たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

花組『A Fairy Tale』『シャルム』_東京宝塚劇場千穐楽LV

2019年11月25日 22時00分55秒 | 宝塚
 東京は昨日極寒で雨だったのかな。今朝もまだ雨が残っていたのが、明日海りおさんが楽屋入りする時になって奇跡的に晴れてきたとのこと。10月13日(日)、大型台風通過のため千穐楽前日の公演が昼夜共に中止になった現実を受け入れて退団していった星組生のことを、前楽のサヨナラショー中止を受け入れて退団していった紅ゆずるさんのことを思いながら東京宝塚劇場千穐楽ライブビューイングを拝見。公演中止もなく一人の休演者もなく無事に千穐楽の幕がおりたこと、心からおめでとうございます。そしてみりおさん、17年間お疲れ様でした。わたしが観劇したのは『金色の砂漠』のライブビューイングからでしたが、ひとときの幸せな時間をたくさんいただきました。ありがとうございました。

「花組二十七代目トップスター明日海りお、本日任務を終えます」。無事に責任をまっとうした清々しさに満ち溢れた笑顔はやわらかく、ほがらかでした。紅さんの退団挨拶を思い出していました。言葉はちがえと、宝塚のとりこになった時から宝塚が好きで好きでたまらず入団から17年間、この舞台に立つことに全てをかけてきた、この舞台が人生の全てだった、一度きりの人生の中で心がふるえるほど好きなものに出会えた自分は幸せもの、明日からタカラジェンヌでなくなることを自分でどうしていいかわからない、と一途に宝塚を愛し続けまっとうした清らかさは同じなのだと思いました。伝統を受け継ぎ、紡ぎ、次世代へとバトンを渡していくべく、神様から選ばれた方。どんどん痩せていく姿が心配でした。「どうして退団発表してしまったんだろう、退団発表しなければよかった、このままずっと男役をやっていたい」「心身共に消えてなくなってしまうんじゃないかと思ったこともあったけれど、こうして元気にここに立つことができている」「この舞台に立つことができてほんとうに幸せだった」。かなり意訳していますがこんな言葉があったかな。下級生のころは、台詞が言えな過ぎて大量にあった台詞を大きくカットされたり、ひっそりと目立たないように過ごしていたこともあったとか。全身全霊、命がけで舞台に立ち続けた日々だったと思います。「明日からは偽タカラジェンヌなので街でみかけたらお気軽に声かけてください」に客席がびっくり。悲鳴があがっていましたかね。「エッ?なんで、もちろん」とゆるふわモード。最後に緞帳があがったとき、「緞帳が上がる前組長さんから何してもいいっていわれたんですけど、どうしよう、こういうときおもしろいことが言える人に卒業したらなりたい、男役にしかできないことってなんだろう」で客席から投げキッスの声があがり、「受け取れよ」といって投げキッス。サヨナラショーの最後、「エターナル・ガーデン」をうたった時の衣装が、真っ白に紫色の小さいお花があしらわれていて、バックにひらひら?がついているのは男役ならでは。『Beautiful Garden』の大階段で歌い上げたときを思い出しました。「花組が次に全員で皆さんにお会いできるのは来年、退団者はいつになるかわかりません。ですので・・・皆さん良いお年を!」と年越しの挨拶が出てくるのもみりおさんらしすぎました。『ハンナのお花屋さん』の千穐楽ライブビューイングを思い出しました。次のお仕事、たぶん決まっているのかな。すぐにはないと思いますが、ほどなくして情報解禁されるような気がします。でも男役としては今日が最後でした。息継ぎしているの?とびっくりするほど息つく間もなく次々と主演舞台のテーマ曲をうたいあげていった姿と喉の強さは圧巻。あの歌声を生で聴くことはもうないのかな。『エリザベート』に出演しているからガラコンサートなど機会はあるかな。男役さんだったジェンヌさんたち、もうないと思っていた男役をOG公演でなんどもされているので再会できる日もあると思います。宝塚フォーエバー、さゆみさん、フォーエバー。「退団してからも清く、正しく、美しく生きていきます」は、突然退団してなんともみっともない姿をネットにさらしている花組OGへの、みりおさんなりの戒めにもきこえました。YouTubeに出ているのだから当然ご存知と推察。自分トップスターの時に退団していって尊敬できる上級生はいなかったとか言われたら哀しいですよね・・・。

 作品としては実は大劇場、大劇場千穐楽ライブビューイングに次いで三回目にしてようやく納得できました。みりおさんが最後に納得の、やりきった感にあふれた笑顔をみせてくれたことで納得。『A Fairy Tale』は部分部分悪くないですが、ストーリィとしてはかなりちぐはぐ、2年前当初は『ハンナのお花屋さん』ではなくこのプロットを舞台化しようとしていたのを舞台装置などの事情で見送った経緯があるとSNSでみかけました。植田景子先生の作品、大劇場にのせるにはきびしいかなというのが正直な感想でした。忘却の粉をシャーロットにふりかえることができなかった罪によって白い薔薇の精だったエリュが青色に染まっていき青い薔薇の精になるという過程を衣装の変化により表していること、ようやくわかりました。舞台装置も衣装もすごく綺麗、歌は悪くない、ただ心理的葛藤がうすくて男役明日海りおの集大成としてはもったいなかったかな。乙羽映美さん演じる謎の女性は結局女王の使いだったの?庭の再生を依頼したのは女王?シャーロットが依頼したわけではない?シャーロットが男性の名前で本を出さないと誰も読んでくれなかったはリアルでせまってきましたけどね。

『シャルム』はようやく楽しめました。花組生がみりおさんの退団公演ということに押されすぎて内側向きすぎていて客席には花組らしい熱量が伝わってこないと感じていました。大千穐楽にしてようやく、パリの地底を舞台にしているショーだということも納得。華優希ちゃんがほとんど歌っていないし踊っていない印象でしたがそんなことはなかったです。みりおさんが「華優希ちゃんが無事にお披露目を果たした」と最後にしっかり紹介していました。今日雨が上がったのは、みりおさんの晴れ男パワー、フルフルちゃんの魔法、そして昨日組長がつくってくれたテルテル坊主のおかげだったとか。晴れやかな千穐楽になってほんとうによかったです。 

 退団者の紹介映像が流れたとき、キキちゃんと鳳月さんのことを思うと少し複雑な気持ちにはなりました。みりおさんの花組を支えた立役者。会いたくなりました。もうすぐ会えます。

「happines~♪」最後は笑顔がこぼれて大千穐楽もひっくりかえった? 「わたしが成し遂げられなかったhappinesを受け継いで成し遂げてくれると思います」。涙がでそうになった場面は何度もあったと思いますがそのたびにこらえていて涙がこぼれることはありませんでした。

 星組のさゆみさん、花組のさゆみさん、それぞれの個性があふれる退団挨拶とカーテンコールでした。また会える日を楽しみにしています。お二人でトーク&ライブとかないですかね、ないかな・・・。

 
 
写真は9月19日の宝塚大劇場。











 明日の朝自転車で駅に向かう頃雨?二日連続の電話当番からは放免となりました。カウントダウンは始まっています。いやなことは明日の朝まで考えない、考えない。今夜はこの清らかな気持ちのまま過ごしませう。

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