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春夏秋冬そして春

2006-10-27 23:42:48 | 韓国映画

Syunkasyutou

監督・脚本 キム・ギドク
出演 キム・ジョンホ(子供役)ソ・ジェギョン(少年役)
     キム・ヨンミン(青年役)キム・ギドク(壮年役)
     オ・ヨンス(老僧役)ハ・ヨジン(少女役)
2003年、韓国

人生はめぐる季節のごとく
どんな歓びも、どんな悲しみも
いつかは朽ちて・・・安らぎとなる。

春・・業:いたずらから殺生の業を背負ってしまう幼子。

私はキム・ギドク監督の映画は他に見たことはない。
叙情的な美しい映画だった。
ギドク監督、一筋縄ではいかぬ人のようだが、人生の深遠を覗くようで興味深く見た。

人生とは繰り返し。
キム・ギドク監督の描く世界は私には理解しきれない。
ただ、映画の言わんとすることは多少わかった気がしている。
見る人によって様々に解釈でき、感じられる映画だと思う。

湖に浮かぶ寺、その周囲の景色、四季の移ろいがとても美しい。
けれど、そこに寝起きする人は清らかなだけではなく人間らしい。

夏・・少年と少女の場面は生生しい。

静かな、静かな浮き御堂。
小船は俗世と別世界とを行き来する手段。
「門」はその二つを分ける結界か。

欲望から、執着は生まれ、執着は殺意を生む。

キリスト教の原罪、仏教の業を思う。

一人の子供の成長が四季のうつろいとともに映像になる。
春・子供、夏・少年、秋・青年、冬・壮年、そして・・
因果応報。

僧はなぜ、ああいう人生の結末を選んだのかなと思う。
たったひとりの弟子をも導けなかった自分への制裁なのか、これは衝撃でもあった。

俗世はそれほど辛いか。
青年の目はギラギラしていた。
追っての男たちが青年の彫った般若心経に色を塗るところは面白い。
皆、等しく心が清められたのかも。

罪を償い壮年となり、(キム・ギドク)「門」をくぐり寺に戻る彼は自ら重荷を背負い、仏像を運ぶ。
あの仏像は師の僧の象徴なのかな。
山の頂きから寺を見下ろせるように供養したのだろうか。

あの顔を覆った女性は菩薩ではなかったかというのは深読みしすぎかな。

そして、また春が巡り来て、同じ光景が繰り返される。
輪廻転生。
万物がキラキラと輝く春、それは安らかで平和なものであった。

最後のパンソリにまた、人生の深さを思う。

声の限りに歌うそれには業・恨が込められているのだろうか。


僕の、世界の中心は、君だ。

2006-09-07 08:14:48 | 韓国映画

 Postmandd_1 

監督:チョン・ユンス
出演:チャ・テヒョン(スホ)
    ソン・ヘギョ(スウン)
2005年、韓国

結末を含んだ感想になっていますので、未見の方はお読みにならないようお願いします。

僕は_
君のために泣き
君のために笑い_
君のために生きる
これから
僕の”世界の中心”は君だ。

>>気はいいけれど、平凡な高校生スホ。成績も容姿もいたって普通だ。(イソギンチャクみたいな顔だって、笑)
同じクラスの女の子スウンは、学校でも目立つ存在。
美人で性格もいいスウンは、当然、男子の人気の的。
そんなスウンが・・

日本の『世界の中心で、愛を叫ぶ』のリメイクです。
『世界の中心で、愛を叫ぶ』は若い二人がよかった。
喪失と再生を描いていました。

このふたつの映画は骨組みは拝借しているけれど、全く別のものだと思います。
映画を見始めてから最初は比較していたけど、途中で気にならなくなりました。

スホは初恋の人が忘れられず、故郷に帰って来ないと同窓生が噂しているところへ、10年ぶりに当人が姿を見せる。
当時を知る親友、悪友が海に向かって叫ぶ台詞が早々と胸にグッときてしまいました。

「こいつは初恋のオマエが忘れられないんだ。もう自由にしてやってくれ」
いい友です。

お話はシンプルで、彼女は白血病という不治の病です。
深刻になるはずの物語がチャ・テヒョンの持つ明るさで、一味もふた味も違う映画になっているんじゃないでしょうか。 笑えるのです。

