夫婦で新しい人生にトライしてます~日本編

15年ぶりにカナダから帰国。終の棲家と選んだ北海道美瑛町から日々の生活を綴ります。

ラベンダー

2024-07-05 15:29:54 | 美瑛町~夏

篠崎夫妻の美瑛周辺の旅番外編第2弾にして最終日の今日は、ラベンダーの紫の香りに包まれた1日でした。

この時期朝から駐車場が満車のはずの中富良野町のファーム富田には9時ごろ到着したのでまだ駐車はスムーズでした。遅咲きのラベンダーは今月中旬からが見ごろということでしたが、早咲きのものなのでしょうか、既に十分にファーム内は紫色で満たされていました。私達も昨年のラベンダーの見頃にはここを訪れていなかったので、初めてゆっくりラベンダーを見ることが出来ました。

今日は、ランチに近くの六花山荘を予約していたので、11時の予約時間まではこの近辺で時間を過ごそうと、次に向かったのはファーム富田の直ぐ近くの北星ラベンダー園でした。ここは冬にはスキー場にもなるリフトがかかった傾斜地のラベンダー園ですが、下から見てまだ早咲きのラベンダーも少なかったので、この園の頂上近くに六花山荘があることから車でリフトの頂上側に上がり、しばらくそこから中富良野の街と向こうにそびえる十勝岳連峰を眺めていました。

11時になって六花山荘へ移動しました。私達は2度目ですが、山の中の静かな山荘でいただく素朴な和食のコースにはご夫妻も味も量も満足してもらえたようでした。

午後になって疲れも出て眠気も催して来たので、美瑛に向かいながら上富良野町の日の出ラベンダー公園と美瑛町の四季彩の丘を見て一旦ホテルで休んでもらうことにしました。車からさっと見るだけだと思いながら立ち寄った日の出公園は、まだラベンダーは少し時期が早かったようですが、しかし展望台からの風景が素晴らしかったので降りて写真を数枚納めて来ました。

四季彩の丘はまるで観光ピークのような賑わいでした。こちらでは初めて4人乗りカートで広い園内を廻って見ましたが、これがなかなか良く、今まで遠くて歩いて行くことはなかった先端まで出かけて花々を見ることが出来ました。あいにく十勝岳連峰は雲に隠れ始めていましたが、満足感を覚えて戻って来ました。

この後、お互いに一旦ホテルと家で休んで、夕方から我が家で最後の晩餐をし、その後に礼文島でロケ地を見学したご縁で映画「北のカナリアたち」を鑑賞することにしています。

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高山植物鑑賞トレッキング

2024-07-04 20:26:36 | 美瑛町~夏

今日は、篠崎夫妻に美瑛周辺を楽しんでもらう旅の番外編第1弾として、旭岳へロープウェイで登り、裾合平(すそあいだいら)まで片道約3㎞のチングルマ他の高山植物を見るトレッキングに出かけて来ました。

この時期旭岳ではチングルマの群生が凄いということで、初めて出かけたのは昨年7月8日でした。それは素晴らしかったので、是非この感動を味わってもらいたいとご夫妻と北海道旅行を相談し始めた昨年から企画していたものでした。天気だけが心配でしたが、今日は午前中は晴れ、午後になって旭岳の頂上辺りにガスがかかり始めた程度で絶好のトレッキング日和でした。

ロープウェイの姿見駅を出ると目の前に標高2291mの旭岳の雄姿も完璧に見えました。今日のタイミングしかないご夫妻に旭岳を見てもらえたことが正直嬉しかったです。

歩き始めると、最初に見ることが出来るチングルマとコエゾツガザクラの競演は見事なのですが、ただ何となく去年と比べると少しボリュームが少ない気はしました。今年は5月、6月が寒い日が多かったことで花の生育にはあまり良くない環境だったのかも知れません。

軽いアップダウンを繰り返し、途中で雪渓を4度渡ったりして目的の裾合平に着くと、目だったのはチングルマよりも旭岳の東斜面の雪渓が織りなす白鳥でした。これは昨年よりずっと見事に白鳥になっていました。

チングルマの群生状況はやはり少し寂しかったものの、その光景に美しさを感じ取ってもらえたものと思います。今日見られた高山植物は、チングルマ、コエゾツガザクラ以外では、メアカキンバイ、キバナシャクナゲ、エゾイソツツジ、エゾコザクラなどで、北国の短い夏の山を彩っていました。

 

