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あいりのCinema cafe

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私の頭の中の消しゴム (劇場にて)

2005-10-26 22:36:48 | 韓国映画

atamano

監督・脚本 イ・ジエハン
出演 チョン・ウソン(チョルス)
     ソン・イェジン(スジン)

私のプロバイダーのネット抽選に当たったチケットを握り締めて見てきました。うん、幸運。

チョン・ウソンを『上海グランド』で見かけたのが96年。
反日分子の若き闘士を演じていて、目ざとい人は注目していただろうね。
『ユリョン』の後、沈黙があって、『MUSA』ではあまり台詞のない役だったので、今回は彼の声を聞くことができた。
ヒーローではない役だけど、チョン・ウソンだとヒーローぽく見える。笑

冒頭、ヒロインが買ったコーラを忘れるところにドキッとした。
たまにヤッてる私って大丈夫だろ~か?
いや、私のは天然だしと落ち着く。やっぱり怖いね。

題名から内容が推察できるように、映画は正統派の愛の物語です。

 死より切ない別れがある

チョルスとふとしたことがきっかけで、手痛い失恋を経験したばかりのスジンは出会い、恋に落ちる。
それまで独りで生きてきたチョルスは
幸せなんかない、君は自信過剰だ、
人生は怖いものだ、
生まれるのも独り、死ぬのも独り、
愛など信じないふうだったけど、スジンの一途な情熱にやがて心を開く。

この映画には数々の名台詞があって。
 許すということは心の扉の一つを開けること。
スジンがチョルスに彼を捨てた母を許すように説く場面もいい。

野性的で荒々しく、愛に飢えたチョルス、それゆえ一旦手にした愛を全身全霊で守ろうとする本当は心優しい男を演じたチョン・ウソン。
ある意味、理想の男性じゃないかな。
チョン・ウソンさんはもっと注目されていい男優さんだと思う。

スジンが気を失った時、誰よりも先に、彼女を軽々と胸に抱いて走るチョルス。
それを見守るスジンの父親の驚いたような複雑な顔が印象的。
そう、娘が父から恋人へと、バトンタッチされる瞬間、
チョルスの愛がどれほど深いかが知れる、胸が熱くなる、父の目から見れば切ない場面だ。

二人を引き離すものなどない美しい愛の光景が輝くようであるほど、後に起こる悲劇が予想されて胸がチリリと痛い。
二人の幸せそうなこと!
ここでラテン音楽がふんだんに流れるのは爽やかだけど、カーウァイ映画を意識してるかな?笑

甘い夫婦生活はなかなかエロテックで、(笑)オッと思うような場面もある。
そう、スジンの魂(本能・感覚)の中にはチョルスが息づいている(身も心も一緒)ってことかな。
それは後の衝撃の場面にも繋がるのだけど。

ソン・イェジンは変わらず清純だけれど、今回は成熟した新妻役で健闘。
この人の繊細な演技力はこの映画の鍵かしらね。

ここから結末に触れています。
****************************************

肉体的な死よりも先に精神的な死が来る。

違う!魂は死なない!チョルスの叫び。

 愛は消えない
 俺が君の記憶で 君の心なんだ。

スジンが失禁して、チョルスがそれを他の家族に見せずに、片付けようとする場面が衝撃的だった。
奇麗ごとだけではなく、これが愛する人の全てを受け入れるということなんだと思う。深い・・

私も、病のせいで記憶は失っても、その人の心、魂は失われないと思う。

パンフレットの家中に貼ってあったメモの文を読んで、ついに涙腺決壊。

「犬でも当てられるよ、お母さんはおカズ代~」は面白い。
妻のためにどれも同じカードにしてあったのにね。

療養所で再会した時、スジンはチョルスの似顔絵を描いていた。
それは少しずつ子供の描くような、たどたどしいものになっていたのは胸を突かれた。
記憶は薄れても、チョルスを想っていたのだ。

「初めまして」彼がサングラスで、こみ上げる涙を隠す場面もいい。

「ここは天国ですか?」・・・

スジンはやがては赤ん坊のように無垢な人になってしまうのだろうけど、元々チョルスは彼女にとってお父さんで叔父さんのようだったのだもの。

二人はまた、「初めまして」から恋に落ちることもできるじゃない。(これは私の勝手な願望;)

