コスタリカ保健省によると、5月9日時点で感染者は780人、死者は6人。隣国パナマの感染者が8000人以上、死者が200人以上となっているのとは対照的だ。

地元メディアなどによると、政府は既に2月から対策を練り、国内初の感染が確認された3月6日の直後に大規模イベントの禁止やテレワークの推奨などを発表。同16日には緊急事態を宣言、国境を閉鎖して観光客の流入を防ぎ、学校の休校などの措置を取った。

外出自粛要請を市民は守り、商店や海岸、娯楽施設などへの出足は8割以上減少した。サラス保健相は感染拡大抑止について「直面する挑戦を国民が理解し、非常に前向きな対応を取ったおかげだ」と話した。

同国は社会保障が充実しており、国民の90%以上が医療保険に加入。保険未加入者への感染検査も実施してきた。

コスタリカ大のルイス・ビジャロボス元医学部長は、英BBC放送(スペイン語版)に「われわれの最良のワクチンは、規律正しく教育のある国民と強固な保健制度だ。軍に投資せず、保健や年金、教育に多くを費やしてきたことが非常に重要だった」と語った。(共同)