本日、快晴。

映画中心雑記。後ろ向きなポジティブが売りです。

闇金ウシジマ君【映画】

2012年09月03日 | 【映画】
深夜ドラマも好評だったウシジマ君の映画を見に行きました。
公開2週目でしたが、結構混んでましたね。
そんな、派手は映画でもないのにね。

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ギャンブルにハマった母親の借金を背負い、
カウカウ・ファイナンス を営む丑嶋(山田孝之)の容赦ない取り立てに追われる未來(大島優子)。
出会いカフェで働くようになった彼女は、
簡単に稼げるのならば体を売ってもいいと考えるように。
一方、イケメンダンサーを集めたイベントを企画し、
彼ら目当てに集まる女性たちから金を巻き上げる純(林遣都)は、
丑嶋によって資金調達の道を閉ざされたことを恨んで
復讐(ふくしゅう)を決意する。
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ご存じの通り、山田孝之贔屓のあたしですが、今回は相方の方がベタ褒め。
ネットとかで評価を見ても、山田孝之を批判している人はいないくらい、超ハマリ役でした。

闇金をテーマにしている作品ですが、
それをよしとしていないところが、ウケているんだと思います。
人間の泥臭さとか、汚さがきちんと描かれていると言われている原作は、
「このマンガがすごい」の常連にもなってますし、非常に興味深い。

あたしは、原作が未読なので比較は出来ませんが、
深夜ドラマは毎週楽しみに見てたので、映画化もそこそこ楽しみでした。


この話は、闇金絡みのエピソード、2つで構成されてます。

林遣都演じるチャラ男の話。
大島優子演じるギャルの話。

明暗分かれました。

この作品は、闇金の怖さを描くことによって、
そこにハマった人達がどうやって生きて行くか、
人間の強さと弱さが浮き彫りになっていく様が面白いんだと思っています。

しかしながら映画は深夜ドラマと比べると、
設定がいくらかマイルドになっていて、
堕落感とか、這い上がり感が全然足りず、物語が薄っペらく感じました。

それでも、チャラ男の話は、まぁ良かった。
のし上がるために手段を選ばない若者の浅はかさもよく出ていたし、
最後の最後にに反省しても、救われない展開も非常に良かった。
ただ、“にくまむし”とか“ゴレンジャー”とか、
ネーミングセンスがダサイくらいかな(笑)。

反対に女子の話は、非常に期待外れ。
彼女は全然堕ちていないから、そこから這い上がったという実感がない。
最初から堕ちていない人間に、闇金は関係ないでしょう。
家族がどうとかはまた別の話。ただの可哀想な境遇なだけ。
どうせなら、もっとこっぴどく堕ちて、そこから這い上がる話が見たかった。


俳優陣については、山田孝之の一人勝ち。
彼の存在感だけでも、この映画は見る価値があると思います。
加えて、新井浩史もいい。
彼はこういう役が非常に上手い。モテキみたいなのじゃなくてさー…。
でも、この役をやった作品の舞台挨拶で
「AKBの劇場に見に行ってました。」とか言っちゃったらしく、
その辺のギャップがちょっと…と相方が嘆いてました。

林遣都は、演技云々というよりはキャラクター分析がよく出来ていたと思います。
良い感じにハマってました。クズっぷりが良かった。
他のレギュラー陣も問題なし。黒沢あすかなんて最高。

そして、色々なところで目にする大島優子批判。
結論から言うと、この作品との相性が合わなかったんだと思う。
演技云々ではなく、彼女がAKBだから、
こんな甘っちょろい展開になったんじゃないかと憶測されてしまうし、
彼女でなければ、もっと深い展開が出来たのかもと思うと
キャスティングにケチをつけたくもなるよね。。。
本人のせいではないかもしれないけれど、個人的には非常に残念。
女優志望と公言しているようなので、
AKBという肩書を持っている間はそれ相応の仕事選びをしないと、
本人の意思とは違う部分で、世間から叩かれてしまうのではないかなと思いました。
あくまでも、個人的な感想です。ファンの皆さんゴメンナサイ。


長くなりましたが、原作を好きな人にはあまりウケが良くないようなので、
読んだことのない人には、お勧めです。
大島優子ファンの人も楽しめるんじゃないかな。全然汚れないし。

でも、せっかく映画でやるならば、
とことんまでクズに、とことんまで堕ちていく、
そして最後に自力で這い上がる、みたいな話を見たかったので、
その点で少し物足りなかったのが残念です。

とは言え、見て損はない映画です。
暴力とか、闇金とか、所謂不法行為ジャンルものが嫌いでなければ是非。