美術館にアートを贈る会

アートが大好きな私たちは、
市民と美術館の新しい関係の構築をめざしています。

宝塚市立文化芸術センター訪問(4/29) レポート

2023-05-07 11:06:39 | Weblog

「オマージュTAKARAZUKA - 春 プリマヴェーラ」展 訪問

日時:2023年4月29日(土)14:00〜15:00(15:00〜16:00 自由参加のトークイベント)
会場:宝塚市立文化芸術センター
参加者:11名

 今回の展覧会「オマージュ TAKARAZUKA—春 プリマヴェーラ」(4/7〜5/7)は、宝塚市立文化芸術センター開館3周年記念展。宝塚の文化ブランドを創る上で欠かせないアート、特に現代美術を取りあげ、「宝塚をアートの新たな聖地に」という思いがふんだんに込められた展覧会になっていました。

 この展覧会を企画監修された加藤義夫館長(当会の理事)に展示会場内を余すところなくご案内いただきました。

 展覧会の名前にもなっている「プリマヴェーラ」はイタリア語で春。ルネサンスの巨匠サンドロ・ボッティチェッリの代表作《春 プリマヴェーラ》は別名「美の王国」。その名前のとおり、美の響宴が繰り広げられていました。

 会場は三つのテーマに分かれていて、第1室は「花」、第2室は「生命」、第3室は「春」で構成されています。春が近づくと雪解けとともにつぼみがほころび始め「花」が咲き、冬眠から目覚めた動植物の「生命」が動き出し、百花繚乱の「春」満開になっていく、と資料にあります。

 そのテーマに沿って、宝塚ゆかりのアーティストを含む若手から中堅、ベテランの作家12名の作品が並びます。彼らは加藤館長が過去に企画した展覧会や講演会に招待したアーティストたちです。

 

 

 入り口を入るとすぐに迎えてくれたのは、白いお猿さん、植松琢麿さんの作品です。

 

 

 

 会場内は、マツモトヨーコさんから始まり、川口奈々子さん、中村眞弥子さん、片山みやびさん、小野さおりさん、植松琢麿さん、藤部恭代さん、福田良亮さん、mariane maiko matsuoさん、荒木由香里さん、柴田知佳子さん、青木恵美子さん、と加藤館長が一人ひとり丁寧に作家の略歴や作品について解説して下さいました。

 特別に、出展作家の一人である藤部恭代さん本人から作品についての解説もありました。
作品のサイズは、ボッティチェッリの作品《春 プリマヴェーラ》と同じサイズに仕上げてあります。
タイトルは《GISELLE》。悲恋物語ですが、死から生へ生き返ろうとする瞬間の声にならない声、
ため息のような声がジゼルの口から発せられています。

 

 3時に2階会場内の解説が終わると、引き続き1階のキューブホールで展示中の「藤部恭代—インタタイダルワールド2023」について、作家の藤部恭代さんと、加藤義夫館長、澤昭夫さん(未生空間ism特別顧問)のトークイベントが始まりました。京都の泉湧寺という仏教空間に合わせて作られた作品について、日本文化の精神性もからめたトークが展開されました。

 

<まとめ>

 当会では、宝塚市立文化芸術センター訪問は、開館前の見学(2020年1月)に続いて2回目になります。街のリビングルームにしたいという構想のように、あちこちに椅子が置かれ、ライブラリーやドリンクスタンドも併設され、屋上庭園もあり、アート好きの人だけでなく家族が気楽に集う暖かな空間になっていました。

 今回の展覧会は、「春」のみずみずしさ、芽吹きの力強さにあふれ、コロナ禍を耐え、これからまさに動き始めるパワーを伝わる華やかな展覧会でした。
 加藤義夫館長の解説、藤部恭代さんの作品解説、トークイベントでは藤部さんの作品制作や会場に合わせた想いも知ることができ、充実のツアーになりました。
 ありがとうございました。ヅカセンのこれからが楽しみです。

 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。