小言コウベイN

日々感じた風刺等について書いています。

ピストル2

2020-06-26 18:55:05 | 日記

  R 02.06.27   ピ ス ト ル2   NO.2695  

 Fはいっそ予定価格を教えて、この場の難を逃れるか、名誉ある

死を選ぶか迷いましたが、一度でもそんな罠にかかったら、一生涯

蟻地獄のような人生を歩まなければならなくなることを憂い、入札

予定価格を教えることを拒否しました。

「頑固な奴だな」「何も役所のために死ぬことはないだろうに・・」

と男たちは薄笑いを浮かべてFの手足をロープで縛り付け、その穴に

落とし込もうとした瞬間でした。

ブルトーザーやユンボなど置き去りにされた、建設機械の裏側から5

~6名ピストルを手にした男たちが飛び出し「叫びました」「そこま

でだ!」おとなしく逮捕に応じなかったら射殺する。

Fを尾行していたのは、業者の回し者と刑事だったのです。

*この作品はある地方新聞の「新人作家登竜門」という企画に、私が

応募して入選した短編の要旨です。

 最優秀者には一定期間、その新聞のスペースを提供するというもの

でしたが、3,000円の図書券をもらっただけで、おしまいでした。

それでいいんです。 作家になんかなれるわけがありませんから。

 

 

 

 

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