空のように…

空:広い。大きい。変幻と不変・・・
勝手にそんなイメージ持ってます。
まあ、空も怒りはしないでしょう。

背景への考察です。

2008-06-11 00:54:15 | 健康・科学, etc.
研究室の文献セミナーでした。

HIVが持っている酵素の機能制御に関する論文を紹介しました。
メインの御題は分子レベルの解析なんだけどね。
背景として、感染状況もインターネットで検索したり。

5月の報告では、日本の昨年の新規HIV感染・AIDS患者の報告数が1500人。
その前年度までの累計報告数が12,000人以上。
世界での推計総数は2006年時点で3950万人。

主な感染経路は性的感染・血液感染・母子感染。
インフルエンザのような空気感染でも、O157のような糞口感染でもなく。

それなのにこれだけの広まりを見せている原因は・・・潜伏期の長さかな。

感染後、発病するまでは5年から10年。
それまでは、細胞のゲノムの中に入り込んで潜伏中。
無症状。気づかない。
ウイルスにとって、攻撃しないことが攻撃になっているわけか。

んー、怖い。

2007年の献血者、HIV陽性者が100人越えたらしいですよ?
検査結果は本人通知をしないのに、検査目的の献血も増えてきているとか。
感染後のある時期では、検査を通り抜けてしまうこともあります。
そうしたら、病院で治療を受けている誰かに届いてしまうんだよ。

母子感染。と書きましたが、妊娠・分娩・育児の時の処置で防ぐことができます。
知っていれば、対策を立てられるわけで。

一番怖いのは、気づかないこと。じゃないかな。


***
攻撃しない攻撃と書いて、蚊を思い出しました。
かゆくするから殺されるんだよね、あいつら。
かゆくしなかったら、蚊取り線香も虫除けスプレーもさほど普及しなかったろうに。
(そうでもないかな?)
かゆくなかったら、、、あいつらどれだけ増えていたのかな。

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2 コメント

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えいず (らぷ)
2008-06-11 19:42:19
検査目的の献血はほんとに迷惑よね。
保健所に行けば匿名&無料で検査受けられるんだから、そっちに行けばいいのに。

HIV感染が急激に増えているのはアフリカなんだけど、ここは圧倒的に母子感染が多いんだよね。
授乳をしなければリスクはかなり減るんだけど、授乳しないとなると栄養失調で死んでしまうリスクが高くなるわけで…。
抗HIV薬は長期間飲み続けなければならず、一度でもそれを守らないと耐性ウイルスが出てきてそれまでの努力がおじゃんになってしまうらしい。
でも、この薬は副作用が強いし、それなりに高いし、かなり強い意志と正しい知識がないと耐性ウイルスを増やすだけになってしまうんだよねー。
難しいなぁ。

私ももうすぐジャーナルだ…。
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ずずず (あけび)
2008-06-24 02:50:32
ジャーナルは終わった頃かな?
だったらおっつかれー☆
どうだったかな?

飲み続けないと耐性ウイルスを増やすだけって・・・辛いね。
終わりが見えないのも不安だろうし。

いろんな作用機序の抗HIV薬の開発が進んでいるけれども、
副作用・耐性ウイルス・値段の壁は、なかなか厚そうです。

ウイルスの攻撃を抑える薬については耐性問題
がもれなく付いてくるしね。
免疫不全が病態なら、外部から生体への免疫システム追加療法で改善できないものかと思ったり。遺伝子治療?
そういう方向でも研究が進んでいるの・・かな。

そして、例え理想的な薬や治療法が出来たとして、値段が高かったら(そしておそらく高い)どうなんのかな、とも思ってみたり。
予防の段階で、世界各国地域によっては感染リスクとマネーというか栄養問題のせめぎあいなのに。

徹底した予防と。
一定水準以上の治療と対応策と。
これが行き渡った上で、望む人にはマネーと引き換えに完全治療を。

これが、コスト的現実と理想の狭間のシステムなのかなーと思うけど。むむう。。。
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