今年のクリスマスは、いつもと違って … 『 Coventry Carol 』 という、
16世紀頃に作られた、古いキャロルを、聴いてみたくなりました
今年起きた、東日本大震災で、お亡くなりになられた多くの方々への、
鎮魂の想いを込めて、歌い、祈りを捧げたいと思います。
そして、これから、起こるであろうことのために、子供たちのために、
ただ、ただ、祈りを捧げます …
『 Coventry Carol 』 が生まれた背景について
このキャロルの題名は、イギリスのコベントリーという町にちなんでつけられました。
ヘロデ王が、子供たちを殺害した故事に関して、15世紀にコベントリーで式典が開かれました。
これは、それについての歌だそうです。
コヴェントリーは、英国の大都市バーミンガムを、東へ30キロほど行ったところにある、 ウェスト・ミッドランズ 州の市で、
15世紀の “ Coventry Pageant of the Shearmen and Tailors ” ( コヴェントリーの刈り込み人と仕立て屋の芝居 )
という劇の中で、このキャロルが歌われているそうです。
劇中では、ヘロデ王の軍隊が、ベツレヘムにやって来て、赤子の大虐殺を行うシーンの直前に、
ベツレヘムの女性たちが、このキャロルを歌います。クリスマスの厳かな響きの中に、暗い感情がただよっているのは、
ヘロデ王の残酷な悪行を、暗示するためでしょうか。
『 Coventry Carol 』 ( 作者不詳 ) は、キリストの幼いころの歌であり、生誕を祝うクリスマスの歌ではありません。
“ Lully, lullay, lully, lullay, ” というフレーズは、一度聞いたら、忘れることができないほど、心に深く残ります。
この言葉は、現在の英語ではほとんど話されていないそうですが、1400 ~ 1500年代には、
「 私は見た、私は見た ( I saw, I saw ) 」 という意味の俗語だったようです。
16世紀に、イギリスで作られたとされるこの曲は、
イエス ・ キリスト 誕生の影で、殺されていく子どもをもつ親たちのことを歌っているそうです。
『 Coventry Carol 』 は、過去の出来事を歌にした、伝統的な曲でありながら、
21世紀の今にあっても、なお、あたかも現実の出来事を、示しているように、
人々の共感をもって、歌い継がれてきたように思われてなりません。
この歌の内容について
マギに出し抜かれたとわかったヘロデ王は怒り狂い、ベツレヘムに住む2歳以下のすべての男の子を殺すように命じた・・。
ああ、この日を忘れるものか。
イエスが、ヘロデ王の時代に、ユダヤのベツレヘムでお生まれになったとき、東方の博士たちがエルサレムにやって来て、こう言いました。
「 ユダヤ人の王としてお生まれになった方はどこにおいでになりますか。私たちは、東のほうでその方の星を見たので、拝みにまいりました。 」 と。
それを聞いて、ヘロデ王は、自分の地位を脅かすものとして、恐れ惑いました。さっそく、配下の祭司長、学者たちを集めると、
「 キリストはどこで生まれるのか 」
と問いただしました。
彼らは口々に言いました。
「 王よ。それは、ユダヤのベツレヘムです 」
「 なぜ、それがわかるのだ 」
「 預言者によって、こう書かれているからです。
『 ユダの地、ベツレヘムよ。汝はユダを治める者たちの中で、決して一番小さくはない。
わたしの民イスラエルを治める支配者が、汝から生まれ出るのだから。 』 」
それを聞いて、ますます恐れたヘロデ王は、ひそかに博士たちを呼ぶと、彼らから、星の出現の時間を突き止め、言葉巧みにこう言いました。
「 行って幼子のことを詳しく調べ、私に知らせてもらいたい。さっそく馳せ参じて拝みたいからな 」
その王の言葉を信じ、博士たちはベツレヘムに出発しました。
その時、東方で見た星が、また現れ、彼らを先導し、幼子のおられる所まで進むと、その上にとどまりました。
博士たちは、それを見て、この上もなく喜びました。3人はその家に入り、母マリアとともにおられる幼子を見、ひれ伏して拝むと、
宝の箱から、黄金・乳香・没薬 を出して捧げました。これが俗に言われる 「 東方の三賢人の礼拝 」 です。
博士たちは、夢で 「 ヘロデのところへ戻るな 」 という戒めを受け、別の道から、自分の国へ帰って行きました。
彼らが帰って行ったとき、主の使いが、夢で、ヨセフに現われて言いました。
「 さあ、立って、幼子とその母を連れ、エジプトへ逃げなさい。そして、私が知らせるまで、そこにいなさい。
ヘロデが、この幼子を捜し出して、殺そうとしています 」
そこで、ヨセフは、夜のうちに幼子とその母を連れて、エジプトに立ちのき、ヘロデが死ぬまでそこにいました。
これは、主が預言者を通して、
「 わたしはエジプトから、わたしの子を呼び出した 」
と言われた事が、成就するためでした。
その後、ヘロデは、博士たちにだまされたことを知り、怒り狂い、人をやって、
ベツレヘムとその近辺の二歳以下の男の子を、ひとり残らず殺させてしまいます。
その年令は、博士たちから突き止めておいた時間から割り出したのです。
そのとき、預言者エレミヤを通して言われた事が成就しました。
「 ラマで、声がする。泣き、そして嘆き叫ぶ声。ラケルが、その子らのために泣いている。
ラケルは、慰められることを拒んだ。子らが、もういないからだ。」
ヘロデが死ぬと、主の使いが、夢でエジプトにいるヨセフに現われて、言いました。
「 立って、幼子とその母を連れて、イスラエルの地に行きなさい。幼子の命をつけねらっていた人たちは死にました。」
そこで、彼は立って、幼子とその母を連れて、イスラエルの地に入りました。
Coventry Carol - Westminster Cathedral Choir
Coventry Carol
Coventry Carol - Celtic Christmas
Loreena McKennitt - Coventry Carol
( 動画が消えていましたら、ごめんなさい )
The Coventry Carol
By , by , lully , lullay .
Lullay , thou little tiny Child ,
By , by , lully , lullay .
O sisters too , how may we do ,
For to preserve this day
This poor youngling for whom we do sing
By , by , lully , lullay .
Herod , the king , in his raging ,
Charged he hath this day
His men of might , in his own sight ,
All young children to slay .
Then , woe is me , poor Child for Thee !
And ever mourn and sigh
For thy parting neither say nor sing ,
By , by , lully , lullay .
わたしの愛しい子よ、
さようなら。
姉妹たち、この日が終わらぬよう
何ができるでしょう。
わたしが歌いかけるこの子と
いつまでも一緒にいるために。
ヘロデ王は怒り狂って
この日、申し渡した。
「 兵たち、目にした
幼子をすべて切り殺せ 」
わたしは深く痛み苦しむ、
あわれな子のために。
いつまでも憂い嘆く、
あなたとの別れを、
話すことも歌うこともできずに。
我が家の白い冬の植物たちの寄せ植え。
ブログラムランキング参加中!
Wish you have a Merry Christmas and a Happy New Year!
どうぞ楽しいクリスマスと新年が迎えられますように