さて狩浜地区では、国の重要文化的景観への選定に向けていろいろな調査が今現在
行われておりますが、それに関連した文化講演会が先日ありました。
演題「石積み、石垣が物語る郷土の歴史と風景」、講師は石垣技術研究機構代表の
高瀬哲郎さんでした。
その分野での第一人者である高瀬氏による、大変興味深い講話でした。
その話の中で、狩浜の石垣の特徴の一つとして
”石垣の角は、一部を除き全域すべてが、丸める技術で築いていること” だそうです。
それは99.9%の確率に近いとのこと。
確かにわたしたちはそれが普通だと思っていましたが、違うんですね。
ほとんどの石垣は角を丸めています。先生は、丸めることへの地域のこだわりみたいなものが
あるのでは?と、おっしゃっていました。
ちなみに、私が考えるに、これは昔ホゴロを担っていた時代、歩いて上り下りする際
引っ掛けてホゴロを損傷しないようにしたのでは?などと思っています。
ともあれ、これが特徴の一つだそうです。
一部を除きというのは、本浦地区の西にそびえるヒヤマという地名の山がありますが
(ここは昔の狼煙台の跡があるところですが)この下に築かれている石垣数段は、角のある石垣が
残っています。何か別の用途で作られたか?時代背景などは調査中です。
この講演ではその他いろいろな興味深い話がありましたので
シリーズでご紹介したいと思います。