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橋爪功氏の朗読公演

2024-06-22 07:44:29 | 美瑛町~夏

昨夜は、6月12日から26日に渡って美瑛町で開催されている第1回美瑛フェスティバルでの映画や演劇のイベントの中から、鑑賞したいリストに入れておいた「橋爪功と仲間達朗読公演」を見て来ました。

写真撮影は不可だったのでパンフから借用

初めに出かけたフェスティバル開会のシンポジウムがあまりに観客が少なくて心配されましたが、その後は徐々に町民にも浸透し、毎回のように出かけている友人達のフェイスブックによると人の入りも多くなってきたようでホッとしていました。そして、昨夜は公演の後に橋爪さんが挨拶の中で「観客は2,30人かなと思っていたのですが、こんなに多く500人も入っていただいて驚きました。」と、実際には町民センターの会場キャパは200人くらいのように思いますのでそこは笑いも誘いながら話されていたくらいほぼ満席でした。

演目は、橋爪氏と同様演劇集団円に所属している鈴木佳由(かゆ)氏が川端康成の短編小説「化粧」を、橋爪氏が向田邦子の「かわうそ」と梅崎春生の「チョウチンアンコウについて」をそれぞれ朗読しました。

朗読というスタイルは多分私達は初めての経験だと思うのですが、役者がシナリオに基づいてセリフを語りながら演技をする演劇ではなく、自分の役のシナリオを演技はせずに言い回しだけで演じる朗読劇とも違い、セリフも含めた文章全体を読むものです。しかし、もちろん役者さんですから棒読みなどはありえず、セリフ部分はそれらしく声音を変えて読み時には体も演ずるように動きながら読み上げています。

最初は小説全体を読んで行く手法に慣れてなくて内容の理解にとまどいましたが、段々全体を聞き取ることに慣れて来ると、さすがに役者さんの朗読は発音と言い、言い回しと言い、いかにもその小説の内容に引き込むことに長けているなと感じながら聞いていました。橋爪氏はテレビなどでいつも飄々としたお父さん役で見慣れているだけに、そのままの雰囲気でちょっとシリアスな内容のギャップが面白く感じました。

さすがに朗読だけでは終わらず、既述したように最後に挨拶もしてくれ、その中でかつてロカビリー歌手としても活躍し今は北海道の名寄市に移住しているミッキーカーチスさんが来ていると紹介していました。ミッキーカーチスさんは最近自分の名寄市での現在を表現したような短編映画「運命屋」を製作し、ニューヨークのインディペンデントシネマアワードで最優秀俳優賞を受賞したことが報じられていて是非その映画を見て見たいと思っているものです。

昨夜はなかなか得難い体験を美瑛町で出来たことに満足でした。

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美瑛で生まれた映画

2024-06-14 08:11:05 | 美瑛町~夏

一昨日、ワールドプレミアとして美瑛で生まれた劇映画「Neighbor’s」と並行して制作されたドキュメント映画「美瑛 人々の大地」を見て来ました。

美瑛町を舞台にした映画はこれまでも中島みゆきのヒット曲をモチーフにした「糸」やアメリカの小説「石を積む人」から着想した「愛を積むひと」などがありますが、今回のこの2つの映画は制作者たちが美瑛町に来て、ここで出会った風景や人たちに刺激されてここから脚本や構想を作り上げていったという点でこれまでの映画とは違った趣があります。

「Neighbor’s」に関してはプロデューサーや監督が語っているように、最初は風景に魅了されたけれどもそこで暮らしている人々に出会って彼らにこそカメラを向けたいという気持ちが強くなったことから、もちろんメインの俳優はプロの役者さん達ですが、美瑛で知り合った人たちも準主役級の配役をされています。

当然ストーリーも彼らに合わせて練られたものでしょうから、最初から出来上がった脚本を持ち込んで絵を撮って行くというスタイルではなかったようです。こういう手法は映画製作の世界ではやはり異例の分野に入るのでしょうか?私は出来上がった映画を見ることは好きだけど映画の手法などには全く通じていなくて分かりませんが、大昔に見たクロード・ルルーシュ監督の名作「男と女」がドキュメント映画出身の監督がゆえにその場の風景をストーリーに撮りこんでいく手法に感激したことを思い出しました。

「Neighbor’s」のストーリーはちょっと難解です。メインとなっているのは毎晩ファミレスのNeighbor’sを借りてラジオ番組を放送しているルカと友人コウの友情とルカが探す行方不明となっている弟への思いが一つあり、そのファミレスで働くシングルマザーしほと娘のみっちゃんの生き方が微妙に彼らと交錯し、もう一つしほが偶然スーパーで出会ったヤングケアラーの青年(中学生)イツキとの交流が同時並行のように流れます。

