100円ラーメン:「勝龍軒」46年の歴史に幕 福岡
2014年4月26日(土)13時37分 - 毎日新聞
100円ラーメンで親しまれた福岡市南区の「勝龍軒」が28日、閉店する。のれんを掲げ続けて46年。物価は上がり続け、材料費の値上がりなどが経営を襲ってもワンコインを守り抜いてきたが、仕入れていた製麺所の廃業を機に店側が決断した。閉店を目前に控え「思い出の味をもう一度」と店の前には別れを惜しむ人々が長い列を作っている。
同区の西鉄高宮駅前で開店したのが1968年。当初は1杯70円だったが、数年後100円に。この間、オイルショックや消費税3%の導入、さらに5%への引き上げなどで経費がかさんでも、創業した青木英子さんは「子供たちの顔を見ると値上げできんかった」と100円を守り通したという。青木さんは2年前に他界し、娘(55)が店主となって営んでいた。
今月から消費税は8%に膨らんだが、青木さんの遺志を継いで値上げはしなかった。しかし、安価で卸してくれていた製麺業者が体調不良で廃業することとなり、業者から「他の安い仕入れ先を紹介する」と言われたが、家族と話し合い「母も亡くなった。これを機会に閉店しよう」と決めたという。
青木さんの娘は「こんな小さい店は簡単に値上げもできない。(増税後も)3、4カ月はやり繰りするつもりだったが、100円を維持するのは厳しい」と胸の内を明かした。
(以下略)