たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

『ロミオ&ジュリエット』_1月19日

2017年01月19日 22時51分30秒 | ミュージカル・舞台・映画
 昼の部13時30分開演を観劇してきました。アフタートークショー付き。平日に赤坂なんていう大都会、帰宅時はラッシュに遭遇で疲れましたが、日常を忘れて美しものにふれる時間がないともたないのでね、必要です、こういう時間。いろいろとありますが、想い出すままに断片的に。

Wキャスト
ロミオ:古川雄大
ジュリエット:生田絵梨花
ベンヴォ―リオ:馬場徹
マーキューシオ:小野賢章
ティボルト:広瀬友祐
死:大貫勇輔

シングルキャスト
 キャピレット夫人:香寿たつき
 乳母:シルビア・グラブ
 ロレンス神父:坂元健児
 モンタギュー卿:阿部裕
 モンタギュー夫人:秋園美緒
 パリス:川久保拓司
 ヴェローナ大公:岸祐二
 キャピレット卿:岡幸二郎  

 幕開けは、死のダンサー大貫勇輔さんのダンスと街が空爆によって瓦礫と化していく映像。愚かな人間同士による悪戯(いたずら)な争いは、哀しみしか生まないという作品からのメッセージなのか。絶望からの幕開け。ロック調の音楽にのって、ダンスで表現していく場面の連続。『1789バスティーユの恋人たち』や『エリザベート』でトートダンサーだった方が何人もいらして身体能力の高いダンスの達人ばかり。ダンスシーンみるだけでも価値はあるなあと思えるぐらいでした。

 携帯電話とメールを登場させる演出なので現代という設定なのでしょうが、キャピレット家とモンタギュー家が何百年も争い続けている理由は全く出てこないあたりは抽象的で、シェイクスピアの作品はいつの時代にも自由自在に演出を変えて演じることができる普遍性をもっているんだとあらためて思いました。

 古川さんロミオに死の影が忍び寄るように、大貫さんが古川さんにぴったり寄り添って踊り古川さんを持ち上げて回す場面が二度ほどあったのですが、大貫さんは軽々と持ち上げているようにみえ、持ち上げられる古川さんはほとんど体重を感じさせないように持ち上げられているようにみえてどちらもすごいなと思いました。古川さん細いとはいえ、背があるのでそれなりに体重はあると思うのですごいです。大貫さんのダンスの表現力、全編を通して素晴らしかったです。

 古川さんロミオ、長い脚と小さい顔に衣装とブーツがお似合い。長い髪を後ろで留めているのが可愛くてよく似合っていたと思います。最初から死の影があるような、たよりなーい、ほそーい、儚い感じのロミオでした。3年ぶりだそうですが実年齢的にはロミオを演じるにはぎりぎりかな。ミュージカル初の生田絵梨花さんとミュージカルでキャリアを重ねてきた古川さんとのバランスがどうかなーという感じもなきにしもあらずな感じでした。ジュリエットをみつめるまなざしはいとしげではかなげで優しかったです。ティボルトにマキューシオを殺されてしまったのに逆上してとっさにティボルトを刺してしまい、後悔にうずくまって小さくなる場面や、ジュリエットが仮死状態だと知らずにジュリエットが横たわるそばで、この世になにも未練などないと言って毒薬を飲み干す場面の美しさなどルドルフを思い起こしました。ほんとにもうなんにも望まない、ただジュリエットのそばにいたいだけという想いがよくでていたと思います。あと亡骸になったあとの、いのちの鼓動を全く感じさせない亡骸っぷりもすごくよかったです。美しく儚く、若い二人を追いつめてしまった大人たちの愚かさをより深く感じさせます。古川さんの、倒れたマキューシオとか相手の顔を手で包むような仕草、独特ですね。

 キャピレット夫人のタータン(香寿タツキさん)、ほんの二週間ぐらい前ルドルフを歌で演じていたのが嘘のよう。歌は上手だし、甥であるティボルトとなさぬ仲になっていて、ジュリエットは夫の娘ではないという衝撃の告白。色気のある役のタータンははじめてみたと思います。愛のない結婚をした苦悩がよく出ていたかな。モンタギュー夫人の秋園美緒さんとの歌対決は、歌うま同士で聴きごたえ十分。さすがでございました。秋園さん出番は少ないですが息子ロミオへの愛をよく表現されていました。

 広瀬祐介さんのティボルト、色っぽかったです。愚かで切ない役どころ。

 ベンヴォ―リオの馬場徹さん、立ち位置がなかなかに難しい役どころだと思いますが歌もうまいし、柔軟性のある感じでよかったと思います。清史郎君の劇団の先輩ね。

 若者たちのエネルギーが爆発する「世界の王」がテーマ曲かな。絶望的な内容の作品に明るさを吹き込む曲。あと二回聴くことができます。古川さんほんとに歌が上手くなりました。まだ歌がおぼつかない感じの時のはかなさと細さもそれはそれでよかったですけどね。

 また書くと思いますが走り書きで綴ってみました。明日はまた出勤。大変なのでね、ちょっとのんびりした時間はこれで終わりです。アフタートークショーのことはまた後日、書ければ書くかな・・・。







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