そんなことも思わせる、あのラストは悲しいなかにも希望を感じた。
「サラガヨ」・・・
 伝えなければ_____僕の人生は無意味です

でもね、チョルスを孤独から救ったスジンの人生は無意味ではなかったよ。

TB送信:たそがれ時、あのね・・・、お気に入りの映画、any's cinedaiary、カノンな日々、ラムの大通り、Cinema Diary、


マラソン (劇場)

2005-07-08 20:21:49 | 韓国映画
m6-in

監督:チョン・ユンチョル
脚本:ユン・ジノ、ソン・イェジン、チョン・ユンチョル
撮影:クォン・ヒョクジュン
編集:ハム・ソンウォン ナム・インジュ
音楽:キム・ジュンソン
出演:チョ・スンウ(ユン・チョウォン)
    キム・ミスク(キョンスク・チョウォンの母親)
    イ・ギヨン(ソン・チョンウク ・コーチ)
              2004年、韓国
公式ページ 
5才の心を持つ20才の青年チョウォン
「ボクは走っているときがいちばん幸せ!」

映画のキャッチコピーから内容は想像できて、ためらいながら見に行った。
予告編を見てあの『ラブストーリ』のチョ・スンウの映画を久しぶりに見たかったし。
私の職業(笑)は母親業だし、訳あって障害のある子供を持つ母親の気持ちが少しだけ分かるので、チョウォンの母親の気持ちに共感すること多々。

実在の青年を描いた映画です。
今までに、この題材を真っ向から描いた映画があったかな。
描くべきことはしっかりと丁寧に描いていて、決して、泣いてください的でない力強い映画だった。

チョウォンはチョコパイとジャージャー麺としまうまとマラソン、音楽に合わせて踊るのが大好き。
5才の心を持つ20才の青年チョウォン。

このような子供を母親という仕事柄、見てはいるけど本当のところは知らなかった。
雨、水、風、ああいうふうに感じさせ、覚えさせるのか。
ああ、なんて大変。
お化粧っ気のない母親に苦労のあとが見えて。
彼らが誘拐防止のため他人から食べ物を貰わないのも初めて知った。

動物園で母親がしようとしたことはショックだったけど、魔が差すのも分かる気がした。
若い母親が一人で担うには重荷過ぎる。

純心無垢なチョウォンの心と表情は見る者の気持ちを暖かくし、笑わせてくれる。
私はたくさん笑った。

それから、このお母さんは強い。
心無い大人にチョウォンが侮辱されたり乱暴されると、猛然と反撃するのにはスカッとする。

飲酒運転でボランティアの罰を受けた自堕落な生活を送る元マラソンチャンピオンの男に、母親は息子のコーチを頼む。
あなたに20年間罰を受けてる気持ちが分かりますか。(それは少し違うと思うけど;)
望みはあの子よりも一日だけ後に死ぬこと。(涙)
でも、この悲痛な思いはのちに変わるのだけどね。
そして、このコーチはたぶんチョウォンが母以外に初めて心を開いた他人となる。

チョ・スンウはチョウォンを完璧に演じたと思う。
でも、演技に嫌らしさが出ていないのは彼の素朴な感じの個性のせいかな。
特徴を出すために高い声で話す。
心のうちを表現できない彼の”指”の動きに注目。

風や雨を感じて楽しげに、宙を飛ぶごとく走る姿が本当に気持ちよさそう♪
似た役をソル・ギョングが『オアシス』で演じたけど、チョ・スンウのがいいな。ゴメン;

しまうまは草原にいて、子供を一頭だけ生み育て・・・
完走を目指すマラソンで彼がしまうまと一緒に走る場面は幻想的。

音楽も流れるように綺麗です。
さて、若い人はこの映画をどう感じるのかしら。

ここから結末に触れています。
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お母さんは僕を迷子にさせたでしょう。
手を離したでしょう。
チョウォンは知ってたんだ!