ストーリー自体に美瑛町でなければならないものは見出せませんが、時々出て来る風景は美瑛らしさが散りばめられています。一見脈絡なく出て来る大型農機具に乗りながら農業者の思いをラジオ放送する農家の若者や日中みっちゃん預けている施設の保母さんの優しさは、同時並行で制作したドキュメンタリ映画「人々の大地」を見て初めて美瑛の人たちの姿だと気づかされます。ちなみに保母さん役は私達の友人である絵美さんです。イツキも美瑛町の若者でした。こんなにしっかりした中学生がいることに驚きました。

ルカの父親役を演じたのはいつも山やスキーでご一緒している隊長(鈴木さん)でした。行方不明の次男を待ちながら長男ルカとのしっくりしない親子関係を続ける役とは難し過ぎなことを要求されたものだと感心してしまいました。

「人々の大地」はストレートに美瑛町の今が分かります。開拓の歴史、農業者達の営み、思い、観光地としての賑わい等々、こういう地で私達も生活しているのだなぁと改めて感じました。

この後10日ほど町の交流館ビエールで映画製作に使った小道具などの展示もあるそうですから、それらを見て難しかった部分の理解の穴埋めをしたいと思います。

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第1回美瑛フェスティバル始まる

2024-06-13 07:46:36 | 美瑛町~夏

昨日6月12日から6月26日までの期間で美瑛町を舞台に第1回美瑛フェスティバルが開会の幕を開けました。内容は写真のように美瑛町を舞台にした新作映画の上映、トークショー、演劇、ダンスと全ては東京や札幌からやって来るハイレベルの芸術パフォーマンスです。

昨日はその皮切りに午後2時から町民センターでフェスティバルのディレクターである東京芸大准教授の市村作知雄氏がコーディネーターとして、角和美瑛町長、演劇を披露する斎藤歩氏、文化コモンズ代表の吉本光弘氏がそれぞれの立場から美瑛町とアートをテーマに思いを語るシンポジウムがありました。

このフェスティバルの企画は4月に公表されたのですが、第1回目ということもあり誰がどのような意図で開くもので、一体この小さな町でお金を取る芸術活動にどれだけ人が集まるのか、正直不思議な気持ちで眺めて来ました。私達はそういう好奇心もあって出来るだけ参加したいと思いましたから、昨日のシンポジウムにも真っ先に手を上げて無料ですがチケットを取得していました。チケットナンバーは♯1,♯2でした。案の定平日の午後2時からという時間設定では聴衆は多分関係者以外は10名前後という寂しいものでした。

そこで初めてディレクターの市村氏からなぜこのフェスティバルの開催に至ったか思いを聞くことが出来ました。美瑛と言う素晴らしい農畜産物と美しい丘の風景、青い池など人々を惹きつける魅力にあふれた町に芸術・文化を加えたい、農業と観光を仲介するようなフェスティバルを作りたいということでした。

多分これは私の想像ですが、きっかけとなったのはこのシンポジウムの後に初公開となる美瑛町を舞台にした劇映画「Neighbors」の製作スタッフが東京芸大を出た若い方々で、この方達を指導していたのが市村先生であり彼らのコラボであったのではないかと思いました。

お話しされた3人の方々の内容はそれぞれの立場から示唆に富んだもので良かったです。街づくり、地域創生などというと最近では陳腐にさへ聞こえる気もして来ましたが、吉本氏からは徳島県神山町がたまたま全町に光ファイバーを整備したが利用者が少なかったところに東京のIT企業がオフィスとして目を付け今や10数社が本社機能を移転しているといった事例の報告がありました。それは一人のプログラミング開発者の移住から始まったことで、地方に新しい可能性をもたらすには絶えず新しい人や文化を受け入れる柔軟性が必要だということでした。

美瑛町も写真家・前田真三氏が美瑛の風景を日本国内に紹介し、青い池の写真家・ケント白石氏がそれを世界に紹介したように文化、芸術が伝統ある農業とコラボする下地は十分にあるわけです。フェスティバルがこれからそういう狙いで続いていくことを願うばかりです。私達は、この後の映画に加えて俳優・橋爪功氏の朗読劇、上記の斎藤歩氏の演劇などを鑑賞する予定です。

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