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愛国者の邪論

日々の生活のなかで、アレ?と思うことを書いていきます。おじさんも居ても立っても居られんと小さき声を今あげんとす

徴兵忌避者三國連太郎さんの思いを正確に伝えないマスコミに大喝!安倍政権にも!思いを伝え憲法をこそ!

2013-04-16 | 中国侵略と戦争責任

俳優の三國連太郎さんが亡くなりました。愛国者の邪論は、80年代中頃、「朝日」に連載された「息子を売った母」を読み、感動し、三國ファンになったものです。それまでは、あの迫真性故に、怖い、恐ろしい俳優ぐらいにしか、思っていませんでした。その後、川名紀美『女も戦争を担った』(冬樹社刊)の中の「息子を『売った』母」としてまとめられていたのを読み、いっそう感動したものです。

 この文章を読むと、三國さんと息子さんの浩市さんとの関係も、ある程度理解できる、と言ったら、浩市さんに失礼かもしれませんが、三國さんが、浩市さんが父親である三國さんに「俳優になる」と早稲田の駅で話した時、親子の縁を切ると話したそうですが、三國さんの俳優論と生い立ちと、その後の人生を考えると、何となく判るような気がします。

 ご夫婦が離婚され、お母さんに育てられ、父親と同じ職業に就くという告白の際に、いきなり縁切り宣言、相当のショックであったことは、想像できます。このことは、市川猿之助さんと香川照之(市川中車)さんのことを考えると、表れ方は逆ですが、根本的なとことでは同じような気もしてきます。

 浩市さんにしてみれば、大きなお世話でしょうけれど、家族制度を否定してまで、追い込む父親、父親を乗り越えようとする息子、そうして父親を俳優としても、実際は凛としていたと語った息子、病院に見舞った最後の別れのシーンは、想像すると感動的です。

 体調を崩していた三國さん、すでに90歳になっていた三國さんの死に、向き合った時の感情を、率直に語っていた浩市さんを視ていて、親子の深い絆を感じました。浩市さんがどのような家庭を築いているか、判りませんが、50台、60台、70台と、歳を重ねていくなかで、どのような俳優、人間になっていくか、これまで同様に、期待し応援していきたいと思いました。

 

さて、本題です。三國さんの「息子を売った母」から、読み取るべきことは何か、です。極めて現代的課題といえます。

 以下の記事に掲載されています

追悼・三國連太郎さん:徴兵忌避の信念を貫いた(特集ワイド「この人と」1999年8月掲載) 2013年04月15日

http://mainichi.jp/select/news/20130415mog00m040003000c4.html

 かつてNHKでも、三國さんの人生を特集した番組がありました。しかし、天皇制、軍国主義、徴兵制、靖国神社、家族制度、反戦運動、侵略戦争など、最も議論しなければならない問題について、マスコミはスルーしているのです。三國さんの考え方とま逆の日本をつくろうと必死になっている菅官房長官に、鋭い質問もしない、一般的な俳優としての感想しか述べさせないマスコミの問題意識の欠如!本当に呆れるばかりです!

 ここに、現在のマスコミのジャーナリズム精神を放棄した、戦争責任問題と真摯に向き合わない「犯罪的役割」を指摘しないわけにはいきません。その点で、この川名紀美『女も戦争を担った』(冬樹社刊)の方が、三國さんの言いたいことを正確に伝えていると思います。

 息子を売らねばならない母親はどのような社会システムの中でつくりだされたか。そのシステムは、戦前も、現代も、進行形です。どうすれば、克服できるか!大いに考えていかなければなりません。

 以下、関係する部分を掲載しておきます。した部分、その他のものについては冬樹社刊をお読みください。

  

西へ西へと貨物列車がひだ走っていた。

その貨車のひとつに、青年が身をひそめていた。荷物と荷物の谷間にうずくまり、息を殺して……。

列車が駅で止まるたびに、青年はいっそう身を縮め、祈るように目を閉じる。

再び列車が動き出し、はるか後ろに駅がかすむころになると、ようやく目をおける。

「ああ、無事だった―」

安堵の吐息とともに足を伸ばした。

青年が恐れたのは無賃乗車、という理由ではない。徴兵忌避の旅だったからである。

 

徴兵忌避。それは当時なによりも重い。“大罪”であった。

「国を守るために軍隊へ入るべし」と期日を指定した国家からの召集令状。それに応じないで逃亡するという行為である。「非国民」、「国賊」というレッテルが容赦なく貼られた。その多くは銃殺などの極刑に処せられた。

青年は名前を佐藤政雄といった。一

いま個性的な演技で知られる俳優・三国連太郎さんの本名である。

大阪で召集令状を受けとったとき、最初にひらめいたのは、

「死ぬのは怖い」

ということだった。

はっきりした反戦の意志があったわけではない。ただ、こんな紙切れ一枚で戦場へ狩り出されて死なねばならないことが納得できなかった。

大それたことをしているという意識は、不思議になかった。

このまま郷里の静岡へ帰れば、死ぬほかない。とにかく正反対の西へ逃げよう。九州から朝鮮、そして大陸へと姿を消せば何とかなる―。

そんな想いだけで、すべて無我夢中のうちに選んだ道だった。

 

召集令状を受けたのは一九四三年(昭和十八年)十二月。

ところは、大阪市の綱島察署だった。

東淀川区の賃貸アパートにいるとき、いきなり刑事に踏みこまれ、逮捕された。

誘拐罪だという。

全く身に覚えがない。よく調べてくれといったが相手にされず、市内の警察署をタライ回しにされた。

つかまってから八十七目。

 

「もうこのまま出られないのじゃなかろうか」

怒りと恐怖に蒼ざめていたとき、担当の刑事に呼び出された。

「おい、喜べ。おまえのような男でも、お国の役に立つときが来たぞ」

すでに封を切った一通の手紙を、刑事は無雑作に突きつけた。

中から出てきたのは、召集令状と、母親からの手紙だった。

 

   おまえもいろいろと親不孝をしたが、これで天子様にご奉公ができる。とても名誉なことだ。しっかりお役にたってもらいたい。

 

律気そうな文字が並んだ、簡単な文面たった。

『死ぬのはいやだ』

とっさに思った。そんな内心を見すかすように、刑事が大声をかぶせてきた。

「命を捨てて、お国のために働いてくるんだぞ!」

 

自分のしていることを振り返るゆとりが持てるようになったのは、広島を過ぎてからだった。

大阪駅を離れてから四目目。

山口県の小郡へ着いたとき、ふと家族のことを思った。

あすは、もう九州だ。そんな気のゆるみも手伝って、佐藤青年はちょっと迷ったすえ手紙を書いた。

あて先は母親であった。

 

   ぼくは逃げる。そちらでは、みんなから白い眼で見られて、いろいろと大変だろう。弟

   や妹たちにも、先へいって苦労をかけることになると思う。しかし、これが最後の親不孝

   だ。なんとしても生きたい。生きなきゃならんのだから。

 

 こんな文面に、九州から朝鮮半島を経て中国大陸へ行くつもりと書き添えた。

 数日後。佐賀県の唐津で船の段取りをつけようと走り回っていた。そのとき、尾行されているのに気づいた。

 すぐそばの芝居小屋にまぎれこもうとしたが、あっけなくつかまった。たちまち故郷へ連れもどされた。

 徴兵忌避という。“大罪”にもかかわらず、なぜか処罰は受けずに済んだ。みんなと同じように赤だすきをかけさせられ、静岡の連隊に入れられた。一つ星の二等兵だ。

 中国大陸の東北部へ出兵が決まっていた。

 以後の面会の日。姿を見せた母は、ふだんよりいっそう無口だった。どこかおどおどして、視線をそらしてばかりいた。

 別れの時間が目前に迫ったとき、母は目をそらせたままで一気にいった。

 「お兄ちゃん。お兄ちゃんにはきついことかもしれないけどね、一家が生きていくためには涙をのんで、戦争に行ってもらわなきゃいかんのだよ」

 声が、小さくふるえていた。

 青年は、このときすべてを悟った。

 『そうか。憲兵に知らせたのは、おふくろだったのか』

 警察で読んだ、母からの短い手紙を思い出した。

 

   天子様にご奉公ができる。とても名誉なことだ―。

 

 青年は工業学校を出て以来、十代から職を転々とした。

 ペンキ塗り、皿洗い、旋盤工……。家にもほとんど寄りつかない息子だった。

 そんなわが子にも赤紙が来た。これでやっと人並みにお国の役に立つことができる。おそらく母親は、重荷をおろしたような気持ちになっていたのではないか。

 なのに、その息子が兵隊になるのはいやだ、逃げる、という。

 期待を訳切られてばかりいた母親は、うちのめされた。

 家の近くに左翼運動をした男がいた。その家族が近所の人だちからつまはじきに合い、息をひそめるようにして暮らしているのを長年、見てきている。

 母親は、「家のために」黙って戦争に行くことを息子に迫り、逃亡先からの手紙を憲兵隊に差し出しだのに違いない……。

 万年の胸の奥で、何かが崩れた。

 

 抽まって何のおとがめもなかったことも、合点がいった。おそらく母親が以前から顔見知りだった憲兵に頼み込んだのだろう。

 

 短い面会のあと、帰り際に母親は初めてふりかえった。息子の目を、ひたととらえた。

 『やすやすと命を落とさんでおくれ』

 そう語りかけているように思えたが、青年の昂ぶりは、まだ消えなかった。

 遠くなる母親の背中に声をかけようとした。だが、くちびるがこわばって、ことばにならなかった。

 

 映画やテレビで個性的な人物を生き生きと演じている俳優、三国連太郎さんに徴兵忌避の体験があると知ったとき、しかも、ほかならぬお母さんに。“密告”されたとわかったとき、この「母と息子」から直接、話が聞けたらという気持ちをおさえることができなかった。

 ごくふつうの母親にとって、息子が徴兵忌避などという、当時としては殺人にも劣らぬ大罪を犯そうとしたとは、どれほどの驚きと嘆きであったことか。

 逃亡中の息子からの手紙を手にして、母親の気持ちは激しく揺れつづけたにちがいない。

 このまま逃がしてやりたい、しかし、見逃がせば、家族にも厳罰がくだる。まだ一人前にならない弟や妹もいる……。

 つらい、つらい選択だっただろう。

 こんな手紙なんか、いっそ来なければよかったのに、黙って逃げてくれればよかったのにと、恨みのこもったまなざしで手紙をみつめたひとときもあったのではないか。

 結局、母は息子を戦場へ送る道を選んだ。

 

 その息子は生き抜いて、無事に帰ってきた。そして、戦後ずっと、母と息子は同じ屋根の下で暮らしてきた。

 それぞれ胸の深いところにどんな想いを抱いて歳月を重ねてきたのか。

 激動の時代をくぐりぬけてきた一人の母親の胸をたたいて、聞いてみたいことがいっぱいあった。

 ひとがひっそりと胸の奥に仕舞いこんできたことをあばき出す権利は、だれにもない。何日も迷った末に、おそるおそる三国連太郎事務所の電話番号を回した。

 母、はんさんは数年前、すでに世を去っておられた。七十五歳の寿命をまっとうしてのことだった。

 それを知って、私はなぜかホッとした。

 

 東京都港区西麻布にある三国連太郎事務所を訪れたのは一九八〇年十一月十一日。

 「お電話をいただいてから、当時のことをいろいろと思い出してみたのですけれど……」

 何枚ものメモ用紙を手にした三国さんは、画面で見るよりずっと柔和なまなざしをしていた。

 生きて帰って、再び母親と共に暮らすことに、なんのためらいもなかった、と三国さんはいう。

 はんさんも、無事を心から喜んでくれた。亡くなる前の何年間かは、母と息子だけの水いらずの生活。

 「おふくろが私の手紙を届けたんだなとわかってからも、おふくろを責めたことは一度もないし、おふくろもあの一件については死ぬまでなにもいいませんでした」

 平和な暮らしのなかで、出来事自体も、いつしか記憶の奥深くへ沈んでしまっていた。

 「しかし……」

 三国さんはゆっくりとソフアから上半身を起こした。

 二十歳前後のとき自分は母親に裏切られたんだ。そういう気持ちが潜在意識のなかになかったとはいえないんです」

 次のような三国さんの“告白”に、私は改めてごの母子の傷の深さを知らされた。

 

 ある日、トイレで物音がした。

 『あ、おふくろだ』

 三国さんはあわててかけつけた。

 はんさんがくずれるように隅っこにうずくまっていた。

 三国さんは、はんさんを抱きあげた。寝室へ運ぶうち、寝間着を通して母親の体のねくもりが伝わってきた。

 なぜか、急に三国さんの全身がとり肌立った。

 

 それは、思いがけない肉体の反応だった。寝床に寝かせ、ふとんをかけながら、三国さんはとまどっていた。

 『いったい、これはどういうことなんだ』

 晩年になって老母が脳軟化症で倒れてから、かいがいしくめんどうをみてきたつもりだ。もちろん、下の世話もした。ときには部屋や寝床を便で汚す。それを始末することを苦痛だと感じたことは、ただの一度もなかったのに……。

 『どうして、あんなにゾッとしたのだろう』

 自問自答している三国さんの頭に、なんの前ぶれもなく「あのこと」がよみがえった。

 すっかり忘れたつもりでいた。なのに、戦後三十年余りたってもなお、心のどこかにひっかかっていたのだろうか。

 自分を戦場へ“売った”のは、この母親なんだ、という思いが―。

 そう気付いて、三国さんはハッとした。

 

もし、おふくろがあのとき手紙を焼き捨ててくれていたら―。

 ことによると、大陸へ逃げきれたかもしれない。その後、どういう生き方をしたかはわからないが、少なくともいまの自分とは違う自分になっていたはずだ。

 「ぼくのどこかにウラミめいたものがこびりついていたからこそ、おふくろを抱きあげたとき、理屈ぬきにゾッとしたんでしょう。それに……」

 口ごもりながら、きちんとそろえた両膝を大きな二つの手で包んだ。視線をその手の甲にあてたままで、三国さんの口から意外なことばがもれた。

 「親父のいのちが危いという知らせをもらったときは、仕事を全部投げてしまって飛んで帰りました。息をひきとるまで三日間、ずっとそばにいたのですけれどね……」

 「おふくろのときは……仕事先から帰ろうとしなかったんです」

 どんな相槌をうったらいいのか、わからなかった。

 息苦しくなって、窓の外に目を向げた。

 秋の短い陽がいつの間にかすっかり落ちて、ネオンが空を染めていた。

 では、はんさんはどうだったのだろう。

 いつもやさしい息子が、心の奥底にどうしても捨てきれずにいた。“わだかまり”。それに気づいていなかったとはいいきれない。

 「そういわれてみれば、ずいぶん遠慮してたなあと思い当たる節々がありますねえ」

 「おふくろは、まるでぼくを亭主のようにしていました」

 「おふくろは、ほんとうにかわいそうな女だったと思います」

 「こどもを生む能力は、女性にしかないのですもの。女性というのは、もともと平和を愛し、命をはぐくむことに喜びを見いだすはずのものだと思うんです。その感覚を徐々に狂わせていったのは、明治以来の軍国主義の政治や教育です」

 はんさんは、かつては網元だった没落漁師の家に生まれた。

 十四、五歳のとき、広島県呉市に女中奉公に出た。

 小学校は三年生までしか行っていない。字もあまり読めないまま、十八のとき結婚した。

 網元としての誇りを捨てきれずにいた実家では、財を失ってからも父親は絶対の存在だった。

 女中奉公に出て身につけたのは、あるじのいいつけに逆らうことは許されないということ。

 主人にはどんなことがあっても従う。これを女の美徳として生きたはんさんに、徴兵忌避を黙って見逃すなど、思いもよらなかったのではないか。

 

 はんさんは近所で反戦活動をした“非国民”の家族が村人だちからいじめられるのを見ていた。

 息子がうまく逃げおおせるとは考えられない。万一、徴兵忌避者として発見されればで死罪は決まっている。むしろ、黙って戦争に行っても、必ず死ぬとは限らないのだから―。

 こんな結論に達したとしても、当然かもしれない。

 「時代が、ぼくのおふくろのような女性の生き方を強いたのです。おふくろだけではなく、日本中の女性が、本来もっているすばらしい感覚をマヒさせられていたのです」

自分の母親に対する複雑な感情に、ようやく結着をつけたのだろうか。三国さんの口調は穏やかだった。

 

 はんさんは、非情の母でも何でもない。むしろ息子思いのやさしい人だった。つまり、ごくふつうのお母さんだったのだ。

 召集令状がきたとき、ほとんどの息子たちは逃げないで戦地に赴いた。

 だから母親たちもまた、自分の手でつらい選択をせずにすんだだけなのだ。

 

 意地悪な質問だとわかっていても、はんさんに代わってぜひ聞いてみなげればならないことがあった。

 逃亡の途中で、なぜ手紙を出したのか。

 「そうなんてすねえ。逃げ出したら、家族はどうなるんだろうと、ふとねえ。で、判断が狂ってしまったんです」

 「若いころから家を出て、八割がたは抜け切ったと自分では思っていたんだけど、結局は〈家〉

という意識に足をとられたんですねえ」

 「そういえば、最近、とても気になることがあるのです。日本の家族制度ですね。あれを讃美

するような空気がまた出てきましたね。先日もテレビを見ていたら、タケノコ族にインクビュ一一をしていまして、話が親のことに及んだとき、なかの一人が将来、親をみたくない、といったんですね。すると番組は、嘆かわしい風潮だ、みたいに締めくくるわけです」

 三国さんは、平和を守り抜く条件として、日本の家族制度というものを考え直さないといけない、と力をこめた。

 「日本の家族制度がもっている危険性は、祖先崇拝はあっても、現在や未来に対する祈りがまったくないということではないでしょうか」

魂は生き残る―。

 こう強調することは、未来の庶民の犠牲を強いることになりはしませんか。

 ものやおらかな、淡々とした話しぶりとは裏腹に、視線は鋭かった。

 「靖国神社なんか見てますとね、戦争の犠牲者の魂はこんなふうに祀られ、生き残るんだと。

そういう考え方のなかに、とっても危ないものを感じるんですねえ」

 そこで、いきなり「天皇制」ということばが三国さんの口から出た。

 二人の間で、さっきからもう何時間も、テープレコーダーが回っていた。

 こんなことまで話してもらっていいのかしら、と戸惑っているのにかまわず、

 「天皇制にしてもですね、頂点から見てうんぬんするのではなく、核となっている家、ぼくならぼくの家のあり方から見直していくことが、これからの歴史をつくっていくことにつながるのではないか、なんて考えているんですよ」

 三国流のやり方では、〈家〉を持たないということになるらしい。つまり、女性と共に暮らしても、入籍という形をとらないことなのだ。

 「AとBが結婚した、ということであればいいのですが、結婚したとたん、どちらか一方の名前が変わっていくということが、すごく気になるのです。入籍のシステムそのものが、多くの場合、男性が女性を所有するという構造をもっているのですよね。ほら、オレのものだ、というような……」

 「ぼくなんかもね、いま一緒に棲んでいる女性に対してですが、前夜、遅くなって疲れているということを知っていても、仕事に行くんだからと、朝つい起こしてしまうんです。で、あわてて反省する。もう、毎日そうなんですね。だから、入籍という制度に守られるようになったら、自分がどういうふるまいをするか、全然、自信が持てない。いまは、一緒に生きているし、支え合ってるんだ、という実感があります。こういう感じ、大切にしたいんです」

