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愛国者の邪論

日々の生活のなかで、アレ?と思うことを書いていきます。おじさんも居ても立っても居られんと小さき声を今あげんとす

安倍自公政権への対立軸をハッキリさせろ論に応えるためには暫定国民連合政権構想の提唱こそ!その5

2013-06-30 | 安倍内閣打倒と共産党

つづき

共産党が暫定政権構想提唱すべき理由は、共産党自身の文書の中にあります。以下検証してみました。 

1.共産党の安倍内閣認識について

共産党は、安倍内閣を、「暴走と破たん」「ほころびと破たん」「土台が腐り切っている」「どれも古い自民党政治そのもの」「古い自民党政治が、耐用年数をすぎ、賞味期限が切れ、土台から腐っている」「支配勢力の側の政治的退廃」と評価しています。 

しかも、そのような「安倍政権の『ウソとゴマカシ』が本格的にはがれおちるならば、小泉政権の後に起こった『激動』をはるかにこえる、政治のよりいっそうの大きな激動は避けられない」と述べています。 

だからこそ、今回の参議院選挙を「亡国の政治か、日本の未来に責任を負う政治かが、問われています」と位置づけています。 

しかし、こうした評価と位置づけでたたかう参議院選挙ですが、安倍内閣を倒して新しい政権をつくる、しかも、新しい政権は、どんなことをやるのか、などということは一言も言っていないのです。 

これは、共産党自身の分析と評価からみても、以下の参議院選挙政策は大いなる自己矛盾としか言いようがありません。 

「安倍政権の各分野での暴走に対して、国民のなかに不安感、危機感が広がりつつあるなかで、わが党が『自共対決』というキッパリとした政治的対決姿勢を貫いたことが、都民から評価され、躍進につながった。これは参院選に生かすべき重要な教訓であります」と述べいるにもかかわらず、です。 

目の前の国民が、「耐用年数がすぎ」「情味期限が切れ」ている「土台から腐りきった」「古い自民党」政権の「暴走」に苦しめられているのにもかかわらず、いや、だからこそ、小泉構造改革によって苦しめられたからこそ、政治に改革・変革を求めて、自民党政権にレッドカードを突きつけ、民主党に交替させたのではなかったのでしょうか? 

2.安倍自公政権にレッドカードを突きつけない共産党

その「民主党が、国民への数々の裏切りをした結果、いまではすっかり廃れ」「『第三極』作戦も、その担い手たちが、自民党の補完勢力であることが明らかになり、廃れつつあり」と分析し、「これらの根底には、古い自民党政治の深刻な行きづまりがあ」るとしながらも、それでも、古い自民党を捨てないで、冷蔵庫に温存したまま、料理に使おう、賞味期限の切れたものを冷蔵庫に残したまま、或いは店頭に並べたまま、買っていただこうとしているのです。これでは、共産党も古い賞味期限の切れた自民党と同じ「既成政党」として忌避されてしまうのではないでしょうか? 

これでは国民にとっては「信用できない」「共感できない」感が沸いてくのではないでしょうか?それが棄権という「消極的抵抗戦術」となって、総選挙と都議選に出たのではないでしょうか?

革命政党としては、こうした国民の消極的抵抗をどのようにすれば、積極抵抗に発展転嫁できるか、そこに力を注いでいくべきではないでしょうか?そのためには、国民の苦悩と苦しみに寄り添った政策、政党と言えかどうか、その真価が問われているのではないでしょうか? 

事実、今日のTBSのサンデーモーニングの「風をよむ」では「政党不信の声」オンパレードでした。マスコミの手法があることは当然ですが、それにしても、そのほうな政党不信の中に共産党の入っているのです。共産党の存在が浮き彫りにならないイデオロギー装置と共産党の対応があるのです。しかし、都議選の「躍進」効果でしょうか?ただ一人、共産党に投票した人の声がありました。「共産党支持ではないけれど、共産党しかないからだ」と。 

このような国民のイデオロギー状況、政治不信と諦念を如何にして変革するか、ネズミを捕らないネコ、動物園のライオンかトラではなく、政党として政権を奪還するという姿勢を国民に明らかにしていくために、何が必要か、ではないでしょうか? 

3.国民と乖離した共産党の選挙政策の自己矛盾

以下、共産党の自己矛盾政策を点検してみます。共産党は、安倍内閣打倒するのではなく、温存したまま、共産党の5人プラス選挙区における当選で、「安倍政権の暴走に立ち向かい、『国民が主人公』の新しい政治を」つくるとして、 

「財界中心」「アメリカいいなり」「歴史逆行」――自民党政治の三つのゆがみにメスを入れてこそ、国民のみなさんが願う方向に政治が変わります。この立場と力をもった政党は、日本共産党をおいてほかにありません。まさに「自共対決」こそ、参院選の真の対決軸です。日本共産党は、安倍政権の危険な暴走と真正面から対決し、以下の五つの大争点での改革の提言を、国民のみなさんに訴えて、この選挙戦をたたかいます。 

と述べています。これこそが、目の前のネズミ(自民党政権)を捕らないネコ(共産党)として診られてしまう、最大の要因、判りにくい政策、対立軸のハッキリしない政策と評価され、宣伝・扇動されてしまうのではないでしゅうか?藤原帰一氏に提案型政党と評価されてしまう根拠が、ここにあるのではないでしょうか? 