危ぶんだ高校生姿もまんざらでもないのが不思議。30歳なのにね。
ソン・ヘギョはちょっと成熟した高校生かな。笑

夏の日の長き日を、冬の夜の長き夜を、ここに君は眠る。
百歳ののち、わたしもいずれはあなたの元に眠るであろう。
安らかにその日を待ちたまえ。____葛生

二千年前に作られた中国の詩、
亡くなった人を想う気持ちは現代も、少しもかわってはいないようです。

そうそう、コロッケって韓国でもコロッケなんですね。
やはり、学食では人気なのねと、妙なところに感心。

ちょっととぼけた葬儀屋の(写真屋さんではない。笑)スホの祖父、マングムの初恋のお話を挿入したことが映画をよくしていると思う。
祖父は父親を亡くしたスホを育て、スホたちの恋の行方もそっと見守っている。

祖父には亡くなった祖母には内緒の、50年間、思い続けた初恋の人がいた。

マングムは朝鮮戦争に行く前に愛した女性がいた。自分の認識ペンダントを彼女に託して別れた。
とぼけたおじいちゃんも、その頃は若くて男らしかったのだ!
戦争から帰ってきたが、あんなに誓い合ったその人は別の男性と結婚していた。

この世は縁だ。
縁があっても、すれ違う時はある。

でも、マングムの初恋の人は未亡人となり、それでも、彼を忘れていなかった。
その人にそっくりの娘に、初恋の人はマングムに葬儀をしてくれるよう遺言して逝った。
あのペンダントを生前、その人は大切に持っていたのだ。

マングムは涙ながらに胸に花の刺繍のついた死に装束を彼女に着せる。
お前には何もしてやれなかった。

待っていてくれ。私もすぐ行く。

感動がククッと寄せてきます。
若い二人のお話よりも重みがあるのは生きてきた歴史の違いかな。

スウンはこの世にしばしとどまった人魚姫だった?泡となって海に帰った?
最初から、スホはスウンに命を助けられている!

スホ、ん?
これからも、こんなふうにずっと呼べば答えてくれる?
恋する高校生らしい可愛らしい台詞。この幸せが続けばよかった。

「この世からいなくなることを考えると怖いけど、ずっと覚えていられるかが怖い!」

「スホは幸せになって!」

「なるとも!うんと幸せになってやる!」

無菌テント越しのキスシーンも美しいが、雨の中、民宿で初めてキスする場面では大きな無数の雨粒が一瞬、止まる。
あっ!きれい!ほわんと胸が温かくなった。

やはり、家族の絆やどこまでも一途な愛に日本と韓国の文化、人の心情の違いは感じる。

映画の中で竹富島が見えた気がするのは私だけ?汗;

10年ぶりにスホは思い出の民宿を訪ねる。
そこにはスウンの日記が残されていた。

歳こそとったが、相変わらず耳と口の達者!な民宿のおばさんを見て微笑むスホの笑顔が晴れ晴れとして見える。

10年の歳月はスホをどう変えたのだろう。

民宿Tシャツを着せられた呼び込みもいる。かわいい。爆

チャ・テヒョンが演技派であることに今頃気づく。笑

彼女が海を眺めていた島の絶壁一面に、赤い可愛い花が咲き乱れていた。

スホの心にも赤い花が満開に咲く時はきっとくると思わせる爽やかなラストだった。

辺りに気がねしながら笑った場面。

スホの祖母の遺影。リバーシブルになっていて、裏返すと、初恋の人の写真。なんだかな~;

悲しいんだけど、スウンが亡くなって、祖父の商売もののお棺に入ってすすり泣くスホ;そこに入るかスホ・・

『世界の中心で、愛をさけぶ』の拙感想はこちら↓

http://blog.goo.ne.jp/aili468/d/20050312


マイ・ボス マイ・ヒーロー 頭師父一体

2006-06-08 07:39:12 | 韓国映画

Sw4escalator   

[英 語 題] My Boss, My Hero
[ジャンル] コメディー,アクション
[監    督] ユン・ジェギュン [第1作]
[撮    影] ファン・チョリョン
[出    演] チョン・ジュノ(ケ・ドゥシク 明洞(ミョンドン)派の親分)
           チョン・ウンイン(キム・サンドゥ ミョンドン派の副親分)
           チョン・ウンテク(テガリ) ミョンドン派の副親分
           オ・スンウン(イ・ユンジュ 3年1組 ドゥシクの同級生)
           ソン・ソンミ (イ・ジソン 英語の先生)
           パク・チュンギュ(チョ・ボンパル 3年1組担任)
           カン・ソンピル(ヤン・ドンパル 3年1組 不良のボス) 
           コ・ミョンファン(パバリマン 変態男)
           イ・デハク(ホリス 3年1組 おかまちゃん)
2001年、韓国

結末は明かしていませんが、内容を語り過ぎているので、未見のかたは斜め読みでお願いします。m(__)m

頭目(親分)と, 師匠(恩師)と, 父は,ひとりだ。頭師父一体!