 驚いた。

 三国さんは女性解放論者でもあったのだ。

 それを裏付けるように、こういった。

 「だからですね、女性の側も自分の夫や恋人との関係でおかしいと思うことがあれば、どんどん相手にいっていかなければ」

 現在は俳優としてめきめき頭角を現している息子さんに対しても、従来の枠組の中で、親であるということを主張することだけはやめたい、といい切る。

 自分の家族から、そして役者という職業を通じて交わった人たち、演じた人物たちのすべてから得た、これが一つの到達点なのであろう。

 

 「三国連太郎さんは徴兵忌避をしようとしたことがあるんですって」

 こういうと、周囲の人たちは一様に驚く。

 とくに、おとなとして敗戦を迎えた人たちは、

 「あの時代に、よくもまあそんなことが……」

 と信じられないといった顔をする。

 同じ時代を生きていた三国さんが、徴兵忌避をすればどんな目にあうか、まるっきり知らなかったはずはない。

 にもかかわらずやってのけたのは、父親、正さんの生き方に影響されたからだという。

 「オヤジは腕一本、スネー本で生きた職人でしてね。いまから考えれば自由人でした」

 正さんは代々の職業が棺柚づくり、という家に生まれた。

 一九一八年(大正七年)のシベリア出兵に応じたのも、ほかの職業に就く手段を求めてのことだった。

 正さんも数年間のシベリア滞在中に、電気の技術を身につけた。

 帰ってからは電気工事人として一本立ちし、何人かの工夫をひきつれ、仕事を請負っては工事現場から現場へ、渡り歩いた。

 そのうち恋人をつくり、家を棄てた。

 「家を棄てても、こどもの教育には神経を使っていましてねえ」

 なぜか父親への反感は、わかなかった、と三国さんはいう。

 無学で、無口な父親。その人が、上からの押しつけには純粋に抵抗しつづけた。

 満州事変から日中戦争へと戦火がひろまり、配下の若い工夫たちが次々と出征するときも、一度も送りに行こうとはしなかった。

 階級制度のきびしい軍隊のなかで、正さんはその出身ゆえに普通の兵士が味わう以上の辛苦をなめたはずだ。それはシベリアの大自然以上の苛酷さだったかもしれない。

 

 正当な理由もないのに他国へ押しかけて、数年間も居すわり続けている日本の軍隊、その一員であることは、いくら新しい仕事を手にするためとはいえ内心、紐促たるものがあったのではなかろうか。

 「シベリア出兵という体験が、おやじに戦争の本質を見抜かせたんだと思います。戦後たまに上京して東京見物なんかしましてもね、靖国神社には見向きもしませんでした」

 父、正さんのことを語るとき、三国さんは懐かしさを隠そうとはしない。

 正さんも、はんさんと前後して亡くなった。八十五歳。差別をはねかえし、自由を求めつづけた一生だった。

 そんな父親のもとで、軍国少年は育だなかったのである。

 三国さんは一九二三年(大正十二年)生まれ。

 時代は戦争へ向かって、少しずつ、しかし確実に傾斜しつづけていた。この世代の多くはピカピカの軍国少年、あるいは少女に仕立てられていった人が多い。

 佐藤政雄少年(三国さんの本名)は、少しちがっていた。

 なぜ『教育勅語』を暗記しなければならないんだろう。

 校庭の入口から、ずっと向こうの御真影に向かって深々と頭を下げねばならないのはどうしてか。

 写真の人、天皇陛下にだけ苗字というものがないのはなぜだろう―。

 理屈はわからないが、押しつぶされるような圧迫感のなかで、毎日をすごしていた。

 こんなところでは生きられない。

 小学校六年になったとき、思いつめて中国大陸をめざして家出を企てたこともある。

 やがて仲の良かった友人の何人かは陸軍士官学校や海軍兵学校へ進んだ。

 とくに海兵の学生はモダンな制服だったせいか、女学生にもてはやされた。

 が、ふつうの中学校へ進学した政雄少年は、陸士や海兵組と親しくする気になれなかった。

 つき合いの悪いやつ、と変人扱いもされた。

 しだにいに無口になっていった。

 

 一枚の、茶色くなった写真がある。

 二十三人の兵隊が並んでいる。手前には一面に野の花が咲いて、後ろには屋根の低い、土で造った中国の民家。

 一九四四年(昭和十九年)、応山というところで撮ったもの。

 中国大陸前線の兵士たちにもひとときの平和が許されたのだろうか。

 が、どの兵士もむっつりと黙りこくった表情だ。

 後列右端に、ひときわ体の大きい美青年がいる。それが三国さんだ。

 「私か戦争というものに決定的な疑問をもったのは、一緒に中国へ行った仲間が千数百人もいたのに、たった二、三十人しか帰れなかったということです。これは、大変なショックだった…。

 文字通り、九死に一生を得ての復員だった。

 俳優という職業に就き、さまざまな人物を演じた。戦争に関するものも、少なくなかった。

 あるテレビのドキュメンタリー番組のため、半年間にわたって戦争体験者の話を聞いたり、資料を読む機会があった。

 そのときに、自分が参加したのは目本の侵略戦争のゆきつくところだったのだと、はっきり認識した。

 「私はこれまでの人生にいろんな汚点を残しましたがね、あの戦争に加担したことがしちばん大きな汚点だったというふうに感じているんです」

 そして、三国さんはこうつけ加えた。

 「もっとも、戦場にいた一年八ヵ月の間、一発も鉄砲を撃てなかったいちばんダメな兵隊でしたけれど」

 長い長いインタビューのなかで、初めてのほほえみがゆっくりとひろがった。(引用ここまで


対米従属国日本の目線は米国脳病に侵され、疑問すらもてない哀れな日本!日本独自脳はどこへやら!

2013-04-16 | 日記

15日もミサイル発射はありませんでした。最初は、10日、その次は15日、大騒ぎした挙句に、今度は又、恥も外聞もなく、日程をづらしてきました。どこまで、恥を晒すつもりでしょうか?マスコミは、事実に対して真摯に向き合うことも、疑問をもつことも検証もせず、日米韓政府の情報を垂れ流すのみです。これぞ、大本営発表ということでしょうか?

 そこで、また考えてみました。

 北ミサイル、4月下旬~5月上旬か…不意打ちも (2013年4月16日01時34分  読売新聞)http://www.yomiuri.co.jp/feature/20080115-899562/news/20130415-OYT1T00981.htm?from=blist

日韓両政府関係者や北朝鮮問題専門家は、次に発射可能性が高まるのは「4月下旬から5月上旬だろう」と話す。4月25日は朝鮮人民軍創設記念日で、前後なら軍の士気高揚につながる。4月下旬に発射に踏み切り、米韓合同野外機動訓練「フォール・イーグル」が予定通り4月末に終わった時点で、「北朝鮮の力の前に『米韓はなすすべなく撤退した』と宣言することを狙ってもおかしくない」(防衛省幹部)との指摘もある。(引用ここまで

 「日韓両政府関係者や北朝鮮問題専門家」とは誰でしょうか?読売は明らかにすべきです。適当なことを言いふらしているしか思えません。しかし、事実は雄弁です。米韓合同野外機動訓練が、今回の「緊張」の主な原因であることは、最近テレビに出演している「専門家」も言うようになってきました。だったら、これを直ちに止めて撤退すれば、静かになると思うのですが、アメリカ脳に侵された日本のメディアと「専門家」たちは、絶対に言いません。

 最近は、こうした状況について、怒りから、可笑しさから、哀れになってきたように思います。これほどまでにやらないと、安倍政権が持たないのではないか、と。

 昨日の「クローズアップ現代」は、金正恩体制の脆弱性を特集し、危機を作り上げることで、金正恩体制の強化を狙っていると見方です。しかし、このことは、安倍政権にも言えるのではないかということです。以下の記事をご覧ください。

 日中関係:「靖国問題解決が必要」と自民・野田氏毎日新聞 2013年04月15日 18時55分

http://mainichi.jp/select/news/20130416k0000m010017000c.html

安倍首相:靖国 秋参拝に照準2013年03月29日

http://mainichi.jp/select/news/20130329mog00m010004000c.html

首相「国益に反すれば自民党解散」 政界再編の軸?2013.3.18 23:31TPP

 http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130318/stt13031823320009-n2.htm

 

安倍政権の危機を救ってくれる北朝鮮という構図です。最近の支持率の高さが、このことを示しています。

 しかし、この北朝鮮の「脅し」と危機は、アメリカ仕込みであることが、アメリカ自身が認めるものとなっているのです。しかし、アメリカ脳に侵された日本のマスコミには、そのような視点、疑問、問題意識、検証は全くありません。タブーになっているのかもしれません。そこに、哀れさを感じるのです。以下ご覧ください。

 米 弾道ミサイル発射実験を延期  4月7日 13時19分http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130407/k10013737611000.html

北朝鮮が挑発的な言動を続けるなか、アメリカ国防総省は、今週予定していたアメリカ本土でのICBM=大陸間弾道ミサイルの発射実験について、北朝鮮を刺激し言動をエスカレートさせかねないとして、延期することを明らかにしました。アメリカ国防総省の高官は6日、NHKの取材に対し、今週、アメリカ本土で行う予定だった、アメリカ軍の大陸間弾道ミサイルの発射実験を延期することを明らかにしました。この高官は、「今回のミサイル発射実験は、北朝鮮を対象にしたものではなく、もともと以前から計画されていたものだが、実験を行えば北朝鮮を刺激し、挑発的な行動をエスカレートさせかねないことから、急きょ延期を決めた」と話しています。北朝鮮は、中距離弾道ミサイルの発射に向けた準備ともみられる動きを北朝鮮東部で見せるなど、挑発的な言動を続けています。アメリカ国防総省はこれまで、先月から朝鮮半島周辺で行っている米韓合同軍事演習に高性能の爆撃機や戦闘機を投入したことを公表するなど、北朝鮮への圧力を強めてきましたが、朝鮮半島情勢が緊迫の度合いを増すなかで、これ以上、北朝鮮を刺激しないよう配慮したものとみられます。(引用ここまで

 こういうニュースを平然と流しておいて、NHKは、相変わらず反省していません。以下の放送は、形相を変えての発言、余りに酷かったと思います。冷静さを欠いた番組でした!

2013年4月16日放送 0:00 - 0:20 NHK総合時論公論出演者島田敏男

http://datazoo.jp/tv/%E6%99%82%E8%AB%96%E5%85%AC%E8%AB%96/636083

今や、「北朝鮮が挑発的な言動を続けるなか」は枕詞です。「米韓合同軍事演習に高性能の爆撃機や戦闘機を投入したことを公表するなど、北朝鮮への圧力を強めてきました」ってことは、脅してきたってことです。何故これが判らないのでしょうか。それはNHKがアメリカ脳だからです。

 「今回のミサイル発射実験は、北朝鮮を対象にしたものではなく、もともと以前から計画されていたものだ」という弁解は、詭弁です。だったら、北朝鮮が発射する「人工衛星」を「事実上のミサイル」などとは言えません。

 「挑発的行動を続けるアメリカに北朝鮮を刺激しないよう、日本政府はアメリカに節度ある行動を求めるべき」というのが、スジではないでしょうか?

 金正恩氏は若い、経験もないので、何をするか、判らないと、危険視するアメリカ政府や日本政府、マスコミも、実は、それが正しい判断だとすれば、同じレベルと言えます。以下の記事が雄弁に語っています。

 日米連携で北朝鮮に自制要求 首相、米国務長官と会談 2013年4月15日 13時40分

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013041501001637.html

…首相は北朝鮮について「極めて挑発的な言動を繰り返し、緊張を高めていることは容認できない。国際社会が冷静かつ断固とした対応を取ることで、挑発行為は利益にならないと理解させることが必要だ」と指摘。(共同)(引用ここまで

 「冷静かつ断固とした対応」で挑発的行為は利益にならないと理解させることが必要だ」とは、穏当ではありません。この言葉そのものが、「冷静」さを欠いています。先に記事に書きましたが、砂川違憲判決に容喙させておいて、米軍や自衛隊を合憲とさせておいて、「密約」まで結んでおいて、アメリカの核の傘の下にいて、アメリカに従属していて、「何様だと思っているのだ」と言われているでしょう。しかし、日米政府やマスコミは、全く気づいていません。それは日米軍事同盟を是としているからです。

 以下の毎日に記事は、ケリー国務長官が、北朝鮮問題を通じて、TPPや沖縄の普天間基地問題でも、安倍政権に圧力をかけにきたことを示しています。勿論安倍首相やマスコミは、そのような脳はありません。

 安倍首相:米国務長官と会談 対北朝鮮で緊密に連携  2013年04月15日 12時59分(最終更新 04月15日 13時40分)http://mainichi.jp/select/news/20130415k0000e010138000c.html

…首相は冒頭、「国務長官のアジア太平洋地域を重視するというメッセージは日本をはじめアジアの国々への勇気を与えるものだ」と述べ、今回のケリー氏のアジア歴訪を評価。名護市辺野古沿岸の埋め立て申請について「(沖縄県知事から)承認されるように努力したい」とした上で「在沖縄海兵隊のグアム移転も進めていくことが大事で、特に(米)上院の理解増進に向け、長官のリーダーシップに期待する」と述べ、日米双方の取り組みが重要だと指摘した(引用ここまで

 沖縄県民の要求や願い、「苦渋」に「思いを致す」などと、硫黄島で語った舌の根も乾かぬうちに、こんなことを平然と言ってしまう安倍首相です。しかし、日本のマスコミは、このことを指摘しません。

 しかも、以下のような「敵基地攻撃能力」発言についても、何らの批判的見解は聞こえてきません。「『万一、日本が一瞬でも動けば戦争の炎は日本に最初に飛び掛かるだろう』と威嚇した」(12日時事)。その点では横須賀、沖縄、三沢など米軍基地を攻撃するぞと脅した北朝鮮と同じレベルとなります。以下の記事をよく読めば、どっちもどっちなのに、悪いのは北朝鮮!俺たちは悪くない!ということになります。まるで子どもの言い分です。

 「滅亡の運命にあるのは日本だ」 北朝鮮、安倍氏発言に反発 2013.3.23 12:36 安倍首相 http://sankei.jp.msn.com/world/news/130323/kor13032312370004-n1.htm

労働新聞は23日、安倍晋三首相が「このままでは北朝鮮は間違いなく滅亡への道へと進む」と発言したことを受け、「滅亡の運命にあるのは定見もなく米国に従う日本だ」と非難する記事を掲載した。 同紙は「日本はわが革命武力の標的になっている。日本が(北朝鮮)敵視を続ければ、到来するのは破滅だけだ」と主張し、植民地支配に関する「過去の清算」を重ねて求めた。拉致問題には触れていない。 安倍首相は15日のNHK番組で、北朝鮮の核・ミサイル開発を強く非難し「(北朝鮮は)政策転換し繁栄の道に進む決断をすべきだ」と述べた。(引用ここまで

 「敵基地攻撃能力」早急に検討を…石破幹事長  (2013年4月15日10時34分  読売新聞)http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20130414-OYT1T00382.htm

…北朝鮮の弾道ミサイルによる攻撃などを未然に防ぐための「敵基地攻撃能力」の具体的な検討について、政府・与党で早急に行うべきとの考えを示した。 石破氏は敵基地への攻撃について、「(自衛隊は)実際にその能力を持っていない。抑止力の議論はきちんとやらないといけない。それは安倍政権の課題だと信じている」と述べた。 政府は他に手段がない場合、相手基地を攻撃することも憲法が認める自衛の範囲に含まれる、との見解を示している。(引用ここまで

 こうした主張の本質的要素であるアメリカ脳の枠内にあるのは、沖縄も例外ではありません。以下の社説をご覧ください。

 琉球新報社説 安倍・ケリー会談 北朝鮮は対話へ戻る時だ  2013年4月16日

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-205374-storytopic-11.html

安倍晋三首相とケリー米国務長官が会談し、弾道ミサイルを発射すると挑発を繰り返す北朝鮮に対し、日米が連携し自制を求めると確認した。外交的解決へ向け、日米のぎりぎりの努力を支持したい。弾道ミサイルや核開発をめぐる問題で、国際社会は一貫して北朝鮮に自制を促している。北朝鮮は挑発行為は何の利益もなく、国際孤立を深めるだけだと自覚すべきだ。平穏な国民生活と経済再建を望むなら国際社会と協調すべきだ。ケリー長官は就任後初のアジア歴訪で先週末から日本、中国、韓国を訪問し、各国首脳らと北朝鮮の核開発阻止で協調を確認した。日米韓の連携により北朝鮮の核保有を認めない方針も再確認した。
 留意すべきは、オバマ米政権が米韓軍事演習の縮小などで北朝鮮の挑発に対する圧力を弱め、朝鮮半島の緊張緩和を目指す方向へ軌道修正したことだ。北朝鮮もこの機会を逃さず、対話のテーブルに戻るべきだ。朝鮮半島の非核化を目指す6カ国協議は2008年末以来開かれていない。再開に向け日米韓と中国、ロシアは調整を本格化させたい。北朝鮮も核放棄を確約した同協議の共同声明を「死滅した」としてきたが、一方的主張を撤回し対話に応じる姿勢を示してほしい。一方、米軍普天間飛行場返還問題について、安倍・ケリー会談は県内移設を既定方針通り進めるとの確認にとどまった。移設反対の沖縄の民意は考慮せずといわんばかりの不誠実さで、極めて遺憾だ。…北朝鮮の問題は、あくまで外交的解決を目指すべきだ。北朝鮮を発火点とする戦争も、沖縄、日本を出撃拠点とする戦争も断じて反対だ。紛争を武力による威嚇や武力行使で解決することは国連憲章で禁じられている。国際法の精神をいま一度、思い起こしたい。(引用ここまで

 さて、この社説、北朝鮮政府とその国民はどう思うでしょうか?共感するでしょうか?否と言えます。「ぎりぎりの努力」の中身について、北朝鮮にしてみれば、押し付けとなるのではないでしょうか?その「ぎりぎりの努力」は、米韓合同軍事訓練の中止と撤退、北朝鮮敵視政策の廃棄、そのための保障としての米軍基地の日本からの撤退ということになるでしょう。その点では、沖縄の要求と一致するはずです。しかし、そこまで沖縄はきっぱり要求できるでしょうか?

 愛国者の邪論も、この社説については、概ね賛同します。しかし、しかし、です。

一つは、「北朝鮮の挑発に対する圧力を弱め」とありますが、この「圧力」こそが、朝鮮戦争休戦中の北朝鮮にとってみれば、「脅し」となるのではないでしょうか?

