昨日の福島第一原発賠償訴訟(裁判)では、福島県いわき市から避難してきた耳が聞こえない、そのため言葉がほとんど出てこない原告本人の尋問が行われました。
大阪地方裁判所では初めての試みだったのですが、第22民事部(部長=裁判長は松本展幸さんです。)の皆さま、特に書記官の皆さまの多大なるご尽力のおかげで、原告本人尋問は大成功でした。
この原告本人尋問、最初は本当にできるのだろうか、と心配でした。というのは、民事訴訟法に通訳人の立会いの規定(154条)があるものの、裁判は「口頭弁論」という名前からもわかるように、本来、原告とその代理人弁護士、被告とその代理人弁護士、裁判官が会話しながら審理が進めていくものだからです。
その原告、漫画家を目指して、既に新人発掘のコンテストにおいて賞を受けている人なので、語るチカラが原告団の中でNo.1だったのです。漫画家って、各コマにどういう画を配置するかを考えないといけない、ここを間違うとヒット作は書けないので、語るチカラも鍛えられているのです。
なお、次回の裁判は、午後1時30分スタートです。
参照条文
第154条 口頭弁論に関与する者が(中略)耳が聞こえない者若しくは口がきけない者であるときは、通訳人を立ち会わせる。ただし、耳が聞こえない者又は口がきけない者には、文字で問い、又は陳述をさせることができる。
