美瑛町は、1950年代には人口が2万人を超えていたとかで(現在は1万人弱)、雪深い山間部には通学を考慮してたくさんの学校が建てられていましたが、人口減少に伴い今はその多くが廃校となっています。その廃校舎は皆解体撤去されているわけではなく、知恵を出し合い新たな施設として再利用されています。代表的なものが写真家前田真三さんの「拓真館」(旧千代田小学校)でしょうか。
「Antaa Lab アンタ・ラボ」もその一つで、2005年に廃校となった旧五稜小学校を再利用して昨年6月にオープンしたお店です。「捨てない暮らし」の先にあるもの~をコンセプトにしたリペア&リノベーションSHOPと銘打ってます。何人かの友人から聞いて、なんか面白そうだなぁと昨日出向いてみました。
美瑛町の最も西側の山の中にあるため車で行くのも結構大変な場所ですが、確かに昔は集落があって人々の生活が営まれていた風景がありました。外観は小学校そのもの、大きく五陵小学校と入口に書かれたままです。入口からまるでPEIに多く存在するアンティークショップのような雰囲気が漂っていました。
中には所狭しとお皿やインテリア家具類が並んでいます。その昔、実家にこういうのあったよね!と夫と話しながら、さらには私達の数度の引っ越し際に心惹かれながらも捨ててきた多くの物がそこにはありました。
運営しているのは旭川市にあるデザイントークという旭川家具を手掛けて来た会社でデザインリフォームが得意みたいです。古民家等をリフォームするときにこの会社に頼んだらきっと素敵な空間になるんだろうなと感じました。
オーナーさんと少しお話をしてからゆっくりと見て廻りました。特に何かを購入する目的があったわけではないのですが、ふと目が合ってしまったのが出目金の箸置きです。古い箱に5個セットで入っていて有田焼と書いてありました。可愛いくて連れ帰ってしまいました。そしてもう一つ木製のイーゼルです。鉄製の飾りのついた大きなイーゼルはロフトに置いてあるのですが、普段使いに必要だなと購入しました。
「antaaアンタ」はフィンランド語で「譲る、循環」という意味だそうです。リサイクル、リユースの現代に必要なコンセプトのお店が長く続きますように、我が家からは近いですから時々出かけてみようと思いました。