具体的には、極めて曖昧な政策が並べられているのです。

1、アベノミクスの暴走を許さず、消費税増税を中止し、国民の所得を増やす本格的な景気回復の道を

(1)暮らしと景気をこわし、財政も悪化させる消費税増税の中止を

(2)賃上げと、安定した雇用、中小企業支援のルールをつくります

(3)社会保障の大規模な削減路線と対決し、現役世代も、高齢者も安心できる制度に再生・拡充します

(4)大震災からの復興を最優先課題に――生活と生業の再建に必要な公的支援を

2、原発の再稼働と輸出を中止し、「即時ゼロ」の決断を――再生可能エネルギーに大胆に転換する

3、「アメリカいいなり」をやめ、国民の利益を守る外交に――基地も安保もない日本をめざし、自主外交でアジアと世界の平和に貢献する

(1)TPP交渉参加を撤回し、日本農業の再生と食料主権、経済主権の確立を

(2)沖縄県民の総意を踏みにじる米軍基地押しつけに反対し、基地のない平和な沖縄、基地のない日本をめざします

(3)日米安保条約を廃棄し、対等・平等・友好の日米関係を築きます

4、安倍政権の改憲への暴走と対決し、憲法を守り、生かす政治を

(1)“憲法を憲法でなくしてしまう”96条改憲をやめさせ、立憲主義を守ります

(2)憲法9条を守る――日本を「海外で戦争する国」にする改憲策動を許さず、9条を生かした平和の外交をすすめる国に

(3)日本国憲法の全条項を守り、民主的・平和的条項の全面実施を

5、侵略戦争、植民地支配を肯定・美化する、歴史の改ざんと歴史への逆行を許さない

引用ここまで 

これは、政権公約ではありません。「野党」として「方向目標」「努力目標」です。5人の当選+αで、「賃上げと、安定した雇用、中小企業支援のルールをつくります」「日米安保条約を廃棄し、対等・平等・友好の日米関係を築きます」としていますが、どのようにルールをつくるのか、つくらせるのか、どのように「対等・平等・友好の日米関係を築」くのか、です。これが明らかにされていません。全ての政策が、この視点で書かれているのです。 

これは、「こういう方向に変えていきますよ」ということだけです。しかし、しかし、です。そもそも、この程度の当選で、安倍政権を温存したままで、どこまで国民の要求が実現できるか、具体的には示されていません。確かに共産党の「躍進」効果は、この間の経験を踏まえると、あるかもしれません。 

5人の当選+αによって実現できる、あるいは実現しようとしている政策・要求が、実は次元の違うものであるにもかかわらず、これらが同一の次元のレベルで並べられているのです。これでは国民意識と要望との乖離は歴然です。 

しかし、政権公約・マニフェスト選挙を体験した国民が求めているのは、こういうことでしょうか?違います!情勢と局面は、明らかに発展しているのです。従来と同じような選挙政策を掲げていることに矛盾を感じないとすれば、これは保守と言われても仕方ありません。 

4.国民の運動・エネルギー、国民の気持ちと乖離する共産党

共産党は、言葉では「国民との共同」を強調しています。しかし、選挙にあたっては、その「国民と共同」は想定外です。いや情勢がそこまで熟していないという解釈をしているのです。それは間違っています。 

第7回中央委員会総会の決議「国民との共同で政治を動かす党――党躍進で新しい統一戦線をつくる第一歩を 無党派と日本共産党との共同――日本を変える新しい統一戦線をつくりあげよう」の中で以下のように述べています。

http://www.jcp.or.jp/web_jcp/html/25th-7chuso/20130508-houkoku.html

(1)日本共産党が、国民との共同で政治を動かす政党であるということです。わが党は、社会発展の一歩一歩を、すべて国民多数の合意を得てすすむ――多数者革命の立場をとっています。多数者を統一戦線に結集して社会進歩の道を拓くということが、わが党の現在から将来にわたっての方針であります。

(2)この点で強調しておきたいのは、日本共産党が統一戦線の基本を、「政党の組み合わせ」からではなく、日本社会が求める民主的改革の目標から出発するということを、一貫して堅持してきたということです。

(3)この確固たる姿勢があったからこそ、1980年の「社公合意」と社会党の右転落という事態のもとでも、今日の全国革新懇と革新懇運動に示されるような、広範な無党派の人々と日本共産党との共同という新しい統一戦線運動を切り拓いてくることができたのであります。

(4)この間の情勢の展開のもとで、無党派の人々と日本共産党との共同の流れが、各分野で画期的な広がりを見せています。原発ゼロ、TPP、米軍基地、消費税、憲法などで、一致点にもとづく共同――「一点共闘」が広がり、私たちとこれまでまったく接触のなかった無党派の人々、保守の人々をふくめた共同が、さまざまな分野で広がっています。それぞれの「一点共闘」を一致点を大切にして発展させながら、日本を変える新しい統一戦線をつくりあげていくために、大いに力をつくそうではありませんか。(引用ここまで 