 二つは、北朝鮮が、「平穏な国民生活と経済再建を望む」というのであれば、アメリカは、北朝鮮に対する「脅し」政策を止め、休戦協定から平和条約の調印を実現すべきと主張しなければなりません。

 三つは、「紛争を武力による威嚇や武力行使で解決することは国連憲章で禁じられている。国際法の精神をいま一度、思い起こしたい」という一般論では説得力はありません。これは北朝鮮にも、アメリカにも要求すべきことです。

 四つ目は、従って、核保有国としてアメリカに認知させ、アメリカと対等の話し合いを求める北朝鮮に対して、朝鮮半島の非核化を求めるのであれば、朝鮮半島の非核化だけを求めるのではなく、韓国における米軍はどうなのか、日本の米軍はどうなのか、はっきりさせるべきです。さらに言えば、中国・ロシアを含めた東アジアの非核化をも要求していかなければなりません。

 さらに言えば、琉球新報は、日本国の非核三原則の立法化、乃至沖縄の非核条例化を推進すべきです。琉球新報や沖縄が核兵器を容認しているとは思いませんが、日米軍事同盟を容認しておいて、事実上核密約を容認しておいて、他の国には核兵器の保有を認めないというのは、説得力はありません。北朝鮮にしてみれば、「脅威」と映り、「それなら俺も」となるのは当然です。

 しかも、今や非核地帯条約は、世界各地に拡大し、残るのは、核兵器保有国とその周辺のみという歴史の流れがあるのです。日本で言えば、非核平和自治体宣言の日本化です。神戸非核条例の具体化です。しかし、日米政府と日本のマスコミは、こうした視点に立っているとはとても思えません。

 これまでに署名された非核兵器地帯条約 平成21年9月

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kaku/n2zone/sakusei.html

核兵器廃絶へ国際会議すぐに”中南米カリブ海首脳会議が声明 2011年12月5日(月)

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-12-05/2011120501_04_1.html

非核地帯条約へ交渉再開核の脅威ない東南アジアへ ASEANと保有5カ国 2011年8月10日(水)「しんぶん赤旗」

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-08-10/2011081006_01_1.html

安全・平和な世界を保証国連総会 軍縮・安全保障の第1委討論 核兵器廃絶 各国強調 2012年10月10日(水)

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2012-10-10/2012101007_01_1.html

米国に反戦団体が書簡中東非核化会議 開催努力を要求賛同募り送付へ 2012年10月19日(金)

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2012-10-19/2012101906_01_1.html

シリア代表に反体制派アラブ連盟首脳会議決定アサド政権 孤立さらに 2013年3月28日(木)

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-03-28/2013032807_01_1.html

 さて、最後に、愛国者の邪論として、述べておきます。

1.北朝鮮に望むことは、国際法の理念にたって、核兵器廃絶と国連憲章に則った東アジア政策の実現を6カ国に求めていくしたたさを打ち出してほしいものです。35年間も植民地支配を強要された国として、二度とそのようなことのない歴史の創造を世界の先頭に立つと言う歴史の道義をわが物にするのです。それこそが、北朝鮮と韓国の平和的統一の近道であると思うのです。

 2.マスコミに望むことは、憲法の平和主義を尊重するコメンテーターを登場させるべきということです。登場する「専門家」は、日米軍事同盟容認派の日米政府の側に立ったとしか言いようのないコメントばかりです。日米軍事同盟廃棄派のコメンテーターを登場させ、その違いを国民の前に明らかにし、選択を国民に委ねる。さもなければ、この国の表現の自由は、極めて強力に制限されている、北朝鮮を批判する目線が、自分のところに木霊のように返ってくると言えます。自由と民主主義の国、ニッポンにあるまじきことと言えます。正々堂々と、論じるべきです。


安倍首相の硫黄島訪問にみる英霊冒涜と利用、戦争責任不問の不道徳ぶりこそ、改憲派の本質!

2013-04-15 | 日記

安倍首相が、14日小笠原諸島の硫黄島と父島を訪問したことが報道されました。この報道をみていて、オカシイ!と思いましたので、以下の記事を書くことにしました。

 まず、第一に、

何故、この時期に、かという疑問です。硫黄島の戦闘は、1945年2月19日上陸から3月27日(26日の記録もあります)朝、栗林中将、高石参謀長・中根参謀とともに自決するまで、とあります。児島 襄『太平洋戦争下』

 こういう戦争日程からすると、何故訪問したか、不明です。政治的意図があったと言わざるを得ません。以下の記事をみても、この時期かどうか、不明です。

安倍首相、4月13日にも硫黄島訪問で調整  2013.3.19 23:26 安倍首相

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130319/plc13031923260013-n1.htm

政府高官は19日夜、「首相は機会があれば硫黄島に行きたいという意向を示していた」と明言。首相は現地の遺骨収集作業を視察する考えだ。…硫黄島の遺骨収集については、民主党政権が23年度から3年間を集中実施期間と定めた。政府はこれを踏まえ、最終年度の25年度の取り組みを再検討するために、21日に首相官邸で遺骨収集に関する関係省庁会議を開く。(引用ここまで

 第二に、

安倍首相の言葉に注目しました。以下あげてみます。ポイントは、以下のとおりです。

 1.政治的意図の一端が垣間見えてきました。それは「主権回復の日」式典の前に訪問し、「屈辱の日」として受け止められている沖縄の「苦渋」の「思い」を語ることで、基地負担を課すこと、日米軍事同盟の「絆優先」と「深化」を正当化することでした。

 2.「官邸がリーダーシップをとって、なんとか遺骨帰還事業を着実に進めていきたい」というパフォーマンスでした。何故、問題か。

 (1)「ご英霊」に「尊崇の念」などと述べていますが、「戦没者2万2千人のうち、約半数の遺骨が回収できていない」ことの責任、しかも、回収が遅れてきたのは何故か、いっさい不問に付していることです。

(2)安倍首相など、靖国神社信奉者たちは、海外に眠る遺骨収集をほったらかしにしてきた歴史を不問に付しながら、「ご英霊」を利用しているのです。これほどの不道徳があるでしょうか?

 3.「悲痛な歴史を若い世代に伝え」ることでした。

 4.最後に注目したことは、「追悼の辞」の内容をよく読むと、戦争の誤りとそのことで多くの若者を殺した責任と謝罪の言葉はどこにもありません。あるのは、戦争の正当化と政治的利用を画策する安倍首相の本質が浮き彫りになります。以下、よくお読みください。

 (1)「祖国の安寧を祈願し、遠く離れた家族を案じつつ、戦場に散った方々に思いをいたすとき、悲痛の思いが胸に迫るのを禁じえない

(2)「尊い命を賭して祖国のために戦った英霊に思いをいたし、この国の平和と繁栄をしっかり築いていかねばならない

(3)「国を守るために戦い尊い命を犠牲にされたご英霊に対して感謝の気持ちと尊崇の念を込めてご冥福をお祈りしました

 首相 硫黄島の遺骨収集に全力  4月14日 17時49分http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130414/k10013907371000.html

祖国の安寧を祈願し、遠く離れた家族を案じつつ、戦場に散った方々に思いをいたすとき、悲痛の思いが胸に迫るのを禁じえない」と追悼の辞…記者団に対し、「いまだに戦没者のおよそ半数の遺骨は眠ったままだ。総理大臣官邸がリーダーシップをとって、なんとか遺骨帰還事業を着実に進めていきたい」と述べ

 首相が硫黄島と父島訪問…遺骨収容加速の考え(2013年4月15日10時34分  読売新聞)

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20130414-OYT1T00469.htm?from=ylist

政府主催の戦没者追悼式に出席し、「尊い命を賭して祖国のために戦った英霊に思いをいたし、この国の平和と繁栄をしっかり築いていかねばならない」と追悼の言葉…記者団に「遺骨帰還事業を着実に進めていきたい。官邸がリーダーシップをとって各省庁をまとめていく」と語り

 安倍首相:硫黄島で遺骨収集作業を視察 毎日新聞 2013年04月15日 11時04分(最終更新 04月15日 11時04分)

http://mainichi.jp/select/news/20130415k0000e010099000c.html

遺骨収集作業の現場を視察し、「帰還事業を着実に進めるため、官邸がリーダーシップをとっていきたい」と記者団…今月28日の「主権回復の日」式典に言及し「小笠原、奄美、沖縄の人の苦渋に思いを致さないといけない」と

 首相、硫黄島を訪問 遺骨収集の現場を視察  2013/4/14 10:23 http://www.nikkei.com/article/DGXNSSXKA0036_U3A410C1000000/

テレビ東京の映像が貼り付けられています。そこで語ったことは、「国を守るために戦い尊い命を犠牲にされたご英霊に対して感謝の気持ちと尊崇の念を込めてご冥福をお祈りしました」ということでした。

 安倍首相、硫黄島を訪問 遺骨回収「着実に進める」 2013年4月14日19時23分

http://www.asahi.com/politics/update/0414/TKY201304140086.html

戦没者追悼式に参列し、「この島で生じた悲痛な歴史を若い世代に伝えていかなくてはならない」とあいさつ。

 第三に、

天皇制政府による無謀な作戦により、命を落とさせたことの責任は不問に付し、「ご英霊」と祀りあげることで、犬死を強制させられた若者、遺族への不満をスリカエる、不道徳ぶりを、怒りをもって告発しなければなりません。以下、そのポイントをあげておきます。

 (1)硫黄島の作戦は、天皇が直接指導して失敗したサイパン失陥後(44年7月)、新たに作成された「捷一~四号」作戦にもとづいて行われたものでした。それは、「手持ちの戦力の七~八割を使って敵に打撃をあたえ、その開に本土防衛態勢を整備し、もし敵に打撃をあたえることができれば、戦争終結の有利な条件が生まれるであろうという」、およそ具体性のない、自己陶酔にもとづく期待感の、精神主義の作戦でした。これこそが、犬死と言われる所以です。木坂順一郎『太平洋戦争』(小学館82年12月刊)

 (2)次は、44年8月の段階で、藤原銀次郎軍需相が、最高戦争指導会議で「世界情勢判断」として、以下の報告を行っていたにもかかわらず、「今後採るべき戦争指導の大綱」が決定され戦争を遂行していったのです。これが犬死と言われる所以です。『太平洋戦争』・安藤良雄『近代日本経済史』(旺文社80年8月刊)

 「…戦争第四年タル十九年末ニハ国カノ弾撥性ハ概ネ喪失スルモノト認メラル 更二二十年度ノ物的国カヲ現状見透二依り按スルニ空襲二依ル被害ヲ考慮外トスルモ本年度二比シ相当低下スヘク直接的戦カノ造出モ低調トナラサルヲ得ス」(開戦以降物的国力ノ推移並今後二於ヶル見透説明資料(一九四四・八・一〇 軍需省)

 (3)近衛文麿の粛軍・戦争終結勧告、いわゆる近衛上奏文(45年2月)に対して、天皇は「もう一度戦果をあげてからでないと中々話は難しいと思ふ」と事実上拒否した(木戸日記研究会編『木戸幸一関係文書』)ことで、その後の犠牲者は極端に拡大していきます。山田朗『大元帥 昭和天皇』(新日本出版社94年10月刊)

 (4)陸軍大臣・東條英機が示達した訓令(陸訓一号)で、軍人としてとるべき行動規範を示した文書『戦陣訓』(41年1月)の「生きて虜囚の辱を受けず」と「玉砕」(元景安伝北斉書』」思想があり、以下の資料をみても、自決を強制された、まさに犬死であったことが判ります。

 八日夜、千田少将は各隊長を集めて命令を下達したあと「長い間ご苦労だった。靖国神社で会おう」といって、コップー杯の水で乾杯した。

命令には「戦闘二参加シ得ナイ病症者ニハ現在ノ戦況ヲ知ラシメ、将来ヲ語リ、隊長ノ面前ニオイテ自殺セシメルヨウ努メラレタシ」とつけ加えられてあったが、各隊長は申し合わせて、ただ一発ずつの手榴弾を傷病兵に与えて別れを告げた。

…栗林中将は、十七日夜、「飽クマデ決死敢闘スベシ 己レヲ顧ミルヲ許サズ」の攻撃命令を発し、みずからその言葉どおり陣頭に立って戦い続けたのち、二十七日朝、高石参謀長、中根参謀とともに拳銃で自決した。児島 襄『太平洋戦争下』(中公文庫昭和49年7月刊)

 (5)無謀な戦争によって命を途絶えさせられた2万の兵士の思いとは?何か!これらの兵士たちには家族がいます。その家族の思いとは?安倍首相の言葉の軽さを怒りをもって告発しないわけにはいきません。以下をご覧ください。

菅野匡夫『短歌で読む 昭和感情史 日本人は戦争をどう生きたか』(平凡社新書11年12月刊)

 一髪(いつはつ)を留(とど)めずとても悔(くい)やある敵の戦車に体当りせむ(ん)  読み人知らず

『無名戦士遺詠抄』(51)―「富岳集」

 硫黄島で玉砕した兵士の遺した歌である。「肉体が砕け散り、髪の毛一本残らなくても、後悔などあろうか。敵の戦車に体当たりして果てよう」と詠む。「富岳集」は、副題に「戦跡拾遺遺詠集」とあり、戦後になって遺骨・遺品とともに収集された歌をあつめた遺詠集である。この歌は作者不明で「硫黄島玉砕将兵の遺詠」とだけ記されている。(引用ここまで

 早坂 隆『兵隊万葉集』(幻冬舎新書刊07年7月刊)

 三月一六日、兵団司令部は大本営あてに訣別の打電。そこには、栗林中将の辞世の歌が三首、添えられていた。

 国の為 重きつとめを 果たし得で 矢弾尽き果て 散るぞ悲しき

仇討たで 野辺には朽ちじ 吾は又 七度生れて 矛を執らむぞ

醜草(しこくさ)の 島に蔓(はびこ)る その時の 皇国の行手 一途に思ふ

  フリーライターの梯久美子さんが、周到な取材の末に書き上げたノンフィクション『散るぞ悲しき』(新潮社)で明らかにした所によると、三首の内の最初の一首には、後日談があるとという。当時の本土の新聞には、歌の末尾「悲しき」の部分が、「口惜し」と改変されて掲載されたというのだ。軍人が「悲しき」と嘆じることを、当時の大本営が良しとしなかったためである。魂を込めた絶唱である辞世の歌に、簡単に手が加えられてしまう所に、戦争の虚しさを覚えずにはいられない。 同月二四日、残存していた約四〇〇名が突撃し、これをもって硫黄島における組織的抵抗が終了した。 日本側の犠牲者は約二万人にも及ぶ。(引用ここまで

 こうした事実を、「硫黄島で玉砕した栗林忠道中将の孫にあたる新藤義孝総務相」(朝日)、「日本軍の硫黄島守備隊指揮官だった栗林忠道中将の孫の新藤義孝総務相」(毎日)はどのように受け止めているのでしょうか?

 第四に、

安倍首相の発言を淡々と伝えるマスコミの戦争認識、国民目線も大変問題です。こうした論理と論調を読み、視て、聴いた国民の中にどのような意識が形成されていくか、そこに注目していかなければならないと思います。こうしたマスコミの犯罪的役割についても、怒りを込めて告発していかねければなりません。

(1)小笠原諸島の硫黄島では今もおよそ1万2000人の戦没者の遺骨が見つかっておらず、…遺骨の早期収集に全力を挙げる考えを示しました。(NHK

(2)戦死した日本兵の遺骨収容作業の現場を視察、政府による帰還作業を加速させる意向だ。…遺族らによる遺骨収容は、小笠原諸島が米国から日本に返還された1968年から実施されているが、同島の戦没者約2万2千人のうち遺骨の収容は半数にとどまっている。(日経

(3)硫黄島では、戦没者2万2千人のうち、約半数の遺骨が回収できていない。首相は「衛藤晟一首相補佐官を中心に事業を着実に進めていきたい」と語った。(朝日

 (3)終戦特集~太平洋戦争の歴史~【20】硫黄島守備隊が全滅

http://www.jiji.com/jc/v2?id=20110803end_of_pacifi_war_20


国歌「君が代」強制こそ、伝統文化の破壊・不道徳の極地、日米軍事同盟深化派の愛国心教育を断罪する!

2013-04-14 | 日の丸・君が代

猪瀬都知事の口パク発言は、この問題の本質を浮き彫りにしてくれました。それは「愛国心」「伝統文化」、いわんや、「日の丸」「君が代」の意味や由来、果たして来た役割など、どうでもよく、ただただ公務員は「命令」=上意下達に従ってやれというものでした。こうした風潮を日本全国で蔓延化していくための重要な装置として「国旗」「国歌」を利用しているという構図です。

 そこを見破られるといけないために、全体が起立する「儀式」の「基本的ルール」論、彼らに言わせれば、「常識中の常識」に違反する少数の教師は、生徒を「しつけ」ることのできない輩だから、処分も当たり前、不適格者という烙印を押す、しかし、直ぐ処分をするわけではない、不当な処分ではないなどと、一見すると、誰もが「そうだよね、あいつらおかしいよね」程度の「レベル」の話にスリカエて正当化するものでした。

 このことは、中国の反体制派の知識人が弾圧される時、日本のメディアは、挙って人権問題と報道します。中国政府は国内の法律に則って対応していると応じています。全く同じ構造です。中国政府にしてみれば、猪瀬都知事流に言わせれば、反体制の知識人は「基本的ルール」が判っていない輩ということになります。

 ところが、日本国民は、日本国内の反体制派に対しては共感と連帯の念を抱くどころか、冷たい視線を注ぎ、「公務員を辞めろ」と罵声を浴びせるのです。中国政府を批判する目線は、微塵もありません。

 ましてや北朝鮮の世襲としての「金王朝」(という言葉そのものに北朝鮮に対する侮蔑意識がにじみ出ていますが)、と日本の世襲議員と世襲の権化である天皇家に対しては「尊崇の念」などという言葉で粉飾し、小学生にまで「様」付けをしているのです。さらに言えば「国家元首」にまで祀りあげようとしているのです。

 この憲法が成立した暁には、「君が代」「日の丸」が義務付けされるのです。そうしたことを国民はどのように考えているのでしょうか?この政策を掲げる自民党を政権政党として受け入れ、アベノミクスなどともてはやし、批判の矛先を鈍らせているのです。

 こうした日本国民の意識の根底に、あの戦争に対する加害責任と反省と教訓、それにもとづく国際連帯感情の欠如があることは明らかです。そのことは裏返して言えば、抗日民族統一戦線で皇軍とたたかいを指導した毛択東や抗日光復会でたたかった金日成などに対する中国・北朝鮮の国民感情への無理解が反映しています。

 中国・韓国・北朝鮮国民にしてみれば、8月15日は解放であり、光復という意識に対して、日本はどうでしょうか?敗戦というよりもむしろ終戦という言葉に象徴されているように、侵略された国民に寄り添う言葉はありません。天皇の赤子、民草、臣民として戦争を強いられたことを踏まえるならば、どうでしょうか?大日本帝国憲法の強制体勢から「解放」されたと自覚しなければならない問題です。

 さらに言えば、戦争に反対し、投獄されていた人々が、現在の日本で顕彰・賞賛・教訓化されているでしょうか?いっさい不問と言わなければなりません。逆に戦犯、戦犯容疑者、公職から追放されていた政治家や官僚たちの二世・三世議員たちが、跋扈しているのです。選挙で選ばれたとは言え、国民意識がここに如実に見えてきます。

 しかも、彼らは、戦争に反省するどころか、政府の行為によって引き起こされた戦争の惨禍を二度と繰り返さないと約束した日本国民の決意をないがしろにし、大日本帝国的憲法を復活させようと画策しているのです。マスコミもそのことについては、沈黙しています。

 ここにこそ、現代日本の不道徳ぶりが象徴的に示されています。こうした構造に対して系統的に、あらゆる場を使って告発していく必要があります。日本国憲法の原則を東アジアと世界に発信していくためにも、不断の努力をしなければならない日本国民の責務と言えます。

 

以上の前提を踏まえて、今日は「君が代」のもつ本来の意味を歪曲し、民衆を裏切る「君が代」礼賛者のウソとデマ、ペテン、ゴマカシ、スリカエ、不道徳ぶりについて、記事にしてみることにしました。

 参考にした文献は、以下のとおりです。

 山田孝雄『君が代の歴史』(宝文館出版昭和31年1月刊)http://ja.wikisource.org/wiki/

 小野恭靖『戦国時代の流行歌 高三隆達の世界』(中公新書2012年4月刊)

