あいあいのひとりごと

ローマ在住あいあいの暇つぶし日記。

ヨーロッパの文化の日 第2日目

2008-09-30 02:30:43 | ローマの休日
この日の午後ダニィはサッカーの試合観戦があるので、午前中に旧アッピア街道の聖セバスティアーノ教会のカタコンベ(地下墓地)を見に行きました。並びにある有名な聖カリストのカタコンベは何度も見たことがあったのですが、この教会のカタコンベは私が行くときはいつも閉まっていて、4度目の挑戦でした。12時に閉まるということで、10時過ぎに家を出た私たちはちょっと急がなければなりませんでした。

日曜日の旧アッピア街道は車が通行禁止になるため、ダニィは別の通りに車を駐車。そこから歩いて向かったのですが、歩くこと2Km。旧アッピア街道は緑も多く、昔の趣きを残すとても興味深い通りで、ゆっくり歩けば気持のいい散歩道でもあるのに、時間のない私たちは競歩状態。写真だって撮りたかったのに・・・。到着してわかったのは、私たちは間違えて遠回りをしたという事実。


聖セバスティアーノ教会。中ではミサが行われていたので撮影はできず。木の彫刻で埋め尽くされた天井が素晴らしかった。

聖セバスティアーノ(聖セバスチャン)は、よく絵画などで木に縛り付けられた半裸の体に多くの矢がささった殉教のシーンで有名ですね。ミラノ出身の彼は皇帝の親衛隊の長でしたが、キリスト教を信仰していることを皇帝に知られ、このような処刑を受けるのですが、ここでは奇跡的にも死にません。聖イレーネがまだ息のある彼を見つけ、自分の下で介抱します。そのときに目の見えない少女の視力を戻すという奇跡を起こします。迫害する皇帝の前にも立ち向かい、結局は殴り殺されてしまうのですが。


教会内にある聖セバスティアーノ像。ここに聖人の聖遺物が納められています。
聖セバスティアーノは兵士・競技者・黒死病の守護聖人として人気がありました。
芸術作品ではいつも美しい若者として表されるようです。そのためか、美術や小説の作品の中で、ゲイの象徴として表される例もあるようですね。(例えば三島由紀夫)

オタクっぽいですが、実は私、聖人伝に結構興味があるんです。

さて、カタコンベの入り口。


私たちはぎりぎり最後のグループに入れてもらえました。カタコンベは地下の迷路のようなところに入っていくので、ガイドなしには普通入ることができません。
私たちはフランス人らしきガイドさん。ネイティブのイタリア語よりわかりやすい。

残念ながら中は完全に写真撮影禁止。蟻の巣のような迷路状態の中を歩きます。壁には以前は墓石で蓋をされていた墓穴が一面に開いています。
よく迫害されていたキリスト教信者がカタコンベに隠れてお祈りを捧げていたという話しがありますが、それは本当ではないという説明がありました。地下にあるカタコンベには長く居られるだけの十分な酸素がなかったとのことです。
墓石に刻まれた文字や絵などの説明はなかなか興味深かったですね。

ローマにはこのようなカタコンベはたくさんあるのですが、この聖セバスティアーノのカタコンベの見所は、かなり完璧な形で残っている、当時は地上に建てられたお金持ちのお墓です。壁に描かれた壁画や、天井などの装飾が素晴らしい。教会は当時の墓地の上に建てられたので、埋められたままになっていた墓地がそのままきれいに残って発見されたのです。
このような墓地はバチカン市国の地下遺跡でも見ることができますが、こちらの方は訪問許可をもらう手続きが必要です。(かなり見る価値ありですので、だめもとでバチカンに問い合わせてみることおすすめです。)