毎年恒例のオールアルカン、行ってきました。同時期に発売されるCDのほうも四枚目…
←アルカンの曲の不思議な響き。妙につかまれる
これ、何枚出したらアルカン全集になるんでしょ。まぁ、行けるとこまでお付き合いしましょうってことで腹くくっているのですが、ピアノがメインでもないのに毎回、こんなマニアックなコンサートに付き合ってくれるきーちゃんさんに感謝です。
アルカン ピアノ・コレクション4《ファウストのように》
今回の目玉は「大ソナタ」。なんか聞いただけで恐ろしげですが…だって前に、「ソナチネ」というのがあったときに、「これのどこがどうソナチネ!?」みたいな、長大かつハイパー超絶技巧の曲だったからね。それが「ソナタ」になって「大」までついた日にゃどうなってしまうのでしょう。
でも、実際に聞いた感じは予想(前に聞いた「ソナチネ」をさらに拡大したような)とはかなり違いました。
四楽章形式ですが、それぞれが人生のある時期を表しているようです。
「20歳」非常に速く
「30歳:ファウストのように」十分に速く
「40歳:幸せな家族」ゆっくりと
「50歳:縛られたプロメテウス」極端にゆっくりと
つまり、「大ソナタ」全体で壮大なストーリー展開をしているような感じなのです。もちろん超絶技巧ではありますが、なにしろ後半に向かってゆっくりになっていくので、いつものアルカンの感じ(誰得な難しさに向かって突進していって終わる)とはだいぶ違います。
第二楽章の「ファウストのように」が、このCD全体のタイトルとして使われているわけですが、確かにすごい曲なんです。これ単独でもものすごくドラマチックで、なんかこれに似た感じは…ガンバスター幻想曲か!?
ガンバスター幻想曲というのは、アニメ「トップをねらえ!」の劇伴(田中公平)を元に森下唯氏が…いや、ピアニートが、かな? ピアノソロ用に編曲したものなんですが、これは名曲なんですよ~最初聞いたときは、なんでこんなすごすぎる曲が生まれたのかさっぱり腑に落ちなかったんですが、アルカンの曲を少しずつ聞いていくとだんだん、アルカン曲にこれだけ傾倒した森下氏だからこんな曲が作れたのかなと納得できるように思いました。
曲を聞きつつプログラムノートを読むと「フゲッタは短いとはいえ8声+αの展開可能対位法で書かれており、その声部の積み上げの果てに「主」が顕現する」とか書いてあって、はーさっぱり何いってるかわかりませんね。と思ったのですが引き続いて実際に曲がそこへ到達してみたらば、確かに書かれているとおりでした(何)
このソナタ全体で表されている人生は、ずいぶんな悲劇的な終わりを迎えるものらしいのですが、「40歳」の楽章を聞くとなんか、非常に充実した幸せな人生でもあったのではないかと思えます。この楽章、好きです。
それにしても、具体的な情景描写とかからは遠い存在(絶対音楽)のはずのソナタが、アルカンではこうなるのね…ピアノのソナタはこの一曲だけだそうです。
ということで、コンサート後半は「ピアノとチェロのための演奏会用ソナタ」でした。これ、CDに収録されていないので残念なんですがとても聴きごたえのあるおもしろい曲でした。ふだんピアノ曲ばっかり書くショパンさん、同じくアルカンさん、二人とも突然チェロソナタは書いてますがこれ、同じチェリストを想定して書いたものなんですね(いずれもフランショームさん初演)。よっぽど優れたチェリストだったのでしょう…
いつもピアノで「誰が弾くんだこんなもん」と思うような、超難曲を作ってるアルカンですが、これはアルカンさんがピアノを熟知しているからこそ、無茶ぶりに見えても実はきちんと理にかなって演奏可能(森下さんとかにとってはという意味ですが)なわけで、彼が書いたチェロ譜というのはどうなっているのでしょうね?