噂に聞いていた『マイ・ボス マイ・ヒーロー 』を見ました。
確かに面白い。日本でも長瀬智也主演でドラマになるらしく。
映画のほうは二作目も公開されたようで、見たいです。

粗筋:ヨンドン派の親分ケ・ドゥシクは,副親分サンドゥとテガリの助けで明洞(ミョンドン)一帯を掌握し,組織内で 高く位置づけられる日も近い。
だが,彼は組織の会議で無知さを露出してしまい,(近頃は組織幹部も大卒が多い;)

ボスは高校の卒業状を取れば明洞を任せると宣言する。

ケ・ドゥシクは腕っ節は強いが学がなくて、これまた、学なしでは同類の手下テガリにまで馬鹿にされる始末、
偽造戸籍まで作り!?28歳の年齢を20と偽って(無理あり!^^)高校に通うくハメに。笑

「インターネット?何だ、それはうちのシマか?」 沈没;;

ドゥシクにとっては出世がかかっているので、(生活かかってるもんね~)高校ではヤクザな身分をひた隠し、年下の悪童にいじめられても卒業証書のためには我慢、我慢(笑)の毎日。
手下の剣道の使い手、サンドゥ(チョン・ウンイン)リンクのおとぼけと、頭突きのテガリ(頭という意味)のボケっぷりがたまりません。
特に、自称大卒のサンドゥ、(純愛路線まっしぐらのサンドゥが最高です。

初めはドゥシクも、その筋の親分っぽかったのに、髪型をボサボサ若者風にし、リュックを背負って、だんだん高校生に(トウのたった)見えてくるのが可愛いかったり。
男女共学だし~、本人もまんざらでない~♪

触るんじゃない、プリクラを。「オマエなんかの手が出せる人じゃない」
なんて、テガリにいばって、嬉々として女子高生とプリクラ撮ったり(それを定期入れに入れてるところが親分とは思えまっしぇん)。 あはは

このチョン・ジュノという俳優さん、『黒水仙』リンクで妙な日本人悪役やってました。
でも、芸達者でコメディセンス抜群、見違えましたよ。

この映画が公開された頃は『チング』(韓国の黒社会で対立する男の友情物語)旋風が吹き荒れた時期で、これを意識した場面がいっぱいなのも楽しめます。

『チング』は私的には期待し過ぎたかなあ映画でした。汗

「何がチング!(友よ)だ。おまえはチャン・ドンゴンか!?」 あはは

ドゥシクのモットーは「頭目、師匠、父はひとりだ。頭師父一体!」
これ、ドゥシクの勘違いの覚え込みのようです。笑
「三歩下がって師の影を踏まず」・・韓国でも昔は(今も?)そうだったんですね。

素直なドゥシクは恩師に手を上げるなんて許せない。

ここはちと感動ものです。

ドゥシクは根が優しくて、(単純で)情に厚く、いい人なんですねえ。ボスも彼が可愛い。笑

学校はクラブ経営(あのぉ~、クラブと言っても、クラブ活動ではなく、ナイトクラブのほうでしゅ)とは違う・・

けど、ヤクザ(失礼;)にだって正義はある。
見過ごせないことは絶対に見過ごせない!

慣れない純愛の場面などにクスクス笑っているうちに、映画は『チング』の向こうを張ったか、怒涛の社会派ドラマへと展開~~~。
俄然、面白くなってきます!

「サンドゥ、サンチュン校は俺が貰った!」ちょっと痺れますです。

ドゥシクとは敵対する、学校を裏で操る暴力団一派の親分との雨の中の一騎打ちは見ごたえがあります。

流石、韓国映画。ここだけトーンが違います!

「まるで映画みたいだ」 爆

さて、ドゥシクは首尾よく高校の卒業証書を手に入れられるか否か?
そして~、そして~。

この映画は一見の価値ありです!

最後の最後に楽しいオチもありますよ♪


ダンサーの純情

2006-05-10 09:46:05 | 韓国映画

Photo

監督 パク・ヨンフン
出演 ムン・グニョン(チェリン)
     パク・コニョン(ヨンセ)
2005年、韓国

神戸シネリーブルにて。

一ヶ月も劇場にはご無沙汰でした。

傷ついたダンサーと美しき天使との出会い
どんなに朽ち果てた現実にも、きっと<天使>は舞い降りる

>>パートナーを失い、ダンスの道を絶たれた失意のどん底にある若きダンサー、ヨンセ。
最後のチャンスになる3ヵ月後のダンス大会のパートナーとして中国からやってきたチャン・チェリンと出会い、生きる喜びと愛を取り戻していく可愛いプチ感動ストーリー。