 

ポイントは、以下のとおりです。

 1.「君が代」は読み人しらずの長寿を祝う歌であること

 2.平安以後、ずっと民衆の間で口ずさんできた歌であること、それは長寿を祝う賀の歌であることが最大の理由であったこと

 3.そうした民衆の風習、意識を巧に利用して、「君」を、それまで民衆の中においては、それこそ眼中にもなかった天皇にスリカエ、強制することにしたこと、そのことは天照大神を祀る伊勢神宮へのお伊勢参り、御蔭参りの際に、天皇の存在など、いっさい関心がなかったこと、五穀豊穣を願ったことを見れば明瞭です。

 4.本来長寿を祝う歌を、天皇のために死ぬこと、命を落すことを、最大の美徳として会得させるための装置として教育勅語、御真影とともに、教育や儀式を通じて徹底していった歴史があること

 5.こうした事実を学校教育でいっさい教えない政府・文部(科学)省と改憲派=日米軍事同盟深化派、「日の丸」「君が代」を「国旗」「国歌」として、既定のものとして疑問を持たない国民意識、これがどのように形成されたか、その浸透のメカニズムと問題点を憲法の原則からメスすら入れないマスコミの存在などがあること

 6.とりわけ、「日の丸」「君が代」などを日本の「伝統文化」として、自分たちのイデオロギーを浸透させる「錦の御旗」「専売特許」として利用している不道徳さを告発する営みの弱さがあること

 

以上の諸事実と視点を、以下の資料からみてみたいと思います。

 まず山田孝雄氏の「君が代」論の「十五 總括」をみれば、「君が代」の歌詞の変遷には、その時々の民衆によって変えられ、口ずさまれてきたことが判ります。意味も「本来年壽を賀した歌」「めでたい正月又は節供の時にそれを祝する精紳から行はれて来たのである。それ故に祝賀の歌の最も根本的のもの最もめでたいものとして千二百年間つづいて来たもの」とあります。

 卽ちうらみの介のさうしには…となり、「君が代が巖となりて苔のむすまで」といふ譯もわからぬたはごとになる。しかし、こんなことでもやはり流行してゐたことであつた。これはこの歌が汎く古く行はれて來て、一々義理をとはずに用ゐられた故にかやうな形にまでなり下つたことを示すもの…凡そ日本國の歌謠としてこの「君が代」の如く、遠く汎く、深く行き亙つたものは無いので、これが國歌となつたのは自然の勢といふべく人爲の力によつたものでは無いと思はるゝ引用ここまで

こうした事実踏まえて受けて、「十四 君が代はいつ國歌となつたか」のなかで、スリカエ、正当化しています。

 我々はこの「君が代」の歌一つに限つて國歌といひ、亦それを信じて疑ふ所が無い。しかも、之をこの意味で國歌としたことは誰人がいつ、如何なる手續で定めたのか誰も知らぬのである。これはこの歌が最初に「題知らず」「讃人知らず」であつたと同樣にこれが國歌となつたのも誰も知らぬ間にかくなりかく信じてしまつてゐるのである。國歌を「君が代」と定めたのは結局明治時代の日本民族全體であり、それがいつの間にかさうなつてしまつたといふより外にいひ樣の無い事である。これは個人の考へでも無く、或る團體の考へでも無い、眞に日本民族のの結晶だといはねばならぬものであらう(引用ここまで

 古今和歌集の頃は、民衆が詠じていたものか、貴族が詠じていたものか、不明ですが、恐らくは両方かもしれません。山田氏は、「譯もわからぬたはごとに」「なり下つた」としていますが、その願いは、長寿を祝う民衆の「願いの強さ」があります。

 しかし、昭和三十一(1956)年段階における山田氏の認識には、命を大切していたからこそ、謡われ続けてきた「君が代」が、天皇のために命を落す歌として、強制されてきた歴史は、全く見えていません。そこに、山田氏の立ち居地が見えてきます。

 

次に、小野恭靖氏の隆達節をみてみることにします。「隆達節」とは、以下のようにあります。

(1)高三隆達(1527~1611)が独特の節付けをして歌い広めた一群の歌謡

(2)戦国の世を終えた江戸時代の人々にとっては、隆達節こそが新時代の歌謡・芸能の代名詞であり、その歌い手隆達は、近世最初の芸能者として、注目すべき存在であった…

(3)隆達節の歌詞は、室町時代以来の流行歌謡、室町小歌を基盤にし…隆達節より百年近くも前に、最初の流行期を迎え、その集大成が「閑吟集」でした。

(4)室町後半から安土桃山時代、江戸初期の人々が愛唱した隆達節には、恋歌が多かった…

(5)流行歌謡として時の権力者たちも盛んに愛唱したようです。隆達が権力者に庇護されるべき芸能者としての隆達の宿命が窺える…権力者とも積極的にかかわりを持ったことは想像に難くない…(引用ここまで

 

小野氏は、隆達節の代表歌「君が代」を「祝い歌」として分類して、以下のように書いています。

 ○君が代は千代に八千代にさざれ石の、巌となりて苔のむすまで(小歌)

 あなたの寿命は、千代も八千代も、小石が大きな岩となって苔が生えるまで、末長く続いてほしいものです。

相手の長寿を祈る歌です。「君」は恋人であり、また周辺のすべての人に向けられた二人称です。昔の日本人は言葉の力を信じる言霊(ことだま)信仰を持っていましたから、長寿を願う歌が実際の長寿を引き寄せる歌としして作られました。小さな砕けた「さざれ石」か成長して「巌」となることは現実にはあり得ない…この歌を作り、また歌ってきた人々も、当然ながらそのことはわかって…起こり得ないことを歌うことによって、永遠の時間を表現し、相手の寿命が長く続くことを願った…さらには、その巌に苔がむすまでの時間を加えて、だめ押しさえしています。

これが昔の日本人の心でした。この歌はその後、延々と歌い継がれ…南北朝時代に至ると、冒頭を「君が代は」と…歌うようになり…その頃に作られた『朗詠九十首抄』という音楽書には、「君が代は」の歌詞で掲載され…たということは、「君が代は」の歌詞で歌謡として成立していた…それに影響されたのが、『和漢朗詠集』の中世成立の写本で…新しく流行する曲節にも合わせて歌われるようになった…そこに登場したのが高三隆達でした。

隆達はこの歌詞にも節付けをして、自らの歌謡として用いたのです。…ポルトガル人宣教師のジョアン・ロドリゲスは、『日本大文典』の中で、「小歌」として「君が代は」を掲載…隆達節のこの歌が当時の流行歌として広まっていた…仮名草子『恨の介』(整版本)では、酒宴の最初の場面で、「当世はやる隆達節」としてこの歌を…隆達節の代表的な歌…祝い歌を冒頭に歌うのは、我が国における芸能の伝統…いの一番に歌うことは常(引用ここまで

 どうでしょうか?長寿を祝う「君が代」の本質が浮き彫りになったのではないでしょうか?しかし、明治以後、この民衆が「伝統文化」として営々と築き上げてきた文化を、まるで違った意味合いにスリカエ、強制して、「天皇のために死ぬ」歌として浸透させ、あの惨禍を課したのです。このことの罪は非常に重いと言わざるを得ません。

 

小野氏は、「おわりに」で、隆達節の本質を見事に、以下のように、NHK大河ドラマ「江~姫たちの戦国時代」第十話柴田勝家の最後の宴席に歌われた「無常歌」の意味を紹介しています。

 「花よ月よと暮らせただ、ほどはないもの、うき世は」…の「花」と「月」は現世にある美しいものの代表です。そしてそれらを愛でることは、何物にも替え難いこの世の楽しみでした。この歌は美しいと信じるものや、自らか愛する大切なものを追い求める人生の素晴らしさを歌っています。

そして、その背景には「ほどはないもの、うき世は」と、人の命の儚さが据えられています。ただ単に刹那的、享楽的な生き方を推奨しているのではありません。短い人生をどのように生きるべきかを人々に教え、また自らに言い聞かせている歌なのです。そう思うと、この歌の中に響き渡る戦国の世の人々の思いが、強く伝わってきます。それは刹那的に生きざるを得ない切なさと言えるかもしれません。

…このように考えると、大災害を経験した現代の日本人は、戦国の世を生きたかつての日本人と似た状況にあると言ってもよいように思われます。明日をも知れない命を抱えながら、精一杯生きようとする心。そして、その心を支える言葉で紡ぎ出された、隆達節をはじめとする戦国時代の流行歌の歌詞。それらこそ、今日の我々がもっとも必要とするものなのではないかと思われるのです。(引用ここまで

 天皇制政府は、民衆の間で語り継がれ謡われていた「君が代」の意味を天皇制の永遠の繁栄を謡ったものとスリカエ、ゴマカシ、強制し、あの「惨禍」と塗炭の苦しみを国民やアジアの民衆に課したのです。その反省もなく、主権在民の日本国憲法下においても、その解釈をゴマカシ、あらゆる装置を駆使・総動員して、国民に浸透させ、「国歌」として強行し、職務命令で脅し、強制しているのです。

 そうして、自民党は、その改憲案で、この「国歌」を義務付けることを明記し、参議院選挙を前に、憲法改悪の手続き項目第97条の「緩和」です。

 憲法第96条 この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。

憲法改正について前項の承認を経たときは、天皇は、国民の名で、この憲法と一体を成すものとして、直ちにこれを公布する。(引用ここまで

国会の議決数と国民投票総数数の「緩和」です。「決められない政治からの脱却」論、「脅威」論を垂れ流す、国民に憲法「改悪」を「改正」とゴマカシ、その必要性を浸透させていくのです。そのプロパガンダとしてテレビと新聞が最大限使われることは、この間の事実が示しています。

 さらに言えば、天皇を元首化に成功すれば、当然「君が代」の意味を変更することは明らかです。そのために使われるのは、すべての分野における徹底したスリカエ・ゴマカシです。

 あれこれのゴマカシとスリカエの最終的な方向は、命令に服従する国民の育成です。日米軍事同盟深化の実態です。国防軍が、世界各地でアメリカの戦争を代行することを意味しています。

 このゴマカシを打ち破るのは、国民の総意以外にありません。どちらが、説得的に、真実を国民全体のものにするか、そこにかかっているのではないでしょうか?

 以上、まとめると、10世紀以来、営々と命の大切さを謡った長寿を祝う歌「君が代」が、明治維新以来のわずか百数十年で歪曲されてきました。この不道徳ぶりを徹底して暴き、人間の尊厳と命の大切さを思想の根底に、その道徳規範を示している日本国憲法を、今こそ、国民生活の隅々に徹底していく必要があるように思います。

憲法第13条 すべて国民は、個人として尊重される。生命自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。(引用ここまで

 どうでしょうか?隆達節の、そして「君が代」の本来の精神が、日本国憲法に脈々と流れていないでしょうか?強制と血に塗られた「君が代」をどのように扱うか、今ほど国民的議論が必要な時はないと言えます。


君が代斉唱・日の丸礼拝で「愛国心」を、という詭弁が猪瀬都知事の口パク発言で浮き彫りに!不道徳に大喝!

2013-04-13 | 日の丸・君が代

猪瀬都知事が、入学式・卒業式における「日の丸」礼拝・「君が代」斉唱を強制する意図を記者会見で明け透けに語ってくれました。この問題については、文部省の「指導」を受けて各都道府県が、その実施率100パーセントに向けて競って、達成してきたとされている問題について、大阪に続いて、東京においても、猪瀬都知事の発言でそのネライと結論が出ました。

 猪瀬都知事の言っている低「レベル」の話の意味、「実にアホみたいな」「くだらない話」について、考えてみました。都知事の話のポイントは、以下のとおりです。

 1.入学式・卒業式など、「儀礼的空間」において、まず、全員起立して、国旗「日の丸」に向かって「一同礼」をする。その後に、国歌「君が代」を斉唱するという流れは、憲法に保障されている参加者の基本的人権である思想信条の自由が踏絵を踏まされることになるのですが、

 2.「全員起立という(「基本的なルール」)ときに座っている」際に、歌いたくない者は、「口パクパク」「言葉(歌詞)を変えて歌って」でも良いのだ、踏絵ではないのだ、「自分の意志を表現する」場合は、「自分をちゃんとあれする」と、儀式の形を優先し、「日の丸」礼拝と「君が代」斉唱をとおして「愛国心」「郷土愛」「日本人としての誇り」などは想定していない、或いは二の次であることを語り、

 3.これは「しつけ」の「レベル」の問題であり、「そんなものさあ、儀礼で立って歌っているというときに、そこで座っているというのは話にならない」「そんなレベルの話がわからないというのは、教師としてふさわしくない」「基本的なルールがわからない人は不適格」と語り、学校教育が「しつけ」を教える場として位置づけ、その場において、「しつけ」の「レベルの話がわからない」のは「不適格」「教師としてふさわしくない」と言ってしまったのです。

 4.しかも、「処分」は「罰則規定のランキング」があり、「明日から解雇といっているわけじゃない」「クビにするわけじゃない」のだから、「大した話じゃない」と、憲法の原則に基づいて行動した者を憲法に違反して不当な「処分」をすることを「ランキング」の問題として捉えて、「大した話じゃない」、その「程度の問題」だと語ったのです。

 どうでしょうか?「井戸端会議」のような「レベル」の話を記者会見で述べていると言えませんか?大変な問題を含んでいると思いませんか?東京都知事の位置からすると、国際的にも恥ずかしい話になりませんか?これが過去最高得票を獲得した人の「レベル」なのです。

 都知事選、猪瀬氏が圧勝=434万票で過去最多得票-13年半ぶりに新たな首都の顔

http://www.jiji.com/jc/zc?k=201212/2012121600512

 そもそも学校教育の果たす役割は何でしょうか?以下、記事にしておきましたので、ご覧ください。

安倍政権の「教育勅語道徳教育」に大喝!日本国憲法に基づく新「道徳教育」論の徹底化こそがいじめを解決!

http://blog.goo.ne.jp/aikokusyanozyaron/e/970b90ebbbb3dfc75cb340c5f328651e

 この猪瀬都知事発言について、面白い反応がありましたので、掲載しておきます。気づいたことがあります。それは

 1.日本国民は、憲法の「個人の尊厳」論の恩恵を受けているにもかかわらず、それを想定外のおいて、意見の違う個人を排除する思想が見えています。これこそが「いじめ」の構造、温床、「障害者」という言葉から脱却できない、日本の現状を反映していると言えるのではないでしょうか?

 2.「井戸端会議」「茶のみ話」「レベル」の話には、憲法は自覚されていません。このレベルの話にも「憲法を生かす」論が貫かれていかなければなりません。こうしたコメントにあるのは、戦後自民党政治が憲法を軽視してきたこと、憲法教育のあり方の問題と課題が反映しているように思います。

 3.もう一つは、日本の歴史認識の問題もあるように思います。日の丸君が代の由来や、果たして来た役割を徹底して指導することをサボってきた自民党政権。学習指導要領で「指導するものとする」としたにもかかわらず、強制のみ先行させ、教師を上意下達の対象として、将棋のコマとして扱ってきたこと、このことは憲法と教育基本法をないがしろにして、行く行くは第二本帝国憲法的尼本の復活、戦後政治の総決算。戦後レジームからの脱却をめざしていたことと無関係ではありません。

 4.こうした状況のなかで、実は「ブラック企業」に見られるように、また「雇用の自由化」の名の下に「解雇規制」を緩和してく政策の実現を支えるイデオロギーと同根であることを見抜いていくことが大切ではないかと思うのです。労働者が自己責任イデオロギーの下、権利を主張できない呪縛が張り巡らされているのです。その象徴の一つとして、この強制問題を捉えていく必要があるように思います。それは、以下の事実が雄弁に物語っていると思います。

 本日(3月12日)、大阪で不起立者(9名)に対する<処分伝達>と<研修>が行われました。なお、2度目の処分を受ける教員は、減給10分の1となり、あと1回職務命令違反をすれば免職にするという「警告書」も手渡されたということです。また、研修後には、「卒業式・入学式の国歌斉唱時に起立斉唱することを含む職務命令に従います。所属 氏名 印」という文書に署名できるか答えてください」と強要されています。こんなことは体罰以上に許されないことです。

以下、ネットに出ていた「声」について、一覧しておきます。

http://hatebu.net/entry/www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2013-03-30/2013033004_04_0.html

・"「歌いたくなかったら口パクやっていたらいい。そんな程度の話を分からないというのは、教師としてふさわしくない」と非難しました" →"口パク"させるくらいなら国歌斉唱なんて廃止だ!、という愛国者を募集中だ

・真面目に心込めて歌えって言ってる訳じゃないからいいと思うんだけどな フレンチのドレスコードと一緒でさ セレモニーなのよ

・みんなやってるんだからそれっぽい所見せろ雰囲気ぶちこわすな。=空気読め>>>>>>>国歌を歌う行為>>>>>>自由

・橋本さんにもそれ言ってくださいよ

・所詮国歌ってその程度のものである、という事でよろしいですか?都知事殿

・そこはむしろ『裏声で歌へ君が代』と

・猪瀬「歌いたくなかったら口パクやっていたらいい」/「わかりました、そうします(毒)」。つうか、「口パクでないかチェックする」ってのも異常だが口パクでいいって猪瀬の立場でそれでいいのか、本当に?

 

http://2ch.ki9.biz/archives/8551.html

4:当たり前の事を臆面もなくぶっちゃけるのもアホみたいな話だな

5:身も蓋もない話だな

6:口パクでは、他の人から歌っているように見えるでは無いか私がしたいのは、歌わないことではなく、着席して歌わない態度を出来るだけ多くの人に見せることなのだ だから欠席もしたくない 先生が国家権力に逆らっている立派な姿を、生徒や保護者やマスコミに見てもらいたいのだ
卒業式は私の晴れ舞台なのだ てかんじだよね

16:立派な姿じゃ無いだろうにね。

48:「俺は社会の押しつけには屈しないぜっ」と イカレた格好して反社会行動をとっては粋がってる珍走団のと同じ。

44:うまいなあんた。まさに連中の本質をズバリと突いているよ。

8:「公務員は公務を果たせ」「国歌に敬意を」は正しい意見である。ただ君が代は「天皇の世よ永遠に続け」な意味もある。 歌の強要は、崇拝の強要にも繋がる。罰則付きだと北朝鮮と共通する点が。「”君”は天皇じゃ無い」な屁理屈もあるが、戦前などは明確に天皇を意識して歌われた。海外の翻訳でも”君”は天皇扱い。天皇自身も君が代を歌わない。自賛になるから。崇拝や生まれの尊卑に抵抗感を持つ人も居るだろう。「さくらさくら」が国歌になれば問題も無いのだが。口パクは、表面的に体裁を整えてるので文句は言えないだろう。

11:そもそも天皇で何の問題もないしな、しっかりと歌うことこそが公務。

18:>そもそも天皇で何の問題もないしな 権威を政治利用されてきた歴史があるのが天皇だからな。戦前は天皇の統帥権を掲げる軍部を抑制できなくなったり。もし君が代の押しつけに、天皇崇拝の意図を含んでいるなら問題。

9:口パクする程度の知能があればこんな問題など発生し得ないw教育できる土台の無いアフォは排除しなさい国家国民存続のために

10:国歌斉唱の時に起立をしない輩は、粋がるだけの唯の馬鹿(トラブルメーカーで、アウトロー)。管理者から見れば、協調性皆無の排除したいゴミの筆頭ですね。組織運営を考えればゴミは排除するのが一番。役立たずに権利なんか存在しない。

12:国歌を歌おうが口パクしようがどうでもいい話だ。ただし、1人だけ座ってるというのは、生徒を指導する立場で他人の命令には従わないってPRしてるに等しい。

122:小学生ぐらいじゃ何故国歌を歌う必要があるのか分からないまま歌わされているわけで教員が歌わなくなると児童は歌わなくなる別に日本の国旗国歌にマンセーする必要は無いから起立だけでもしろよ

14:不起立は式典の進行を妨げない。 裁判所の判例で認められています。

15:まぁ、君が代反対者は普通口パクするわな わざわざ猛アピールする意味がわからん

20:そもそも国家なんてものは君が代がかわいいと思えるくらいの軍靴の音が聞こえてくるようなもんだろ他国の国家調べてみろよw

21:朝鮮人教師を排除したほうが手っ取り早い

23:座ってる馬鹿はもうスルーしとけよ。めんどくさい一々処分したり問題化せんでよろし それこそ奴らの思うツボだからな

33:いや、徹底的に締め上げるべきだ

24:意固地になって座ったままは確かにアホすぎる

31:口パクしてろは、まずいよな、ちゃんと唱え、でないとさ。もう知事なんだから、副知事じゃないんだ。

38:猪瀬は馬鹿の相手をするのはめんどくさいんだろ元々そういう不真面目なところがある
嫌いじゃないけど

36:正しいことを話しているようでずれたこと言ってるな。敬意をもてないのは仕方ないが、公務員という立場があるのだから体裁だけでも整えろと言っているに等しい。国家国旗国歌に心からの敬意をもてない人物に公務員という重い職責を担う資格などない。そこを猪瀬は理解していない。

51:個人の思想は強要できないが、表面の体裁を整えれば問題は無い。教師も、個人の自由や権利が中国よりは守られる日本が好きかも知れない。子供たちにも平等などを教えたいのかも知れない。「日本好き=天皇万歳」しか認めないのは、視野がせまい一部保守。

37:前もツイッターで、誰も居なかったら信号無視して良いって言ってたよなぶっちゃけそうかもしれないけど、自分の立場わかってるのか?

