監督 ポール・ボガート
原作 ハーベイ・ファイアスタイン
脚本 ハーベイ・ファイアスタイン
出演 ハーベイ・ファイアスタイン(アーノルド)
アン・バンクロフト マシュー・ブロデリック(アラン)
ブライアン・カーウィン カレン・ヤング
チャールズ・ピアース 1988年、アメリカ
随分前に、ビデオで見た忘れがたい映画です。
ユーモアの効いた場面にクスクス笑い、気がつけば涙で顔がクシャクシャになっている。
ゲイの人の愛を描いた映画だけれど、それは男女の愛となんら変わりはないと思い知った映画でもある。
アーノルドは子供の頃から自分が人と違うことに気づき母親もそれを知っている。
子も子なら親も親のユニークな親子だが、意見の対立、確執はある。
愛しているけれど、理解しようとするけれど、理解しきれない母と息子。
しかしアーノルドは世間が何と言おうと堂々と、パブで立派な”歌姫”(かなり恐ろしげな歌姫だけれど、笑)として働いている。
ウイットに富み愛嬌のある彼は売れっ子だけど、心の中では本当の愛を願っている。
現実の女性よりも女らしいかもしれない。
献身的に愛した彼、エドにあろうことか女性の彼女ができて失意の日々。
そこへアランというキュートな若者が現れ。
アランの一人ぼっちでNYで生きるためにはゲイになるしかなかった。
この台詞は衝撃的だった。
マシュー・ブロデリックは可愛い顔でゲイの役に挑戦、アーノルドを優しく愛する男性を演じてとても魅力的♪
二人の前に金髪のハンサムな青年がやってくる。
アランは彼とつい危ない火遊び。
この時のブロディリックの髪を整える仕草に、ゲイの男性ってこんなふう?とドッキリ。
Will You marry me?
ようやく、二人は”結婚”し、ニューヨークのアパートで幸せに暮らすのだが、
アランの優しさは悲劇を生む。
他人を救おうとするアランの表情と、アーノルドの虚脱と絶望の姿は心に焼きつく。
こちらの心まで痛かった。
ハーベイ・ファイアスタインは実際にゲイであるらしいが、ゲイであること、生きることの哀しさと喜びを演じて素晴らしい。
彼はこの映画の脚本も書いている。
『ミセスダウト』でもチラリと元気な姿を見かけましたよ。
母親が言う。
「心の傷は指輪のように少しずつ身体の一部になっていくの」
「貴方の父さんの思い出もそう・・・」
残念なことに、先ごろ亡くなった大女優アン・バンクロフトにこう言われると納得させられる。
アランと相談して貰い受けた養子の一人息子のママでありパパであるアーノルド。
息子もママ?に負けず軽口を返す年頃になった。
こういう幸せもまたあるのが驚きでもあった。
この映画に出会えて良かった。
そんなふうに思える映画だった。
今日もアーノルドは客を笑わせ、恋歌(トーチソング)を歌う。
TB送信:映画の心理プロファイル
罵り合ってたお母さん役のアン・バンクロフトが、ハーベイが履いてたウサギのスリッパをなにげに履くシーンが、なんだか印象に残っています。親子の絆が感じられるシーンって、なんだかしみじみしちゃうんですよね。
こちらからもTBさせていただきますね。
親子の絆と、この映画の場合は男女の愛ではなかったけれど、(笑)愛について魅力的な3人が十分に語りつくしてくれた映画でした。
この映画、なぜか2度見ようと思わないんですよ。
きちんと向き合って見たい映画なんですね。きっと。(笑)
TBとコメントのお返しを感謝します。
映画ブログを立ち上げたものの、更新がなかなかできません(涙)。
いっぱい映画紹介されてますね。ぜひ参考にさせていただきます。
今後ともどうぞよろしくお願いいたしますm(_ _)m。
私も更新は遅いです。笑
20代の頃は映画もじゃんじゃん見ました。
でも、今はじっくりと好きな作品だけ見たいと思っています。
モカ次郎さんの宝物オススメ映画を楽しく拝見しました。
『心の旅路』『アパートの鍵貸します』 『天国から来たチャンピオン』 『蒲田行進曲』他も、ほんとうに宝物ですよね。
じっくり拝見します。
ああ、『ベニスに死す』が見たくなってきました。
よろしければ、モカ次郎さんのブログを拙ブログにリンクさせていただいてよろしいでしょうか。
よろしくお願いします。