たんぽぽの心の旅のアルバム

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給食時の黙食は学級閉鎖数や学級閉鎖率を減少させる効果が非常に小さく、統計的に有意ではなかった

2023年09月30日 16時28分33秒 | 気になるニュースあれこれ

RIETI - 学校給食時の黙食がCOVID-19の感染に与える影響

「独立行政法人経済産業研究所

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は21世紀で最も致命的な感染症のひとつであり、本稿執筆時点で全世界の死者数は約700万人に上る。有効なワクチンが開発されるまで、ソーシャルディスタンスやマスクの着用、移動の制限などが主な感染対策であった。我が国では、2020年2月から5月にかけて小・中・高校が一斉休校し、その後感染対策として、給食時の会話を控えること(「黙食」)が推奨された。その後、2022年11月に新型コロナ感染症対策本部「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」から黙食の推奨が削除されるまで、給食時の黙食が実施された。

このように2年半以上にわたり、学校において黙食が実施されてきたが、黙食によるCOVID-19の感染リスクの低減効果は検証されていない。一方で、黙食は子どもたちのウェルビーイングや学力に悪影響を及ぼす可能性があると懸念されている。本研究の目的は、黙食がCOVID-19の発生リスクに与える影響を検証し、黙食の効果に関する学術的エビデンスを提供することである。2022年11月に日本政府は、学校給食時に黙食を求めないことを決定し、それに伴い、一部の公立学校において黙食の見直しが行われた。この黙食見直しを自然実験として活用し、本研究では黙食が公立学校の学級閉鎖に与える影響を検証した。

分析対象は千葉県の公立小中学校であり、分析対象期間を2022年11月1日から2023年2月28日とした。この間、2022年11月29日に文部科学省が必要な措置を講じた上で給食時に黙食を求めないことを全国の教育委員会に通知し、2022年12月22日には千葉県が「教育的な配慮の観点から、黙食の見直しを行うことが適切である」とし、黙食の見直しを各市町村教育委員会に依頼している。使用するデータは(1)2023年1月中旬に千葉県教育委員会が実施した黙食の実施状況に関する調査データと、(2)県教育委員会が記録している各校の日ごとの学級閉鎖のデータである。(1)のデータから、県下の11市町の45校が黙食を見直したことが分かった。本研究ではこの45校およびこの45校の全学級を対照群とし、同じ11市町で黙食を継続した157校およびこの157校の全学級を介入群として分析を行った。

給食時の黙食は学級閉鎖数や学級閉鎖率を減少させる効果が非常に小さく、統計的に有意ではなかった。これらの結果は、黙食の要件を解除しても学級閉鎖のリスクは増加しないことを示している。既存の実証研究は黙食が子どものスキル形成に副作用を及ぼす可能性が指摘されていることから、政府はパンデミックのダイナミックな性質を考慮し、感染対策と子どものウェルビーイングや発達のバランスを取り、政策に柔軟性を持たせるべきことが示唆される。」

 

2022年12月22日千葉日報、

【速報】給食時の黙食など原則撤廃 千葉県、ガイドライン改定 熊谷知事「過度な制限、合理的でない」 | 千葉日報オンライン (chibanippo.co.jp)

「新型コロナ対策として教育現場で続く過度な行動制限について、千葉県の熊谷俊人知事は22日の定例記者会見で、県の「学校における感染対策ガイドライン」を同日付けで改定し、給食時の黙食見直しや卒業式など学校行事の入場制限を原則撤廃すると表明した。県教委が同日、県立学校や市町村教委に通知し、適用する。

 改定を受け熊谷知事は「社会全般で行動制限の緩和が進められる中で、子どもだけが過度な制限を課せられるのは合理的でない。学校だけが取り残されないよう今後も適宜、見直す」と述べた。

 学校行事での児童生徒や保護者の入場制限を巡っては、冨塚昌子教育長が先の12月定例県議会の代表質問で「社会一般の取扱を踏まえ、原則制限を行わない」と答弁。ガイドラインを改定し、事実上コロナ前と同様にする方針を示していた。」

 

 子どもたちの心身の成長への影響を考えた千葉県知事の判断は間違っていなかったことを示す検証結果。3年近くも子どもたちに過剰なカンセンタイサクを強いてきたことによるリスクが表面化してくるのはこれからです。ほとんど何の役にも立たなかったどころか社会を破壊し日本の衰退を前倒しさせたコロナ分科会、彼らが打ち出した対策について検証が求められます。過剰な対策によって人生が狂ってしまった人数知れず、最大の犠牲者は子どもたち。コロナだから仕方なかったですまされていいはずがありません。

 


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