41:口パクはいけないだろ 在日の通名と同じで こういう誤魔化し精神はいけないきっちり歌うこと

42:猪瀬さん、ぶっちゃけすぎ

43:最初から椅子置かなければ良くね?

45:君が代きらいなら公務員になるなって簡単な話。さっさとやめさせればよい

46:校長が壇上でくっちゃべってるときに 生徒が走り回ってキャッチボールでもしてればいいんじゃね?それと同じ事でしょ

52:口パク禁止 無理して歌わなくてもいい 日本人に見えたが曲を知らない外国の方かなと思われるだけ

56:知事がこんなこと言うなよ サボってても仕事しているふりをしてればよいと言うのと同じだろw

59:実際、学校じゃまともに国歌を教えてもらった記憶が無い。小中ぐらいまでは碌に歌詞も知らんかったね。式の時は起立で座ってるヤツは見なかったな。ま、立ってもせめて周りに合わせて口パクぐらいしなきゃ格好もつかんけど。

82:実はうるさくされてんのは、公立学校、なかでも小学校私学は自由だそうだ 文科省… あいつら自分の子供らは私学入れてそうだよ 公立学校の教育とか目的は、まあどうみても、言いなり人間育成機関だよな。

87:猪瀬って自由を重んじる人な人なんだね。歌わない自由は認める。ただルールには従えと。

89:猪瀬が言いたかったのは 「空気を読め、雰囲気を壊すな」ってこと

122:小学生ぐらいじゃ何故国歌を歌う必要があるのか分からないまま歌わされているわけで教員が歌わなくなると児童は歌わなくなる 別に日本の国旗国歌にマンセーする必要は無いから 起立だけでもしろよ

90:俺も、口パクでいいと思う。アホの面子を潰して面倒な事になるのがイヤなら、それくらいの事はするべきだろ。公立学校の教師みたいな小役人には、そういう知恵が要求されるし、公立中学行くようなガキには、それで十分。変な知恵与えても、使いこなす能力ないから。

93:大阪では新しい教育長から、ピンマイクで音量をチェックせよという指示が出されます。

94:俺なら、自分は口パクで、ボイスレコーダーから誰かの斉唱を再生しとくわwww

103:橋下は口パクすら許さんと言っている訳だが、石原老害の子分の猪瀬君がそんな甘いことでいいのかねwww

106:橋下の言い分は、「業務命令に違反する公務員は許されない」ってことなんじゃない?ほら?大阪府の時代からのながれで…

104:国旗国歌を尊重するのは当然なんだが、君が代は曲がやっつけ仕事に感じて余り好きになれんプロの歌い手でも失敗するほど難しいメロディってのも万民が歌うにはいかがなものか

108:猪瀬のこの弁は実に合理的な見解

120:そもそも「君」は政府答弁だと、象徴としての天皇だけど、同時に国民の皆様が「君」をどのように解釈しようと自由だと言ってましたね。

 

産経 国歌斉唱「起立、のときに座っているのがおかしい。口パクしていればいい」  2013.3.31 07:00

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130331/lcl13033107010000-n4.htm

--卒業式などでの君が代斉唱について。職務命令に従わなかった教職員への処分が今年も教育委員会で検討されているが、昨年の最高裁判決では都の処分のあり方について、抑制的な判断をすべきだとされ、一部処分取り消しの判断も出た。懲戒処分についてどういうあり方が適切だとお考えか

 「全員起立というときに座っているのがおかしい。起立して口パクやっていればいいわけでしょ。基本的なルールがわからない人は不適格。そんなね、『起立』って言ったときに座ってては、先生が生徒に対してしつけとかできない。そんなアホみたいな話。くだらないよ、そんなことは。はっきり言って」

 --判決では戒告を超える減給以上の処分は慎重であるべきだとの判断だが

 「どうでもいいじゃないの、そんなこと。つまり、程度の問題でしょ。だって卒業式で起立ってときに、座っていてはしようがないじゃん。歌いたくなければ口パクパクやってりゃいいわけだよ。それはひとつの自分の意志を表現する場合に、まずは儀礼的空間において、どういうふうに自分をちゃんとあれするかということでしょ。それはそうやってやれば済む話。そんなレベルの話がわからないというのは、教師としてふさわしくない、はっきり言って。中には言葉(歌詞)を変えて歌っている人もいるよ。そんなものさあ、儀礼で立って歌っているというときに、そこで座っているというのは話にならない。僕の考えでは」

 --従来の都の処分のあり方は、不起立の場合、1度目だと戒告で、2回目、3回目は減給、4回目以降は停職という…

 「いいんじゃないか。要するに罰則規定のランキングというのがあるのだろう。そんな細かいことは現場で判断すればいい」

 --機械的に決めるのはおかしいというのが最高裁判決だったが

 「程度の問題でしょ、それは。クビにするわけじゃないんだから」

 --処分の重みは、戒告であろうと減給であろうと停職であろうと大した話ではないと

 「明日から解雇といっているわけじゃないんだから。大した話じゃない」(引用ここまで

 

最後に、過去の関連記事を掲載しておきます。ご覧ください。

橋下市長の「君が代」斉唱時の「格好」「命令」にみる軍隊の服従精神を狙う超復古調に大喝! 20120403

http://blog.goo.ne.jp/aikokusyanozyaron/e/b5ce7cdd17067eaeac77bf63854b52d7

 意図的に仕組まれた「ルール違反」の「口元チェック」を正当化する橋下市長の論理を分析してみた!  20120317

http://blog.goo.ne.jp/aikokusyanozyaron/e/895aa6445aea5996d3fad63c80c7ea4a

 卒業式や入学式に起立・礼・斉唱の「命令」は天皇礼賛と忠君愛国教育の遺産、体育館から博物館へ 20120310

http://blog.goo.ne.jp/aikokusyanozyaron/e/6da1b61d6d0d7d833fdcbc448fe4e6c3

「君が代」の意味を勝手に変更してうそぶく政府、「全体の奉仕者」論をスリカエる橋下市長  20120309

http://blog.goo.ne.jp/aikokusyanozyaron/e/802a213d61ae179079765f910b3be0c3

 橋下「維新の会」のようなウソとペテンは昔からだったが、それを見抜くために、「教育勅語」を例に 20120308

http://blog.goo.ne.jp/aikokusyanozyaron/e/e72322c9d90deabb86ec68a98b36deb1

 国歌「君が代」の意味・歴史・由来・役割を「想定外」に押し込めた「民主主義」 20120117

http://blog.goo.ne.jp/aikokusyanozyaron/e/e9149ef48dff6941688801636d1aba18

 太陽神である天照大神に「平和と繁栄、国民の幸福、被災地の復興」を祈る首相のおかしさなどなど 20120105

http://blog.goo.ne.jp/aikokusyanozyaron/e/b2291b509a3afa8f9d5834cef60a4841


イラク戦争加担の責任追及と教訓の曖昧さは北朝鮮ミサイル発射でも継続中!マスコミイデオロギーの検証を!

2013-04-12 | 日記

北朝鮮報道の酷さを毎日毎日接していて、ウンザリしているとことですが、視点を変えて、考えてみました。ヒントは、テレビ朝日のスクランブルで集団的自衛権の行使を扇動する発言があったことと、共産党の志位委員長の発言でした。要約を掲載しておきます。

 立憲主義を根底から覆す憲法96条改定を許すな志位委員長が表明 2013年4月12日(金)

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-04-12/2013041201_02_1.html

http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=NuroHJ4Ov-E

…日本共産党は、改憲勢力が憲法改定という問題を参院選の争点として押し出してくるならば、今度の参議院選挙の大争点とし、「憲法改悪反対」という声を国民多数の声にして、改憲勢力を包囲していく。そういうたたかいをおおいに取り組みたい。国民多数の声で彼らを包囲する選挙にしていくという決意でのぞみたいと思います。…憲法9条をはじめとする憲法の平和的・民主的条項の完全実施をはかるとともに、憲法の全条項を守り抜き、日本の政治に生かすという立場で、憲法問題に対応していきたいと考えています。 憲法問題が、いよいよ国政の大問題となってきており、わが党は重大な覚悟をもち、全力をあげてたたかう決意です。(引用ここまで)


ところが、この記者会見を報道した新聞・テレビはどれだけあったでしょうか?youtubeの再生回数にも、関心の低さが判ります。共産党は、こうした「世論」の動向をどのように評価し、どのようなたたかいを展開していくのでしょうか?この憲法96条問題が浮上してきたのは、北朝鮮と中国の脅威論の跋扈があることは明らかです。ここに噛み合った論戦が大切ですが、その問題は別項で記事にします。

 今日は、「全力でたたかう」うえで、考えておかなければならない問題、世論の動向をどのように把握し、その世論にどのように噛み合っていくか、憲法擁護を圧倒的多数にしていくために何が必要か、という問題と視点です。

 そうした問題意識に立ったとき、現在日々垂れ流されている北朝鮮の暴発=不測の事態=脅威が国民の中にどのように浸透しているか、そのことを利用して、改憲勢力がどのように動き出してきたか、そのことを抜きに、憲法擁護派を多数にすることは、大局的には可能性のあることかも知れませんが、短期的には非常に難しいのではないかと思います。

 そもそも、イラク戦争時に小泉内閣の暴走を許してしまったのは、何故かという問題意識です。その最大の要因は、イラクのフセインの人権と民主主義冒涜政治、独裁政治と生物化学兵器や核兵器など、大量破壊兵器の保有が国際的国内的に喧伝され、これらが、「フセイン政権を武力で倒すのは仕方がない」「憲法9条は役に立たない」との国民意識が醸成されていったのではないか、そこに日米軍事同盟容認派が漬け込んだ結果、日米同盟基軸論に基づいて自衛隊の派兵が実現したのではないかという問題意識です。

 しかし、前提そのものがウソとデマであったため、小泉内閣の選択の誤りはハッキリしました。しかし、このことによって、多くの民が殺害され、憲法9条の枠組みが大きく空洞化されたのです。しかし、小泉首相は、そのことについて、謝罪も反省もしていません。これでは犠牲になってしまった人たちは「後の祭り」です。自民党も同様です。とりわけ、安倍政権は、こうした事実を無視して、小泉内閣と同じ暴走の道を、いやそれ以上の暴走をしているのです。

 こうした問題意識に立ったとき、現在の北朝鮮や中国の動きの中で形成されてきた憲法改悪の動き、すなわち集団的自衛権の行使の問題、憲法96条問題、「主権回復に日」問題、オスプレイ配備強行問題、普天間基地の「辺野古移設」問題、TPP参加問題を「憲法を生かす」という視点から、日米軍事同盟深化派とマスコミの振りまくイデオロギーとどう対峙しながら、どのように国民の共感を得ていくか、模索していかなければならないと思います。

 そこで、イラク戦争を教訓とするために、イラク戦争10周年を前後した日に掲載された各紙の社説を一覧してみました。

 ポイントは、以下のとおりです。

 1.全国紙のうち、日経は、この問題について、社説はありません。地方紙は、11紙のみが、社説を掲載しました。しかし、圧倒的多数は、社説を書きませんでした。このことの意味は重大です。

 2.地方紙は、テーマを見ると、ウソで固められていた前提が違っていたアメリカのイラク戦争を支持した小泉内閣の決定の検証・責任を問う社説、第一次安倍政権の付帯決議について、第二次安倍政権の態度の曖昧さ、昨年12月に発表された外務省の検証を批判するものが多いことです。

 3.しかし、小泉内閣の決定にあたって、「この戦争を支持しない」と書いた朝日を含めて国民世論を形成していたマスメディアの報道のあり方の検証とその責任を問う社説は一つもありませんでした。このことは、現在の北朝鮮報道のあり方を思う時、曖昧にできないことは当然です。

 4.小泉内閣の誤った決定を正当化し、今日の「脅威」を強調し、日米同盟の強化を主張しているのは、読売産経です。その点では毎日も基本的には同じです。

 5.誤ったイラク戦争を支持した日本国政府とその政府を支持したとされる日本国民、そして他国が検証しているにもかかわらず、日本において、検証が曖昧にされていることを許している国民世論、このことを検証すらしないマスコミ、それを許している国民世論、主権在民主義が鋭く問われているのですが、このことを問う社説はありませんでした。

 6.イラク戦争支持の最大の問題点は、日本国憲法との関係です。名古屋高裁違憲判決を論じているのは、北海道神戸愛媛高知だけ、憲法との関係を論じているのは、京都、朝日のみといのこと、しかも朝日の物言いは曖昧・微妙です。こうした社説の状況は、今日の憲法ないがしろの情勢を反映しているし、異常と言えます。この国の最高法規をものさしにして、判断していないからです。

 7.逆に日米軍事同盟是認論が明確に展開されているのは、毎日読売産経神奈川です。

 8.イラク戦争支持の反省や検証を抜きに日米軍事同盟を前提とした安倍内閣の集団的自衛権行使論を批判しているのは、朝日北海道京都神戸高知西日本南日本沖縄タイムスですが、憲法擁護の立場から、日米軍事同盟廃棄論には立っていません。

 9.最も特異で、曖昧な社説は、中日・東京です。「ブッシュ路線回帰を訴えた共和党候補を二度まで破り有権者の負託を得たオバマ大統領」への応援社説となっていることです、

 以上、おおまかに、そのポイントをまとめてみましたが、具体的にどのような表現になっているか、それは、後日検討し、まとめてみたいと思います。いずれにしても、これが、現在の日本の日本国憲法と日米軍事同盟をめぐるイデオロギー状況であることは間違いありません。

 日米同盟を優先、容認すれば、憲法がないがしろにされることは、この間の事実が示しています。逆に憲法を重視すれば、日米軍事同盟は廃棄されなければなりません。両者を並存させることは可能でしょうか?砂川判決をみれば、解答は明解です。

 日本の戦争責任問題、戦後のアメリカが日本を出撃基地として展開してきた戦争に協力加担してきた責任問題、戦後の高度経済成長の繁栄論が日米軍事同盟によって支えてきたのという「神話」が、フクシマを経験し、高齢化社会に突入した今日、憲法と日米軍事同盟の関係は今後の日本のあり方を鋭く提起していると思います。

 自民党の改憲案が提起され、その方向に向かって9条や国民主権主義が形骸化、ないがしろにされていくのか、国民福祉の充実をめざしながら、平和国家として、どのようにして国際社会に貢献し、国際社会で名誉ある地位を占めるか、そのことが国民に鋭く問われているように思います。

 改憲派が狙っているのは、国家を規制し、国民の基本的人権を遵守し、命と暮らしを豊かなものにしていこうとする日本国憲法の「規制の緩和」です。国民はどちらを選択するか、正念場のような気がします。しかし、国民の立場に立つ限り、大義がどちらにあるか、明瞭です。

 <全国紙>

朝日 イラク戦10年/政治は検証と反省を 2013/3/20 4:00
http://www.asahi.com/paper/editorial.html#Edit1?

毎日 イラク開戦10年/強靭な日本外交を望む 2013/3/20 4:00
http://mainichi.jp/opinion/news/20130320k0000m070077000c.html

毎日 イラク開戦10年/米は真の脅威を見つめよ 2013/3/20 4:00
http://mainichi.jp/opinion/news/20130320k0000m070078000c.html

読売 イラク戦争10年/「北」の脅威対処に教訓生かせ 2013/3/19 2:00
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20130318-OYT1T01363.htm

産經 イラク開戦10年/完全復興へ関与を続けよ 2013/3/20 6:00
http://sankei.jp.msn.com/column/topicslist/../../politics/news/130320/plc13032003500006-n1.htm

中日・東京 イラク開戦10年/幻の「大義」が問うもの 2013/3/20 8:00
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013032002000123.html

 

<地方紙>

北海道 イラク戦10年 加担した日本の責任は(3月20日)

http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/450669.html

神奈川 イラク開戦10年 外交見つめ直す契機に 2013年3月30日

http://news.kanaloco.jp/editorial/article/1303300001/

京都 イラク戦争10年/検証すべき日本の関与 /2013/3/21 10:05
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/20130321_4.html

神戸 イラク戦争10年/日本の「大義」は何なのか 2013/3/21 8:05

http://www.kobe-np.co.jp/column/shasetsu/201303/0005830757.shtml

四国 <一日一言>開戦10年  2013/03/25 09:55

http://www.shikoku-np.co.jp/kagawa_news/column/20130325000141.htm

愛媛 イラク戦争10年/開戦への「加担」を水に流すな 2013/3/29 10:05
http://www.ehime-np.co.jp/rensai/shasetsu/ren017201303297469.html

高知 イラク戦争10年/「大義なき戦争」の教訓を 2013/3/19 10:06
http://www.kochinews.co.jp/?&nwSrl=300232&nwIW=1&nwVt=knd

西日本 イラク戦争10年/外務省の検証は不十分だ 2013/3/20 12:00
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/353886

南日本 イラク開戦10年/支持した日本は検証を2013/3/21 8:05
http://373news.com/_column/./syasetu.php?ym=201303&storyid=47145

琉球新報 イラク戦争10年/政府は支持理由説明せよ 2013/3/20 10:06
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-204230-storytopic-11.html

沖縄タイムス イラク戦争検証/付帯決議を軽んじるな 2013/3/22 10:06
http://www.okinawatimes.co.jp/article/2013-03-22_46846/


北朝鮮の不測の事態を悪用した政府とマスコミの憲法改悪地馴らしは火事場の泥棒と同じ!デタラメに喝!