ま、運動論的にはそんなには間違っていないと思います。不満はありますが、それは別項で記事にします。 

それよりも、「原発ゼロ、TPP、米軍基地、消費税、憲法などで、一致点にもとづく共同――「一点共闘」が広がり、私たちとこれまでまったく接触のなかった無党派の人々、保守の人々をふくめた共同が、さまざまな分野で広がって」きたエネルギーが、先の総選挙において、さらには都議選において、どのように具体化されたか、共産党自身の努力・取組の評価はありません。 

第6回中央委員会総会の決議を見れば明徴です。以下総括の部分の項目をあげておきます。

http://www.jcp.or.jp/web_jcp/html/25th-6chuso/20130209-houkoku.html

総選挙の日本共産党の結果について

(1)選挙結果と総括の基本的立場――2中総決定にもとづく自己検討

➀総選挙の日本共産党の結果について

➁2中総決定にてらし、参院選勝利に必要不可欠な教訓を明らかにする

(2)政策・宣伝活動について――積極的成果と今後の課題

➀政策論戦の基本は、2中総の教訓を踏まえ、積極的な意義をもつもの

➁模索する有権者の気持ちにかみあった訴えへと、さらに改善の努力をはかる

(3)党の自力の問題――「国民に溶け込み結びつく力」について

➀「国民に溶け込み結びつく力」を強調したのはなぜか

➁この力が小さいし、弱まっている面も――選挙戦の実態はどうだったか

(4)どうやって党の力の根源を強めるか――三つの角度からすぐれた経験に学ぶ

第1=一人ひとりの党員の結びつきを、どうやって党の結びつきに発展させるか

第2=有権者の動向の変化にそくして、どうやって新しい結びつきを広げるか

第3=「国民に溶け込み結びつく」ことと一体に、党勢拡大の独自の努力をはかる

(5)選挙活動にかんするいくつかの問題について

➀「すべての小選挙区で候補者擁立をめざす」という方針にもとづく活動について

➁いかにして国政選挙、とりわけ比例代表選挙を「自らの選挙」としてたたかうか(引用ここまで 

ここで強調されているのは、自民がダメだったから、民主に託したが、その民主が裏切りダメだった。しかし、一貫して「自共対決」論を掲げていた共産党の出番ではなく「政権の枠組み」論というに有権者の支持がくるのではなく、第三極に取られてしまったこと、棄権にまわってしまったことの分析と反省がありません。あるのは、以下の分析です。「暫定政権構想」論は全くの想定外です。 

…進路を模索し迷っている有権者の気持ちにかみあって、また、支配勢力が氾濫させている思想攻撃ともかみあって、日本共産党の改革ビジョンを伝えるという点では、党中央がおこなった政策・宣伝活動には、さらに改善が求められる課題があります…たとえば「財界 中心の政治のゆがみをただす」…「アメリカいいなり政治のゆがみをただす」という場合…(引用ここまで 

「進路を模索し迷っている」というのは、「政権の在り方」であることは明らかです。どのような政権を求めているかという「有権者の気持ち」は「野党としての共産党」ではなく、「政権党としての共産党」の「政策」についての、疑問や期待であることは明らかです。しかし、この総括を読むと、「政権構想」論は、全くの想定外です。従って、今の共産党では、本当の意味で「有権者の気持ち」とかみあうこと、思想攻撃とかみあうことは、できないでしょう。この視点は、この段階においても同じです。 

それは何故でしょうか? 

5.国民の運動・エネルギーに確信持てない共産党の統一戦線論

第7回中央委員会総会には、言葉としては、統一戦線に向けて、運動論の段階では、以下のように述べてはいます。

わが党は、国会内でのたたかいで、限定的であれ一致点が生まれたときには政党間の共同を追求し、現実政治を動かすために奮闘しています。国民運動のなかでも、一致点が生まれた場合に、共同の門戸を広く開き、誠実に力をつくす立場でたたかってきました。(引用はここまで 

しかし、選挙戦になると、この「一致点」論は、政党間に狭められ、「共産党の躍進をかち」とらなければ、「政党間の力関係を変え、共同の可能性と条件を広げていく」ことはできないという段階論に陥ってしまうのです。この根底には、国民のたたかいによって、局面は大きく変わり得るという多くの経験に依拠できない、共産党の致命的弱点が浮き彫りになってくるのです。 

しかも、「共産党が、高い政治的、理論的な力量と、国民所階層を深く結びついた強大な組織力をもって発展」し、国政選挙で躍進し」なければ、できないと、言っているのです。傲慢と言われても仕方ありません。何故ならば、先に引用した第6回中央委員会総会の決議をみれば、この共産党の「強大な組織力」の「発展」は、極めて困難な状況に陥っているからです。 

しかも、今回の選挙を「参議院選挙で日本共産党の躍進をかちとり、日本を変える新しい統一戦線をつくる第一歩を踏み出す選挙にしていこうではありませんか」と位置づけているのです。「有権者の気持ち」と「乖離」していることは明瞭です。 

