残虐非道の「イスラム国」を糾弾し、その責任を問うことは当然だ!
であればこそ、安倍政権・産経の責任を曖昧にすることはできない!
国会で決議が採択されました。この決議の中身がどのように具体化されていくか、今後の課題が大きくなってきたように思います。そこで、二人の日本人を虐殺した「イスラム国」の残虐非道を非難・糾弾すると同時に、そのような事態を救えなかったのは何故か、検証すると同時に、産経や安倍政権の非道さを浮き彫りにしなければなりません。
そのことについては、以下の愛国者の邪論の記事をご覧ください。
残虐非道な「イスラム国」への敵意を煽り、アメリカ主導の有志連合への参加を煽る産経に大喝!2015-02-05 21:17:57 | 中東http://blog.goo.ne.jp/aikokusyanozyaron/e/7e6f2415b26b5ec51cc48741ab001aa7
さて、次は、産経が事件発覚以後どのような『主張』を掲載していたか、検証しておかなければなりません。ここには、「イスラム国」を「挑発」するという点においては、あのエジプトにおいて「挑発的言動」を行った安倍首相と同類であることが、浮き彫りになります。
この「挑発的言動」については、全く意に介さない安倍首相については、言語道断ですが、本人は全く認めていません。恐らく、質問に対して、このままダラダラと同じようなことを答えて、時の過ぎるの待つつもりでしょう。「人のうわさも75日」程度にしか考えていないことでしょう。もしそうだとすれば、二人の日本人に対する冒涜であり、国民に対する背信行為と言わなければなりません。
そこで、「イスラム国」とは、「交渉もしなかった」中で、ただただ安倍政権に関係する「関係各国」「関係者」の『ご尽力』に依存していて、実際には、どのような「あらゆる努力」がなされたのか、ほとんど曖昧なまま、「頑張りました!」という言葉だけが繰り返されていることを踏まえて、二人の日本人を救えなかったのは何故か。そこにはどのような思想が問題となっているのか、21日から26日までの産経の「主張」の中に、その思想があるのかどうか、検証してみます。まず、問題となるであろうと、産経の「言葉」を抜き出してみました。ご覧ください。
邦人人質脅迫/テロに屈してはならない 2015/1/21 6:00
http://www.sankei.com/column/newslist/../../column/news/150121/clm1501210003-n1.html
「身勝手な要求を受け入れるわけにはいかない」「テロに屈しない」「米欧の対イスラム国政策への協力」「国際社会とともにテロとの戦いに貢献していく」「国際的な反テロリズムの戦いと連携する」「国際社会は断固としてテロに屈せず、対応していく必要がある」
「日本政府は「テロに屈せず」を大前提に邦人の解放に向けて全力を挙げてほしい」
「同時に邦人救出に向けたあらゆる努力を尽くすこと」(引用ここまで)
イスラム国「壊滅」/オバマ氏演説の実行望む 2015/1/22 6:00
http://www.sankei.com/column/newslist/../../column/news/150122/clm1501220002-n1.html
「このテロ組織を弱体化させ、最終的に壊滅させる」「米国と同盟国への脅威の排除」に全力をあげると強調した。心強い発言だ」「日本を含む世界全体への脅威である。凶悪なテロ組織を壊滅に追い込むには、米国の強い指導力が欠かせない」「国際社会は非軍事的な手段も含め、いっそう関与を強めるべきだ」(引用ここまで)
日本人人質/無事解放に全力を挙げよ 2015/1/23 6:00
http://www.sankei.com/column/newslist/../../column/news/150123/clm1501230003-n1.html
「2人の即時解放を求める。日本政府は2人を無事に取り戻すため、あらゆる努力を重ねてほしい。イスラム世界の指導者にも協力を仰ぎたい」
「そうした積極的な外交で得た関係性や人脈を、人質解放の一点に集中してほしい」。
「要求されている身代金は2億ドル(約236億円)だが、これを受け入れるわけにはいかない。テロに屈することは、新たなテロを誘発することになる」
「イスラム教指導者に積極的な介入を求めたい。イスラム世界を挙げてこの蛮行を止め、人質救出に力を貸してほしい。日本政府も彼らに協力を求めるべきだ」(引用ここまで)