いくつも忘れがたい場面はあるのだけど。

だらしない監督がうっかりチョウォンを走らせてるのを忘れ、その止める手を振り切って、今、約束の100周目を走るところだから。。
流石に心配する監督の腕を無言でむんずと掴んで自分の心臓に当てるチョウォン。
この姿にまぎれもなく20の青年の怒りと尊厳を感じた。

この子たちは周囲の人間に関心を示しません。

監督と彼が一緒に走って満足気に草むらに二人で寝そべった時、チョウォンは監督に飲み物をそっと差し出す。
彼が初めて他人への心遣いを示した瞬間。
彼の指がためらいを表してるけど。

いつか息子を想う気持ちは母親の夢と癒しになってしまっていた。
息子が彼女の全て、生きがいになっていたのだ。
チョウォンのお陰で周りの人々もまた育てられたのだよね。

マラソンを止めようとする母の手を今度はチョウォンが離す時。
それは母からの巣立ちの時。
二人の表情に、暖かい感動がじんわりと胸に広がった。

あんなに練習してできなかった笑顔。
彼の顔が満面の笑みで覆われる。

これで母親も自分の人生を歩めるようになれるだろうか。
チョウォンのことで頭がいっぱいで、母親は夫やチョウォンの弟をかまう余裕をなくし崩壊寸前だった家庭。

でも、最後に男同士の会話が聞こえた。

mara

TB送信:any's cinediary、東風blog (tongpoo blog)、ラムの大通りRabiovsky計画

★『まめどまめじゃーなる 』
さんからTB頂きましたが、表示されないのでここに記載します。










子猫をお願い・Take care my Cat

2005-05-26 16:46:01 | 韓国映画
pedo

監督 脚本:チョン・ジェウン
出演 ぺ・ドゥナ(テヒ)イ・ヨウォン(ヘジュ)
    オク・ジヨン(ジヨン)
                 2001年、韓国
これは残念なことに劇場で見られませんでした。ほんとに残念;

大都市ソウルの近郊都市インチョン(仁川)の商業高校を卒業した仲良し5人組。
卒業して数年、大人への入り口で自分の道を模索する彼女たち。

若い彼女たちの悩みと成長や友情を丁寧にみずみずしく描いている。
と思ったら、監督は新人の若い女性だった!やっぱり!
今まで、ありそうでなかった映画、でも韓国映画なのね。

向上心が強く、勝気でわがままなヘジュ、夢想家で、おっとりした心優しいテヒ。
私はどちらかというとテヒに近いけど、ヘジュの部分も持っている。
女性なら誰もがテヒだったりヘジュだったりするんじゃないかな。
年老いた祖父母と暮らすジヨンは留学してテキスタイルを勉強したいけれど、生活費にも困っている。

ヘジュは証券会社で高卒の自分に焦りを感じている。
夜間大学には行かないの?一生を使い走りで終わるつもり?
気を抜くと切り捨てられる。

学生時代は無邪気で仲良しだった彼女たちも別の道を歩み始め、友情にも微妙にゆがみが出る。
両親の離婚、ヘジュは強がってばかり、そうしないと崩れてしまいそうでジヨンにも素直になれないのかもしれない。
自分のことで精一杯なヘジュも可哀相。

ペ・ドゥナは映画の中よりも普段の方が断然、美人。笑
『ほえる犬は噛まない』のほよよ~とした役では自然体の人だなあという印象だったけど。
どこかネジが一つゆるんだような(本人曰く)周囲から浮いた不思議な存在感がある。
『リンダリンダリンダ』が楽しみ。

テヒは水のような自由な暮らしに憧れている。
女性には理解のなさそうな家長然としたがさつな父親。
 ママとパパがいやで家を飛び出すのは10代のすること。
 私はそれ以外の理由を探すつもり。
この台詞には唸ってしまった。テヒの芯の強さを感じた。

ジヨンに不幸が訪れた。
黙って立場を悪くする一人ぼっちの彼女にテヒは言う。
 たとえあなたが斧で人を殺しても、私はあなたの見方よ。
 あなたを信じている。
ハッと胸を突かれた。