2013-04-12 | 日記

今日のテレビ朝日の昼のスクランブルは酷かった!これまでも酷かったのは事実ですが、今日は憲法を変えなくても北朝鮮のやり方からすると集団的自衛権を行使を考えた方が良いなどという発言が飛び出すなど、まさに火事場の盗人!的思想と言えます。しかし、とうとうホンネが出てきました。そこで、以下の記事を書いてみることにしました。

 まず、以下の記事に対応して右往左往してきた日本政府とマスコミの情勢分析の破綻は、事実で証明されました。

 10日前後に北朝鮮ミサイル発射 韓国高官が可能性示す  2013/04/07 21:15

http://www.47news.jp/CN/201304/CN2013040701001773.html

 ところが、発射されるとして日として「緊迫」していた10日には何も起こらず、それを境に、少し動きがあり、報道も変わったように思います。以下、主な事実を紹介してみます。

 朝日 韓国、北朝鮮に対話呼びかけ 緊張打開図る-  (2013年4月11日22時04分)

http://news.infoseek.co.jp/article/asahi_TKY201304110402

テレビ朝日 経済的被害も…韓国が北朝鮮に対話を呼びかけ  (04/11 18:13)

http://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000003515.html

現時点で発射は確認されていませんが、依然として警戒が続いています。 日米の政府関係者によりますと、北朝鮮は、新型の中距離弾道ミサイル「ムスダン」を日本海側にある格納庫から出し入れするなど、偽装工作とみられる動きを見せています。韓国はこれまで、挑発に一切応じない姿勢でしたが、経済的な被害が出始めたことなどから、柳吉在(リュ・ギルジェ)統一相が北朝鮮に対して対話を呼びかけました。 一方、台湾は、緊迫する情勢を受けて、韓国への渡航を延期するよう市民に勧告しました。韓国への渡航延期の勧告は初めてのことで、影響の拡大が懸念されます。(引用ここまで

 アメリカも変わってきました。オバマ大統領が初めてコメントしました。

 北朝鮮はすでに核兵器の小型化に成功している?  (04/12 11:45)

http://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000003548.html

北朝鮮による一連の挑発的な言動で緊張が高まってから初めて、オバマ大統領が公式に発言しました。アメリカは、北朝鮮にどう対応しようとしているのでしょうか。
 (吉川純一記者報告)
 オバマ大統領はまず、緊張を和らげて武力的な衝突を避け、外交努力で解決する考えを示しています。

 オバマ大統領:「北朝鮮は挑発的なアプローチをやめ、冷静になるべき時だ。誰も朝鮮半島での紛争を見たくない
 さらに、オバマ大統領は北朝鮮に対して、国連安保理の決議などを守るよう促すとともに、「国民や同盟国を守るために必要なあらゆる措置を取る」と北朝鮮をけん制しました。 一方、下院軍事委員会の公聴会では、議員が「北朝鮮は核を弾道ミサイルに搭載できる能力がある」とする国防総省の情報機関の報告を紹介しました。これは、すでに北朝鮮が核兵器の小型化に成功していることを意味していて、CNNテレビなども大きく報じてワシントンに衝撃が走りました。後になって、国防総省は「正確ではない」などとするコメントを発表していますが、アメリカが北朝鮮の核の能力を今までよりも脅威に感じていることが明らかになった形です。(C) CABLE NEWS NETWORK 2013(印用ここまで

 テレビ朝日は、あくまで脅威を強調したいのでしょうか?NHKのニュースは少し違っていますが、基本的には同じです。このニュースで注目すべきことは、北朝鮮のミサイルの性能と核兵器搭載について、曖昧だということです。ウソっぽいと思います。何故ならば、前歴はあります。イラクのフセインを倒す時の、大量破壊兵器保有論のウソとデマです。

 米機関「弾道ミサイルに搭載可能な核兵器」  4月12日 11時10分http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130412/k10013864781000.html

挑発的な言動を続ける北朝鮮について、アメリカ国防総省傘下の情報機関が「性能は低いものの、弾道ミサイルに搭載可能な核兵器を保有している可能性が高い」という分析を報告書にまとめていたことが明らかになりました。この報告書は、国防総省傘下の国防情報局がまとめたもので、11日に開かれたアメリカ議会下院の軍事委員会の公聴会で、共和党の議員がその一部を公表しました。この中で、共和党の議員は「報告書には、『北朝鮮が、性能は低いものの弾道ミサイルに搭載可能な核兵器を保有しているという一定の確信を持っている』と書かれている」などと述べ、国防総省に事実関係をただしました。公聴会のあと、国防総省は報告書に書かれた内容だと認めた一方で、「引用した部分だけをもって北朝鮮が実用可能な開発に成功したと解釈するのは不正確だ」として、核兵器を弾道ミサイルに搭載する北朝鮮の技術はあくまでも開発段階だと強調しました。ミサイルでアメリカを攻撃すると威嚇を続ける北朝鮮に対して、アメリカでは警戒感が広がっており、中でも弾道ミサイルに核兵器を搭載する技術がどこまで進んでいるかに関心が集まっています。引用ここまで

 韓国 北朝鮮の核兵器小型化に否定的  4月12日 14時0分

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130412/k10013868481000.html

アメリカ国防総省傘下の情報機関が、北朝鮮が弾道ミサイルに搭載可能な核兵器を保有している可能性が高いと分析していることについて、韓国国防省は否定的な見方を示しました。韓国国防省のキム・ミンソク報道官は、12日の記者会見で、「多くの専門家がさまざまな評価をしているが、私たちは、北朝鮮がまだ核兵器を小型化することができず、その途上にあるとみている」として、北朝鮮の技術は開発の段階にあり、弾道ミサイルに搭載可能な核兵器の保有には至っていないとの見方を示しました。(引用ここまで

 どうでしょうか?北朝鮮の「脅威」の中身はバラバラであることがわかります。こうした事実を無視して、ことさら「不測の事態」を強調する、その対策である情報システムをことさら説明し、煽ることで、危機感を醸成し、憲法改悪の方向へ、方向へ、と導いているのです。

 イラク戦争10年をどのように総括しているかを見れば、今回の、この「不測の事態」を強調して、何を狙っているか、透けて見えてきます。 ところが、イラク戦争に加担した反省も責任追及も曖昧にしたまま、安倍政権は、相変わらず、以下のような挑発合戦を行っているのです。

 北朝鮮「許し難い」=国民の安全確保に全力-安倍首相 (2013/04/11-21:19)

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_date2&k=2013041100867

国家安全保障会議の創設に関する有識者会議であいさつする安倍晋三首相=11日午後、首相官邸

 安倍晋三首相は11日夕、首相官邸で開いた日本版NSC(国家安全保障会議)創設に関する有識者会議であいさつし、北朝鮮について「許し難いレベルと言ってもよい挑発的な言動を繰り返している。極めて遺憾と言わざるを得ない」と非難した。その上で「私は国民の安全を確保するため全力を尽くしていく覚悟だ」と強調した。 小野寺五典防衛相は同日夜、防衛省で政務三役ら幹部を集め、北朝鮮のミサイル発射の兆候に関して収集した情報を分析。この後、記者団に「さまざまな情報があることは承知しているが、確実な情報の積み上げで分析していきたい」と語った。 菅義偉官房長官は午後の記者会見で、北朝鮮問題が主要議題となっているロンドンでの主要8カ国(G8)外相会合に関し、「国際社会が一致協力して対応することを期待したい」として、挑発行為をやめさせるため各国が結束して圧力をかけるよう求めた。(引用ここまで

 戦争の炎はまず日本に=ミサイル防衛に反発-北朝鮮 (2013/04/12-14:26)

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_date1&k=2013041200502

 【ソウル時事】北朝鮮の朝鮮中央通信は12日、論評を出し、日本が北朝鮮のミサイル発射の動きに対して破壊措置命令を出し、地対空誘導弾パトリオット(PAC3)を配置していることなどに反発し、「わが革命武力の標的の中には常に日本が入っており、万一、日本が一瞬でも動けば戦争の炎は日本に最初に飛び掛かるだろう」と威嚇した。(引用ここまで

 「15日までの発射」に政府警戒 北朝鮮ミサイルの危険回避で 2013/04/11 18:58   【共同通信】

http://www.47news.jp/CN/201304/CN2013041101001828.html

 防衛省で記者会見する岩崎茂統合幕僚長=11日午後

 政府は11日、北朝鮮が弾道ミサイルの発射に踏み切る事態に備え、日本海に展開中のイージス艦や、首都圏に配備した地対空誘導弾パトリオット(PAC3)による警戒を続けた。北朝鮮の故金日成主席の生誕記念日「太陽節」を迎える15日ごろまでに発射されるとの見方もあり、米韓両国と連携して24時間態勢で情報収集と危険回避に全力を挙げる。 防衛省制服組トップの岩崎茂統合幕僚長は記者会見で、北朝鮮から数種類のミサイルが同時に発射された場合も、イージス艦などによる迎撃は可能との認識を示し「いろいろな事態を想定し訓練している」と強調した。(引用ここまで

 どうでしょうか?10日の発射日から、今度は15日となってしまいました。呆れるばかりですが、15日まで北朝鮮の一挙手一投足が垂れ流されていくのです。メディアのやらせが続くのです。

 今回の「挑発」は、北朝鮮のみに、その責任を負わせていますが、それはアンフェアーと言えます。米韓合同軍事演習の問題については、以下記事にしましたので、ご覧ください。

北朝鮮の挑発の裏に見えてくるものを意図的に隠す改憲勢力!気づかず手を打たない護憲勢力!両者に大喝!

http://blog.goo.ne.jp/aikokusyanozyaron/e/a284a8a6db0a6eaa53857306d95d909e

 今回は別の視点で述べてみたいと思います。まずいかの記事です。脅威の大本に北朝鮮敵視政策があり、北朝鮮を挑発していることが判ります。

米、無人偵察機の日本配備検討 北朝鮮への監視強化 2013/04/06 10:08   【共同通信】http://www.47news.jp/CN/201304/CN2013040601001163.html

 弾道ミサイル発射実験を延期 4月7日 13時19分http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130407/k10013737611000.html

…この高官は、「今回のミサイル発射実験は、北朝鮮を対象にしたものではなく、もともと以前から計画されていたものだが、実験を行えば北朝鮮を刺激し、挑発的な行動をエスカレートさせかねないことから、急きょ延期を決めた」と話しています。北朝鮮は、中距離弾道ミサイルの発射に向けた準備ともみられる動きを北朝鮮東部で見せるなど、挑発的な言動を続けています。アメリカ国防総省はこれまで、先月から朝鮮半島周辺で行っている米韓合同軍事演習に高性能の爆撃機や戦闘機を投入したことを公表するなど、北朝鮮への圧力を強めてきましたが、朝鮮半島情勢が緊迫の度合いを増すなかで、これ以上、北朝鮮を刺激しないよう配慮したものとみられます。引用ここまで

 このニュースをみると、アメリカは、軍事演習や新兵器の配備、実験などの敢行が、北朝鮮を刺激することをよく判っていながら、軍事的脅威を演出し、挑発しているのです。圧倒的劣勢の立場にある北朝鮮もしたたか、オオバカ野郎です。挑発に乗っているのですから・・・。

問題は、このような状況を踏まえて、安倍政権の「悪乗り」「火事場泥棒」根性です。

 毎日 北朝鮮:ミサイル発射準備の動き 沖縄へPAC3常時配備を表明−−小野寺防衛相 2013年04月12日 東京夕刊

http://mainichi.jp/select/news/20130412dde007030026000c.html

 こうした悪乗りができるのも、安倍政権の応援団と化したマスコミの存在があります。以下をご覧ください。

 内閣支持微増62%=自民、7年ぶり3割台乗せ-時事世論調査 (2013/04/12-15:12)

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2013041200579

 これでいいのか大手メディア 首相と会食 とまらない 社長に続き政治部長・論説委員長らも 2013年4月11日(木)

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-04-11/2013041101_01_1.html

 4・11国民集会 怒りの声全国に消費税増税中止へ連帯 東京で5000人 2013年4月12日(金)

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-04-12/2013041201_01_1.html

 日々垂れ流される北朝鮮「脅威」報道のなかで、消費税増税のための2%成長をめざしたアベノミクスは報道されるのに、それとま逆の国民の声と運動は、黙殺・抹殺されているのです。憲法改悪のための96条問題についても、同様の垂れ流しが行われていくことは明らかです。アメリカから発信されている北朝鮮情報、それに対する北朝鮮の「脅し」、それを利用した日本政府とマスコミ。何としても情報を国民のものにしていかなければなりません。

 政府やマスコミの「やらせ」を打ち破ることは、実は簡単なような気がします。それは最近平壌の市民生活が報道されるようになったり、中朝国境の風景などが報道されていることです。こうした情報が手に入るのに、何故日常的に報道していないのか、ある意味、その意図が判ります。北朝鮮の風景や国民の様子をみると、実に長閑なものです。こうした状況から、戦争を想定していないことは明らかです。準戦時体制にすらなっていないのです。

 また軍事論的にみても、北朝鮮が、韓国やグアム、日本にミサイルを撃ち込めば、イラクやアフガンのようになることは、これまでのアメリカの対応を見れば明瞭です。そうした事実を踏まえるのであれば、北朝鮮政府が、発射しようとしているミサイルが、軍事的、政治的には、彼らが命取りになることは、彼ら自身が、マスコミに登場している軍事専門家が一番理解しているはずです。新型中距離ミサイル「ムスダン」の発射実験すらやっていないという「専門家」もいるほどです。

 しかも、北朝鮮のミサイルの保有数をもってしても、アメリカを屈服させることなど、できるものでしょうか?また何発を打ち込めば、北朝鮮の「脅し」に屈服するというのでしょうか?北朝鮮は、このことをどのように見ているのでしょうか?今日のニュースを見れば、金日成・金正日とは違って、金正恩のデーターがないので、しかも、彼は若いので、何をするか、判らないと、アメリカは観ているようです。これとて、不思議な情報です。あくまでベールに包んで不可思議な、何をするか、判らない存在として浸透させようとしているのでしょう。意図的です。

 ロッドマンと面会の金正恩 本当はM.ジョーダンの訪朝望んだ

http://news.livedoor.com/article/detail/7484723/

 さらに言えば、遥か上空から監視されている北朝鮮のミサイルは、発射すれば、反撃がくることは、常識中の常識です。迂闊に発射することは、陣地を見せるようなものです。このことは沖縄戦の時、皇軍が艦砲射撃に反撃しなかったこと、潜水艦の艦砲射撃に対して居場所を報せないために反撃しなかった話などをみれば、明らかです。またミサイルの燃料注入情報が流されていますが、呑気な話です。攻撃前の手の内を見せているのですから。

 以上、素人の愛国者の邪論でさえも、不可思議な情報が、まことしやかに「これでもか、これでもか」と垂れ流されているのです。こうしたやり方によって浸透させているものは何か、そのことを喚起しないわけにはいきません。現代戦争は、情報戦なのですから、どのような情報を、どのように把握し、国民のために使っていくか、そのことが試されているように思います。

 あのイラク戦争の際のウソとデマによって、圧倒的支持を背景に、戦争が断行されたことで、どれだけのイラクの民衆が殺されたか、どれだけの兵士の命が奪われ、その後遺症に苦しむ兵士がいるか、その後の検証がなされていないことをみると、今回の北朝鮮の「脅し」も、過ちの延長線上にあるように思います。

 勿論、北朝鮮の無法ぶりを糺していくための方策として、国連が国際法のあらゆる手段、とりわけ非軍事的手段を使って北朝鮮を説得していくことは、やりすぎということはありません。その点で、日本の護憲勢力の奮闘は、安倍政権の動きと相俟って、非常に大切です。ここに失敗すると、国民の支持と共感は得られないことを肝に銘ずるべきです。

 朝鮮半島の緊張、制御不能となる恐れ=国連事務総長  2013年 04月 9日 21:35 JST

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTJE93800820130409

「対話の場に出てきて」 潘事務総長、正恩氏に韓国語で 2013.4.12 10:29 核・ミサイル事情

http://sankei.jp.msn.com/world/news/130412/kor13041210300001-n1.htm

国際社会が一致して 穀田氏 対北朝鮮問題解決で 2013年3月21日(木)

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2013-03-21/2013032104_03_1.html

核兵器全面禁止 決断と行動を原水協 保有5カ国に手紙 2013年4月11日(木)

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-04-11/2013041101_04_1.html

 


またしても不道徳・茶番劇ぶりを見せた西川・中山慰安婦正当化質問と安倍政権の対応を批判しないマスコミ

2013-04-11 | 日記

10日の予算委員会は茶番でした。支持率が高いことを反映して、いい気になっている安倍首相グループ、すなわち皇国史観グループが、本来の「安倍カラー」を出したい安倍首相に対して、援軍として立ち回ったのが、自民党の西川京子議員、維新の中山成彬議員でした。

 彼らは、第一次安倍お友達内閣によって教育基本法を改悪し、学習指導要領をも変えたにもかかわらず、教科書検定官の意識が変わっていないから、自虐史観の教科書が温存されている。こうした状況を、何とか変えろという趣旨の質疑でした。その際に使った手法はウソとゴマカシです。

 文部科学省自身の指導の下で行われている教科書検定制度であっても、それでも自虐史観が残っている教科書を、第二次安倍政権の下で、一気に変えていこうとするネライが、皇国史観グループによって演出されたものでした。茶番でした。

 そこで、彼らの主張に沿って、考えてみました。彼らの主張については、かつて、以下のような記事を書きましたので、ここでは別の視点から、書いてみることにします。

性懲りもなく画策する従軍慰安婦否定論の根源に何があるか、露になった「毎日」に喝を!展望を!2012-0907 16:55:02日記

 http://blog.goo.ne.jp/aikokusyanozyaron/e/830c98c9fa40fa748cf4ec46e8a6ad2e

 

まず、マスコミがどのように伝えたか、一部ですが、要約して一覧してみてみます。

 首相 教科書検定基準の見直しを 4月10日 12時53分

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130410/k10013810251000.html

安倍総理大臣は、今の教科書検定について、「第1次安倍内閣で教育基本法を改正し、日本の伝統と文化や、愛国心、郷土愛というものを尊重することを書いたが、残念ながら、教科書の検定基準には改正教育基本法の精神が生かされていない。検定する側にも、その認識がなかったのではないか」と述べ、検定基準の見直しを検討していく考えを示し…下村文部科学大臣は「改正教育基本法や新学習指導要領の趣旨を踏まえた教科書で学ぶ必要があるが、残念ながら、これらにのっとった教科書でないものもあると感じている。日本に生まれてよかったと思ってもらうような歴史認識を教科書に書き込むことは必要で、今後、教科書検定の現状と課題を整理し、見直しを検討していきたい」と述べ

 教科書検定、見直し検討=下村文科相 (2013/04/10-11:45)

http://www.jiji.com/jc/zc?key=%b6%b5%b2%ca%bd%f1%b8%a1%c4%ea&k=201304/2013041000252

下村博文文部科学相は…教科書検定制度について「現状と課題を整理し、見直しについて検討したい」と述べ、近現代の歴史に関して近隣アジア諸国への配慮を目的として検定基準に定めている「近隣諸国条項」などの見直しに意欲を示した。安倍晋三首相も「第1次安倍内閣で教育基本法を変えたが、残念ながら検定基準には改正教育基本法の精神が生かされていない」と指摘…自民党は昨年の衆院選公約で「教科書検定基準を抜本的に改善し、近隣諸国条項も見直す」と明記…下村氏は「客観的な学問的成果に基づいて、正しく学び、誇りを持った日本人としてのアイデンティティーが確立されることが大変重要だ」と強調