人質殺害画像/卑劣な蛮行を許さない 対テロで国内外の結束強めよ 2015/1/26 6:00
http://www.sankei.com/column/newslist/../../column/news/150126/clm1501260002-n1.html
「憎むべきは、恐怖と暴力によって相手を屈服させようとするテロリズムである。日本政府はテロと戦う国際社会と連携を深め、後藤さんの救出に全力をあげてほしい」
「テロに屈することなく、国際社会と協力して世界の平和と安定に積極的に貢献する考えに変わりない。過激主義の流れを止めないといけない」
「湯川さんの殺害は虚偽であってほしい。後藤さんを一刻も早く解放してほしい。だが、相手はテロ集団である。良識や慈悲を求める説得、懇願のたぐいは一切、通用しない」
「首相の歴訪や演説が事件を誘発したとの発言が野党陣営などから相次いだ。支援金拠出の中止や、首相の辞任に言及する声まであった。足を引っ張っている場合か」
「国際社会の過激主義との戦いには日本も応分の役目を果たさなくてはならない。テロに対峙(たいじ)するための法を整備する必要もある。イスラム国はあくまでテロ集団である。イスラム世界を含む国際社会との連携を強化し、なんとか救出に結びつけてほしい」 (引用ここまで)
如何でしょうか。二人の人質解放に向けて「あらゆる努力を尽くすこと」と言いながら、「日本政府は『テロに屈せず』を大前提に邦人の解放に向けて全力を挙げてほしい」「要求されている身代金は2億ドル(約236億円)だが、これを受け入れるわけにはいかない。テロに屈することは、新たなテロを誘発することになる」というスタンスは一貫しています。
もう一つは、「凶悪なテロ組織を壊滅に追い込むには、米国の強い指導力が欠かせない」というスタンスです。このスタンスを前提にして、「イスラム教指導者に積極的な介入を求めたい。イスラム世界を挙げてこの蛮行を止め、人質救出に力を貸してほしい」という『お願い」が通用するでしょうか。産経の身勝手が浮き彫りになります。
しかも、上記の抜き出した文章の、「人質解放」と「テロとの戦いに屈しない」という言葉の「量」を比べて観れば、どっちに力点が置かれているか、一目瞭然です。ここに「人質解放」を優先していない、いや「人質解放」などは、想定していないと言われても仕方のない産経の、安倍派の思想が浮き彫りになります。
最後の極め付きは、以下の文章です。
イスラム国/あまりにも卑劣で残忍だ 2015/1/29 6:01
http://www.sankei.com/column/newslist/../../column/news/150129/clm1501290003-n1.html
安倍晋三首相は衆院本会議で「後藤さんの早期解放に全力を尽くす」と語るとともに「わが国は決してテロに屈することはない。今後とも人道支援を積極的に実施していく」と述べた。同胞の生還を望まない日本人はいない。一方で、テロとの戦いを中断することはできない。どれだけ細く困難な道であろうと、この両立に向けて全力を尽くすしかない。 (引用ここまで)
「人質」である「日本人の命と安全を切れ目なく守る」ためには「身代金」は「テロに屈する」ので、「支払わない」。「イスラム世界を含む国際社会」とは言うものの、「イスラム国」と「戦っている」アメリカ「主導」の「有志連合」という「国際社会」との「連携を強化し、なんとか救出に結びつけてほしい」というのは中心ではありません。
以上の「主張」に基づく「情報」を垂れ流すことで「人質救出作戦」より優先している「テロとの戦い」を「テロに屈しない」をキーワードにしながら、安倍政権の中東政策批判を封じていたのです。
このことは、「邦人救出に向けたあらゆる努力を尽くすこと」の内容を公開しないことに、その姑息と、この事件を利用して、何を狙っているか、浮き彫りになります。だからこそ、安倍首相や産経などが、「残虐非道」「卑劣」「言語同断」などという言葉、怒り・感情を煽れば煽るほど、その言葉は、そのまま、安倍派に向けられなければならないと思います。
このことは「残虐非道」な「イスラム国」を許さないという感情と同等の感情であることを強調しておきます。許し難い!と言わなければなりません。二人の尊い命は返ってこないのです。
それでは、問題の多い産経の「主張」を掲載しておきます。ご覧ください。愛国者の邪論の読み方が間違っているか、否か、大いに議論を起こしていただければと思います。さもなければ、安倍派の現代版ナチスの手口を跋扈させることになるということです。