…同時に、国政選挙での政党間の協力のためには、国政の基本問題での政策的一致と共同の意思が不可欠となります。参議院選挙で、沖縄選挙区で革新共同の候補者を擁立したことは重要ですが、全国的には選挙協力の条件は存在していません。一致点にもとづく「一点共闘」を新しい統一戦線に発展させていくうえでも、政党間の力関係を変え共同の可能性と条件を広げていくうえでも、日本共産党が、高い政治的、理論的な力量と、国民諸階層と広く深く結びついた強大な組織力をもって発展し、国政選挙で躍進し、国政における比重と影響力を高めることが、決定的に重要であります。 参議院選挙で日本共産党の躍進をかちとり、日本を変える新しい統一戦線をつくる第一歩を踏み出す選挙にしていこうではありませんか。(引用ここまで 

そもそも「議席を後退させた最大の原因が党の自力の問題にある」とするような政党に期待できるでしょうか?自己分析ができるのは謙虚だという声もあるかもしれません。

しかし、このような「自力」に問題のある政党に要求の実現を期待することは、神頼み以下の行為と言わなければなりません。ご利益のない神様に参拝などしないのと同じように、また実績のない予備校に受験生が集まらないのと同じように、自力のない、実績のない政党に国民が期待を寄せることは厳しいでしょう。 

国民が政党に求めているのは、どこの政党がどのような理念を持っているかというよりも、むしろ当面の現世利益を求めているのです。このことは、支配勢力の氾濫させている思想攻撃によって右往左往している有権者の投票行動を見れば明瞭です。 

そのような視点でみると、共産党の段階論では、政権交代を体験した国民の支持と共感を得ることは大変厳しいと言わざるを得ません。 

6.共産党の綱領では、政党間の問題以上に国民との共同を重視している

共産党の主張する「国政選挙での政党間の協力のためには、国政の基本問題での政策的一致と共同の意思が不可欠」論は、自ら作成した綱領からみても間違っていると思います。

http://www.jcp.or.jp/web_jcp/html/Koryo/

民主連合政府、あるいは、その政府の前の政府において、「政党間」の政策・組織協定を唯一絶対のものとして、位置づけていません。基本は、あくまで、「独立・民主主義・平和・生活向上を求めるすべての人々」「主要点のすべてではないが、いくつかの目標では一致し、その一致点」さしあたって一致できる目標の範囲」で「統一戦線を形成し、統一戦線の政府をつくるために力をつくす」とあります。 

では、現段階において、「さしあたって一致できる目標の範囲」とは何か、です。 

それについては、ながくなりましたので、次回にします。 

以下綱領を掲載しておきます。 

(1)民主主義的な変革は、労働者、勤労市民、農漁民、中小企業家、知識人、女性、青年、学生など、独立、民主主義、平和、生活向上を求めるすべての人びとを結集した統一戦線によって、実現される。

(2)統一戦線は、反動的党派とたたかいながら、民主的党派、各分野の諸団体、民主的な人びととの共同と団結をかためることによってつくりあげられ、成長・発展する。

(3)当面のさしせまった任務にもとづく共同と団結は、世界観や歴史観、宗教的信条の違いをこえて、推進されなければならない。

(4)統一戦線の発展の過程では、民主的改革の内容の主要点のすべてではないが、いくつかの目標では一致し、その一致点にもとづく統一戦線の条件が生まれるという場合も起こりうる。

(5)党は、その場合でも、その共同が国民の利益にこたえ、現在の反動支配を打破してゆくのに役立つかぎり、さしあたって一致できる目標の範囲で統一戦線を形成し、統一戦線の政府をつくるために力をつくす。

(6)日本共産党と統一戦線の勢力が、積極的に国会の議席を占め、国会外の運動と結びついてたたかうことは、国民の要求の実現にとっても、また変革の事業の前進にとっても、重要である。

(7)国民多数の支持を得て、国会で安定した過半数を占めるならば、統一戦線の政府・民主連合政府をつくることができる。

(8)全国各地で革新・民主の自治体を確立することは、その地方・地域の住民の要求実現の柱となると同時に、国政における民主的革新的な流れを前進させるうえでも、重要な力となる。

(9)民主連合政府の樹立は、国民多数の支持にもとづき、独占資本主義と対米従属の体制を代表する支配勢力の妨害や抵抗を打ち破るたたかいを通じて達成できる。

(10)民主連合政府は、労働者、勤労市民、農漁民、中小企業家、知識人、女性、青年、学生など国民諸階層・諸団体の民主連合に基盤をおき、日本の真の独立の回復と民主主義的変革を実行することによって、日本の新しい進路を開く任務をもった政権である。(引用ここまで) 


「自共対決に勝つ」は共産党の単独政権はムリだが共産党も入った国民連合政権樹立ではないのか!その4

2013-06-30 | 日記

昨日の赤旗に以下の記事が掲載されました。

対話でもメディアも「自共対決の構図」打って出れば大きな変化 2013年6月29日(土)

