夫婦で新しい人生にトライしてます~日本編

15年ぶりにカナダから帰国。終の棲家と選んだ北海道美瑛町から日々の生活を綴ります。

学校って自由だったんだ

2023-03-20 08:38:48 | 日記

昨日は、「夢見る小学校」というタイトルの映画鑑賞をして来ました。この映画はとても商業ベースには乗らないため全国各地で実行委員会が立ち上がり自主上映を続けているもので、美瑛町での自主上映にはこちらで知り合った移住者、山、スキー仲間がたくさん関わっていたのでお付き合いのつもりでした。

しかし、見た結果は目からうろこでした。「こんなに自由な学校があるんだ」、「楽しいことだけしていれば良いってそれは素晴らし過ぎだよ」というのが率直な第一印象でした。

実行委員伊藤さんのFBから拝借

映画で取り上げられているのは「きのくに子どもの村学園」という堀真一郎氏が立ち上げた学校法人傘下の山梨県南アルプス市にある「南アルプス子どもの村小学校」「同中学校」です。この学園は他に和歌山県、福井県、福岡県、長崎県に同様の学校を持っています。

学園長堀さんの理念なのでしょう、これらの学校では「先生」はおらず子どもをアドバイスする「大人」がいるだけで、子どもからの呼ばれ方も「堀さん」とか「かとちゃん」とか友達感覚です。授業にいわゆる国語、算数、理科、社会などの科目はなく、大きなウェイトを占めているのは「プロジェクト」で、これには料理、木工、演劇など5つのジャンルがあり小学校の場合1年生から6年生までこの自由に選ばせた5つのプロジェクトのどれかに属することで全学年で同じことをしています。

木工のプロジェクトでは自分たちの座る椅子を自分たちで作り、校内の下駄箱や遊具なども皆自分たちが作っています。設計も工作もほとんど大人はタッチせず子供たちだけでやります。料理のプロジェクトでは取材した年は蕎麦がテーマだったということで、自分たちでそば粉を栽培することか始め、最後は食べられるまでに蕎麦店の取材なども含めて全て自分たちで企画しています。

こういう作業の過程で算数や国語や社会、理科の手法、考え方が必要になるとそれらを自主的に勉強するというスタイルで、いわゆる学力はこの学校の卒業生が普通の高校に入ると皆上位の成績を示すそうです。テストもなく通知表もない、こんな学校があったのですね。

これは私立学校だから出来ることだろうと思っていたら、数は少ないですが長野県伊那市立伊那小学校、世田谷区立桜丘中学校など公立学校でもあるそうです。学校と言えば学習指導要領にがんじがらめになり5段階評価の成績は絶対であり、更に内申書など管理社会のイメージがありますが、それらは全て無くても良い、しなければならないものではないのだそうです。知らなかった!こんな学校なら楽しくてしょうがないでしょう。

しかし、それならなぜこういう学校がもっと増えないのでしょうか?自分たちで入学の会や卒業の会を企画して楽しんでいる子どもたちの様子を見て、かつて大阪の方で卒業式の君が代斉唱に起立を強制し、口パクを許さないよう監視する条例を作った自治体があったことを一方で思い出してしまいました。誰が何をやらねばならないのか、考えさせてくれる良い映画でした。

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