。桜木紫乃は初めてです。
血縁とは家族とは・・・と考えさせられます。
目次は5人の女性の名前。それぞれの話が繋がってくる。
とにかく文が上手い。引き込まれて一気に読んでしまった。

ふたりを単位にして始まった家族は、子供を産んで巣立ちを迎え、
また二人に戻る。そして最後はひとりになって記憶も散り、
家族としての役割を終える。人の世は伸びては縮む蛇腹のようだ。
                      ~帯の紹介文より

夫婦、親子、兄弟姉妹、終活、老々介護、認知症・・・
まさにこれから迎える課題。
すれ違う夫婦の心模様。冷静に親を切る娘。娘と縁を切る母親。認知症。
認知で変わってしまった妻に暴行を加え泣く夫。
娘と縁を切りながら認知症になった妹を看る姉。
隠れて二人で、妹の好物のプリンを食べる所で号泣してしまった。

終わる事と終えることは違う。
それぞれの家族じまい。

「ホテルローヤル」で直木賞受賞。桜木紫乃56歳。
一体どういう人生を歩んできてこの本が書けるのだろう。
彼女の本を読んでみたくなった。





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