邦人人質脅迫/テロに屈してはならない 2015/1/21 6:00
http://www.sankei.com/column/newslist/../../column/news/150121/clm1501210003-n1.html
極めて卑劣で残忍な犯行である。日本政府は「テロに屈せず」を大前提に邦人の解放に向けて全力を挙げてほしい。
過激派「イスラム国」とみられるグループが、身代金2億ドル(約236億円)を72時間以内に支払わなければ日本人2人を殺害すると警告する映像をインターネット上で公表した。
映像では、拘束された2人がナイフを突きつけられていた。身代金は、中東歴訪中の安倍晋三首相がイスラム国対策に拠出を表明した額と同額である。
イスラム国は、シリアからイラクにかけて実効支配を広げるイスラム教スンニ派過激組織で、過去にも空爆停止要求が入れられなかったなどとして拘束していた米国人フリージャーナリストらを殺害している。日本人を人質にとっての身代金要求は初めてだ。
声明は「日本の首相と国民へ」と題され、「おまえは8500キロも離れていながら、自発的に十字軍に参加した」などとして、米欧の対イスラム国政策への協力を批判している。身勝手な要求を受け入れるわけにはいかない。
エルサレム市内で会見した安倍首相は「人命を盾に脅迫することは許し難い行為で、強い憤りを覚える。日本人に危害を加えないよう、直ちに解放するよう強く要求する」「国際社会は断固としてテロに屈せず、対応していく必要がある」と述べ、2億ドルの拠出は避難民への人道支援であることを強調し、実施する考えを示した。
菅義偉官房長官も「テロに屈することなく、国際社会とともにテロとの戦いに貢献していく」と述べた。この姿勢を支持する。
2004年にイラクのテロ組織が日本人を人質にとった際には、当時の小泉純一郎首相が直ちに「テロには屈しない」との大原則を示した。事件は最悪の結末を招いたが、それでも大原則を曲げるわけにはいかない。無法な要求を受け入れれば、日本が脅迫に屈する国であると周知され、同様の犯罪を招くことにもつながる。
日本が歩むべき道は、国際的な反テロリズムの戦いと連携することである。
同時に邦人救出に向けたあらゆる努力を尽くすことだ。イスラム国の支配地域などへの渡航禁止を最高度の喫緊課題とし、徹底することも忘れてはならない。(引用ここまで)
イスラム国「壊滅」/オバマ氏演説の実行望む 2015/1/22 6:00
http://www.sankei.com/column/newslist/../../column/news/150122/clm1501220002-n1.html
オバマ米大統領は一般教書演説で、過激組織「イスラム国」に対する米国主導の掃討作戦について、「このテロ組織を弱体化させ、最終的に壊滅させる」との強い決意を改めて表明した。
イスラム国は、拘束した日本人2人の殺害を脅迫するという許し難いテロの刃を日本にも突きつけている。
大統領はテロとの戦いで「標的にされた世界の人々と連帯」し、「米国と同盟国への脅威の排除」に全力をあげると強調した。心強い発言だ。
シリアとイラクで勢力を広げるイスラム国は、宗教的な少数派を迫害・虐殺するなど残虐な行為を繰り返し、既存の国境を認めず、支配地域を拡大させてきた。
米国は昨年8月、イラク領内で空爆を開始し、シリアにも拡大した。この戦いには欧州や中東の有志国も加わっている。
大統領は米地上部隊の派遣については重ねて否定したものの、有志国などとの国際連携で掃討作戦を進めてゆく意向を示した。
国際秩序を破壊しようとするイスラム国の行為は、日本を含む世界全体への脅威である。凶悪なテロ組織を壊滅に追い込むには、米国の強い指導力が欠かせない。
大統領は、イスラム国の勢力拡大に「歯止めをかけている」との認識を示し、壊滅には時間がかかるとしながらも「われわれは成功させる」と強調した。
イスラム国はネットを駆使し、テロを正当化する宣伝を行い、外国人戦闘員を勧誘している。各国が結束し、資金や人の流入を遮断する必要がある。国際社会は非軍事的な手段も含め、いっそう関与を強めるべきだ。
大統領は国家やハッカー集団によるサイバー攻撃にも言及し、「政府の情報力を結集し、断固戦う」と表明した。昨年12月、北朝鮮の金正恩第1書記の暗殺計画を描いたコメディー映画を制作したソニーの米子会社がサイバー攻撃を受け、テロ予告で公開がいったん中止に追い込まれている。サイバーテロの脅威は日本にとっても無縁ではなくなっている。大統領は、東シナ海や南シナ海を念頭に、海洋紛争での「ルールに従った行動」を求めた。大統領が掲げた外交上の課題の多くは日本も共有している。同盟国として相応の役割を果たしたい。(引用ここまで)
