今年も終わります。個人的には様々なことを経験しました。とりわけ昨年12月23日にブログ「愛国者の邪論」を開設し、爾来記事を書き続けてきました。たくさんの方々のご訪問をいただき、またコメントもいただきました。感謝申し上げます。
一年間、2011年12月23日~2012年12月22日の365日間でみますと、記事数315件、トータル閲覧数94,574 訪問者数41,949でした。
来年も宜しくお願い申し上げます。
さて、年末の総選挙で歴史が反動したかのように思われました。しかし、議席の上では、マスコミも煽っている「圧勝」「大勝」ですが、「永田ムラ」の外では、歴史の胎動が着々と次の時代を準備しているのではないかと思います。
それは平安時代、道長・頼通の時代(伊周と道長の政争の結果道長に内覧の宣旨が下った995~1072年頼通出家・74年没)の時代、平安京の外では、百姓らが中央から派遣された国司の非法を訴え首にしている事件、平忠常の乱(1028~31年)、前九年の役(1051~62年)が起こるなど、次代の息吹(武士の時代)が、天皇や貴族たちの力に依存しながら芽を大きくさせるために活発に動いていました。そうした時代の動きを「末法時代」としてひたすら浄土教にすがっていたのが、平安貴族たちでした。
もう一つは、室町時代、足利氏や守護大名がまだまだ「中心」であった時代の応仁の乱(1467~1477年)より前に、新しい時代を象徴する正長の土一揆(1428年)が起こっていました。その二年前に近江坂本の馬借一揆が起こっていました。これらの一揆の中心に農村などの生産物を運ぶ馬借・車借たちの情報伝達が大きな威力を発揮します。その生産地には惣村のリーダー(土民)たちがいました。彼らは「掟」をつくり、「一味神水」「一味同心」して自らの利益を守ろうとしていました。柳生の里にある「疱瘡地蔵」に銘記された文字は民衆の勝利宣言として日本の民主主義、自治の歴史の金字塔でしょう。
ちょうどこの頃琉球では「万国津梁」の鐘(1458年)が製造されていました。
以上のような日本の輝かしい歴史を踏まえると、1990年代から今日までの歴史は、後世の史家によってどのように書かれるのでしょうか?という問題意識で、今年を考えてみたという訳です。
それは戦後最低の投票率でも政権交代が起こったこと、自民党の獲得票と議席の乖離が見られ、選挙制度の問題が一票の格差と民主主義との関連でようやく取り立たされるようになったこと、選挙公約と政治の乖離が厳しく指弾されはじめてきたことがあります。
ところで、この件に関して、以下のブログを見て驚きました。これは、今回の選挙の正当性からみて、一票の格差問題、小選挙区制の問題と合わせて問題としていかなければならないでしょう。
【投票時間繰上げ】 全国1万6千ヶ所で 自・公が得するイカサマ選挙の匂い2012年12月17日 01:47
http://tanakaryusaku.jp/2012/12/0005874
以上のようなことが論じられるようになってきたのは、東日本大震災で被害にあった人々の悲痛な叫び・訴えがあったように思います。多くのアジア・欧米人を殺害し、日本人も犠牲になった、あのアジア太平洋戦争の責任問題が曖昧なまま、喉下過ぎれば熱さ忘れるという諺のとおり、原発安全神話にどっぷり浸り、日米安保の安全保障神話に浸かり、日本の危機が叫ばれているという点において言うならば、虚構の繁栄を謳歌してきた日本を日本国憲法の原点に戻れとの警告であったように思います。
選挙後の安倍自公政権の諸事実をみると、そうした悲痛な叫び声・訴え・警告を無視した政治が行われようとしています。これは歴史の流れを見誤ったものと言わねばなりません。
しかも、安倍自公政権の経済政策によって株価が値上がりしたという嘘八百が暴露されたことにみるように、今後偽りの政権交代劇の台本ノデタラメさが浮き彫りになってくるででしょう。
株高の仕掛け人は海外投機筋「アベノミクス」の虚構2012年12月28日(金)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2012-12-28/2012122801_02_1.html
このことに関連して、1000兆円もの「赤字」と言われている「税金」が、どこへ消えたか、誰のところに血税が集中的に集められたか、また非正規労働を余儀なくされ、ワーキングプアーに落とされ、生活保護者が史上最高を記録する一方で、富裕層の資産はドンドン膨らんできている経済大国ニッポンの矛盾は、今後劇的な形でアウフヘーベンされなければなりません。この矛盾を運動によって、選挙によって、劇的に変革していくことが求められています。このことが、現実的課題であることは、この間の日本の歴史を観れば明瞭です。
原発再稼動にしても、米軍基地にしても、TPPにしても、強靭化法案にしても、増税と社会保障削減にしても、誰にとっての利益となり、不利益となるか、そのことがいっそう問われてくることは間違いありません。
そのためにも、中国・北朝鮮脅威論にもとづく「軍事抑止力」論を横行させることで憲法の平和的抑止力論を軽視し否定する偽りの日米安保繁栄論や国家の基盤である国民生活を破壊しても平気でいる大企業繁栄の景気回復論などのデマゴギーを吐くイデオロギーを一つ一つ解きほぐして、苛められている国民が団結し連帯すること、中国や北朝鮮国民などとの友好と連帯を育む取り組みを強化していく必要があるように思います。
来年も、こうした視点で、学んでいきたいと思います。宜しくお願いします。
新しき時代(とき)の来たるを願ひつつ民の団結信じてキィーを