作家の佐藤愛子氏が100歳に。大正12年11月5日生まれ。ご本人もまさかここまで長生きするとは思ってもみなかったでしょうね。たくさん生きたもヘチマもありませんよ。電車が通り過ぎるのを見ているようなものと。作家佐藤紅禄の娘で、お隣の西宮市育ち。神戸の女学校時代の話が良く出て来るので親近感があります。その後の波乱万丈の人生。逞しく潔い女傑のイメージ。この時代に生まれた女性はみんな逞しい。大正15年生まれの母も、愚痴も言わずに賢く逞しい母だった。
「九十歳何がめでたい」「九十八歳 戦いやまず日は暮れて」で、その時々の心境を書かれています。みんないなくなってしまったと。瀬戸内寂聴さんは100歳手前の99歳で没。大往生と言うのでしょうか。寿命は誰にも分かりません。大先輩たちのひと言が心に残ります。来春公開「九十歳何がめでたい」を撮影中。９0歳の草笛光子さんが佐藤愛子氏を演じます。
佐藤愛子著「老い力」から
６０代 孤独に耐えて立つ老人になりたい。老年は人生最後の修行の時。
７０代 老女の底力。強気の老人の気概。
８０代以降 自然に逆らわず時の流れに沿って。時は音もなく流れていく。
瀬戸内寂聴対談集から「95歳まで生きてしあわせですか」
幸せじゃあない。長生きしているのは罰なのよ。
さしずめ70代の私は、人生最後の修行の時。老女の底力と気概でね。
時は音もなく…です。