日本人人質/無事解放に全力を挙げよ 2015/1/23 6:00
http://www.sankei.com/column/newslist/../../column/news/150123/clm1501230003-n1.html
家族や関係者の心労はいかばかりだろう。
過激組織「イスラム国」が日本人2人を殺害すると脅迫し、時間を区切って巨額の身代金を要求している。
卑劣で無法な犯罪である。2人の即時解放を求める。日本政府は2人を無事に取り戻すため、あらゆる努力を重ねてほしい。イスラム世界の指導者にも協力を仰ぎたい。
拘束されているジャーナリストの後藤健二さんは、主に紛争や貧困など厳しい環境にある子供たちの姿を、映像や著作、講演で伝え続けてきた。西アフリカのシエラレオネを舞台に書いた「ダイヤモンドより平和がほしい」(汐文社)は、平成18年の産経児童出版文化賞でフジテレビ賞を受賞した。戦地取材のベテランでもある。
知人の湯川遥菜さんは、昨年8月にイスラム国に拘束されたとされる。以後の長期間、消息は不明だったが、後藤さんは「湯川さんを捜しに行く」と話していたという。2人の姿が確認されたのは、身代金要求の脅迫映像だった。
彼らが傷つけられることはあってはならない。
中東歴訪中だった安倍晋三首相は予定を一部変更して帰国し、陣頭指揮にあたっている。すでに近隣のヨルダン国王、トルコ大統領、エジプト大統領らと電話会談を行い、情報収集や早期解放に向けた協力を取り付けた。特にトルコのエルドアン大統領とは首相就任後、公式に3回、非公式も含めると5回の会談を重ねてきた。そうした積極的な外交で得た関係性や人脈を、人質解放の一点に集中してほしい。
要求されている身代金は2億ドル(約236億円)だが、これを受け入れるわけにはいかない。テロに屈することは、新たなテロを誘発することになる。
2004年にイラクで日本人3人が過激組織に拘束された事件では、イラク・イスラム聖職者協会の仲介もあり、解放された。今回の事件でも、イスラム教指導者に積極的な介入を求めたい。
イスラム国やアルカーイダに代表される過激組織は、本来の平和を愛するイスラム教徒とはかけ離れた存在であるはずだ。だからこそ、イスラム世界を挙げてこの蛮行を止め、人質救出に力を貸してほしい。日本政府も彼らに協力を求めるべきだ。(引用ここまで)
人質殺害画像/卑劣な蛮行を許さない 対テロで国内外の結束強めよ 2015/1/26 6:00
http://www.sankei.com/column/newslist/../../column/news/150126/clm1501260002-n1.html
過激組織「イスラム国」に拘束されていた湯川遥菜さんが殺害されたようにみえる画像がインターネット上に投稿された。日本政府は画像の信憑(しんぴょう)性が高いことを明らかにしている。殺害が事実だろうが、事実でなかろうが、人の命の価値をとことん軽んじる、到底許し難い、卑劣で残虐な蛮行だ。強く抗議するとともに、拘束されているジャーナリスト、後藤健二さんの即時解放を求める。憎むべきは、恐怖と暴力によって相手を屈服させようとするテロリズムである。日本政府はテロと戦う国際社会と連携を深め、後藤さんの救出に全力をあげてほしい。
≪人質交換は容易でない≫
安倍晋三首相は改めて、「テロに屈することなく、国際社会と協力して世界の平和と安定に積極的に貢献する考えに変わりない。過激主義の流れを止めないといけない」と語った。この姿勢を堅持しなくてはならない。
イスラム国は湯川さんと後藤さんを拘束し、日本政府に身代金2億ドル(約236億円)を求めていた。24日深夜にネット上に投稿された画像では後藤さんが、湯川さんが殺害されたようにみえる写真を持たされていた。流れる英語の音声は後藤さん自身のものとみられる。湯川さんが殺害されたと告げるとともに、ヨルダンに収監されているイラク人女性死刑囚「サジダ・リシャウィ」の釈放を求めた。音声は「サジダを釈放すれば私は解放される」「いかに私の命を助けることが簡単なことか」などと伝えていた。これは後藤さんが脅迫され、用意された文章を読まされたと受け取るべきだろう。
女性死刑囚は多数の犠牲者を出した自爆テロの実行犯として死刑判決を受けたテロリストである。その釈放は容易ではない。