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-06-29/2013062901_01_0.html

しかし、共産党が、メディアの「自共対決の構図」の「期待」、というよりか、この記事に出てくる国民の反応の奥底にある共産党への「期待」がどんなものか、本当に判っているのか、大変疑問です。それは、赤旗で掲載されていた各紙の社説、また、それ以外のいくつかの社説を読むと、違和感があるからです。以下、そのポイントです。 

1.愛国者の邪論としては、「争点なし」論を吹聴したマスコミが、、各党の政策を具体的に比較して有権者に判るように、マスコミのいう「対立軸」をハッキリさせなかった責任を棚上げして、「偉そうなことを言うな!」と、協調しておきたいと思います。

2.しかし、同時に、このマスコミの「対立軸」論が、政権交代可能な「二大政党政治」論の枠内から述べていると考えると、その「政権交代」論の枠内に基づいてみる共産党の政策の曖昧さ、すなわち「政権構想」論を掲げていないことを、そのことをマスコミが指摘しているのではないか、と考えることもできるのです。 

3.自民党がダメだから民主党に「政権交代」を「期待」し、実現させた国民の「熱さ」が、参院選の前哨戦としてたたかわれた都議選にあたって、自民党に足らない部分があるにもかかわらず、広範な「非自民」の受け皿になれず、さらに有権者の関心を高めることができず、さらに、さらに大切な一票を託す気持ちになれず、有権者が棄権したのは、「野党」が「代わり得る選択肢」「対立軸」を示し切れなかったという指摘が何を語っているか、です。共産党が「受け皿になった」と言っているにもかかわらず、です。 

4.確かに、「これに対して」「共産党に反自民票が流れた」「一定の受け皿」となったというのは事実かもしれません。しかし、低投票率下における「躍進」選挙してしまったことの意味は、「民主主義革命」をめざす「革命政党」しての共産党からすると、誤解を怖れず、敢えて言えば、問題アリと言えます。その理由は、共産党が「多数者革命」論を掲げ、選挙を位置づけたたかっているからです。 

5.「自共対決」を打ち出してたたかい「受け皿」となったとされる都議選でしたが、共産党が獲得した都民の支持は、昨年総選挙時より13万2千は増やしたものの、前回都議選より9万減らしているのです。逆に自民党は、前回都議選より17万5千、昨年総選挙より7千増やしているのです。昨年の総選挙のレベルで言えば、共産党の方が増やしていることは事実ですが、「自共対決」論の結果として、総選挙より増えたのかどうか、再検討が必要です。その理由は、それまでの「自共対決」論とどこが違っているのか、解明されていないからです。 

6.そのことに関連して言えば、民主党は、都議選では総選挙より2万7千増やし、前回都議選より160万減らしているのです。自民党政権に対して「政権選択」「政権交代」を支持した、この160万が「自共対決」を掲げた共産党の「受け皿」に十分というか、ならなかったことの意味を共産党はどのように考えているか、です。余りに単純化していないでしょうか? 

7.そもそも「自共対決」論で言えば、この対立構図は、「70年代は自共対決の時代になる」と言った川島正次郎氏以来のものです。ある意味において、「今さら」のものではありません。72年の総選挙で獲得した550万票に対して、田中首相が「たいしたことはない」と言ったことに対して、福田赳夫氏は「共産党の躍進で重大な時局になった」から「共産党シフト」をとっていくと「評価」したこともあるように長い歴史があります。このことは宮本顕治「党躍進の意義と政治革新の課題」(「赤旗」73年1月1日付)でも強調されています。 

8.問題は、40年来「自共対決」論を掲げているにもかかわらず、09年に民主党にお株を奪われてしまったことを、マスコミのキャンペーンがあることは当然のこととして、「自共対決」論を自認する共産党自身の側の問題としてどう考えるか、です。しかも自民党に対決する綱領を掲げながら共産党が、政権を獲得できていないことをどのように意味づけるかです。 

9.勿論、共産党の「階級闘争の弁証法」論があることも承知のうえです。その「階級闘争の弁証」論を認めるとして、それなら、その対応策としての「自共対決」論をどのように弁証法的に発展させてきたか、ということが問われなければなりません。このことは、何も「階級闘争の弁証法」を持ち出すまでもなく、スポーツの世界の話を持ち出して言えることです。相手のチームより強いチームをつくろうとすれば何をしなければならないのか、ということです。 

二つの事例を出しておきます。

一つは、ヤンキースの黒田投手の深化論です。二つ目は、負けても悔しがらない東大野球部を指導した桑田氏の理論と実践です。 

9.そこで、以下のように、96年以降の共産党の獲得票の推移を診ていただければ、「自共対決」論が貫徹していないことが判ります。しかも民主党が政権を奪取した理由と奪還された理由を考えると、今共産党が掲げている政策では、国民のこころを民主党が捉えて政権を奪取したように捉えることはできないのではないか、という「推論」です。

(単位万人)

 