ジヨンの「帰るところがない」という言葉でテヒはついにあることを決心した。

でも、形式的にせよ、悲しみの当事者であるジヨンを警察は取り調べるかな。
年寄りが死んでサッパリしたか?耳を疑う質問。
それから、テヒの家族の写真にする行為。
気持ちは分からないでもないけど、家族のあり方は日本と韓国では違うのだろうか。
勉強不足です。

ここから結末に触れています。
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感想を書いてて、少しずつ気づいたこと。
この女性監督さんは現代の韓国社会への反発も描いてるのですね。

現実に押しつぶされそうなヘジュ。
でも、彼女には誠実な(彼女のファンみたいに見えるのがおかしい)ボーイフレンドがいる。

テヒ「一人で行こうと思ったけど、あんたと一緒なら楽しいかなと思って」
ジヨン「どこに行くの?」
テヒ「あとで考えればいい」
ふと、『テルマ&ルイーズ』を思い出した。あら嫌だ。二人の友情の固さのせいかな。
ジヨン、良かったね。

時刻表を調べる二人の様子が淡々としているのも妙におかしい。
若いテヒとジヨンは夢に向かって輝かしい一歩を踏み出したのだ。











ラブ・レター/パイランより(DVD)

2005-05-25 21:53:29 | 韓国映画

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監督・共同脚本 ソン・ヘソン 
原作 浅田次郎
出演 チェ・ミンシク(カンジェ)セシリア・チャン(白蘭)
    ソン・ギョンホ(ヨンシク)コン・ヒョンジン(ギョンス)
                        2001年、韓国
これは劇場公開時には知らなくてDVDで見ました。
日本、韓国、香港のコラボレーション。
香港映画で見慣れたセシリアが韓国映画に、しかも原作は浅田次郎とわくわくする組み合わせです。

原作を読んでいないのだけど、映画とは違うのでしょうか。
黒社会でもうだつの上がらない中年のチンピラと、若い天涯孤独の中国人女性の物語です。
社会の底辺であがく人たちのお語でもありました。

カンジェは徹底的にだらしなく、その人の良さから非情にも成りきれない。
反対に情けをかけてしまうほど、やくざには向いていない。
そんな時、妻のパイランが死亡したとの知らせが。
カンジェは小遣い銭のために偽装結婚したことも忘れていた。

パイランは母を亡くし身寄りがなく、頼って来た親戚は既にカナダに移住してしまっていた。
行くあてもないパイランは韓国で生きる決心をする。

セシリア・チャンは控えめな演技で、『星願』の頃より少し痩せて、やつれた薄幸の孤児役が似合っていた。
彼女独特のしゃがれ声の韓国語がまた切なかったり。
移民局(私設?)の看板を見上げて”希望”を広東語で”ヘイモン”と呟いたのは香港出身という意味かな。
中国語の会話では北京語(標準語)でした。

ダメなカンジェの世話を焼き、兄貴と慕うギョンスの存在も重要です。
次第に変わっていくカンジェの気持ちを黙って見守ってやる。

ここからは結末に言及していますので未見のかたはご注意を。
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パイランが韓国で生きた1年を辿るカンジェの旅が始まった。
読まれることのなかったパイランの手紙、そこにはカンジェへの想いが綴ってあった。

カンジェさん、ここのみんなは優しいです。
でも、私と結婚してくれたカンジェさんが一番優しいです。

懸命に学んだハングルで書かれた手紙。
恋というにはあまりにも儚い。
人の良さそうな気弱な笑みを浮かべた、まだ見ぬカンジェの写真を飾って。
23のまだ世間にすれていないパイランにとってはカンジェだけが世界でたった一人の身内であり、心のよりどころだったのでしょう。

死んでしまったのにどうしてやればいいんだ?
懸命に生きたパイラン、それに比べて・・カンジェは自問する。
いったい俺は今まで何をしていたんだ?
たぶん、これまでカンジェは人に感謝されたこともなかったのでしょう。

死期を悟ったパイランは最後の手紙を、自分に部屋まで与えてくれた洗濯屋の女主人に預けていた。

カンジェさん、この手紙を読んだらあなたは来てくれますか?
あなたの妻のまま死んでいいですか?