 教科書検定を見直し、文科相表明 中韓「配慮」念頭か 2013/04/10 10:58

http://www.47news.jp/CN/201304/CN2013041001001081.html

下村博文文部科学相は…現在の教科書検定制度について「現状と課題を整理し、見直しを検討する」…中国や韓国などアジア諸国との歴史的関係に配慮するよう求める「近隣諸国条項」の見直しが念頭にあるとみられる。…自民党には「歴史教科書の自虐史観につながる」との声が強く、昨年の衆院選の政権公約では「伝統文化に誇りを持てる内容の教科書で学べるよう、検定基準を改善する」と明記…安倍晋三首相は教育改革に関し「日本人であるというアイデンティティー(自己認識)を教育することは重要だ」と指摘。

 安倍首相、教科書検定基準見直しの必要性強調2013.4.10 11:51 [安倍首相

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130410/plc13041011540012-n1.htm

安倍晋三首相は…文部科学省が告示している教科書検定基準について「改正教育基本法の精神が生かされていない。(教科書をチェックする)検定官に認識がなかったのではないか」と批判し、検定制度見直しの必要性を強調…さらに首相は「教科書の採択が教育的な視点でされているか。(そのような)視点が必要だ」と述べ、採択制度についても見直すべきとの考えを示…下村博文文部科学相も教科書検定基準について、「現状と課題を整理し、見直しを検討する」と述べた。歴史教科書の記述で中国や韓国などへの配慮を求める「近隣諸国条項」の見直しを念頭においた発言とみられる。

 朝日 首相、教科書検定制度を批判 見直し検討を示唆

http://www.asahi.com/edu/articles/TKY201304100094.html

 安倍晋三首相は…「(教科書の)検定基準に改正教育基本法の精神が生かされていない」と指摘し、教科書検定制度の見直しを検討する考えを示した。2006年、第1次安倍内閣のとき教育基本法が改正され、「日本の伝統と文化を尊重」「愛国心郷土愛」などが教育の目的として盛り込まれた。首相は…「検定官自身にその認識が無いのではないか。初等・中等の段階で、日本人としての誇りや自信を持つことが教育の基本だ」と…下村博文文部科学相も、3月に発表された2014年度に使う高校教科書の検定結果について「残念ながら新しい学習指導要領にのっとった教科書記述になっていない部分がある」と批判。その上で「日本に生まれて良かったと思える歴史認識を教科書に書き込むことは大変重要だ」と述べた。日本維新の会中山成彬氏への答弁

 教科書検定:安倍カラー「仲間」が演出 靖国参拝にも触れ 毎日新聞 2013年04月10日 21時30分

http://mainichi.jp/select/news/20130411k0000m010070000c.html

安倍晋三首相は…教科書検定制度をめぐり「愛国心、郷土愛と書いた改正教育基本法の精神が生かされていない」と不満を示すなど、保守系の「安倍カラー」をのぞかせた。ただ、参院選まで「安全運転」の方針から踏み込んだ答弁は避け、質問者の議員が保守色の演出に一役買った。 首相は第1次政権の06年に手がけた教育基本法改正に触れ「日本の伝統と文化の尊重を書き込んだ」と強調。検定について「(記述を審査する)検定官にその認識がなかったのではないか」と指摘…靖国神社への参拝についても「尊崇の念を表するのは国際的に当たり前だ」と持論を展開。ただ、首相は具体論への言及は避けた。第1次政権で「戦後レジームからの脱却」を掲げ支持が急落した経緯から発言は慎重な一方、保守層の期待をつなぐため「安倍流の改革メニューを示す」(側近議員)狙いがあるとみられる。 代わって歴史認識に踏み込んだのは質問者で首相に近い西川京子氏(自民)と中山成彬氏(維新)。西川氏は従軍慰安婦問題で「教科書に看過できない記述がある」と「自虐史観」批判を展開。靖国参拝を促した中山氏は踏み込んだ答弁は求めず「首相は日本再建に大事な任務を背負っている」とエールで締めくくった。

 

「毎日」以外は、事実を淡々と報道しているようです。しかし、この記事を読んだ人はどのように思うか、それを考えると、どうでしょうか?以下考えたことをまとめてみます。

 1.「愛国心、郷土愛、日本の伝統と文化の尊重」を書き込んでまでして教育基本法を変えたのに、何だ!ということになりませんか?「朝日」の記事は、その象徴的表現です。

 2.歴史教科書の記述で中国や韓国などへの配慮を求める「近隣諸国条項」の見直しについて、言及しているのは「時事」「共同」、「共同」の記事を配信した「産経」です。これでは「配慮」を求める「中国や韓国など」は「内政干渉」ということになりませんか?

 3.尖閣・竹島・北朝鮮問題が国内を席巻しています。日々流されるニュースは、それらの国々の「理不尽」乃至「無法」ぶりが中心です。こうした情報に接した国民の抱く感情は、沈澱しているナショナリズム感情ではないでしょうか?

 4.こうした状況を踏まえて、初めから仕組まれた質疑、これを報道するマスコミを想定した茶番だったように思うのは、考えすぎでしょうか?目に余る「朝日」の「変質」は、今回の記事を読んでも、言えることですが、西川議員の「朝日批判」などは、「朝日」への牽制球でしょうか?

 

次の問題は、西川議員の発言について、以下のブログにありましたので、その発言の要約一覧し、検討してみます。ゴシックの部分は、ブログ主のものです。

 西川京子議員、従軍慰安婦と南京大虐殺の自虐史観・反日思想の教科書・入試問題を質す 【NHK国会中継】

http://dametv.cocolog-nifty.com/blog/2013/04/post-15cc.html

 1.戦後ずっーとこの日本の教育界、あるいは歴史学会を覆っていた自虐史観・反日思想、これが色濃く出ている、まだまだ出ている今の状況にこれに大変憂慮を持っております。

 2.いわゆる従軍慰安婦という言葉自体、これがまぁ、朝日新聞その他のマスメディアが作ったいわば戦後の造語でありまして、そしてそういう組織はなかったですね。

 3.女性の私が申し上げるのも大変、あのー、心痛む話でありますが、貧しさ故のいわば売春。それは日本が統治している時代の朝鮮においても、このキーセン学校と、ここの左、、右下にあります学校。そういういわば風習というかそういう制度は公にあったわけですね。で、日本でも昭和34年でしょうか、売春防止法、これの前までは公に当然認められていたという職業としてあったわけで、そういう中でのこの軍隊と一緒にそういう施設が付いて行ったという中での、まぁいわば売春の話が、これがいわばメディアの1つの造語の中で、軍が関与して、略奪して、連れてきて連行して、性奴隷にしたというような、大変ひどい話になっているのが、今の従軍慰安婦のアメリカでの韓国の色んなロビー活動の問題なんですが、そういう中でまだきちんとこれは検証して、いわば単なる売春行為である。それはいつの時代の戦争でも、どこの軍隊でもある話…なぜ故に、日本軍だけがここまで貶められて言われなきゃいけないのか、そういう現実がある中で、この教科書にそういう問題を、まだ明らかに政治的にも歴史学的にも決着のしていない問題を、こう載せるという、こういう問題、非常ーーに問題

 4.同じ教科書でやはり"南京陥落の前後、日本軍はシナ内で略奪・暴行を繰り返したうえ、多数の中国人、一般住民、婦女子を含む捕虜を殺害した南京事件"実はこの真ん中のこの写真をご覧になってください。日本軍が 1937年 12月13日南京に入った時の写真です。これ、当時のアサヒグラフ。この資料です。これ初めて今回出てきたんじゃないかなと思いますけれど、これ、この当日、この時に大虐殺が行われてたこの地でという、全く死体も何もない。そういう中で整然と日本軍が入っていった現実がしっかりと出ています。そしてその下の写真、これはその10日後に、実は中国の人たちが自治会をアレして、日本軍とともに自治会を自分たちで自主的に作成した写真です。で、その下、これは中国の人たちが日本の国旗を振って、この城壁の上の日本軍の人たちに手を振ってますが、これは1月1日。いわば虐殺の真っ最中やっていた時の写真

 5.この当時1937年12月の13日以降、1月2月、日本軍が大虐殺 30万人をしたよと、そういうアレの中で、実は日本に一番厳し目を向けていたロンドンタイムス・ニューヨークタイムス、この期間のこの新聞達の社は、何も1行もこの問題を報道してません。この事で大きなこの事件が実はなかったと、ハッキリしている

 6.中川昭一氏先生が作られました、日本の前途と歴史教育を考える会、これは自由民主党の中での議連の勉強会ですが、その中で安倍総理も、もちろん下村文科大臣も入ってらっしゃったと思いますが、この問題を徹底的にお二人が政府に入った後、私は事務局長引き受けまして、で、中山会長のもとでこの問題徹底して検証

 7.国際連盟の時に、中国のコイキン外相が、これは、その当時2万人という数を出してきましたが、2万人の南京市民と婦女子を虐殺・暴行したという演説をしたんですね、『』本非難決議をしてくれ。』

その時に、実は、欧米列強、日本に大変厳しい目を持っている欧米列強が、その意見陳述を一切無視しました。取り上げませんでした。その事に対する国際連盟の議事録が、 2007年、私たちの努力で出てまいりました。外務省はなかなか出さなかったんですが、内閣府の方から出てきました。これは戸井田元衆議院議員のご努力があった結果

 8.この南京の問題は通常の戦闘行為でも戦闘以下でもなかった南京の問題は、1980年代、朝日新聞が大キャンペーンを張った中で大きな政治問題として中国・韓国がこれを利用するようになった、これが実態

 9.南京の問題・従軍慰安婦の問題は明らかに通常の戦闘行為でも以下でもなかった。以上でも以下でもなかったという結論が実に正しいことだ。私達はそういう結論を得ています。そういう結論が出ている問題をあえて推論で、この教科書にたくさん載せる、今の検定制度、大変大きな疑問を持って

 10.小学校の5年生6年生、特にこの女子校が意外と酷いんですが、有名私立女子高の問題が、このまん中のところですが、この中に今の従軍慰安婦の問題あるいは南京の問題、そしてどの教科書かと思うような、いわば伊藤博文を暗殺したのは誰ですか? それがあたかも英雄のような書き方をしている。この、本当に一瞬私はこれは韓国の教科書かと思いました。教科書で試験問題かと思いましたけれど、そういうものを導き出すような試験問題がいっぱいある

 11.戦勝国のイギリスにもですね、当時自虐史観の歴史教育があったということで、サッチャー首相がこの自虐史観を変えて、、歴史には陰の部分だけでなく光の部分もあると。子供たちに自分の国に対して自信と誇りを持った歴史教育をきちっと教えなければならない。我が国にも全く同様の事が言える(下村大臣)

 12.この客観的な学問的成果に基づいて正しく学び、誇りを持った日本人としてのアイデンティティーが確立される、そういう事が大変重要なこと

13.私はこの教科書議連、この議連で作ったこの『南京の実相』というこの表紙に載っておりますが、この本、これ実は私たちポケットマネーで、これ英訳本にいたしまして、日本文とこれ全部アメリカの上院下院の議員535部、ポケットマネーで送りました。これが2009年の事です。まっ、その後はあまり反応は頂いてません(引用ここまで

  

これだけをみれば、「そうかな~?」と、疑問を持つか、「何となく正しいことを言ってる議員だよね」となるのは、当然でしょう。しかし、問題アリと言えます。以下。そのポイントを考えてみました。

 1.好き勝手なことを言っている議員と言わなければなりません。以下を検索すれば、そのデタラメさは明瞭です。国内の「反応」は立派にあるにもかかわらず、また、「客観的な学問的成果基づいて正しく学」んでいないのは、「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」であり、安倍首相自身です。

  南京事件 初歩の初歩

http://www.geocities.jp/yu77799/nankin/shoho.html

「南京の実相」を読む (1)「2万人すら認めなかった」というトリック

http://www.geocities.jp/yu77799/nankin/jissou1.html

国際連盟 理事会第100会期 議事録

http://www.geocities.jp/yu77799/siryoushuu/nankin/gijiroku.html

「南京の実相」を読む (2)戸井田議員の奇妙な「解釈」

http://www.geocities.jp/yu77799/nankin/jissou2.html

「ディリー・テレグラフ」の記事

http://www.geocities.jp/yu77799/siryoushuu/nankin/kiji1.html

「南京の実相」を読む (3)国際連盟と中国 なぜ「提訴」しなかったのか

http://www.geocities.jp/yu77799/nankin/jissou3.html

 

2.「いわゆる従軍慰安婦」という言葉がよほど気にくわないのでしょうね。「従軍」とは天皇の軍隊である「皇軍」に従うということですから、だから「皇軍」は関与していなかったと言いたいのでしょう。

(1)「朝日新聞その他のマスメディアが作ったいわば戦後の造語」と言いますが、歴史の「造語」で言うならば、たくさんあるでしょう。例えば、「天皇」について、西川議員の使った山川出版の教科書をみてみます。

 紀元前660年2月11日樫原の宮で即位したとされる「神武天皇」の名は、「天武天皇[即位673~686]を中心に中央集権国家体制の形成が進んだ」「ころ」、すなわち「8世紀初めにできた歴史書である『古事記』『日本書紀』」によって、「それまでの大王にかわって『天皇』(てんのう)という称号が用いられるのもこのころとされている」とあるように、1300年後の「造語」です。

 そもそも「天皇」の前には、「5世紀後半から6世紀にかけて、大王[おおきみ・だいおう]を中心としたヤマト政権」の頃の「獲加多支鹵大王[わかたけるおおきみ]」との「鉄剣銘」「鉄刀銘」は、中国の史書によれば「倭王武すなわち雄略天皇にあたる」と、後々の「造語」を使って存在しない「天皇」が存在していたかのように書かれているのです。

 『古事記』『日本書紀』のもとになった『帝紀[おおきみ]』(大王の系譜)や『旧辞[きゅうじ]』(朝廷の伝承・説話)も、このころ(6世紀)まとめられた」とあるだけです。しかも、「天皇」という称号の由来については、一言も説明されていません。

 「日本」号についても、曖昧です。しかし、第一章は「日本文化のあけぼの」「1.文化のはじまり」の最初の項目は「日本列島と日本人」とあります。「1万年余り前に」「日本列島に渡来してきたらしい」「弥生時代以降に渡来した新モンゴロイドとの混血をくり返して、現在の日本人が形成された」とありますが、こうした曖昧な国号の使い方で、「誇りを持った日本人としてのアイデンティティーが確立され」でしょうか?

 さらに言えば、「皇国史観」「自虐史観」という言葉は、「造語」の典型ですよね。

 (2)ゴシックになっていない「日本軍だけがここまで貶められて言われなきゃいけないのか」という部分にこそ、皇国史観に立つ人たち退廃ぶりが象徴的に出ています。「女性の私が申し上げるのも大変、あのー、心痛む話」とする西川議員の主張を万歩譲って認めたとしても、これは言ってはならない言葉です。恥を知れ!と言いたい!!この幼児性については、説明は不必要です。「誇りを持った日本人」の潔さはまるでありません。

 

3.「貧しさ故のいわば売春。それは日本が統治している時代の朝鮮においても、このキーセン学校…そういういわば風習というかそういう制度は公にあった」し、「植民地」朝鮮における「統治」の事実に目を瞑り、さらには「日本でも昭和34年でしょうか、売春防止法、これの前までは公に当然認められていたという職業としてあったわけで、そういう中でのこの軍隊と一緒にそういう施設が付いて行った」から、問題はないのだというのです。

 こうした思想で「誇りを持った日本人」は育つのでしょうか?子どもに日本の売春制度が昭和34年まで続いていたことを教えることは「自虐的」なことなのでしょうか?そうだとするのであれば、西川議員は、日本の売春制度をどのように教え、「誇りを持った日本人」を育てているつもりでしょうか?

 

4.「皇国史観」に基づいて、戦前の負の歴史を教えることを「自虐史観・反日思想」とする人たちの思想では、「日本の伝統と文化を尊重」「愛国心郷土愛」は育たないことを言っておく必要があります。まず日本人が使ってきた諺、「日本の伝統文化」をあげておきます。

 「雨降って地固まる」「雨の後は上天」「諍い果てての契り」「喧嘩の後の兄弟名乗り」「破れりゃ固まる」「「災い転じて福となす」「しくじるは稽古のため」「七転八起」「失敗は成功の母」「失敗は成功のもと」「失敗は成功を教える」

 戦前の負の歴史を「臭いものには蓋をする」ようなことで、「国際社会において、名誉ある地位を占める」ことはできないばかりか、「日本人であるというアイデンティティー(自己認識)を教育する」「日本に生まれて良かったと思える」ような教育ができるとは思えません。

 

5.その理由は、「歴史には陰の部分だけでなく光の部分もある」などと言いながら、自分の都合の悪いことは、「まだ明らかに政治的にも歴史学的にも決着のしていない問題」だから、「教科書に」「載せる」のは、「非常ーーに問題」などと言って正当化するばかりか、「この事で大きなこの事件が実はなかったと、ハッキリしている」と、なかったことのように、「単なる売春行為」「それはいつの時代の戦争でも、どこの軍隊でもある話」などとゴマカスのです。こうした議員の不潔さを見ているからこそ、東国原議員の指摘していた政治家にだけはなりたくないという子どもが増えるのではないでしょうか?

 しかも「侵略戦争であったかどうか、その評価は後世の史家に委ねる」などと平気でウソを付き、ゴマカスのです。このように相手を傷つける屁理屈を並べ立て、自らを正当化する、不道徳者の典型が、安倍首相であり、そのお友達たちです。これが教育的かどうか、明瞭です。

 

以上、西川議員・安倍首相・下村大臣の言い分に沿って、愛国者の邪論なりの考え方を述べてみました。

 最後に、以下を参照していただければと思います。国際社会からみると、「これが日本人か!」とだけは言われたくない典型バージョンと言えます。彼らを反面教師として、徹頭徹尾批判していかなければなりません。アクセス数は111,287とあります。国民との間に楔を打っていく必要があると思います。

 中山成彬が朝日新聞と朝鮮人の従軍慰安婦捏造工作を国会で暴く 2013年3月9日 ... 20013年3月8日 衆議院予算委員会

http://www.youtube.com/watch?v=VcCzrywoqUk

 日本の前途と歴史教育を考える議員の会

http://ja.wikipedia.org/wiki/%

 


米の国家・国民主権の侵害を許した岸政権と最高裁判決が日米軍事同盟深化と憲法9条改悪の原点!許すな!

