狩江のお祭りと文化論

~愛媛県西予市明浜町狩江地区のお祭りや、四季折々の風景、暮らしを独自の観点からお伝えいたします~

狩浜段々畑の「ここが違う!わがふるさとの石垣」①

2016-03-24 17:24:01 | 狩江のジオパークポイント

さて狩浜地区では、国の重要文化的景観への選定に向けていろいろな調査が今現在

行われておりますが、それに関連した文化講演会が先日ありました。

演題「石積み、石垣が物語る郷土の歴史と風景」、講師は石垣技術研究機構代表の

高瀬哲郎さんでした。

その分野での第一人者である高瀬氏による、大変興味深い講話でした。

その話の中で、狩浜の石垣の特徴の一つとして

”石垣の角は、一部を除き全域すべてが、丸める技術で築いていること” だそうです。

それは99.9%の確率に近いとのこと。

確かにわたしたちはそれが普通だと思っていましたが、違うんですね。

ほとんどの石垣は角を丸めています。先生は、丸めることへの地域のこだわりみたいなものが

あるのでは?と、おっしゃっていました。

ちなみに、私が考えるに、これは昔ホゴロを担っていた時代、歩いて上り下りする際

引っ掛けてホゴロを損傷しないようにしたのでは?などと思っています。

ともあれ、これが特徴の一つだそうです。

一部を除きというのは、本浦地区の西にそびえるヒヤマという地名の山がありますが

(ここは昔の狼煙台の跡があるところですが)この下に築かれている石垣数段は、角のある石垣が

残っています。何か別の用途で作られたか?時代背景などは調査中です。

この講演ではその他いろいろな興味深い話がありましたので

シリーズでご紹介したいと思います。


狩浜段々畑ガイドチームに同行!

2015-08-23 07:05:53 | 狩江のジオパークポイント

先日、段々畑ガイドチームが新たなコースを考えているとのことで同行させてもらいました。

お伊勢山です。その前に養殖いかだがありますが、その横を通っていきます。

ガイドのみなさんが、ポイントを探りながら船を進めます。時刻は午後6時前。この日もかなり暑かったのですが

夕方の船の上は、いい風と潮の香りで最高です!

真珠いかだの横を通り抜けて・・・・次は通称「島の元」へ。

大潮の満潮時だったのでこのような風景ですが、船長のHさんによれば、干潮時のこのあたりも大変見どころだとか。

通称「ライオン島」。岸から見ると、まるでライオンの頭のような恰好をしていた岬ですが、現在その先端は崩壊しています。

魚付き保安林からはもう三つ越島が近くに見えます。

             

             

             

三つ越島から~恋の浦~立岩へ。

海の散策と、海から見る段々畑。日常の風景とは一味違った、サプライズのひと時でした。

チームのみなさんにはぜひ、その魅力をゲストの方に伝えていただきたいと思います。

 


段々畑の話など・・・

2014-05-16 21:11:02 | 狩江のジオパークポイント

私のような昭和生まれの者は、畑にミカン以外の作物をあんまり見たことがありません。

そう、生まれた時からミカンだけでした。

でもこの300~400年間、当地では蝋の原料となるハゼ、桑、麦、甘藷(いも)、そしてミカンと

移り変わってきました。いまでは数十種類のミカン品種が栽培されています。(す、すばらしい!)

       

平野が狭い分だけ、畑は急斜面を利用して海岸付近まで作られる・・・・。R378はそんな段々畑を横切っています。

前には宇和海が、いつもと変わらずきらきらと輝いている。

       

石にもいろいろな利用方法があります。


石灰岩の層

2014-05-15 22:31:38 | 狩江のジオパークポイント

狩江の山には、いわゆる仏像構造線というものが通っていて、その断層に沿って石灰岩の層ができています。

基本的には白い石で、海のサンゴなどが石になったものです。エジプトピラミッド、万里の長城、古代ギリシャの神殿など

この石灰石のおかげで、我々の文明は栄えてきました。

ここ狩浜の山にも、サンゴ、プランクトンなどが堆積してできた石灰岩が、写真のように露出しています。

これを先代たちは石組みの材料として活用しました。それがいま、日本に他に類を見ない石灰石の段々畑として

注目を集めているのです。割と加工しやすく、明治期になって火薬類が普及したことにより、なお一層この石灰石の

段々畑は面積を増やしてゆくことになります。


帰省の方からの、あるヒント、頂きました

2014-01-04 21:48:30 | 狩江のジオパークポイント

       

ジオパークのポイントに、通称「たこやき島」、あるいは「島のもと」(本来はこの

島のもととは、この岸付近の地名だそうです)があるのをご存知ですか?

今日は夕日がきれいでした。

さて、都会から帰省されていた方もいらっしゃったと思いますが、知人にジオパークポイントの

段々畑を見せてあげた時の話です。こちらの出身者ではなかったのですが、

我々地元の者はありきたりの、ある風景がとても新鮮だと話していました。

それは、キャリーにミカンを積んだ軽四トラックと、モノラック

ええっ!?まるで当たり前の風景なのですが(我々にとって)、ミカンがなっている畑や

それを運んでいる風景は、初めて見る者にとっては、私が東京スカイツリーを目にする

感覚と一緒なのです。モノラックはまるでジェットコースターだと。ミカン満載の軽四は

都会では見ることできません。規模の差こそありますが、考え様によっては、

モノラックにしてもミカンキャリーにしても充分魅力ある資源なんだと感じました。

そんな小さなものからまず、地元を発見してみたいと思うのです。