96

98

00

01

09

12

共産党

728.8

819.5

671.9

432.9

494.3

368.9

自民党

1820.5

1412.8

1694.3

2111.4

1881.0

1662.4

新進党

1558.0

民主党

894.9

1220.9

1506.7

899.0

2984.4

962.8

社民党

354.7

437.0

560.3

362.8

300.6

142.0

さきがけ

58.2

78.4

自由連合

45.3

51.4

66.0

78.0

新社会党

96.3

92.5

 

37.7

民政連

1.8

公明党

774.8

776.2

818.7

805.4

711.6

自由党

520.7

658.9

422.7

二院クラブ

57.9

66.9

青年自由党

24.7

 

女性党

69.0

46.9

維新政党

5.6

5.9

スポーツ平和

47.7

未来

342.3

日維新

1226.2

みんな

300.5

524.5

大地

34.6

国民新党

121.9

7.0

改革

 

13.4

新党日本

52.8

保守党

24.7

127.5

無所属会

15.1

15.7

自由と希望

 

47.4

諸派

9.9

95.8

21.6

合計

5556.9

5613.7

5984.4

5474.1

7037.0

6017.9

 

10.ここに登場しては消えていった各政党の実態をみると、国民の中に「自共対決」論が定着することを防いでいる,妨害しているのではないかという「推論」も成り立ちませんか?ま、これは民主主義の視点からすると、多用な意見と主張が表れることは大切なことですから、大変重要なことと思います。民主主義は多様性の排除ではなく、多様性の統一、多様性の尊重ですから。 

11.もう一つは、これだけ多党化がすすめられ、「自共対決」をボカサレていることが明らかなのに、共産党が有効な対策を講じていないことです。共産党の存在を薄めている日米軍事同盟深化派と財界擁護派、戦争責任曖昧派、大東亜戦争正当化派の手法、とりわけマスコミを使って垂れ流している手法は一貫しています。であるならば、それに対して有効な手立てを講じて対応できるはず、いやしなければならないです。しかし、できてはいません!ここに最大の問題はあるように思います。 

12.さらに言えば、多党化現象のなかにあって、マスコミの宣伝・扇動力があることは当然ですが、民主党が政権を取れたのは何故か、です。国民の「期待度」の強さの意味です。このことを「自共対決」論をとる共産党に当てはめて考えてみると、どうでしょうか?「自共対決」論より「自民対決」論に傾斜していったことの意味です。それが、今、どうなっているか、です。 

13.「自民対決」論に基づく「対立軸」論から「自共対決」論に基づく「対立軸」論を掲げなければ、共産党への国民の「期待度」はホンモノにはならないだろうということです。何故ならば、共産党は、参議院選挙政策のなかで、以下のようの述べ、国民の「期待度」を高めていくと言う点で致命的な問題を自ら明らかにしてしまっているのです。 

安倍政権の暴走に立ち向かい、「国民が主人公」の新しい政治を

――参院選で問われる大争点と日本共産党の改革提言 2013年6月6日 日本共産党

http://www.jcp.or.jp/web_policy/2013/06/2013saninseisaku.html

…ほころびと破たんが起きるのはなぜでしょうか。それは古い自民党政治が、耐用年数をすぎ、賞味期限が切れ、土台から腐っているからです。「二大政党」とか「第三極」と言っても、中身が古い自民党政治と同じでは、行きづまった日本の政治を変えることはできないことは、すでに明らかになりました。「財界中心」「アメリカいいなり」「歴史逆行」――自民党政治の三つのゆがみにメスを入れてこそ、国民のみなさんが願う方向に政治が変わります。この立場と力をもった政党は、日本共産党をおいてほかにありません。まさに「自共対決」こそ、参院選の真の対決軸です。(引用ここまで) 

と述べながらも、以下のように述べているに過ぎません。これは致命的な自己矛盾です。 

日本共産党は、社会発展のすべての段階を国民多数の合意を得てすすむ――「多数者革命」の立場を一貫して堅持しています。私たちは、政党の組み合わせから出発するのではなく、諸課題での一致点にもとづく幅広い共同を何よりも大切にしています。 国民の共同を広げていくうえでも、政党間の共同の可能性と条件を広げていくうえでも、日本共産党が国政において比重と影響力を強めることが決定的に重要です。日本共産党の躍進で、日本を変える新しい統一戦線をつくる第一歩を踏み出しましょう。……きたるべき参院選では、こんな亡国の政治を続けるのか、それとも日本の未来に責任を負う政治に転換するのかという、政治の根本が問われています。日本共産党は、どんな問題でも、国民の立場に立って、責任ある立場を堂々と語り、その立場で政治を動かしています。すべての政党、団体、個人と一致点での共同を広げ、たたかいを発展させるために力をつくしています。日本共産党の躍進は、「財界中心」「アメリカいいなり」「歴史逆行」という三つのゆがみをただす決定的な力となり、「国民が主人公」の新しい日本に向けた大きな一歩となるでしょう。(引用ここまで) 

「耐用年数をすぎ、賞味期限が切れ、土台から腐っている」自民党政権を、今直ぐどうするのか、ということよりも、「共産党の躍進」は、日本を変える新しい統一戦線をつくる第一歩、財界中心、アメリカいいなり、歴史逆行をただし、国民主人公の新しい日本に向けた大きな一歩と位置づけ、参議院選挙をたたかおうとしているのです。 