ご家族や関係者の悲痛な気持ちや心労は、いかばかりだろう。想像を絶する。湯川さんは昨年8月にイスラム国に拘束されたとされる。半年に及ぶ長い監禁で、どれほど恐ろしい思いをしてきただろう。湯川さんの父親は「本人でなければいいと思うが、非常に残念だ」と述べ、後藤さんについて「息子を心配して命がけで現地入りした。心苦しい」と案じた。後藤さんの母、石堂順子さんは23日、都内で会見して息子の解放を訴え、出国の2週間前に後藤さんの子供が生まれたことを明かしていた。後藤さんの妻は「拘束されている知人を救出するため、何が何でもと飛んでいった」と説明していたのだという。湯川さんの殺害は虚偽であってほしい。後藤さんを一刻も早く解放してほしい。
だが、相手はテロ集団である。良識や慈悲を求める説得、懇願のたぐいは一切、通用しない。
≪日本の役割も問われる≫
当初、イスラム国側から要求された2億ドルの身代金は、安倍首相が中東歴訪の際に、イスラム国対策に拠出を表明した額と同額だった。このことからか、首相の歴訪や演説が事件を誘発したとの発言が野党陣営などから相次いだ。支援金拠出の中止や、首相の辞任に言及する声まであった。足を引っ張っている場合か。
一方で、米国のオバマ大統領は「後藤さんの即時解放を改めて要求する」とした上で「日本との結束」を強調し、日本の中東地域における「平和と経済開発への関与」を称賛した。英国のキャメロン首相は「困難な局面にある日本国民と結束し、日本政府にできる限りの支援を続ける」と声明を発表した。豪州のアボット首相も「人質の家族や日本国民の心痛は想像もできない」とする声明を出した。近隣のヨルダンやトルコも、日本政府に協力している。
イスラム国は、過去にも空爆停止の要求が入れられなかったなどとして、米国や英国のジャーナリストらを殺害した。フランスでは、イスラム教預言者を登場させた風刺画を掲載した週刊紙が過激組織のメンバーに銃撃された。
国際社会の過激主義との戦いには日本も応分の役目を果たさなくてはならない。テロに対峙(たいじ)するための法を整備する必要もある。イスラム国はあくまでテロ集団である。イスラム世界を含む国際社会との連携を強化し、なんとか救出に結びつけてほしい。(引用ここまで)
イスラム国/あまりにも卑劣で残忍だ 2015/1/29 6:01
http://www.sankei.com/column/newslist/../../column/news/150129/clm1501290003-n1.html
これほど卑劣で残忍な犯行があるか。強い憤りとともに、過激組織「イスラム国」の蛮行を強く非難する。
イスラム国に拘束されているジャーナリスト、後藤健二さんとみられる新たな画像がネット上に公開された。後藤さんらしき英語による音声は、「私が生きるために残された時間は24時間しかない」と告げ、ヨルダンで収監中の死刑囚との交換を求めている。手錠がはめられた両手には、イスラム国に捕らわれているヨルダン軍パイロットの写真があった。音声は「パイロットに残された時間はもっと少ない」とも述べ、「ボールは今、ヨルダン側のコートにある」と訴えた。
後藤さんは脅され、用意された文書を読まされているのだろう。生命の時間に期限をつける脅迫がどれだけ家族や関係者に恐怖を与えるか。その文書を本人に読ませる残虐さはどうだ。
死刑囚の交換を「難しくない」とうそぶかせ、日本政府にはヨルダンに政治的圧力をかけるよう求めた。それが容易ではなく、極めて困難であることを熟知の上で、力の誇示、宣伝のために言わせているのだろう。
死刑囚は2005年にアンマンで60人以上が死亡した連続ホテル爆破テロに関与したイラク人の女で、釈放にはヨルダン国内に強い反対の世論があった。
現地からは死刑囚の釈放に向けたさまざまな動きも伝えられるが、予断は許さない。ヨルダン政府は相当に苦渋の決断を迫られたはずである。日本政府が強制できるようなことでもない。
前回の画像で音声は日本政府の対応を批判し、これに呼応する形で国内野党などから同様の批判が相次いだ。味をしめたテロ集団が今度は良好な関係にある日本とヨルダンの離反を図ったようにもみえる。策謀に乗る愚を繰り返してはならない。
安倍晋三首相は衆院本会議で「後藤さんの早期解放に全力を尽くす」と語るとともに「わが国は決してテロに屈することはない。今後とも人道支援を積極的に実施していく」と述べた。同胞の生還を望まない日本人はいない。一方で、テロとの戦いを中断することはできない。どれだけ細く困難な道であろうと、この両立に向けて全力を尽くすしかない。(引用ここまで)