とにかく、チェロに対しても遠慮なしに無茶ぶりをしているようにみえたのですが、これがちゃんとチェロにとっても理にかなった組み立てで書かれているのかどうか?? 私にはまったくわかりませんが、でもこのコンサートのチェリスト、長谷川陽子さんは見事に演奏していました。チェロこんなことできるんだ…すごい…これまで見たチェロの中で一番無理ゲーだった。
アンコールでは、チェロ+ピアノの小品、しかしこれってピアノソロ曲のアレ(歌曲集第五巻「楽器の声」)では? アルカンがこんな編曲してるのか? …と思ったら森下氏編曲でした。これとっても素敵でしたよ。楽譜ほしいな。一生弾けない美女と野獣(*)じゃなくてこっちが出てれば買ったんだけど。
(*) 会場では、森下氏編曲の「美女と野獣」の楽譜を売ってたのですが、サンプル見たけど「これじゃしょうがないね」っていう一生弾けないやつ(笑)
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これ、何枚出したらアルカン全集になるんでしょ。まぁ、行けるとこまでお付き合いしましょうってことで腹くくっているのですが、ピアノがメインでもないのに毎回、こんなマニアックなコンサートに付き合ってくれるきーちゃんさんに感謝です。
アルカン ピアノ・コレクション4《ファウストのように》
今回の目玉は「大ソナタ」。なんか聞いただけで恐ろしげですが…だって前に、「ソナチネ」というのがあったときに、「これのどこがどうソナチネ!?」みたいな、長大かつハイパー超絶技巧の曲だったからね。それが「ソナタ」になって「大」までついた日にゃどうなってしまうのでしょう。
でも、実際に聞いた感じは予想(前に聞いた「ソナチネ」をさらに拡大したような)とはかなり違いました。
四楽章形式ですが、それぞれが人生のある時期を表しているようです。
「20歳」非常に速く
「30歳:ファウストのように」十分に速く
「40歳:幸せな家族」ゆっくりと
「50歳:縛られたプロメテウス」極端にゆっくりと
つまり、「大ソナタ」全体で壮大なストーリー展開をしているような感じなのです。もちろん超絶技巧ではありますが、なにしろ後半に向かってゆっくりになっていくので、いつものアルカンの感じ(誰得な難しさに向かって突進していって終わる)とはだいぶ違います。
第二楽章の「ファウストのように」が、このCD全体のタイトルとして使われているわけですが、確かにすごい曲なんです。これ単独でもものすごくドラマチックで、なんかこれに似た感じは…ガンバスター幻想曲か!?
ガンバスター幻想曲というのは、アニメ「トップをねらえ!」の劇伴(田中公平)を元に森下唯氏が…いや、ピアニートが、かな? ピアノソロ用に編曲したものなんですが、これは名曲なんですよ~最初聞いたときは、なんでこんなすごすぎる曲が生まれたのかさっぱり腑に落ちなかったんですが、アルカンの曲を少しずつ聞いていくとだんだん、アルカン曲にこれだけ傾倒した森下氏だからこんな曲が作れたのかなと納得できるように思いました。
曲を聞きつつプログラムノートを読むと「フゲッタは短いとはいえ8声+αの展開可能対位法で書かれており、その声部の積み上げの果てに「主」が顕現する」とか書いてあって、はーさっぱり何いってるかわかりませんね。と思ったのですが引き続いて実際に曲がそこへ到達してみたらば、確かに書かれているとおりでした(何)
このソナタ全体で表されている人生は、ずいぶんな悲劇的な終わりを迎えるものらしいのですが、「40歳」の楽章を聞くとなんか、非常に充実した幸せな人生でもあったのではないかと思えます。この楽章、好きです。
それにしても、具体的な情景描写とかからは遠い存在(絶対音楽)のはずのソナタが、アルカンではこうなるのね…ピアノのソナタはこの一曲だけだそうです。
ということで、コンサート後半は「ピアノとチェロのための演奏会用ソナタ」でした。これ、CDに収録されていないので残念なんですがとても聴きごたえのあるおもしろい曲でした。ふだんピアノ曲ばっかり書くショパンさん、同じくアルカンさん、二人とも突然チェロソナタは書いてますがこれ、同じチェリストを想定して書いたものなんですね(いずれもフランショームさん初演)。よっぽど優れたチェリストだったのでしょう…
いつもピアノで「誰が弾くんだこんなもん」と思うような、超難曲を作ってるアルカンですが、これはアルカンさんがピアノを熟知しているからこそ、無茶ぶりに見えても実はきちんと理にかなって演奏可能(森下さんとかにとってはという意味ですが)なわけで、彼が書いたチェロ譜というのはどうなっているのでしょうね?
とにかく、チェロに対しても遠慮なしに無茶ぶりをしているようにみえたのですが、これがちゃんとチェロにとっても理にかなった組み立てで書かれているのかどうか?? 私にはまったくわかりませんが、でもこのコンサートのチェリスト、長谷川陽子さんは見事に演奏していました。チェロこんなことできるんだ…すごい…これまで見たチェロの中で一番無理ゲーだった。
アンコールでは、チェロ+ピアノの小品、しかしこれってピアノソロ曲のアレ(歌曲集第五巻「楽器の声」)では? アルカンがこんな編曲してるのか? …と思ったら森下氏編曲でした。これとっても素敵でしたよ。楽譜ほしいな。一生弾けない美女と野獣(*)じゃなくてこっちが出てれば買ったんだけど。
(*) 会場では、森下氏編曲の「美女と野獣」の楽譜を売ってたのですが、サンプル見たけど「これじゃしょうがないね」っていう一生弾けないやつ(笑)
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