参議院選挙は、「亡国の政治を続けるのか、それとも日本の未来に責任を負う政治に転換するのかという、政治の根本が問われている」としているのです。重大なスリカエがあります。それは「日本の未来」という言葉です。国民は求めているのは、「未来」ではありません。「今でしょ!」 

今、国民が何を求めているか!でしょう!偽りの「自民対決」論に基づく「対立軸」論への「期待度」「熱さ」のエネルギーを「自共対決」論にもとづく「対立軸」論に発展転嫁していくことではないでしょうか?しかし、共産党は、この自己矛盾に気づいていないのです。 

参議院選挙必勝・全国決起集会 志位委員長の報告 2013年6月28日(金)

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-06-28/2013062805_01_0.html

…参議院選挙は、「比例を軸」に、5人の比例候補の全員当選を全党の力を総結集してやりぬくことを揺るがずに堅持してたたかいます。同時に、都議選の結果も受けて、どの選挙区でも「自共対決」を正面から押し出して、勝利にむけて堂々と力をつくします。とりわけ、現実に議席を争いうる状況がうまれているいくつかの選挙区では、比例代表の躍進の大波をつくりだしつつ、選挙区でも積極的に議席獲得をかちとるために力をそそぎます(引用ここまで) 

「5人当選と、いくつかの選挙区では、比例代表の躍進の大波をつくりだしつつ、選挙区でも積極的に議席獲得をかちとる」ことが、「耐用年数をすぎ、賞味期限が切れ、土台から腐っている」安倍自公政権の「亡国政治」を止めさせることのなると言っているのです。確かに、共産党の言い分からすれば、そういう側面があるかもしれません。しかし、国民が求めているのは、違うでしょう!今、生活を何とかしてほしい!ということでしょう! 

ながくなりましたので、オワリます。つづく 

それでは、共産党が引用している記事、愛国者の邪論が注目した記事を掲載しておきます。 

【参院選2013 京都】自共対決再び 議席奪還目指す 2013.6.27 02:06 [《参院選2013》攻防ライン

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130627/elc13062702140001-n1.htm

しかし、10年、共産が最後に議席を獲得した参院選で西山が獲得した37万8千票を最後に得票は減少。二大政党制を目指す流れの中で埋没し、「確かな野党」を標榜(ひょうぼう)したものの、その座は民主に取って代わられた。維新など第三極の動きが目立った昨年末の衆院選では、比例票で13万8千票を獲得するのがやっとだった。 党勢に陰りがみられたともいえる10年間だが、京都市議会では依然として自民に次ぐ第2党であり続けるように京都では根強い支持者が多い。加えて、二大政党の1つ民主が政権運営に失敗。維新に代表される第三極も自民と明確な対立軸が見いだせない中、「議席奪還に向け今回ほど面白い条件になっているときはない」と倉林は意気込む。(引用ここまで) 

西日本 都議選自公圧勝/野党は対立軸明確に示せ 2013/6/25 12:00
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/syasetu/article/22380

…自公両党の圧勝は安倍政権の経済運営への一定の評価と期待感の表れである。参院選で衆参ねじれの解消を目指す与党にとって追い風となるのは間違いない。… ただ、投票率は43・50%と過去2番目の低さだった。さまざまな原因があるだろうが、民主党など野党が対立軸を明確に示して広範な「非自民」の受け皿になり得なかったため、有権者の関心を高めることができなかったのではないか。… かつて民主党などを支持した無党派層が行き場を失ったとも考えられる。… これに対し共産党は議席を大幅に伸ばした。反アベノミクスや原発ゼロなどを真正面から掲げて、存在感を示した。都議選で不振だった野党は選挙結果を謙虚に受け止め、公約や政策課題を再点検して参院選に臨んでもらいたい。引用ここまで) 

都議選の教訓 政権批判の受け皿必要(6月25日)

http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/475625.html

…特に野党は「巨大与党」との対立軸を示して政権批判票の受け皿とならなければ道は開けないと覚悟すべきだ。…与党に足らざる部分が目立つにもかかわらず、野党は代わり得る選択肢を示し切れなかった。  民主党は政権を担当した3年間の負の遺産があまりに大きい。都議選で菅直人元首相の地元の候補が敗れたのは、有権者に民主党政権への失望の記憶がなお強いことの表れだ。 消費税増税やTPPでは自民党と方向性が同じだ。憲法問題で党内の足並みはそろわず、脱原発や社会保障制度改革の主張も力強さがなかった。これでは有権者も大切な一票を託す気持ちにはなれないだろう。反アベノミクス、脱原発、改憲反対を明確に訴えた共産党や、消費税増税凍結を掲げたみんなの党に反自民票が流れたのは当然と言える。(引用ここまで) 

