27.01.13 劇 薬 NO.664
正義や道理・「徳」や信頼で、人を統率することは容易ではありません。
一方、脅迫や恐怖や恣意的な処罰や粛清で人を服従させることが容易であることは、北朝鮮やナチス・ドイツの例を見ればよく解ります。
ヒットラーは常に多数を納得させることによって、少数である障がい者・反体制的学者・知識人・宗教者・異民族を次〃と屠り、純血ドイツを建立しようしまし
た。 そういう政策は自分には関係ないと最初は高をくくっていた庶民に、ブーメランのようになって襲いかかって来た時には、ナチスはもうどうにも抵抗
できないほどの巨大な怪物になっていたのです。 勿論、少数者の意見が常に正しいとは限りません。
私だって同性婚や喫煙者は好みませんし、オウム真理教のような危険な少数者だっていないとも限りません。
しかし、だからと言ってなんでかんでも少数者を切り捨ててよいものとは決して言えません。 良識ある選別が必要です。
民主主義とは手間暇のかかる非能率な手段かも知れませんが、現時点ではこの方法に勝る方法はほか考えられません。
巧みな弁舌によるアジテーションは民衆を感動させ・酔わせ・時にはしびれさせるかもしれませんが、それは結局は劇薬・危険ドラックの類です。