2013-04-10 | 砂川最高裁判決

以下の社説を読み、気づいたことがありましたので、記事にしました。

 琉球 砂川事件漏えい 司法の独立放棄は今に続く 2013年4月10日

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-205125-storytopic-11.html

裁判の公正さを保つため、司法権はあらゆる権力の干渉を排し、独立していなければならない。議会、政府などから圧力があっても一切、判断を左右されず、裁判官は独立してその職権を行使する。司法権の独立は近代国家で制度的に確立しているはずだ。…(略)…60年の安保条約改定を控え、米側は強まる反対世論に神経をとがらせ、最高裁ができるだけ早く基地の存在を合憲とする判決を下すよう、圧力をかけていた。 「法の番人」であるはずの最高裁の長官が、米国による司法介入を許す隙を見せ、裁判の当事者よりも前に公判期日を漏らし、評議の秘密を自ら破っていた。 田中長官のあまりに卑屈な対米従属姿勢は、沖縄県民の基本的人権と平穏な暮らしを脅かす米軍基地のありようの源流の一つであり、今に続く現在進行形の問題だ。 嘉手納、普天間の両基地をめぐる爆音訴訟で、裁判所は安保条約に基づいて駐留する米軍機の運用を制限できないとする「第三者行為論」を盾に、米軍基地の運用に口を挟もうとしない。米兵事件の起訴率の低さも歴然としている。 基地被害に苦しむ住民の救済に背を向けた司法の姿は、その独立を放棄した当時の最高裁の姿勢と64年の時を超えて結び付いている。対米従属の闇の深さに暗然とする。(引用ここまで

 沖縄の米軍基地の負担軽減問題が、どのように扱われてきたか、この砂川事件の裁判にみる憲法の番人である最高裁長官の「卑屈な対米従属姿勢」問題をとおして、見えてくる問題があります。

 それは、「主権回復」記念式典に関する以下の記事にみる日米軍事同盟の歴史認識の問題です。概略を掲載しておきます。

 神奈川 主権回復の日 沖縄の歴史学ぶ機会に 2013年4月10日

http://news.kanaloco.jp/editorial/article/1304100001/

 政府は沖縄の存在をどう認識しているのだろうか。はたして日本の大切な一部と思っているのだろうか。28日に開こうとしている「主権回復の日」の記念式典を前に、こんな疑念を抱かざるを得ない。……同条約が発効した日が、国家としての独立の節目であることは事実だ。しかし、日本に米軍が駐留することなどを定めた日米安保条約も同時に発効した。結果として沖縄は米軍の統治下に置かれた。…(略)…国内に歴史認識の違いが厳然として存在する現状から目をそらしてはなるまい。 沖縄に負担を強いながら平和を享受している沖縄県外の国民にとっても、この日を祝うべきではないのでは、というためらいはあろう。…(略)…現在も、米軍のオスプレイ飛行訓練の強行や普天間飛行場の移転問題など、日米安保体制のひずみを押し付けられている。 言い換えれば、沖縄県は日米関係の負の部分の多くを担わされてきたといえよう。4・28を、米国による占領や沖縄の犠牲を伴った「主権回復」の歴史をあらためて学ぶ日と位置づけてはどうだろうか。 菅義偉官房長官は、式典への沖縄側の反発に対して「誤解されている」などと発言した。だが沖縄の苦難の歴史に光を当て、認識を深めるという姿勢を抜きにしては、県民感情は収まらないだろう。(引用ここまで

 「対米従属の闇の深さ」「日米安保体制のひずみ」の「歴史をあらためて学ぶ日として位置づける」ことそのものは間違いではないでしょう。しかし、日本で一番米軍基地の多い沖縄と二番目に多い神奈川の新聞の社説が、「日米安保体制」の「対米従属」と最高裁長官の「卑屈な対米従属姿勢」について、どのように改めていくか、ジャーナリズム精神をどのように発揮していくか、憲法の基本的人権思想に基づく新聞のあり方はどうなのか、鋭く問われているように思います。

 それは、北朝鮮の「威嚇」を口実にした日米軍事同盟深化論と憲法改悪をセットに考えていけばいくほど、鋭く問われてくる問題と思います。

しかし、以下の社説の正当性を否定するものではありませんが、それにしても現段階において、自民党の「脅威」を口実にした改憲の理由と手続きをセットに捉えたうえで、自民党安倍政権など、改憲勢力の「邪道」について、明確な批判的主張はなされているでしょうか?そのことを新聞・テレビ作成者の皆さんに訴えておきます。

 憲法改正の発議 「3分の2」緩和は邪道の極み 2013年03月21日(木)

http://www.ehime-np.co.jp/rensai/shasetsu/ren017201303217214.html

 最後に、以下の論文について、紹介しておきます。

この論文を読めば読むほど、日本のマスコミのジャーナリズム精神の欠如ぶりを指摘強調しないわけにはいきません。敢えて強調しておきます。

 日米安保条約が、日本国の国家主権を否定し、さらには、国民主権をも否定して米軍駐留を合憲として、国民を分断し、さらにはソ連・中国・北朝鮮の脅威を口実に、抑止力として、正当化してきたこと、そのことで、どれだけの国民が被害を受けてきたか、さらに言えば、どれだけのベトナム・インドシナと、アフガン・イラクの民衆が殺され、傷つけられてきたか、歴史の審判は、日本国民のみならず、国際社会における米軍犯罪として、日米軍事同盟を指弾していかなければならないでしょう。

 憲法を擁護しようとする日本国民は、昨今の情勢を踏まえると、そのような視点と歴史認識が、鋭く試されているような気がします。沖縄と神奈川の新聞が基地問題を通して憲法擁護・日米軍同盟廃棄・日米平和友好条約の締結へと、その舵を大きく切り替えていくことを訴えたいと思います。

 末浪靖司「アメリカが求める九条改憲の深層」(『前衛』2013年5月号)より抜粋

 

 …一九五二年二月一八日の第一二回非公式会談で岡崎は「日本政府は憲法九条を最終的に改定することを考えているが、それは政府が次の総選挙で勝利し、世論が受け入れてはじめてできることだ」(一九五二年二月一八日、会話覚書、参加者:ラスク、岡崎、西村条約局長ら、極秘)とのべ、九条改憲が実現するまでは密約にすることを要求した。その結果、行政協定第二四条には「敵対行為または敵対行為の急迫した脅威が生じた場合」に「必要な共同措置をとる」と明記された。「必要な共同措置」が日本軍隊を米軍司令官の指揮下におく統一司令部をつくる秘密の約束、すなわち密約であることは、一九五二年七月二四日付マーフィー駐日大使の国務省あて極秘公電により確認された。

岡崎が憲法違反と言われるから密約にしてくれとラスクに泣きついた日米統合司令部は、いま日米共同作戦を取り決めた安保条約第五条のもとで急速に進められている米軍・自衛隊軍事一体化の、占領下における原型ともいうべきものである。

九条改憲が安保改定の前提

…安保改定では、米軍が海外の戦闘作戦行動に出撃するための基地提供とともに、日本防衛以外の目的でも、日本が米軍を支援することが問題になった。当然、九条改憲がその前提になる。岸信介は一九五八年一〇月一四日、アメリカのNBC放送に「日本が自由世界の防衛に十分な役割を果たすために、憲法から戦争放棄条項を除去すべき時がきた」と言明した。安保改定後、衆参両院で三分の二以上の議席を確保し、九条改憲を強行するハラだった。…

 

一九五八年三月二二日、ロバートソン極東担当国務次官補からダレス国務長官へ、覚書、極秘、主題:日米安保条約改定

 考慮すべきもう一つの要素は、この安保条約改定草案に、日本国憲法の改定が進展するのに応じて、日本が追加的な軍事的義務を負うことを容認するとまで書くことができるかどうかということである。これは、例えばSEATO協定の表現を手本とすることにより可能となる。そのもとで日本は憲法上の手続きにもとづいて共通の危険に対して行動することを約束するだろう。

 

一九五八年七月一日、太平洋軍司令官から海軍作戦部長へ、主題:日米安保条約改定、極秘。五八年七月三一日、日米安保約改定に関する海軍作戦部長の統合参謀本部への覚書、極秘

 日本は憲法上の手続きに従って、自由アジアヘの侵略に対する集団的安全保障軍事行動に参加するために軍隊派遣の準備をすることに原則的に同意すること(日本国憲法が改定されるまでは、そうした行動が日本当局により合法とは見なされないだろうが)。

 

…米軍文書のいう「集団的安全保障軍事行動」とは、ここでは、日本に対する攻撃はなくても、日本軍が米軍を防衛して参戦する集団的自衛権の行使と同じ意味で使われている。筆者は太平洋軍司令部文書の調査を重視したが、米公文書館の専門家によると、国防総省の段階で抜かれているものが多いという。

[憲法に従って]と明記した理由

 現行安保条約は、第三条で「武力攻撃に抵抗するそれぞれの能力」を発展させるとして軍事力増強義務を、第五条で「共通の危険に対処するよう行動する」として日米共同作戦義務を明記している。日米政府とも、これらが憲法九条と両立しないことを承知で現行安保条約に明記したのである。…

 「最高裁判決もアメリカ製

 一九五九年一二月二八日、最高裁大法廷は全員一致で、「外国の軍隊は、たとえそれがわが国に駐留するとしても、ここ[憲法第九条第二項]にいう戦力には該当しないと解すべきである」との理由で、米軍駐留は「違憲無効であることが一見極めて明白であるとは、とうてい認められない」と判決した。(安保条約第三条に基づく行政協定に伴う刑事特別法違反被告事件・最高裁判所刑事判例集第一三巻第一三号三一三三頁)

 実は、最高裁判決の米軍駐留「合憲」判決のこの理由は、米国務省で一九五〇年三月三日にハワード国務長官特別補佐官が考え出したアメリカ製だった。筆者は米公文書館に保管されている大量のハワード文書を精査することによって、そのことをつきとめた。

 米国務省は日本をアジアにおける冷戦戦略の拠点にするために、米軍駐留の「合憲」化に精力的に取り組み、パワードは国務省や国防総省の幹部らと多くの議論を積み上げた後に、一九五〇年三月三日にその“理論”をつくりあげた。国務省もまた、くしくも同じ三月三日に田中耕太郎が最高裁長官に就任したその日から彼をマークし、言動を調査し、あらゆる機会を利用してパイプをつくっていた。

マッカーサーは最高裁判決当日午後六時の国務長官あて秘密公電の末尾にコメントをつけて、「日本の防衛力の引き続く発展にとっても極めて重要である」とのべた。さらに、判決の翌一七日午後六時の秘密公電では「田中最高裁長官の手腕と政治的資質」を最大限の表現で称賛した。安保条約・米軍駐留「合憲」化による対米貢献を称えたのである。

 米軍駐留を合憲とした最高裁判決は、いまも最高裁判例として生き、下級審を拘束している。最高裁長官とアメリカ大使の密談から生まれたものであっても、それは最高裁判例として国民を支配している。…(引用ここまで

 


北朝鮮の挑発の裏に見えてくるものを意図的に隠す改憲勢力!気づかず手を打たない護憲勢力!両者に大喝!

2013-04-10 | 日記

10日予定されている「攻撃」日は、一段とヒートアップしています。ウンザリですが、仕方ありません。下記のようなニュース流されているからです。しかし、これについても、注意深く見ておく必要があります。「日本が戦争の火をつければ」という「条件」がつけられているのです。

 しかし、「万が一」「不測の事態」を予想して「しっかり」対策を取るとする日本政府やマスコミは、北朝鮮のメッセージは、以下の二つの記事のようにほとんど無視しています!ここが最大のポイントのような気がします。この「条件」を抜きにすれば、北朝鮮はとんでもない政府となります。そのレベルで言えば、愛国者の邪論も、そう思います。

 朝鮮労働党機関紙 日本列島が戦場に  4月10日 11時27分

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130410/k10013807561000.html

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北朝鮮の朝鮮労働党の機関紙は、10日、東京や大阪など日本の5つの都市の名前を挙げたうえで、「日本が戦争の火をつければ、日本列島全体が戦場に変わる」と強く威嚇し、日本に対する挑発の度合いも一段と高めています。朝鮮労働党の機関紙「労働新聞」は、10日、「わが国に対する敵視政策が日本にもたらすのは破滅だけだ」と題する論評を掲載し、この中で、「日本は、わが国の近くに位置し、われわれの報復攻撃の対象から逃れることはできない」と主張しました。そして、論評は「東京、大阪、横浜、名古屋、京都には、全人口の3分の1ほどが暮らしている」と、5つの都市の名前を具体的に挙げたうえで、「これは、日本の戦争持続能力が一撃で消滅する可能性を示す。日本が戦争の火をつければ、日本列島全体が戦場に変わる」と強く威嚇しました。こうした威嚇は、北朝鮮指導部が、日本がアメリカと緊密に連携して北朝鮮に対する制裁を強化していることにいらだちを募らせている表れとみられます。先週には、横須賀、三沢、沖縄と、アメリカ軍基地がある地名を挙げて、ミサイル攻撃も辞さないと強調したほか、8日も、「在日アメリカ軍はわが軍の標的に入っている」と主張するなど、日本に対しても挑発の度合いを一段と高めています。(引用ここまで)

 広島・長崎と「比べられぬ災難被る」…北が威嚇 (2013年4月10日12時44分  読売新聞)

http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20130410-OYT1T00558.htm?from=ylist

 【ソウル=中川孝之】北朝鮮の朝鮮労働党機関紙・労働新聞(電子版)は10日の論説記事で、日本が北朝鮮の挑発抑止で米国と足並みをそろえれば、「日本全土が我々の報復攻撃の対象になることは避けられない」と、核ミサイルでの攻撃をちらつかせて威嚇した。 朝鮮通信(東京)が伝えた。 記事では「(ミサイルによる)中長距離攻撃を重視する現代戦」が起これば、「日本は1940年代の核の惨禍とは比べられない災難を被ることになる」と、広島と長崎の原爆被害にも触れた。地対空誘導弾「PAC3」などで弾道ミサイル発射に備える日本の動きをけん制する狙いとみられる。(引用ここまで)

 しかし、下記のような二つの記事は、ほとんど報道されていません!日本政府とマスコミの情報周知ののチグハグぶりは、責任問題になるのではないでしょうか?

 もう一つ気づきます。平和的関係をつくっていくためには、スポーツ交流を含めた文化交流を緊密にしていくことです。「国際競技で優秀な成績を収めた各国」とは、どこの国々か、判りませんが、北朝鮮が国際社会で認知されるためには、こうした取り組みにヒントがあるように思います。

 14日に国際マラソン大会=危機ムードと対照的-北朝鮮  (2013/04/09-18:29)

http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2013040900795

 【ソウル時事】北朝鮮の朝鮮中央通信は9日、金日成主席の誕生日(15日)に合わせ、平壌で14日に国際マラソン大会が開催されると伝えた。北朝鮮ではその他にも各種競技が行われているとしており、平壌駐在の外交団に退避を促すなど「戦争危機」をあおっている姿とは対照的だ。 同通信は「万景台賞マラソン大会」には、「国際競技で優秀な成績を収めた各国と(北)朝鮮の選手が参加する」としている。このほか、既にサッカー、バスケットボール、卓球など数十種目の競技が平壌市内各地で実施中。各地の工場、企業所、農場、大学などでも、スポーツ競技が行われているという。(引用ここまで)

 もう一つの事実が明らかになりました。下記の記事です。北朝鮮は中国から「毎月約50万トン」程度の石油の輸入で、戦争が可能でしょうか?全く不思議です。北朝鮮の兵器と言えば、「ミサイル」程度、戦車も出てきますが、軍事については門外漢の愛国者の邪論でさえも、90戦車などと比べても、性能は、かなり劣るのではないでしょうか?武器と弾薬を配ったなどとのニュースがありましたが、どのような「武器」か、その性能は?などなど、余りに稚拙なもののような気がします。ましてや北朝鮮の戦闘機はどうでしょうか?ヘリはどうでしょうか?北朝鮮に侵入する米韓軍に対してどのような兵器で対応するのでしょうか?そのための訓練に消費する燃料はどれくらい備蓄されているのでしょうか?

 などなどの分析・情報収集と情報の伝達は、ほとんどと言って良いほど、皆無です。

 だからこそ、「『日本が戦争の火をつければ、日本列島全体が戦場に変わる』と強く威嚇」しているのではないでしょうか?子どもじみていますが、そうした「威嚇」に右往左往して、「しっかり国民の命と安全を守る」などとしている(かのように振舞っている)日本政府とマスコミは、確信犯と言えます。

 それもこれも、事実が証明していくこととでしょう。

 中国から北朝鮮への原油輸出、2月にストップ=税関当局 2013年 03月 21日 17:30 JST

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE92K05520130321

 中国、対北朝鮮輸出が13%減 1~3月、制裁が影響 2013/4/10 13:17

http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM1004Y_Q3A410C1EB1000/

 【北京=島田学】中国税関総署が10日に公表したデータによると、2013年1~3月の北朝鮮への輸出総額は7億2千万ドル(約713億円)となり、前年同期比で13.8%減った。中国は核実験を実施した北朝鮮への経済制裁の一環で、税関検査などを厳しくした。多くの輸出品が中国側で留め置かれているとみられ、北朝鮮経済にも影響を与え始めているようだ。 輸出総額を月別でみると、北朝鮮が核実験を実施した2月以降、2カ月連続で前年同月比でマイナスとなった。毎月約50万トンあった石油輸出も2月はゼロだった。3月はまだ明らかではない。 一方、1~3月の北朝鮮からの輸入は5.9億ドル(約584億円)と前年同期比で2.5%増えた。(引用ここまで)

 

ただ、ここで最後に言っておかなければならないことがあります。それは安倍政権など、改憲勢力の動き・勢いを封じていこう、憲法の平和主義を具体化していこうとしている、いわゆる「護憲」勢力の動きです。政党で言えば、共産党と社民党です。この護憲政党がどのように動くか、今注目されているのではないでしょうか?或いは労働組合や平和団体などの動きです。

 これだけ、これでもか、これでもか、と垂れ流されている「悪質情報」の下で、国民の意識と噛み合った取り組み、或いは自分たちが政権を獲得したときに、今回のような事態になったら、憲法の平和主義に基づいて、こういう動きをするぞ!という動きを国民に具体的に示していくことで、これなら政権を担当させてもいいのかな?となるのではないでしょうか?

 以下のような動きをどのように国際社会に訴えていくか?護憲勢力の真骨頂と言えます。

 北朝鮮に自制促す…核兵器非保有国が共同声明 (2013年4月9日22時40分  読売新聞)

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20130409-OYT1T01233.htm

【ハーグ=塩見尚之】日本、オーストラリアなど核兵器を保有しない10か国による核軍縮・不拡散に関する外相会合が9日、オランダ・ハーグで開かれ、挑発を繰り返す北朝鮮に対し、自制を促す共同声明を採択した。 共同声明は、今年2月の北朝鮮による核実験を、核拡散防止条約(NPT)に対する挑戦であり、地域の安全保障を損なう行為と強く非難した。その上で、北朝鮮に対し、すべての関連する国連安保理決議を順守し、更なる挑発行為は行わないよう求めた。 外相会合には、岸田外相が出席した。(引用ここまで)

 しかし、一方では、次のような動きもあります。昨日安倍・橋下会談が行われましたが、橋下氏は、「憲法改悪問題を参院選の争点にする」と言っていました。96条問題でしょう。昨日の予算委員会の審議でも安倍首相は詭弁で糊塗し意欲を示しましたが、現在の北朝鮮の「威嚇・無法」や尖閣問題を最大限利用して、改憲への道を加速させていくことは明らかです。

 だからこそ、参議院選挙に向けて、平和外交問題として、どのような政策を示していくか、共産党と社民党は、試されていると思います。さもなければ、衆院選と同じことになるでしょう!

 安倍政権、参院選後の憲法改正に意欲 維新の橋下代表が呼応、公明は孤立深める  2013.4.9 23:36

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130409/plc13040923400029-n1.htm

安倍首相、維新・橋下氏と会談…思惑は参院選後 (2013年4月9日22時16分  読売新聞)

http://www.yomiuri.co.jp/election/sangiin/news/20130409-OYT1T01267.htm

「96条改正 参院選の争点に」 自民一変 発言相次ぐ  2013年4月10日 朝刊

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013041002000110.html