岩手日報 都議選で自民圧勝 「無関心」と闘う気概を 2013/6/25 10:05

http://www.iwate-np.co.jp/ronsetu/y2013/m06/r0625.htm

昨年の都知事選で史上最多の434万票を得た猪瀬直樹知事に対し、都議会が共産党を除きオール与党化する中で、同党が批判票を吸い上げた格好だ。…それにつけても、投票率の低さは目を覆うばかり。…理由のいかんを問わず、投票の権利を放棄した有権者の意思を政治の現場で忖度する必要はあるまいが、それでも低投票率下での勝利を「圧勝」とみることには違和感が否めない。今回、自民党の得票率は36%と前回より約10ポイントも上昇したが、投票率を勘案すれば、都内全有権者の16%程度が自民票を投じたにすぎない。… 現下の政情から、自民党は先週決定した参院選公約で、経済政策を前面に押し出し、憲法改正を含む保守色は抑制気味。世論の動向をにらみ、懸案の争点化は極力避ける。(引用ここまで) 

中國 都議選で自公圧勝/野党は巻き返せるのか 2013/6/25 10:00
http://www.chugoku-np.co.jp/Syasetu/Sh201306250081.html

この土日の共同通信社の世論調査でも、与党の参院過半数を望む声が56%を占めている。このままの情勢ならば「ねじれ国会」は解消しそうだ。ただ有権者の政治離れは依然として深刻だ…

少なからぬ無党派層が棄権に回ったのは、どの党も頼りにならないとの失望感からに違いない。そんな状況にあっても一定の受け皿となったのが、共産党とみんなの党だといえる。共産は改憲反対などを明確に掲げ、17議席と倍以上に伸ばした。 ただ総じていえば、高支持率が続く安倍政権を野党側が脅かすまでには程遠いのも確かだ。都議選も踏まえ、各党はあらためて有権者に選択肢をしっかり示してもらいたい。公約は先週出そろったが、全体として物足りなさは否めない。とりわけ自民は肝心なところであいまいさが残る。アベノミクスの成長戦略などを高らかに掲げる一方、消費税増税については公約での言及を避けた。痛みを伴う社会保障改革にも、正面から踏み込んでいない。 野党も単なる政権批判では幅広い支持は得られないと分かったことだろう。日本の将来をどう考えるのか、もっと明確な対立軸を打ち出す必要がある。(引用ここまで) 

京都 東京都議選/「非自民」選択肢乏しく 2013/6/25 10:05
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/20130625_4.html

 自公は参院選への弾みと受け止めるが、投票率は低く、絶対的支持と考えるのは早計だ。何より「非自民」の選択肢を示せず、低投票率を招いた民主などの責任は重い。…都議選はこれまで、その後の国政選挙に直結し、2001年参院選の「小泉ブーム」や09年の民主の政権交代を「予告」してきた。…共同通信の世論調査をみると、安倍内閣の支持率は下落傾向にある。発足当初から市場の評価と連動してきたことを考えれば「第3の矢」と位置づける成長戦略を発表しても乱高下が続く株価の動向次第では不安要素も大きい。それでも自民に圧勝を許したのは、ひとえに民主のふがいなさゆえだ。民主は安倍政権の経済政策「アベノミクス」について「中小企業の業況に改善は見られない」と批判した。だが、有権者はそれ以上に強い不信感を民主政権下の経済政策に抱いていると言っていい。…「自民にこのままやらせていいのか」と疑問を持つ人の受け皿となったのが共産だ。反消費増税、反原発再稼働、反改憲を掲げ、明確な「反自民」の軸を提示した。1990年代の選挙制度改革が目指した政権交代可能な「二大政党」の姿はもはやない。自民優位の政治状況では対立軸がいかに重要であるかを都議選は物語っている。…もはや「熱さ」を持って政治を見つめられない有権者の姿が都議選から透ける。野党が対立軸を明確にしなければ、失望の再生産に歯止めをかけることはできない。引用ここまで) 

熱血!与良政談:今再び、野党とは何か=与良正男 毎日新聞 2013年06月26日 16時22分

http://mainichi.jp/opinion/news/20130626k0000e070222000c.html

インタビューで「これからは自共対決になるかもしれない」と語ったのは時の自民党幹事長、加藤紘一氏だ。政権交代可能な2大政党を目指すとなると交代のたびに外交や内政がガラガラと変わってはいけないから、どうしても政策は似通ってくる。でも日本人は白黒はっきりの対決を好むので、論旨が明確な共産党が最も野党らしいと見なされる、というのが加藤氏の話だった。共産党委員長だった不破哲三氏は細川政権の瓦解(がかい)に触れて「非自民の旗印を掲げた人たちは、大枠は変えず二つ自民党を作るのが目的だった」と語り、次々にできる新党を「風頼み」と批判して「できてから構想、政策を考える。作ってから、その中の最大公約数を得ようとしたって答えが出ようもない」と言った。 今また同じ状況になっているという気はない。でも再び、野党とは何かを真剣に考えないといけない局面に舞い戻ったのは確かだろう。ちなみに98年はその後、金融危機もあいまって7月の参院選では自民党が惨敗。民主党が伸びて後の政権交代の足がかりを作った。だが、その政権交代が大きな失望を招く結果に終わっただけに、「野党」をめぐる状況は当時以上に深刻である。(引用ここまで)