カンジェは故郷に帰る決心をする。
けれど、組織はそんなに甘くはなかった。
パイランのビデオを見詰めながら次第に光を失っていくカンジェの目。

カンジェの一生も無駄ではなかったと思いたい。
パイランが生きる希望を持ち、一度垣間見ただけの夫を最後まで想い続けることができたのだから。


純愛譜 (TV)

2005-05-17 14:31:01 | 韓国映画
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ASAKO in Ruby shoes

監督・脚本 イ・ジェヨン
出演 イ・ジョンジェ(ウィン)橘実里(彩)余貴美子
    粟田麗/キム・ミニ /ダンカン/柳ユーレイ/大杉漣
    松尾政寿           2001年、韓国/日本

もう4年も前の映画です。

合作映画というとどこか違和感があるものが多いけれど、この映画にはありません。
タイトルからロマンチックな純愛映画を想像してしまうのですが、それだけではなく不思議な雰囲気を持った映画で、主人公二人に自然に感情移入できました。
好きな映画の一本になりました。

私はこの二人が特に変わっているとは思いません。
誰でも、人と少し変わった部分は持っているのではないでしょうか。

イ・ジェヨン監督談
「21世紀にこういう純愛譜のような愛が存在するのか、そういう疑問を投げかけたいと思いました」

予備校生、彩は目標の定まらない不安定な年代の少女。
家族の心はバラバラ、好きだった祖母の死から彼女は日付変更線の上で自殺することを夢見ます。
そのための資金作りに美少女サイトのアルバイトを始める。

一方、韓国、ソウルではありきたりな毎日のなかでただ時間をやり過ごすばかりのウィン。
両親に貰った家での彼の密かな楽しみはコンピューターの美少女サイトを覗くこと。

ウィンは役所勤めをしていて、赤毛の女の子に一目惚れする。
でも、器用ではない彼はその女の子にうまく気持ちを伝えられない。
彼女へのプレゼントも買ったものの渡すこともできない。

PCのサイトの朝子(彩)がその女の子に似ていた。
だいたい、ウィンがこういう攻撃的な趣味?の女の子をなぜ好きになったのかは謎。笑
太刀打ちできないのは無理もない;

031224-2

『靴をはいた朝子』アサコ・イン・ルビーシューズ 
真っ赤なルビー色の靴がとっても印象的。
ウィンの小指が無感覚なのは心までそうだということの象徴でしょうか。

彩の家族が朝、道でそれぞれの仕事先、学校へとパッと四方に分かれて行くのは心がバラバラなのを表していてハッとさせられます。
現代が抱える問題と、若者の孤独と混沌。

この映画は日本のパートを松竹の若手キャメラマンが撮影しているそうです。
祖母の古い家の庭の緑や彩が漂うプールの深い青がとても美しく、
韓国でなく日本のキャメラマンが撮ったというのが嬉しい。

どこか無表情なイ・ジェヨンはこの映画の人は良いけど茫洋としたキャラクターが一番似合ってるように見えます。
朝子(彩)を見る陶然としたウィンの表情は見ものです。

橘実里さんは深津絵里さん似の新人、演技も確かでチャーミング。
彼女の服装が可愛い。
ちなみにゴダールの『女と男のいる舗道(VIVRE SA VIE)』でアンナ・カリーナが着ていた衣装がそのまま登場しているそうです。(彩が2回目の撮影をするシーンで着ている服装)

知り合うはずのない彼らが知り合い、そして。。

ここから結末に触れています。
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美少女サイトの本社がアラスカにあるところから、引き寄せられるように二人はその地に向かいます。

出会いも別れも全ては縁。

ウィン ”彼女の名は綾”
彩 ”いつか会ったことがある気がする”(彩は気がついていないけど、実は二人は過去に一度出会っているのです)

ウィンはそっと彩の肩にコートをかけてやり、彩が微笑み返します。
彩が大人への一歩を踏み出した瞬間。
このウィンとなら大丈夫。希望の見えるいい場面です。

二人の心の声が同時に聞こえます。

私たちの物語はこうして始まった・・