韓国では社交ダンスはイメージが悪いというのが面白い。
お国柄の違いですね。

映画は正統派な話運びだけれど、それを楽しいものにしているのがムン・グニョンだと思う。
TVドラマ『秋の童話』で感涙を絞った主人公の異母姉妹役が記憶に残る。

その後、『永遠の片想い』にちょい役で出演、大いに期待させる女優さんでした。
まだ、幼ささえ残る初々しい19歳。

咲いたばかりの白い百合の花のようで、近頃珍しい清潔な少女らしい可憐さは浅田真央ちゃんと共通するところがあります。

映画は結構笑えますし、楽しかった。
泣いているおばさまたちも多かったな。
素直な気持ちで見られる映画ですね。

白い花嫁姿がお菓子みたいに可愛い。
グニョンは絶対、お化粧しないほうが可愛いです。
立派なダンサー姿の彼女はまた別の顔を見せてくれる。

パク・コニョンは新顔ですが、元々ミュージカル畑の人らしい。
グニョンに比べると、少し印象が薄いかなあ。椎名桔平似ですね。

特にグニョンは半年間のハードなダンス練習が必要だったらしいけれど、お見事です。
朝鮮族という言葉が分からないけれど。
チェリンは韓国系の中国人ということかな。

今時、革靴に白いソックス。(笑)
夜来香~~♪恋の花~~~♪

愛がなければ身体を預けることは出来ない。
信頼だけでなく、ダンスを踊っている時だけでも、俺を愛してくれー

二人を結ぶキューピットとして”蛍”が使われているのも暖かい。
チェリンはサナギから孵ろうとする蛍なのかもね。

偽装結婚を疑われた二人が別々に尋問を受けて。
それはどんなに互いを想いあってるかの告白。
ふっと目頭が熱くなる場面です。

「あんなにいい人にはもう会えません」
「別れたくない」

大人たちの汚れた栄光欲、金銭欲に二人は引き離されるか否か?

結末は映画を見てくださいね~。

ともあれ、中国の宝石、チャン・ツィイーと共に、韓国の白百合、(マーガレットかな)ムン・グニョン、これからがぐっと!楽しみな人ではあります。


マイ・リトル・ブライド/幼い新婦 (DVD)

2006-04-01 09:15:44 | 韓国映画

Rito50

[監    督] キム・ホジュン [第1作]
[撮    影] ソ・ジョンミン
[出    演] キム・レウォン(パク・サンミン)
          ムン・グニョン(ソ・ボウン)
2004年、韓国

>>両家のおじいさんの若い時の約束のために大学生と女子高生が強制的に結婚させられ・・
  笑いあり、恋ありの可愛いロマンチックコメディ

『アメノナカノ青空』のキム・レウォンと『秋の童話』のムン・グニョン。
これは私の街では韓国特集とかで、あっという間に上映終了してしまって見たかった映画だ。
ムン・グニョンは『ラブストーリー』に出ていたような気がするけど。

とにかく、彼女が可愛い。
フィギアの浅田真央ちゃん似で、細っこくて近頃珍しい清純な感じ。
ムン・グニョンは実際は18歳だそうで、映画のなかではあどけないと言うより幼さの残る16歳の高校生役がぴったりだ。
ポニーテールが似合って小鹿みたいに愛くるしい。

近代的だけど、韓国風の家屋が綺麗だ。色彩もお伽噺ぽくて素敵。

おじいさんの意向で、無理やり結婚させられたボウンはまだ高校1年生の16歳。
野球部の先輩に憧れていたのに、幼馴染のサンミンと結婚なんて。。
新婚旅行からも逃げ出した。汗

方や、24歳の留学先から帰ったばかりなのにガールハントに余念のないサンミン。気楽な普通~の(むしろ、軽~い感じの)若者。
明るいオッパ役は地かな?キム・レウォン。

結婚して同居が始まるも、ボウンを妹扱いしてからかってばかり。
留学帰りは髪の毛を染め、派手な髪型でスカーフまで巻いているのがヨン様のパロディか?ご愛嬌。

ボウンの母親は16で娘を取られたみたいで納得がいかず、寂しがるのが分かる気がする。
二人の新居を見て荒れるのが可笑しい。

例え16歳でも、嫁は嫁。一家で食事する時は嫁らしく立ち働くのは韓国も同じ。
夫の友人には敬語を使わなければいけないんだ。

僕が兵役に行っていた時、一人だけ訪ねてくれた人が初恋の人。。
なあんて真面目に言ってます。

ここから結末に触れています。

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サンミンの心の中にはずっとグニョンがいたんだなあ。
グニョンも親しすぎて気づかなかったけど、サンミンを愛していた自分に気づき。。

めでたし。めでたし。

最後に、グニョンが一気にパーマネント頭の奥さん風に変わってるのに笑ってしまう。