本日、快晴。

映画中心雑記。後ろ向きなポジティブが売りです。

進撃の巨人 ATTACK ON TITAN【映画】

2015年08月11日 | 【映画】


@ユナイテッドシネマとしまえん

飛んで火にいる、夏の虫。
映画ファンサービスデーの魔力に侵され、
行ってきました、地雷原。

予告編の動画がアップされるたびに、
鑑賞意欲がどんどん削がれていたのですが、
何か、ここまで低いハードルで観に行ったら、
逆に面白いかもしれない、と思ってしまったのが運のツキ。

とは言うものの。
下げ過ぎたハードルのおかげで、
それほどガッカリはせずに済みました。個人的には。

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100年以上前、人間を捕食する巨人が現れ、
人類のほとんどが食べられてしまった。
生き残った者たちは巨人の侵攻を阻止すべく
巨大な壁を3重に作り上げ、壁の内側で暮らしていた。
エレン(三浦春馬)やミカサ(水原希子)もそんな中の一人だった。
そんなある日、100年壊されなかった壁が
巨人によって破壊されてしまう。
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まず、声を大にして言っておきたいのが、
これは『原作とは完全な別物』、ということですかね。


原作ものの映画化で、必ず言われることではありますが、
とは言っても意識しないわけがないんですよね。
特に本作については、かなり設定を変えてきているので、
いっそのこと登場人物の名前も変えてしまった方が
完全に別物として、すんなり入り込めたんじゃないかなあ、と。


余談ですが、最近ビジュアルノベル形式のPCゲームをプレイしていたんですが、
一巡目と二巡目では、同じ登場人物で話の展開がまったく違うんですよね。
三巡目になると更に違って、もう一巡目のことなんか覚えてないくらい。
これが、ほんの最近のことだったので、
"あ、これと同じ気持ちで見ればいいんだ!"と認識し、
早めに切り替えられた分、結構寛大な気持ちで見ることが出来たと思います。

でも、それはやっぱりたまたまであって。
どうせなら、設定だけ残した別世界の話にしてしまった方が、
映画単独としての評価を、ここまで落とさなくて済んだかも、とは思いました。


さてさて。
しかしまあ、荒れてますねー、ネットが。

理由はよく分かります。
原作ファンとして許容できない要素がいくつかあるし。
未読だったら少し違ったかなあ。

まあ、"たられば"はとりあえず置いといて、
総じて前述した要素に繋がりますが、
原作と別物、とすれば、許容できるかもということが多いです。

以下は私の主観として、耐え難かったことを挙げています。

容姿と名前の、そこはかとない違和感。
(エレン、て名前の日本人はいないでしょ。)
途中途中に、無理矢理入り込む原作要素。
(『世界は残酷』ってミカサに言わせりゃいい、てもんじゃないんですよ。)
巨人の風貌。
(原作の無機質さが良かったのに、お笑い芸人とか使われると萎える。)
シキシマのキャラ。
(不必要なナルシズム、含み等邪魔な要素満載。ここはむしろリヴァイで良かった。)

加えて。
これはアニメが大成功してしまった弊害なんだけど、
立体起動を生身の人間を使っているからか、どうにももたついて見えたのが残念。
相方はそんなことなかったらしいので、私の目が厳しいだけかもしれませんが。

それでも。
ストーリーに関しては、しつこいけれど「別物」なので、
後編で、どうまとめるかに尽きると思います。
色々と突っ込みどころはあるけれど、現時点ではこんなもんかなと。
ただまあ、濡れ場的シーンについてはサービスにもなってないから不要とは思いますが。


対して、良かったところとしては、
特撮で製作したのは正解かなあ、と思いました。
CGだったらもっと白けただろうな、と思うと、
日本映画でやるには、最善策だったとは思います。
あくまで、"やるには"というだけなので、
やらなければいいのに、という話は、また別の話。
チャレンジングな気概は買います。

あとは、グロ描写・残酷描写を厭わなかったところですかね。
私はそれほどグロイとは思わなかったけれど、
巨人が人間を喰らう、というのは、なかなか実写映像としてはショッキングですが、
その辺も特撮が功を奏して、安っぽくならずに上手く見せていたように思いました。


そして。
俳優陣については、良い人と悪い人が、はっきり分かれます。

とあるインタビュー読みましたが、『水原希子ダメ、あいつカス』とは言われないんじゃないかなあ。
正直、原作と同名で出ている登場人物の中では、アルミンと同列で頑張っていたと思います。
本郷奏多については、彼自身の評価も高いし、きれいな顔が原作ものにハマっていたと思います。
ピエール瀧も悪くない。まあ、ハンネスさんですよね。

一方で、やっぱり戦犯・石原さとみ。
すごく可愛いし、全然嫌いじゃない女優さんなんですけど、
彼女が出る映画は、個人的に、本当に当たらないんですよ、内容的に。
(興行収入は高くても、軒並みハズレな印象。)
ハンジは合ってなかったんじゃないかなあ・・・。ミカサとか、せめてサシャなら目を瞑れたかもしれない。
後は、過剰なまでの長谷川博己。そして、終始プルプルしている三浦春馬。
彼ら3人について、私は演技的なところで、うーーーーーん・・・と思っていたんですが、
ライムスター宇多丸氏の批評を聞いて納得。なるほど、演出面での問題もありますね。
古臭いし、ダサイ、という表現が的確でした。
漫画やアニメだから、過剰演出は許されるのであって、
フィクションとは言え、実写になると、途端に寒くなるのは仕方ないことと分かってはいるのですが、
それにしても、白々しくて、観客としては引いてしまう、というのが正直な感想です。

ネットでは『賛否両論』と書かれていますが(まあ大概の作品はそう書かれるけれど)
心底同感です。良いところも、悪いところもある。

個人的な感覚としては、
最近のぬるい邦画群と比べてものすごく気合い入れて製作した気概は買いたいんですが、
そもそも、「進撃の巨人」である必要はあっただろうか・・・とか。
あと、映画として、許しがたい・耐え難い・見ていてしんどい、という不出来な要素があまりにも多過ぎて、
素直に、気概のみを評価できない、というのが、心苦しいですが、正直な感想です。


色々と書きましたが、本作は後編見てみないと、なかなか評価も難しいところではあります。
そういう意味では、「寄生獣」のような前編見切りはしないと思いますが、
全力でお金を払いたくないので、溜まったポイント使って無料鑑賞した上で、
私の6本分の映画料金(無料鑑賞ポイント分)を払うに値するかどうか
見極めてきたいと思います。

・・・まあ、後編でびっくりするほど、評価が上がるとも思えないのだけどね。


原作未読の方、特撮に抵抗ない方、あとは本郷奏多ファンくらいにはオススメできますが、
その他の方には、自己責任で観に行って頂きたい。ネタとして、という方は、リスク覚悟で。
加えて、私と同じく長谷川博己ファンの方には、絶対的にオススメしません。
「MOZU」を待つのが妥当かと思います。以上。

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